広報誌『CIL豊中通信』Vol.42

2013年秋号


も く じ




印刷版の表紙
1. 特集:同志の事業所へ、お邪魔しま!!
2. CIL豊中 2013年度通常総会報告
3. 『見たい!聞きたい!精神障害者支援の現場』
4. 『親には親の、子には子の言い分! 当事者よ、どう生きていく?』
5. 『障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律』が成立
6. 入部香代子さんが永眠されました
7. かんた〜んクッキングコーナー
8. “つながるサロン”
広報誌編集部
事務局
事務局
事務局
事務局
事務局
事務局
どんぐり
みなさんからの、投稿コーナー
9. 短歌
10. ぼくの日曜日
11. どんぐりのひとりごと
12. 哲珍の部屋
岩國久美子
海帰優人
どんぐり
上田哲郎
13. サロン便りだヨン
14. 事務所スタッフのつぶやき
15. CIL豊中近況
16. サービスのご案内
17. 編集後記
TSW1
事務局
事務局
事務局
瀧本香織


発行号のエトセトラ 〜秋号〜


 くまだもん誕生

今回はそれだけです。はい。

たぶん来年にはこのキャラクター、消えているかもしれません。



1. 特集:同志の事業所へ、お邪魔しま!!

広報誌編集部

 障害当事者と健常者が共に働き、ヘルパー派遣事業や相談支援事業などを行う事業所は、全国に数多く存在します。CIL豊中もその一つとして日々活動しておりますが、このたび本誌では、同志である他の事業所を取材し、そこでの取り組みや工夫、悩みや課題についてお話を伺うことにしました。
 今回ご協力下さったのは、箕面市にある『ライフタイムミント』と、大阪市大正区にある『スクラム』です。

ライフタイムミント
 箕面市牧落、箕面市役所からほど近い場所にある『地域交流センターさんかくひろば』の中に、ライフタイムミントはあります。取材には、障害当事者で事務局長の片野坂和幸さんが応じて下さいました。

★事務所は2ヶ所あるんです
 ライフタイムミントは2000年4月に、相談支援事業所として設立されました。母体の法人は『NPO法人箕面市障害者の生活と労働推進協議会』(以下、推進協と称す)で、そこではヘルパー派遣事業、グループホーム運営(2ヶ所)、それに計画相談支援をおこなっています。昨年6月、放課後等デイサービスを新規に開始するのに伴い、『地域交流センターさんかくひろば』を新たに立ち上げ、相談支援事業も共にそこへ移転しました。

★24時間介護保障を実現させました!
 推進協は、大阪で2番目のNPO法人として、1993年2月に設立されました。当時障害者の、主に生活面・介護面を保障していくための組織が必要だったのと、各障害者団体を取りまとめて、行政と交渉する窓口が必要だった事から誕生しました。資金は3つの障害者団体と有志の市民が拠出し、3団体が協力して人件費を捻出することで、専従職員を1人雇っていました。

片野坂和幸さん

箕面では対市オールラウンド交渉が毎年1回(丸2日)あるのですが、そこで中心的な役割を果たし、2008年には24時間介護保障(生活保護他人介護料を含む)が実現しています。現在は2人派遣や医療的ケアの面での保障も目指しています。
 ところで推進協の正式名称には、労働という言葉が入っていますが、実際には労働に関する事業は一切おこなっていません。元々『生活と労働は表裏一体で、生活の支援が中心だけど、その上で労働も大事』という発想があって、このような名称になりました。実際の担当部門は専ら生活と介護です。箕面市では1978年頃に、障害者の働く場が創られ、その後、1986年に、箕面市独自の障害者雇用助成制度が出来ています。

★ミント≠フ由来は頭文字
 ライフタイムミントは通称ミント≠ニ呼ばれていますが、この言葉の由来は何なのでしょうか?ミントはローマ字で書くとMINTとなりますが、M=箕面市、I=池田市、N=能勢町、T=豊能町を意味しています。事業開始当初は、上記の2市2町が一つの福祉圏域として、相談業務を行う対象となっていました。その後、国の制度がスタートして仕組みが変わり、現在は対象が箕面市内のみとなっていますが、名前は当時の名残を示しています。

★地域交流センターとしての役割、サークル「わてら」

放課後児童デイが行われている、
『地域交流センターさんかくひろば』の内部

 昨年6月に始まった放課後児童デイは、地域の子どもたちとの交流に力を注いでおり、週の内2〜3回程度は、地域の子どもたちとの交流プログラムをおこなっています。特に夏休みシーズンは、週2〜3回のペースでゲーム大会をやったり、ミニコンサートを開いたり、染め物作りやお菓子作りなどの創作活動をしたりしています。また、箕面には昆虫記念館があるので、そこの職員の方の協力で、自然の素材から創作体験をするという活動も始めています。さらに、放課後デイのスタッフが仲間を募って劇団を立ち上げ、デイの利用者と地域の人などと一緒に演劇公演を行うという活動も、最近新たに始めました。
 一方、相談支援事業でも、障害のある人とない人が交流するサークルが、地域の人たちによって立ち上げられています。みんなでカラオケやボーリングのほか、旅行にも行くというイベントを展開していますが、そのサークルの名前は「わてら(大阪弁で私たち)」といいます。

★子ども時代〜大人(ひと)→自立後まで、オールスパンで
 筆者が取材に訪れた時も、『地域交流センターさんかくひろば』の中は、児童デイの利用者と地域の子どもたちで、賑わっていました。やがて児童は成長し、大人(ひと)になっていきますが、その時まで、本人とも親御さんともずっと関わりを持ち続けて、将来、一緒に自立を考えていけたらいいというのが、片野坂さんの想いです。『子ども時代から自立した後まで、オールスパンでの支援を目指す』ということですね。これからも、いかに地域とつながるかということをコンセプトに、放課後児童デイを運営していこうと考えています。

事務所のようす

★障害当事者のスタッフを増やしたい!
 現在ライフタイムミントには、障害当事者の職員が2人しかいません。いずれも身体障害(車いす使用)の人で、今年6月まではもう1人いたということです。また、相談支援事業の一環としてピア・カウンセリング事業もおこなっているのですが、ピア・カウンセラーも、以前は聴覚障害や視覚障害の人がいたのが、現在は片野坂さん1人だけとなっています。『障害当事者が活躍している』というカラーをもっと光らせるためにも、ぜひ当事者のスタッフを増やしたいところですね。

★ヘルパーの育成と増加を!相談支援専門員も欲しい
箕面では、24時間介護が制度としては保障されていますが、実際のヘルパーの数はまだまだ不足しているのが現状です。新規受け入れもキャパシティー的に大変厳しく、少しでもヘルパー確保につなげようと、推進協では毎年夏に重度訪問介護の養成研修を実施しています。資格を取ったからといってイコール実働とは限りませんが、今後も研修は継続する予定です。
 また、計画相談支援を行う相談支援専門員も、現在は片野坂さん1人で23人を担当しています。近くもう1人専門員が増える予定ということですが、それでも今後、どこまで新規受け入れが可能なのか、不安に思う今日この頃です。
(担当:塚原、根箭)













スクラム
 大阪市営地下鉄大正駅から5分ほど歩いたビルの1階にスクラムはあります。
私たちの取材に応じて下さったのは、代表の姜博久さんです。気さくで話しやすい印象の方です。まず、姜博久さんご自身の「運動史」から語って頂きました。

★全障連体験
 姜さんは20年前に全国障害者解放運連絡会議(以下、全障連と表記)に所属し、事務局で仕事をしていました。この団体は1974年に日本脳性マヒ者協会・青い芝関西連合会と障害者解放委員会が養護学校建設の阻止のため共闘したのを機に、1975年に結成された障害当事者団体の全国組織です。全障連では、誰かに障害者問題について教わるという事は、ありませんでした。共に行動する中で、体験を積み重ねながら自ら学び取っていく、そういうスタイルでした。そして、地域の学校に通えない、通う事を拒否された子ども達の支援をしていました。また、全障連では障害者差別だけでなく、他の差別問題や平和運動にも積極的に参加していました。そこでの取り組みを通して、姜さんは社会全体から物事を考える様になっていきました。

代表の姜博久(かんぱっく)さん

★スクラムを立ち上げる
 社会全体という大きな枠組みで、障害者問題を見てきた姜さんでしたが、次第に一人一人の障害当事者の自立生活支援の取り組みに関わりたいという思いを、抱くようになりました。そんな折、大正区で大阪市の市町村生活支援事業を運営する団体として、障大連の推薦を受けて、2003年に自立生活センター「スクラム」を立ち上げる事になりました。

★ある障害当事者に寄り添って10年
 スクラムの立ち上げ当初は、障害当事者なら誰でも支えるという事ではなく、地域で一人暮らしをしたい当事者を、区役所を通じて依頼を受けるという形から始まりました。当時、大正区には入所施設(現在は支援施設)があり「自立生活センターまいど」という団体が、入所者の電動車イス講習に取り組んでいました。スクラムも共同で取り組みました。これは、入所者が地域に外出していく事で、地域で自立した生活を送る動機付けにするという取り組みでした。
 この取り組みの中で、30日のショートステイを繰り返している障害当事者(男性)との出会いがありました。彼は、「自立をしなくてはいけない」という思いはあっても、父親の後押しもなく、不安が先に立って踏み切れないという状態でした。そこでスクラムでは、毎年ILP(自立生活プログラム)講座に誘うなどして、本人との関係を保ち続けました。そうして7年間が経過したころに、父親が病に倒れ手術を受けるという事態に至りました。その時、始めて父親が本人に「これからは自分の将来は自分で考えるように」と話をしました。父の言葉を受けて、彼自身の意識も変化を見せ始めました。そして、一人暮らしのイメージ作りや、それに向けてなにから始めるかを知るための情報提供、そして実際の手続きなどの支援を続けました。その過程で彼も徐々に自信を付けていきました。
 それから3年、経済的な問題のためにすぐに一人暮らしという事にはなりませんでしたが、今も実現に向かって一歩一歩前に進んでいます。焦らず時間はかかりますが、本人のペースでじっくり取り組む事が大切です。彼の自立生活に向けた取り組みは、スクラムの10年と重なり合います。

★相談支援と自立生活支援
 昨年からスクラムは、新たに相談支援センターという役割が加わりました。それとともに、計画相談の処理に人員が割かれて、10年越しのケースのような取り組みは、難しくなりつつあります。特に懸念されるのは、2年後から介護など福祉サービスを利用する障害者には、『サービス利用計画の作成』が必須条件になる事です。今ですら、増え続ける計画相談のケースに、業務の8割が割かれている状況です。
 姜さんは『このままではムリです』と断言されました。
 もしも健常者スタッフが豊富で、『サービス利用計画』の作成に専念できるのであれば、当事者スタッフが関わる量が絞られて、自立生活支援に力を振り向ける事が出来るかも知れません。それでも、『サービス利用計画』の作成が、CILの本業である『自立生活支援』を圧迫する事は間違いありません。健常者スタッフに余裕がない事業所は、『サービス利用計画』に追われて、CILとしての役割が果たせなくなる事もあり得ます。

取材風景

★それでも模索は続いていく…
 『サービス利用計画』も「全員に作成する」という部分を外す事が出来れば、悪い事ばかりとは言い切れません。例えば、地域で「埋もれた」障害当事者と出会う機会を得るからです。そこから『自立生活支援』へ取り組む契機ともなります。また、以前より選択肢が増えたのも事実です。各関係機関、事業所等との連携がうまく機能すれば、障害当事者が望む「自分らしい生き方」の実現に一歩近づく事もできるでしょう。
 もしも親が介護保険で本人が障害者という場合、高齢者の制度と障害者の制度と別々にされることなく、介護保険の担当者と家族一体となって支援に取り組む事が出来ます。また、障害児の場合は、親の育児支援も含めて取り組む事が出来ます。もちろん、各関係機関と事業所の間で、本人の情報と問題意識が共有できている事が不可欠です。その為にも、当事者に向き合いじっくりと腰を据えて取り組む環境が必要です。それに加えて、社会資源の拡充や、社会基盤の整備もまた、不可欠な問題です。そのための取り組みの一つとして、国、大阪府、そして各市町村との粘り強い交渉を続けているのです。

★CILとしてのスクラムの取り組み
 自立生活センターとして、スクラムでは個別ILPとピアカウンセリングに取り組んでいます。かつては、集団ILPにも取り組んでいましたが、大正区の相談支援センターになってからは、全体的に取り組む余裕が無くなってきました。ピアカウンセリングについては、子育てをしている当事者スタッフが体験した生きにくさ(出産や子育ての)を題材にして、ピアカン講座を実施しました。講師には自らも子育ての経験のある、ピアカウンセラーをむかえて3年間続けました。その後、当事者スタッフの自主的活動として、子育てをしているピアサポート(SION)を月1回のペースで開催しています。同じ体験を持つ当事者同士の、仲間作りとしての会です。こうした取り組みを通して、障害当事者一人一人が自信を持つ事が出来て、自分が望む自分らしい生活を創り上げていく、それがスクラムの思いです。

★再び全障連体験を巡って
 姜さんは2年前に、京都で3泊4日のピアカン講座を受けて、かつて全障連での仲間作りの事「仲間同士で話をして自分自身を見つめ直し、一人一人の違いを感じたり共感しあったりして、新たな自分を見いだし自信をつけていく。つまり、自分の障害を認め、障害者として生きていくなかで自分の意志を表明し、相手と向き合い力を付けていった事。」に思いを馳せたそうです。それが、現在では『ピアカウンセリング』として、自立生活支援の中で取り組まれいるのです。姜さんは、「ピアカウンセリングはCILの大きな役割である」と考えています。
 「一人一人に向き合って、その人の思いを引き出すのは、障害当事者でも難しい、これからもスクラムでは頑張ってピアカン講座をやっていこう、と思ってます。それは今、スクラムの共通認識です。」と、言葉を結ばれました。

★取材を終えて
 私も将来は子育てをするつもりですけど、差別や理解されない事が出てくると思います。その時は一人だけで悩まず、SIONのようなサークルを探し、情報交換の場や人と関わっていきたいと思いました。
(瀧本)

 私は障害当事者の自立生活運動に、20年程関わってきました。今回の取材で私は全障連運動の問題提起が、形の違いこそあれ、今なお様々な社会問題の本質を突いている、と改めて感じました。
(大東)

特集まとめ
 以上、【特集:同志の事業所へ、お邪魔しま!!】をお届けしました。
 今回、2ヶ所の事業所を取材いたしましたが、ライフタイムミントについては、特に子どもの持つパワーを最大限に活かして、地域を盛り上げようとしていると感じました。そして24時間介護保障を勝ち取ったというのは、素晴らしい実績だと思います。2人介護や医療的ケアの面でも、是非保障を勝ち取ってほしいですね。隣人≠ニして応援したいと思います。一方、スクラムについても個別のILP・ピアカウンセリングに力を入れ、また、取材者の感想にもありましたが、SIONといった、子育支援のためのサークルがあるのは、とても大切なことだと思いました。 

 両事業所共通の悩みとしては、やはり計画相談支援(サービス利用計画)への対応ですね。これについては、恐らくほかのどの事業所も、キャパシティーとの闘いに四苦八苦していると思います。
 これからも、いろいろな事業所を訪ねてみたいと思います。今回ご協力下さった方々、どうも有難うございました。


この記事の最初に戻る     もくじに戻る


2. CIL豊中 2013年度通常総会報告

事務局

 去る6月16日(日)、当法人事務所にて特定非営利活動法人CIL豊中2013年度通常総会が開催されました。午後1時30分に開会宣言、徳山理事長による開会挨拶の後、同理事長を議長として審議が始まりました。
 出席者から、豊中市障害者外出支援サービスについて、「65歳になると車椅子を使っている人は社会福祉協議会の「ほのぼの号」の利用になってしまう。今まで通り馴染みの外出支援サービスを利用したい人に対しては何か手だてはないのか」と質問がありました。これに対して、「外出支援サービスとほのぼの号とは利用目的や運行日に違いがあるため、引き続き外出支援サービスを利用したいという要望や相談はあります。ただ、どちらも豊中市の事業なのでどちらを利用できるかは豊中市が決めています。利用対象については利用者自ら豊中市に声を上げていただくと共に、当法人もバックアップしていきたいと思います」と回答がありました。
 以上のような質疑を経て議案は全て原案どおり承認可決され、午後3時30分に閉会しました。

議事
第1号議案 2012年度事業報告及び決算の件
第2号議案 定款変更の件 第3号議案 役員選任の件

報告事項
 2013年度事業計画及び予算

《2012年度事業報告及び決算》

 2012年度は、居宅介護、重度訪問介護、同行援護、特定相談支援、一般相談支援、移動支援、豊中市障害者相談支援事業、放課後等デイサービス、児童発達支援、障害児相談支援、訪問介護、介護予防訪問介護、訪問看護(医療保険含む)、介護予防訪問看護を行い、障害者及び高齢者の地域生活の支援を行った。
 放課後等デイサービス及び児童発達支援は、医療的ケアが必要な重度障害児を受入可能な児童のデイサービスが無かったことから、その受け皿として2011年11月に開所した。訪問看護ステーション等との協力もあり、約一年半を乗り切ることが出来たが、今後も地域の貴重な社会資源としての期待に応えていかねばならない。また、特定相談支援、一般相談支援、障害児相談支援は、施行初年度ということもあり、手探り状態で件数も少なかった。
 また、豊中市障害者外出支援サービス、クリスマスパーティー、障害程度区分認定調査、豊中市障害者給食サービス訪問聴取り、点字名刺事業を行った。

■豊中市障害者相談支援事業(豊中市委託事業)
○相談・支援件数 973件
○市民講座
 第1回 「目の不自由な人たちからのメッセージ」
 第2回 「いろんな働き方があるんやで」
○自立生活プログラム講座 全8回
○他講座等 「板チョコからおいしい友チョコを作ろう」「障害児と親、どう向き合うの?」
○開放サロン 21回 ○自立生活体験室 宿泊利用75泊、デイ利用22回
○広報誌、ホームページ等にて情報提供
■豊中市障害者給食サービス訪問聴取り(豊中市委託事業) 実施数13件
■豊中市障害者外出支援サービス事業(豊中市補助事業) 運行回数2353回
■イベント クリスマスパーティー 参加者165名
■点字名刺の作成販売 作成枚数23905枚
■特定相談支援 利用者数5人 ■一般相談支援 利用者数1人
■障害程度区分認定調査(大阪市等委託事業) 調査件数9件
■障害者自立支援法介護サービス 派遣時間111983時間
■介護保険法介護サービス 派遣時間 3211時間
■訪問看護サービス 訪問回数3946回
■障害児通所支援 通所回数1587回
■介助サービス(制度外) 派遣時間1201時間
■ヘルパー養成講座実習生受け入れ 延174人

活動計算書
2012年4月1日〜2013年3月31日(単位:円)
収入 支出
科目 決算額 科目 決算額
T 経常収益
  1.受取会費
  2.受取寄付金
  3.受取補助金等
  4.事業収益
  5.その他収益
U 経常費用
  1.事業費
  2.管理費

120,000
13,550
11,169,061
440,064,435
1,318,269

429,132,545
1,649,944
V 経常外収益
     経常外収益
W 経常外費用
     経常外費用
税引前当期正味財産増減額
当期法人税等
当期正味財産増減額
前期繰越正味財産額
次期繰越正味財産額

0

0
21,902,826
7,400,000
14,502,826
132,858,759
147,361,585


《定款変更》

 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律の施行等にともない定款の変更が必要になった。内容は、事業項目の法律名の変更など。

《役員選任》

 理事会推薦による次の6名が選任された。
  理事 徳山辰浩(再任。互選により理事長)
  理事 山口博之(再任。互選により副理事長)
  理事 馬淵敦士(再任)
  理事 吉村史生(再任)
  理事 大田立子(新任)
  監事 坂 龍雄(再任)

《2013年度事業計画及び活動予算》

 居宅介護、重度訪問介護、同行援護、特定相談支援、一般相談支援、移動支援、豊中市障害者相談支援事業、放課後等デイサービス、児童発達支援、障害児相談支援、訪問介護、介護予防訪問介護、訪問看護(医療保険含む)、介護予防訪問看護を行う。また、豊中市障害者外出支援サービス事業、障害程度区分認定調査、豊中市障害者給食サービス訪問聴取り、点字名刺事業を引き続き行う。
 4月から障害福祉制度が障害者総合支援法に変わる。内容は数年かけて段階的に変わる予定で、先ず、障害者の範囲に難病等が加わる。平成26年度から、障害程度区分を障害支援区分に変更、重度訪問介護の対象拡大、ケアホームのグループホームへの一元化、地域移行支援の対象拡大が行われる。これらの施策が、障害者の地域生活の向上につながるものになるのか、国の動向を注視すると共に声を上げていかなければならない。また、ヘルパー等の人材確保が難しくなってきている。制度が整ってもそれを担う人材がいなければ、障害者の地域生活は成り立たない。人口減少や処遇問題等原因は様々言われているが、今後の大きな課題である。
 本年度予算は約450,000,000円
(徳山)

この記事の最初に戻る     もくじに戻る


3. 『見たい!聞きたい!精神障害者支援の現場』

事務局

※画像など、詳しい報告はこちらのページをご覧下さい。

 2013年7月21日(日)13:30〜16:30、今年度第1回市民講座『見たい!聞きたい!精神障害者支援の現場』を開催しました。講師を務めて下さったのは、『医療法人豊済会 サポートセンターる〜ぷ』の精神保健福祉士、高畑美海さんと、『NPO法人バムスぴあ 地域活動センタークム』の杉本博一さん、それに当センター副理事長で精神障害者ピア・カウンセラーの山口博之です。

●高畑美海さん
 る〜ぷでは、地域活動支援センター(以下、地活センターと称す)事業と、地域活動支援をおこなっています。
 地活センターは、地域に住んでいる障害のある人やその家族、友人、近所の住人といった誰もが、気軽に門をくぐれる相談窓口として存在しています。相談内容の中には、福祉サービスを使うことで上手く改善したり、生き方がスムーズになるケースもあるので、そのための情報提供を行い、サービス利用のためのサポートをしています。
 地域活動支援では、皆がゆったりと寛げるように、フリースペースやサロンといった、憩いの場を用意しています。利用に当たっては1年ごとに登録をしてもらうのですが、現在120人が登録しており、その全員が何らかの精神疾患を持っていて、通院しながらの生活を送っています。
 自由に寛げるフリースペースですが、ちょっとした活動が出来るプログラムも用意しています。『地活プログラム』と呼ばれており、その中の一つ、生活サポーター勉強回では、病院に入院している患者に退院意欲を持ってもらうことを目的に、る〜ぷの利用者が病院を訪ね、入院患者に、地域での生活体験を伝えたりしています。
これから先、る〜ぷはニーズに応えるだけではなく、【ニーズを育てる場所】にしていきたいと考えています。

●杉本博一さん
 地域活動支援は3年前、それまで担っていた市内の医療機関から引き継ぐ形で、運営を開始しました。運営法人であるバムスぴあは、元々は精神障害者が通う作業所として存在していました。
 地域活動支援センター事業には、T型・U型・V型とありますが、この内T型が『相談支援型』と呼ばれるものです。最近の傾向として、精神障害者本人からの相談というのは減少してきて、家族や支援者・支援機関からの相談が増えています。これは昨今、各事業所に寄せられる精神障害者の相談ケースが増え、複数の事業所で1つのケースを共有する連携体制にシフトされていることを物語っています。結果として、事業所間での相談・協議の機会も増え、それを行うための日程調整もどんどん必要になっています。また、対象者との同行が伴うケースも増えたため、1件のケースに対して費やすべき時間は、相当に長くなっています。
 現在、特に関わる機会が増えているのが、引きこもりに対する支援です。
 中でも課題となっているのは、60歳以上の引きこもりに対する支援方法で、もう親御さんはかなり高齢になっているので、相談は、高齢者福祉の相談窓口である地域包括支援センターから来ます。地域包括支援センターの職員が、担当ケースである高齢者宅を訪ねたところ、家の中にもう一人住人がいる(その高齢者の子どもで、引きこもっている障害者)のが発見されるのです。
 今後クムとしては、『つながり』を大事にして、連携は勿論、そこから【継続出来る支援体制】を築いていきたいと考えています。

●山口博之
 当事者として、皆さんに一番お伝えしたいことは、「精神障害者というのは、ごく限られた少数の人たちではない」ということです。対応が大変で本人も辛い、という時期はありますが、それは一時的なもので、全人生ではありません。よって、病気や障害が全人格と見なされるのは、おかしなことです。
 昨今、一人世帯が増え、引きこもりの人は親や家族が何とか支えている状態です。「本人の責任」「家族が何とかする」という考えで日本の福祉は成り立ってきましたが、今後、この考え方では福祉は崩壊していきます。従って横のつながりを持った支援が不可欠ですが、一方で『自立支援』と謳っている以上、事業所の人に頼るだけでは、「自分のしたいことをした」という体験にはなりません。よって主体性が大切ですね。

 当日は猛暑の中、約40名の方が参加して下さいました。皆さん、そして講師の方々、本当に有難うございました。
(文責:根箭)

もくじに戻る


4. 『親には親の言い分! 子には子の言い分! 当事者よ、どう生きていく?』

事務局

※画像など、詳しい報告はこちらのページをご覧下さい。

 2013年6月22日(土)14:00〜16:00、『親には親の言い分!子には子の言い分!当事者よ、どう生きていく?』講演会を開催しました。今回は、『まだ自立はしていないけど、言い分や発信したい思いがある当事者の話を聞く』ことをテーマとしました。話し手には、親元で暮らす若い当事者である前田大輔さん、そして、既に自立している当事者の親である上田千尋さんに、来て頂きました。

前田大輔さん
 現在、大学3回生の21歳で、専攻は社会福祉です。大学で支援の技術や制度面も勉強していますが、大切なことは障害者を属性で見るのではなく、個人として見るということです。勉強を通じて、一人暮らしも夢として描くようになりました。しかし実現するには、経済的なことが一番ネックとなります。母親からも「先ず手に職を付けてから、家を出て行くならどうぞ」と言われています。
 社会経験はまだまだ少ないです。そのことを、親や周りの人から言われることは少なくないですが、『社会経験が少ない』の一点だけを見て、その人のことを決め付けてしまわない様にお願いしたいです。社会経験というのは、必ずしも健常者が一般的にするものだけを指すのではないと思います。僕も支援学校や訓練施設を通じて、人間関係や社会との関わりを経験してきました。社会性と一口に言っても一人一人違うので、『これ』という正しい答えは無いし、あまり安直に「障害者やから社会性が・・・・・」と判断しないようにして欲しいですね。
 昔、親とケンカした時に、「障害者やねんから我慢せなアカンねん!誰がお前の面倒見てると思ってるんや!」と言われたのですが、その一言で頭の中が熱くなって、「一人暮らしになりたい」と思うようになりました。自立生活が難しいのは事実ですが、「だからムリだ」という考え方は、変えていくべきだと思います。『どこまでが出来て、どこからが出来ないのか』という線引き≠巡って、親とぶつかることがありますが、親が自分の価値観を押し付けるのに対して、僕も子どもの価値観を親に押し付けたいという思いが正直あります。【親は正しいけど、自分を通さないといけない。子どもの気持ちを第一に考えて欲しい!】というのが、一番の思いですね。

上田千尋さん
 私の子どもは37歳の脳性麻痺で一人暮らしをしていますが、育ててきた中で、自分の神髄としては、「後から『しまった』と思わないようにする」と、ずっと思っていました。それでも後で子どもから「何故あの時○○したのか?」と問われると、「ああ!子どもはそういう風に考えていたんだ!」と気付かされることもしばしばでした。まだ子どもが小さかった頃、障害者のグループが運動で「親は敵だ!」と言っているのを聞いたことがありました。その時は意味が理解出来なかったのですが、やがて子どもが30歳になる頃、子どもとの会話の中で、『敵だ』の意味が解りました。つまり、障害のある子どもが自分で何かをしようとしている、またはプランを立てている時に、親がサッサとやってしまったり、「そんなん無理や」「周りに迷惑掛けるから止めとき」と言って、或る意味子どもの芽を摘んでしまう、それを指して『親は敵だ』と言っていたんだと解ったんです。だから私も、「どれだけ自分の子どもの芽を摘んできたんだろう?」と思い、背筋がゾッとしました。
 親は何か切っ掛けがあると、子どもが何を考えているのかが見えてくるのではないでしょうか。そして親というのは実は社会に対して、自分の子どもの持っている力をアピールしていける側、していくべき存在なのだと思います。

 後半は、質疑応答・感想発表と、会場全体でのディスカッションを行いました。
 以下に抜粋してご紹介します。

◆「娘が高校2年ですが、親子で向き合って話をしたことが無かったので、今日参加してみて、一度向き合ってみる切っ掛けになれたと思います。」(身体障害者親)

◆「ヘルパーさんが、親の私が『え?!』と思う様な場所に息子を連れて行ったりして、私はそんなとこは無理だろうと、どうしても思い込んでいました。これからは、ヘルパーさんに息子をどこかへ連れて行ってもらいたいです」(身体障害者親)

◆「私は22歳の時に自立生活を始めました。それまで私は、いろんな人と出会いたい、いろんな経験をしたいと思っていて、ヘルパー制度を使っていろいろ外出をしたり、自立生活プログラム講座を受けたりして、自立しました」(当事者)

◆「30歳の息子がいます。22歳の時に頸椎損傷になって両足が動かなくなり、手も片手しか動きません。最近、一人暮らしをしたいと言い出して、でも親としては、どうやって出来るんだ?と。本人は『出来る』と一生懸命主張するんですが」
(上田千尋さんより)「お母さんの心が止めてしまっている状態ですね。でも親は子どもが自立したいって言ってる時にさせるべき。でないと、親がガタガタになって、いざ子どもを自立させたいと思った時は、子どもの気力も後退してるから。色々相談して一つ一つ進めていけばいいんだし、本人がしたいと言ってる今がチャンス」

 また来年度以降も、この様な講演会を開催したいと思っております。話し手のお二方、参加者の皆さん、本当に有難うございました。(担当:根箭)

もくじに戻る


5. 『障害を理由とする差別の解消の促進に関する法律』が成立しました

事務局

この法律は3年後(2016年)から施行されます。新しい点は、「社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をしなければならない(第7条2項)」としている事です。具体的にどう対応すべきか、公務員には対応要領を民間事業者には対応指針を策定する、となっています。また、策定するに当たっては障害者団体やその家族・支援者の意見を反映すべく措置を講じる(9条2項)とも言っています。では、意見を反映させるべく講じる措置とは何でしょうか。
 
★「Q&A」からみえる、本質的な問題

 内閣府のホームページを順に開いていくと、『障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律Q&A集』(地方公共団体向け)が出てきます。そこで、「障害者とその他の関係者」の意見を反映させるために講じるべき措置について具体的にはどんな事を想定してるのか、という質問(問13-16)に以下の通り回答してます。
 『例えば、障害者や事業者等を構成員に含む会議の開催や障害者団体や経済団体等からのヒアリング等が考えられる。こうした措置を講ずることにより、関係者の意見が実質的に反映することが求められる。具体的にどのような措置を講じるかは、基本方針において一定の考え方を示した上で、各行政機関が判断する事になる。』
 長いですが全文を引用しました。話は聞いてくれる、というぐらいの事でしょうか。ヒアリングにしろ会議にしろ、きっちりと障害当事者と向き合うべきです。障害を理由にした差別とはどんなものか、そしてどういう対応をしていくべきか、具体的に理解しているのは他でもない障害当事者なのです。「障害当事者抜きにして障害者に関する事は決めないで欲しい。」とは、まさにここで言うべきことです。意見の反映ではなく、「障害当事者」自身が納得出来るものであるべきです。

★合理的配慮にはほど遠い現実

 「週間金曜日」の8月30日号に『格安航空会社が搭乗拒否・電動車イスではダメ』という記事がありました。関西在住のある身体障害者が、国内大手の旅行代理店がタイで設立したLCCを利用して、タイ旅行を計画し予約も済まして後は当日を待つだけという矢先に『電動車イスはダメです』と航空会社から通知を受けました。本人は要望書を会社に提出しました。会社側(LCC)は準備不足を認めた上で『コンテナ購入までもう少しお時間を…』と回答がありましたが、今は予約を取り消す事もできず『宙ぶらりん』(原文のまま)状態だという事です。さて、この事態に日本の国土交通省航空局は、『国内三社は電動車イスで搭乗できますが、外国の場合、その運送約款は各社ごとに各国で承認されているため、航空局としては対応は出来ません(記事より引用)』。つまり、この一件で障害当事者が被った差別的扱いを是正しない、と宣告されたも同然なわけです。「差別の解消」の実現はまだまだ遠い先にしかないのでしょうか。

★紛争解決は第三者機関があたるべき

 この法律の第14条では、「相談及び紛争防止等のための体制の整備は、国及び地方公共団体行うもの」と規定されています。そして、既存の機関に新たな窓口を設けるなどして対応するとの事です(Q&A集問15-1〜3の回答)。では、行政機関自らによる『不当な差別的取り扱い』及び『必要かつ合理的配慮の不提供』があった場合はどうなるのか。同じく問い15-4の回答では、「総務省の人権相談や法務局並びに地方法務局で対応する」と答えています。
 紛争解決には、「差別があった」という事実認定が不可欠です。それには客観性・公平性がいかに担保されているかが重要です。第三者機関が必要ではないでしょうか。

★障害当事者の、被差別体験の全てを施策に反映させる

 最後に『障害者差別解消支援地域協議会(以下地域協議会)』について触れます。これは第17条から第20条にかけて規定されたものです。その構成員は国及び地方公共団体の機関であり、NPO団体や学識経験者を加える事が出来る(17条2項)、とあります。そしてその役割は、情報収集と解決策の協議とあります。障害者団体が直接相談するのは可能(Q&A問16-3)ですが、解決については既存の機関への橋渡し程度の事しかできません(Q&A問16-4)。

 差別の被害に遭った障害者の事例が多く検討され、それが施策に100パーセント生かされる、そのためにも当事者がその施策を検証し差別を解消させるために、積極的に関わっていかねばなりません。課題多い法律ではありますが、障害当事者とその支援者たる私たちの運動は益々重大さを増しています。 
(文責 大東)

もくじに戻る


6. 入部香代子さんが永眠されました

徳山辰浩

 元豊中市車いす市会議員の入部香代子さんが、かねてより病気療養中のところ、7月24日、肝硬変のため62歳で永眠されました。
 告別式は、7月26日に公益社千里会館、喪主は長男正也氏にて執り行われました。式には、障害当事者、共に障害者福祉の運動をされてきた方々、議会関係者、行政関係者、親交のあった方々等、多くの方が香代子さんとのお別れを惜しんでおられました。

在りし日の入部香代子さん
2007年6月撮影

 脳性まひで重度の障害がある入部香代子さんは、「日本で初めての女性車いす市会議員」で、1991年に初当選し、4期16年務めらました。障害がある全国の議員らでつくる「障害者の政治参加をすすめるネットワーク」では代表も務められました。豊中市で障害者福祉工場えーぜっとの会を設立し、障害者の就労・地域活動を推進されました。また、NPO法人CIL豊中の前身である障害者自立生活援助センター・とよなか時代に、当団体の顧問・代表代行など大変ご尽力いただきました。

 香代子さんは、ここ数年入退院を繰り返され、最近は病状が悪化していると伺っていました。亡くなる十日ぐらい前、蛍池のルシオーレで偶然お会いしたときに、香代子さんの声が弱々しくてほとんど聞き取れず、病状の深刻さを心配していました。それから直ぐに入院されたと聞き、お見舞いに駆けつけました。香代子さんは意識が有り、少しですが会話も交わせる状態でした。見舞いの後、廊下で正也氏から、医師からは「もう長くはない。覚悟をしておいてください」と告げられたと聞きました。その翌朝、香代子さんが亡くなられたと連絡があり、急変に驚きました。

 自ら24時間365日介護を受けながら、障害者の自立生活運動を担ってこられた大先輩である、入部香代子さんの逝去はとても残念です。
 ここに心からのご冥福をお祈り申し上げます。


☆入部香代子さんの主な著書
「はりきりオヤブンの車いす繁盛記」
「引き出しの中、ぜ〜んぶ」


もくじに戻る


7. かんた〜んクッキングコーナー

どんぐり

残り物をおいしく食べよう。

いよいよジメジメじとじとの梅雨の到来、そして夏・・・・。食べ物が腐りやすい。今回は、残り物をおいしく楽しくをテーマに書いてみました。
我が家は娘と二人暮らし。その日の体調にもよりますが、必ず残り物があるんです。この残り物、少しならいいけれど、たくさんだと困りますよね。そこで、よく形を変えて食卓に出すんです。おいしく食べられますよ。
たとえば、ホウレンソウの胡麻和えが残ると細かく刻んで、細かく千切りしたにんじん、小口切りのねぎや、ちりめんじゃこなどと、卵に混ぜて焼けば、卵焼きに変身。この時の調味料は、胡麻和えやじゃこに味がついている分控えめに、というか、ほとんど不要かも。
ホウレンソウなどの青菜のお浸しや胡麻和えは、わが家では比較的残る率が高い。冷蔵庫の片隅にひっそりと置かれ、翌日には奥へ奥へと追いやられ、挙句の果てに忘れ去られていく。そんなある日、ポタージュスープを思い立ち、してもらいました。まず、にんじん、玉ねぎ、ジャガイモ、セロリの葉っぱ少しを、サラダ油で炒めて材料がかぶるくらいの水とコンソメの素で、材料が柔らかくなるまで煮ます。そこに、青菜のお浸し、または胡麻和えを入れて、少し冷まします。それをミキサーにかけ、豆乳または牛乳で味の調整をして最後に香辛料、こしょうなどをぱらぱらっとして出来上がりです。味が少し濃かったので、生クリームを入れてもいいかと思いましたが、お浸しの時より子どもの胃袋にも多く入ったような気がします。完食しましたよ。
ごぼうのきんぴらもよく残ります。薄切りの豚肉に、大葉と千切りにした生姜、きんぴらを少しずつ巻いて、焼き肉のたれで焼きます。これなら、子どもの口にきんぴらが入るんです。食欲のない時に白いご飯が進み、お酒のあてにもなりますよ。

今日も、残り物の青い魚のフライを刻んで、チャーハンにしてみました。青い菜っ葉も青い魚も子どもには苦手のようですが、体にはとってもいい。ぜひ食べてほしい。やっぱり、『残り物に福あり』ですね。

  もくじに戻る



8.

つながるサロン

事務局

豊中市障害相談支援ネットワークえん≠フ活動の一つとしてはじめた“つながるサロン”、皆さん、行かれたでしょうか?
 本誌前号でもお伝えしましたとおり、本年4月より千里文化センター「コラボ」の2階交流カフェスペースで、“つながるサロン”を開催しています。
 障害のある人も無い人も地域生活の延長で相談できる場所として、ひらいております。お気軽にお立ち寄りください。
 日々の悩み相談、友達作り、ほっこりした時間を楽しんだりして、自分の好きなようにお過ごし頂けますよ。
 見ているだけ、聞いているだけ、お茶の時間を楽しむ
だけでも勿論OKです。

開催場所 :豊中市千里文化センター「コラボ」
     コラボ2階交流カフェスペース
     豊中市新千里東町1−2−2 
開催日 :毎月第2金曜日
開催時間:午後2時〜午後4時まで(出入りは自由)
参加費 :無料(喫茶利用の場合は実費)

「コラボ」カフェスペース 入口の様子


【問合せ先】 豊中市障害相談ネットワークえん
事務局 豊中市障害福祉課 06−6858−2747

もくじに戻る


みなさんからの、投稿コーナー

 このコーナーでは、みなさんからの作文・詩・短歌・俳句・小説など、投稿作品をご紹介しています。
 作品は随時募集しておりますので、投稿されたい方は、編集部までどしどし投稿して下さい。
 なお、作品数が多くなった場合は、繰り越しで2号先の広報誌に掲載する場合もあります。作品の内容によって考慮は致しますが(季節がテーマの場合など)、あらかじめご了承下さい。

 みなさまの投稿を、お待ちしています。













9.短歌

亡き父の
年齢より長く
生きし我
父の無念が
胸に迫りて

伊丹市 岩國久美子


10.ぼくの日曜日

海帰 優人

リーマンショック以降

 相変わらずひとりで歩く(電動車いすで)ことがある。自宅が稲津で仕事場が大黒町だから、活動エリアはほぼ庄内ということになる。

 以前、まちで「庄内はガラが悪いから…」などと話しているのを聞くと、無性に癇にさわった。たまにチンピラさんにからまれたり、酔っ払いにどつかれかけたりすることはあっても、人通りもそれなりに多いから身の危険を感じるようなことはほとんどなかった。それよりも、常連になった大衆食堂の人たちのちょっとした心遣いや、人なつっこい子どもたちとの行きずりの関わりあいなどの方が、ぼくの心の中の庄内を形づくっていた。
 この間、腕の動きを調整しているベルトがゆるんで、駅前の人ごみの中で立ち往生してしまった。通行の邪魔にならないように歩道の端に車いすを寄せたものの、かなりの幅をきかせる結果となった。通りがかりの一人ひとりに声をかけること5分あまり、OLらしき女性にベルトを締めてもらい一件落着したけれど、その間、多くの人が「邪魔やなあ」と吐き捨てるように通り過ぎていった。もちろん、邪魔をしている。でも、ほんとうに憎悪をあらわにする光景に身の危険を感じずにはいられなかった。

 ここ最近、ダイエー通りや豊南市場などで気を遣いながら歩くようになった。イヤな視線や敵意に満ちた態度をとる人が増えた。みんな生活に余裕がないからだろうか。とにかく空気が重苦しい。

 仕事場のご近所の小学校から講演依頼があった。ぼくのモットーは「5回は爆笑させる」だ。学校で聴いたお話なんか100%に近く忘れてしまう。どうせ忘れられるのなら、思いきり笑わせたい、そんなコンセプトで続けてきたけれど、庄内の子どもたちにぼくがぶつかる現実をどう伝えていけばいいのだろうか?これまでとは違う課題に直面している。


11.どんぐりのひとりごと

どんぐり

 今年の夏は連日40度もの猛暑が続き、豊中は有名になりましたね。そんな暑い日に、私たちのオヤブン、全国初の車いすの女性市会議員を4期も務められた入部香代子さんが、亡くなられました。少し早いよと、言いたかったです。
 香代子さんと初めて出会ったのは、今から27年も前。あれはそうそう・・・、グラフィックデザイナーの牧口一二さんに、大胆にも、「コピーライターや文章を書く仕事はないですか?」と、お伺いした手紙を出したのが最初でした。世間知らずの手紙に牧口さんは困られて香代子さんに相談されたのかな?と、今、とっても恥ずかしくなってしまいますが・・・・・。

 こうして当時、エーゼット作業所代表の入部香代子さんと出会ったのです。
 初めて出会った時の印象は、凛々しく堂々とされていて、すごい女性だと思いました。それに、ご結婚もされていて二人のお子さんもいらっしゃって、当時の私には、正直言って信じられないことだったような気がします。それにびっくりしたことに、たばこを介護者にすわせてもらっておられる。なんか、すごいものを感じました。
 えーぜっとで、仕事や障害者運動をご一緒させてもらうようになって、差別のこと、生き方のことなど、たくさん学びました。中でも「わたしらが、健全者社会にがんばって合わすのではなく、健全者社会がわたしらに合わせてくれたら、もっといろいろな人が幸せになれるよ。」とか、「自己主張も時にはわがままにもなるかもしれないけれど、自己主張もたいせつだよ」と教えてくださいました。今、当時より障害が重度になってしまっている私は、香代子さんの言葉をよく思い出します。
 あ、生まれて初めての選挙運動。みんながひとつになってがんばりましたね。すごい香代子さんでした。選挙カーに乗って、見知らぬ人たちに手を振った私は、手を振りかえしてくださった人たちに、暖かい優しさを感じられて、とてもうれしかったことを覚えています。少々、言語障害と体の硬直にも負けないで、演説されていた香代子さんを見ていたら、人間、やればなんでもできるって思いました。
 まだまだ書き足りない。何もかもお世話になって、今の私が存在するのです。
 ありがとうございました。。


12.哲珍の部屋

上田哲郎

 ここんとこ、充実しすぎて、自分の心をなくしそうになりそうな上田です。
 何か最近怒りたくなる事ばかり!いろんな矛盾が見えてきますね。

 オリンピックは東京に決まったものの、首相の「汚染水は300メートル四方でブロックされてるから大丈夫」って、ちょっと考えたら?わかりますやん!てな発言や、「東京は守ります」とか、他の地域はどうでもいいんですか?と思える発言。知事は都心からの利便性を図り、20年で再生させてきた臨海自然公園の半分を開催期間の為にコンクリ製の競技場にしようとしてたり。
 更に秋の国会で出る秘密保全法案は、国防・外交・公共の安全と秩序の維持の分野で、行政が勝手に秘密と決めた情報を漏らしたら、罪になってしまうのです。既にこの法律があれば、未だ私たちに尖閣諸島での攻防は報道されず、原発事故も知る事が出来なかったかもしれずで、ちょっと恐い中身です。

 そんな中で、毎年行われている私たち国障年豊中市民連絡会議の対市交渉が9月に行われ、そこで怒りというか呆然という感じになりました。
 保育幼稚園室が要求の回答に、・・・保育所・幼稚園の保育士・幼稚園教諭につきましては、公立保育所幼稚園等の研修に参加し、「ともに育つ」障害児保育について学ぶ機会を保障しております・・・と何とも豊中らしい記載が。
 しかしその回答に異議を感じた母親が、「上の子も下の子も同じ障害で、上の子は10年前今よりも設備が整っていない近所の保育所に通えてたが、下の子は今年その保育所から入園を、乳児の居室を通らなければならないと、障害があるが故に断られた」との発言。すぐに抗議の声が。回答と事実が違いますよね。回答を換えないとおかしいといっても、「ご理解を」という始末。この保育所に指導をお願いしても、民間に委託してるという理由で濁されて。保育所を民間に委託する年、委託されても「ともに育つ」障害児保育、保障するって約束してたのに。後々話し合う場を設けるとの事ですが・・・。

 年々、以前と比べると窮屈になったなと思う事や、枠に何でもはめたがるなと強く感じます。枠にはめたがろうとすると綺麗に分けようとしてしまいます。分けられたくない事、当事者として訴えないと。共に生きる、大事です。
 


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

投稿コーナー終了


このコーナーの最初に戻る     もくじに戻る


13. サロン便りだヨン

事務局

 こんにちは。サロン便りです。
 この頃のサロンは、トランプゲームや会話をすることが多いです。
 特別な事はしなかったけど、サロンがデジタル化へ。
 毎回、サロンに来てくれる参加者のM君が、家庭の事情で関東に引っ越して行きました。(−−)
 その後、実験で、事務所のパソコンとM君の自宅のパソコンで、M君の様子と事務所の様子が、お互いに映像で見えるか?そして会話が出来るか?やってみました。
 なんと、なんと、出来ました。 これも時代の流れやと思いました。これからもM君はパソコンの中でサロンに参加する予定です。
 9月は、遠く兵庫県の丹波篠山から来てくれていた参加者が、久しぶりに来ました。
 それと、9月は新しいスゴロクやった。みんな同じマスに止まって、おもしろかった。
 そこに止まった人は、カバのあくびのモノマネをしないといけない、というマスもあったよ。
 良かったら、遊びに来てください。第1・3土曜日 13時30分から15時までです。
TSW1より

もくじに戻る


14.

事務所スタッフのつぶやき

事務局

題:目隠し1(呼吸器編)さろんで福笑いをしてみた。目隠しはアイマスクで行った。親子で参加した二人(子供さんが鼻口呼吸器着用)母「これでどう?」子「(アイマスクと呼吸器の間から、福笑いの絵が)見えます」母 ゴソゴソ「どう?」子 「まだ見えます」母 ゴソゴソ「あ〜もう!!母 子に両手を伸ばして「呼吸器が邪魔。外しちゃおうか」子 冷や水垂らしながら「やめて母さん」  題:目隠し2(呼吸器編)(なんだかんだしながら)とりあえず、アイマスクをつけてみた。子(机に置かれた福笑いを、アイマスクの隙間から眺めながら)「う〜ん、眼鏡の下から見えますね」子 「じゃ、マフラーで」母 「あ、これね」子 「そうそう」ぐるぐる母 「これでどう?」ぐるん子 「あ OKです」子 「さあ!始めましょう」アイマスクの上からマフラーで顔をぐるぐる巻きにしている状態で、やる気満々の笑顔。職員一同「ぶっ!!!!」超びっくりして吹き出す。


 『隊長のつぶやき』はお休みしますが、どこかで登場しています。
 次回もゆる〜くつぶやくかも?温かく見守ってくださいませ。
(今津)

もくじに戻る


15. CIL豊中近況

 このコーナーは、当センタ−ホームページの「CIL豊中近況」から抜粋しました。事務局のようすが少しでも分かっていただけたら嬉しく思います。

≪7月≫
2013/7/6 待機名刺
ずーっと、点字名刺の大口注文の処理が続いています。相前後して、小口の注文も何件かありました。点字プリンターが以前の様には作動しなくなっているので、間引き運転で尚かつ急いでやっております。

2013/7/29 悩むは日程ですなぁ・・・・・
今は各スタッフ、夏季休暇を取るシーズンです。だけどいつもながら、こういう事業所って、人手も厳しいし、なかなか日程調整には苦労が付いて回りますね(笑)。

≪8月≫
2013/8/10 ガイド焼け
とどまるところを知らない程の猛暑。本当に熱中症と背中合わせの生活だと思います。ガイドに行くヘルパーは真っ黒にガイド焼け。日焼け止めクリームは塗っても、やっぱり焼けてしまいます。今年は紫外線も怖いらしいとか。皆さん、気を付けて下さい。

2013/8/17 テレビ参加のさろん
今日は第三土曜日なので、さろんの日でした。お盆のシーズンという事もあり、参加者は大変少なかったのですが、一人、インターネットを通じてテレビ参加をしてくれました。映像も音声もきれいにリアルタイム。こういう光景は、昔はSF映画でお馴染みの、未来型通信の象徴的光景でした。今はもう現実なんですねぇ・・・・・。

≪9月≫
2013/9/4 台風・豪雨・・・・・
一頃よりずっと暑い時期が続いていたかと思ったら、今度は台風続きで局地的豪雨となっています。ヘルパーの皆さんも移動にはくれぐれも気を付けて下さい。事務所では、まだ夏季休暇の人もいますが、月末月始の処理も忙しく行われています。

もくじに戻る


16. サービスのご案内

事務局

ヘルパーステーションCIL豊中
訪問看護ステーションCIL豊中

TEL06(6840)8195 FAX06(6840)8196

障害者総合支援法介護サービス
障害者総合支援法によるホームヘルパー、ガイドヘルパー派遣。
◇サービス提供範囲 豊中市及び近隣地域
◇サービス提供時間 24時間365日
介護保険訪問介護・介護予防訪問介護サービス  
介護保険によるホームヘルパー派遣。
◇サービス提供範囲 豊中市及び近隣地域
◇サービス提供時間 24時間365日
介助サービス
障害者(豊中市在住)の自立支援を目的とした、制度外サービス。
◇介助料
 【一般介助】1時間1,200円 【その他】旅行介助
  介助者にかかる交通費及び宿泊費等は利用者負担です。
◇キャンセル料 当日キャンセル半額
※条件の合う登録介助者が見つからず、御希望にそえない場合があります。
訪問看護サービス
看護師が家庭に訪問し、在宅療養生活の支援をします。
◇サービス提供範囲 豊中市及び近隣地域
◇サービス提供時間 月曜〜土曜9時〜18時

ボーイズ&ガールズ
TEL06(6843)5580 FAX06(6843)5590

障害児通所支援(放課後等デイサービス・児童発達支援)
 重度障害児(医療的ケア就学児等)に、通所による療育支援。
◇サービス提供範囲 豊中市及び近隣地域
◇サービス提供時間 月曜〜土曜13時30分〜17時30分
祝日、年末年始、第1・3木曜は休み

豊中市障害者自立支援センター
TEL06(6857)3601 FAX06(6857)3602

豊中市障害者相談支援事業(無料)
障害者やその家族等の相談等支援をします。
◇福祉サービスの利用援助
◇社会資源を活用するための支援 ◇社会生活力を高めるための支援
◇ピアカウンセリング  ◇権利擁護   ◇専門機関の紹介
自立生活体験室
障害者の方が、自立生活を体験してみる部屋です(介助者の方は無料)。
◇宿泊利用 1泊1,500円 ◇デイ利用 1回(5時間まで)750円
特定相談支援・障害児相談支援・一般相談支援(無料)
サービス等利用計画の作成、地域移行支援、地域定着支援等。
豊中市障害者外出支援サービス
車いす対応車を運行し、一般交通の利用が困難な障害者の社会参加を支援。
◇利用対象者は豊中市に居住し、次に該当する人です。
 @身体障害者手帳1・2級(下肢、体幹、視覚、内部)を所持している人。
 A療育手帳Aを所持している人。
 B腎臓機能障害で透析治療を受けている人。
 注 15歳未満で車いすを使用していない人は利用できません。
    65歳以上で車いすを使用している人は利用できません(豊中市社会福祉協議会の「ほのぼの号」を利用 (6841−9393)。
◇利用日時 午前9時から午後5時(年末年始12/29〜1/3を除く)。
◇利用回数 月4回まで利用できます。
◇利用料 4q未満300円〜20q以上2,500円
◇利用区域
  豊中市及び隣接市(大阪市南部を除く)及び特定施設
◇キャンセル料 当日キャンセル500円
点字名刺(送料は一律270円)
◇既存名刺への点字打ち込みの場合 10枚150円
◇片面名刺印刷と点字打ち込みの場合 10枚300円
◇両面名刺印刷と点字打ち込みの場合 10枚350円
  ロゴ・イラスト又は写真入りの場合は10枚につき50円の加算となります。 

もくじに戻る


17. 編集後記

編集長 瀧本香織

 皆さん改めまして、正式に編集長という大役を務める事になりました瀧本香織です。分からない事ばかりで、至らない私ですが、宜しくお願い致します。
 今回の特集は同志の事業所を紹介しています。大阪市内の大正区と豊中市の隣の箕面市です。色々な活動されています。一度、足を運んでみてはいかがでしょうか?新しい出会いがきっと待っていますよ♪皆さんの近くにもあるかもしれませんね。私たちがいるCIL豊中にもお越し下さ〜い。
 特集の取材にご協力頂いた事業所の皆様、ありがとうございました。
 秋といえば、読書の秋、スポーツの秋・・・いやいや食欲の秋ですよね。秋の味覚と言えば?栗、高級食材の松茸、サンマ!!かんた〜んクッキングではサンマのパスタの紹介をしています。私はサンマの塩焼きぐらいしか知らなかったので、今度ぜひ調理してみようと思います。皆さんはどのような秋を過ごされていますか?
 
 何かお気づきの点や感想をお待ちしております。遠慮なくお申し付け下さい。

もくじに戻る


広報誌「CIL豊中通信」に戻る         トップページに戻る