広報誌『CIL豊中通信』Vol.35

2011年初夏号


も く じ


印刷版の表紙
1. 特集:好きな町で暮らすねん! 〜身体障害者グループホーム〜
2. 普通救命講習
3. 身体介護講習会レポート
4. 2010年度自立生活プログラム(ILP)講座報告
5. 車いすで巡る 旅ほろほろ放浪記 2010年度第2回市民講座
6. 国障年30周年記念パーティー報告
7. 豊中市障害者自立支援協議会平成22年第1回全体会議
8. “ニュー桃山台駅調査”続報 〜『魔の段差』が解消された!!
9. “つながるサロン”
広報誌編集部
事務局
事務局
事務局
事務局
事務局
事務局
広報誌編集部
ま〜たれ
みなさんからの、投稿コーナー
10. 短歌
11. ふりむけば明日がみえる
12. どんぐりのひとりごと
13. 哲珍の部屋
岩國久美子
井上康
どんぐり
上田哲郎
14. サロン便りだよん
15. 事務所スタッフのつぶやき
16. CIL豊中近況/お知らせ
17. サービスのご案内
18. 編集後記
TSW1
事務局
事務局
事務局
赤塚裕子



昨年度、様々な方から「プルトップ」「ペットボトルキャップ」を
たくさん頂き、写真の通り箱いっぱいに集まりましたが、置く場所が
狭くなってきたので、より力を入れて集めている事業所へお譲り
 しました。ご協力頂いた皆様、ありがとうございました。
今後もよろしくお願いします。

左:ペットボトルキャップ
右:プルトップ



1. 特集:好きな町で暮らすねん! 〜身体障害者グループホーム〜

広報誌編集部

 2009(平成21)年10月に、自立支援法が一部見直され、身体障害者手帳でのグループホーム入居が、初めて認められる様になりました。豊中では身体障害者手帳での入居はまだ認められておらず、そのため本誌では今回、他市のグループホームを取材して参りました。これが切っ掛けとなって、いずれ豊中でも、身体障害者グループホームが誕生したらいいなと思う次第です。なお、現在の制度では、入居者が障害程度区分2以上の場合は、『ケアホーム』が正しい呼称となりますが、本誌では長年使い慣れた『グループホーム』という言葉で表記しております。ご了承下さい。

きしべのおうち
 今回の特集で最初に紹介するのは、吹田市岸部にある、社会福祉法人ぷくぷく福祉会が運営している『きしべのおうち』です。取材には同法人の地域移行を担当する三好さんにご協力を頂きました。

★やさしさを感じる木造の建物 
 JR東海道線岸辺駅を降り、線路の下を通っている長いトンネルをくぐると『きしべのおうち』につきます。建物は3階建てで木の温もりを感じさせ、スロープも木で出来ていました。1階の正面はガラス張りで、陽当たりがよさそうな感じです。
 三好さんに伺うと「このホームでは何をしているのだろう?と、地域の人達に興味を持ってもらえるように、1階を開放的にして地域との交流を深められるようにしました」とおっしゃいました。
 「きしべのおうち」は、知的障害と身体障害の重複障害者や、絶えず介護が必要な重度障害者、知的障害者も利用出来るホームとなっています。
 1階では、日中一時支援事業(定員5名)と、短期入所事業(定員2名)が運営されています。2階では、ケアホーム入居者の居室(4室)とお風呂、3階は、32uの広い食堂、台所と居室(2室)があり、共有部分には広い廊下とエレベーターがあります。

★今、入居されている方は・・・
 6名の方が入居されており、全員が男性です。年齢層も20歳代〜60歳代までと幅広く、車いす利用の障害者が3名、知的障害者が3名入居されています。入居者のほとんどが、昼間、作業所に通い、夕方に戻ります。週末は、4名の方が、実家で過ごされているとのことです。
 介護の体制は、昼間は、食事を作るスタッフ、夕方から朝までは何名かの世話人によって、夜勤を含めて分担しています。
 最重度の方は、国より重度訪問介護の制度として月300時間が認められ、大阪府の中では、グループホーム利用者として初めてのケースだそうです。
 入居費用は、家賃、朝晩の食費、光熱費、日用品費などを含め、月6万円位ということです。
 入居者会議は、定期的には行われず、問題が起きればそのつどスタッフも参加し問題を解決しています。
 入居者が65歳になり、介護保険の利用になっても、本人が望めば引き続き居住できるように考えていかれるそうです。

★完成までの苦労
 土地を購入し建物の完成までの一年、時間に追われ、補助金手続きに振り回され大変でした。建設費用として、積立金、寄付金、借入金、補助金などで充当されたとのことです。なかでも補助金は、国・大阪府より施設整備費補助金で1570万円、吹田市より施設創設補助金520万円を受けられました。
 当初、補助金を受ける前は、短期入所・日中一時支援・グループホームを一緒に作る予定で進行していましたが、行政の指導により、グループホームと日中活動の事業との組み合わせは不可とされました。そのため幾度となく修正を加えた結果、日中一時支援と短期入所を1階のみで行い、グループホームは玄関を別にして計画を進めていきました。3つの事業の動線と、玄関・トイレ・台所・エレベーターの各設備・居室のレイアウトが、何回も修正して大変だったようです。
 また、『暖かみ』を追求したくて鉄筋ではなく木造3階建てにしたため、「防火・耐震」を考慮し、防災基準を満たすための様々な設備仕様(煙探知器・火災報知器等)を加えたそうです。

★住み慣れた町でふつうに暮らしたい
 吹田市では行政と民間が一体となって障害者の地域生活支援を積極的に進めています。その一つが『きしべのおうち』なのです。「地域の中に自然に存在し、障害者の地域生活をバックアップする」ことが、『きしべのおうち』の目的だそうです。
(担当:浅)

ほんわか
 大阪市内の長居公園から15分程の所にマンションがあり、そこの1階2室が「ほんわか」です。きれいに片付いたリビングで、入居者と管理人さん、世話人さんの3名にお話を伺いました。

★お金がなくても立ち上げよう!!
 施設からの地域移行や、作業所内にお風呂を設置して入浴体制の取組みを行うなど、様々な活動をしていくうちに、『地域で生活する場がいるんじゃないのか!』とグループホームを設立。立ち上げは作業所時代から行政との関わりがあったのでスムーズにできました。しかし、当時は福祉制度やサービスがないので自分達で決めていったのです。


すこし狭い?お風呂場

『まず、やろう!お金がなくても!』
現在で設立11年目。設立当初は平屋を借りていましたが、角部屋で1階、割とフラットな部屋のこのマンションと運良く出会い、引っ越し。バリアフリー改造の費用面は市から補助が出たので大丈夫でした。隣接するもう1室は職員が使っていましたが、空いたのでこれも居室として使うことにしました。
 現在、定員である4名の入居者(3名が車いすで身体障害と高次脳機能障害の重複、1名は身体障害と知的障害の重複)がおり、年齢も30代〜40代と近い世代です。以前は女性もいましたが、近所で一人暮らしを始めたため、今は男性ばかりです。
 管理人さんいわく、「今は雰囲気がもわっとして、男くさくなった。でも池田さんはいつも綺麗に使ってくれている。」
管理人さんや世話人さんから入居者へのお願いは?と聞くと、「ほんわかではエンパワメントを重視しているので、最終的には本人達からこうしていきたい!と、自分達で運営していくぐらいの気持ちが持てたらと思う。」

★特徴・ルール
 個別性重視で、「やってあげる」ではなくみんなで考えて決めていきます。入居者会議が月1回行われ、第三者として、相談支援のピア・カウンセラーと職員が入っています。
 ルールは基本的に利用者選択で、管理人・世話人は方法提示だけをします。しかし、高次脳機能障害の方が多いので、予定の記憶が飛ぶなど考えるのが難しい面があります。この場合は予定表を書き、それを確認するなどして自己決定を促しています。

★医療的ケアについて
 現在、常時医療的ケアの必要な方はいませんが、みんな定期通院が必要な方なので、月1回以下のペースで、かかりつけ医の受診をしています。また、日中活動の場でも毎週、連携している医療機関の方に往診してもらい、担当職員と連携をとって情報を共有しています。それ以外では、週3回訪問リハビリを受けている方もいます。
 日中活動の場での医療機関は、「ほんわか」の連携機関でもあるので、必要であれば訪問看護もお願いできるかもしれません。

★入居者の池田さんにお話を伺いました


きれいなお部屋を拝見

 池田さんは、溶接の仕事の事故で障害をもち、最初は施設に8年間入りました。その頃から地域に出たいという思いがあったので、法人からのお誘いの声がかかり、ラッキー♪と西成区の福祉ホームへ。しかし3年の入居期限があったので、その後はグループホームに入るか、一人暮らしをするか・・・。ラッキーなことに、このグループホームに入れることになって今に至っています。
 「寂しがり屋なんで一人は寂しい。だけど今は仲間がいるから安心。」
 ずっとここにいるの?の問いに、
 「しばらくは・・・その後は終の棲家を見つけたい。」
 今好きなことは?と尋ねたら、
 「月1・2本の映画を、映画館でみるのが好き!好きな映画は、青い宇宙人の『アバター』最高でした!!」と声高らかに笑っていました。
 池田さんの部屋を見せて頂きましたが、あるものを発見!
 一枚の紙に『○○○○メニュー』ちゃんと健康管理しているな・・・と感心したら「はってあるだけや〜」と笑っていた池田さんでした♪

★最後に見てもらっている人達へ
『人生は前に行こう!特にいつも前向きに行こう!!!』
 池田さんは、とても力強く言ってました。
 本当に池田さんや管理人さん、世話人さんも、生き生きと満面笑顔でエンジョイしているのを見ていると、もっと身体障害者も自立出来るグループホームを立ち上げていくべきだなと思いました。私たちもパワーをたくさんもらえて、足取りも軽やかに帰途につきました。      
(担当:赤塚・今津)

グループホーム『明美の里』
 最後にご紹介するのは、大東市にある明美の里です。JR学研都市線(片町線)の四条畷駅から南へ徒歩10分ぐらいのところにあり、運営団体は社会福祉法人稲原福祉会です。取材には、責任者の石井敏一さんが応じて下さいました。

★最初は迷ったけど、必要になると思った
 グループホームを立ち上げたのは、2006(平成18)年5月のことです。当時、まだ制度の対象になっていなかった事に加え、需要の面からも、知的障害者か身体障害者、どちらのグループホームを立ち上げるか迷いました。しかし、ゆくゆくは身体障害者のグループホームも必要になるのでは?と考えたのと、ちょうど大東市役所から一件の相談がきて、その内容が、『中途で身体障害になった人がいて、一人暮らしは難しいが実家で暮らすのも厳しい。どこか行ける所は無いか?』というものだったのです。そのため、身体のグループホーム開設に踏み切りました。最初は入居者が1人だけで、当然赤字(笑)。だけど現在は定員である4人が入居されており、大東市内に他に2ヶ所の身体障害者グループホームも開設されて(うち1つは女性専用です)、計3ヶ所となっています(3ヶ所ともそれぞれ別々の法人が運営しています)。石井さんは、「3ヶ所あることが、他市からは珍しいと言われるが、逆にどうして他市になかなか無いのかが不思議。確かに身体は一人暮らしを望む人も多いが、施設や親元から離れて急に出来ない人もおられるし、重複の人もおられるので・・・」と話していました。

★人の出入りが多いのが好き!
 明美の里では、宿直のスタッフや調理を担当する主婦など、いろいろな人が関わっています。それが特色でもあり、石井さんも「人の出入りが多い、風通しのいいホームにしたい。知らない人が来るのは大好き」と語っていました。

★建物の改造は大変やったけど


店舗だった頃の面影も残る、明美の里の玄関部分

 建物は、元は店舗(化粧品店)でした。そのため入口は地面と段差のない広いスペースで、電動車いすも楽々置かれていました。2階建てですが、階段は昇降機を取り付ける関係で、L字型だった物を直線式に変更(L字型対応の昇降機は高額)しています。また、1階の奥の部屋は、最初は入居者の個室だったのですが、床が一段下がっていたので、段差を埋めました。そのぶん天井が少し低く感じます。

★これだけは守ってもらっています
 自由に楽しく暮らしてもらっているグループホームですが、禁酒と禁煙は絶対のルールとして守ってもらっています。やはり共同生活なので、酔っ払って帰宅し、ほかの入居者に迷惑が掛かってしまうのは良くありません。一方、喫煙は、屋外でならOKということになっています。そのほか、男性の入居者に対しては、「女性には絶対優しくするように!」と常に言って聞かせているとのことでした。

★大東市の、地域移行に向けての取り組み
 大東市では2008年度より、『生活訓練事業』が行われています。これは、施設入所している障害者が地域移行するにあたり、グループホームや授産施設が、生活体験先・就労体験先として受け入れた場合は、『体験者一人につき幾ら』という報酬が、行政から事業所に支払われるというものです。明美の里も受け入れたことがあり、その時の契約書も見せてもらいました。石井さんは、「大東市からの最初の説明会にも行ったが、行政自ら地域移行を実践する事業を立ち上げ、実行しているのは大いに歓迎している。こういう例は珍しいみたいだね」と話していました。

★ここからは、入居者のみなさんの登場です!!
 現在の入居者は、障害程度区分4の方が3人、2の方が1人で、男女別では男性が3人、女性が1人です。年齢は50代が3人、30代が1人で、日中は同じ法人が運営する授産施設『グローリーワーク大東』で働く人と、交野市の自立センターに通所している人がいます。各自個室がありますが、取材時も入居者の方は隣の部屋の方と一緒にテレビを見て仲良く過ごされており、取材者にもフレンドリーでした。

★グループホームでの生活はいかがですか?」「ずっとここに居たいですか?」
 皆さんに聞いてみたところ、「一人ぼっちじゃないからいいね」、「ここに居たい。でもここ来て肥えた(笑)」という答えが、先ず二人の方から返ってきました。続いて女性の方が、「いつまでもここに居ていいと言われ、とても感謝している。悲しい時は涙が出ないけど、嬉しいと泣けてくる」と、本当に涙声で話してくれました。最後に30代の方が、「ここにいると、ついつい甘えてしまう」と照れくさそうに一言。石井さんも「若いし、これからがあるだけに、一人暮らしに踏み出せたらいいとは思うけど、親御さんは心配するよね」と、ちょっぴり複雑そうでした。
(担当:根箭)













 以上、特集をお届けしました。最近まで身体障害者がグループホームの対象にならなかった背景には、『身体だけの障害だから、自己判断・自己管理は出来るし、居宅(一人暮らし)サービスだけで充分』という解釈が、あったと思います。しかし、施設を出ていきなり一人暮らしというのは、大変難しい場合も多く、そのための受け皿として、身体障害者のグループホームは、もっとその価値が認識されるべきだと思いました。今回取材にご協力下さった皆様、本当に有難うございました。

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2. 普通救命講習

事務局

※画像など、より詳しい報告はこちらをご覧下さい

 今年の1、2、4月にヘルパー現任者研修としての普通救命講習が、豊中市消防本部救急課主催の講習に参加する形で行われました。
 豊中市は、救命講習修了者数の人口割合と、救急隊数・救急救命士数の市域面積割合が、いずれも全国トップレベルにあり『救命力世界一』を宣言しているということで、参加者は熱心に聞いていました。
 講習では、心肺蘇生(心臓マッサージ)や人工呼吸の方法、AED(自動体外式除細動器)の使い方を習いました。心肺蘇生は、真剣にすると息が上がり、汗びっしょりになるほど体力を使います。
 『救命救急の方法を知っているか、知らないか?』
 この違いが、目の前で意識を失い、倒れている人の命を救えるか救えないかの結果を分けるのです。
 大切な命の灯火を消さないために、私たちが身につけておかねばならない知識だと思いました。ガイドヘルプなどでいろんなところに出掛けた時、AEDがどこにあるか確認するように心がけたいと思います。
(文責:川崎)

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3. 身体介護講習会レポート

事務局

 去る2月26日、今年度の身体介護講習会を、当センターのヘルパーステーションにて行いました。少しだけですが、その内容を報告していきたいと思います。
 今回はグループワークを主体として、まず参加者同士で介護を実践しました。その中で『しんどい』、『やりにくい』などの問題点があれば、それを講義の中で発表し、改善すべき点や負担の少ない方法などを、参加者にも体験してもらうという、いつもとは違った切り口で行いました。  普段、身体介護になれていないヘルパーさんにも、実際に体験することで、経験を重ねていけます。
 また身体介護に従事されているヘルパーさんにとっても、問題点や疑問点を共有し、いろいろな解決方法を実践も交えて発表・紹介することで、それらを解決する糸口をみいだせるきっかけになったかと思います。
(九川)

まずは、参加者同士が介護者と利用者に
役割を分担し、介護をしてもらいます。
これは、『起き上がり動作』の実践です。
今回も講師をお願いしました、
訪問看護ステーションやわら、山崎先生。
いつもありがとうございます!

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4. 2010年度自立生活プログラム(ILP)講座報告

事務局

 現在の形式にして3回目になった10年度の自立生活プログラム講座。年々改良を重ね続けるこの講座も3月に何とか無事に終わりました。
 受講生は女性3名男性2名で、高校生から社会人までという年齢層。知的・精神・身体と障害も様々な仲間でスタートを切りました。

第1回 「先輩のお話を聞いてみよう」(70分)
 自立生活を身近に感じてもらおうという事で、自立生活を送っている人の話を聞いていくことから始めました。講師には、地域で活躍されている視覚障害の方(中林さん)と難病の方(行岡さん)をお招きしました。弱視だった中林さんは、障害が軽かったが故にある時期まで、自分を健常者の範囲として見ていたが、大学の先生からの、「障害者として生きてみたら?」という一言で気持ちが変わったという話をして頂きました。行岡さんは難病で歩行障害となりましたが、色々な地域で生活をしてきた中で私たち当事者が発信していくことが、バリアを取り除いていくんだという事等、これまでの経験や自立生活の面白さ・楽しさを、受講生とやりとりをしながら話して頂きました。

第2回 「色々な障害を知ろう」(60分)
 自分を含めたお互いの障害を理解することで、自分の生活作りや相手に自分の障害を伝える事も出来ます。今回はパワーポイントを利用しながら、障害とは何かを受講生と一緒に考えたり、障害種別による手帳制度や各々の特性を学んでもらいました。二人の当事者の人生、二次障害の事も盛り込みながら話しました。

第3回 「在宅福祉サービス及び年金・生活保護」(60分)
 私たちが生活する上で福祉制度はなくてはならないものです。@自立支援法にはどんなサービス体型になっていてどういう時に使えるのか?申請方法の手順はどうなのか?それと負担金について。A年金制度についてはどういった障害の方が受けられるのかやどのくらいもらえるのか?B特別障害者手当の仕組みについて。C生活保護制度の仕組みや考え方・支給額を、事例を組み入れて。D生活福祉資金制度の概略について。この5つの仕組みを勉強してもらいました。このテーマは内容が奥深く難しいので、正確にわかりやすく伝わるように工夫しました。1時間ですべてを理解する事は無理なので、後日資料に目を通してもらえたらいいなと思いました。

第4回 「交通手段を利用してみよう」(60分)
 今回はパワーポイントを効率的に活用した初めての挑戦。画像をふんだんに使いすべてをカラーで表示。見やすくして、みんなで一緒に交通手段の利用方法を考えました。バスに関しては、スロープの使い方や車内の設備から障害者割引について、電車については、障害者割引の条件から切符の買い方、車両のバリアフリーや駅の設備、タクシー・飛行機・フェリーに関しては、予約方法・料金体系を学びました。バリアフリーに関する法律も盛り込み、今回はクイズ形式を取り入れながら学びました。今後自分で交通機関を利用する面白さに目覚めてくれたら、嬉しいなと思います。

第5回 「人間関係って大事よね」(60分)
 「人間関係」では、挨拶や会話の積み重ねが豊かな人間関係を作り上げる事。「コミュニケーション」では、感情や意思とは何か、共感についてや距離の取り方。「マナー」では、言葉使い、気配り等の社会人として大切な事。人との繋がりや関わりによって、地域の生活へのとけ込み方も違ってきます。人間生きていくためには、やはり一人では出来ない。人と人との繋がりで支え合っていく、とても大事なことです。

第6回 「自分で食事と健康管理してみよう」(60分)
 自立するには、やはり自分で食事管理が大切。一日の始まりは朝食からしっかり食べる事。ダイエットしたいなら夕食を少なくしたらいい等を学びました。今までは少し難しかったので、今回は実物の野菜を持参し説明したり、紙芝居のように語りかけたりしてみました。(この後、交流会の時に、ダイエットしているという人から、食生活を変えてみたら少し痩せたと喜んでくれました。)

第7回 「私たちが使える福祉用具」(60分)
 福祉用具はたくさんあります。補装具、日常生活用具、自助具、その他の福祉用具があり、各々の種類を理解し、役割を知る事から始めました。個々の生活にあうものや、福祉用具で良い生活をするにはどうすればよいのかも考えたり、使いたい時はどういう方法で手に入れるのかを学びました。またアイデア商品の紹介(ジャパネットたかだのような)やクイズ形式、福祉用具を使ったら未来が楽しくなれるような内容を取り入れながら、ユニバーサルデザインな福祉用具も絡めて学んでもらいました。

第8回 「一人暮らしを始めるには〜住居の選び方〜」(60分)
 住居を選ぶにあたって、どういうところに注意するべきかを考えていきました。色を使ってカラフルに、イラストを入れてわかりやすくしたパワーポイントを使って、一人暮らしのメリット、デメリットを列挙したり、一人の場合で1か月にかかる生活費を試算したりしました。そして自分に合った住居を「環境」、「間取り」、「設備」から考えたり、住宅改修制度についても学んでもらいました。住宅は、障害によって幅が広く違うので、もう少しポイントを絞れたら、わかりやすくて良かったかなと思いました。

第9回 「一人ひとりを守るためにできる事」(90分)
 昔の障害者はどのような立場にいたのかを、DVDや写真を見てもらうことから始めました。1960年代の大規模収容施設の悲惨な事実から、障害者は人間扱いされてなかった事、今の制度は比較的良く、地域生活がしやすくなったのは、障害当事者が運動してきたからという事を伝え、人は法や制度で守られていることを理解してもらいました。また制度や法関連の事、国際的な差別規定についても学び、これからもずっと絶えることなく行動して、訴える事が重要だと伝えました。

第10回 「修了式・交流会」(40分)
 受講生の皆さんとスタッフでお菓子を囲んで振り返り、受講生一人ひとりにこの講座を受けてみて良かった事を述べてもらいました。

★受講生の感想
Mさん:色々な障害があることが分かったし、知らなかったこともわかった。一番印象に残ったのは人権侵害を受けていたことと、2006年に作られた障害者の権利を守る条約に対して、日本は守る事を宣言していないことにびっくりした。

Nさん:生活について様々な事を知ることが大切。受講の切っ掛けはILPとピアカンとの関係が深いということを知ったから。特に制度の生活保護のこと、栄養について学ぶことができて良かった。今回の受講で、全ての生活を自分自身で営むための大切な切っ掛けを教えて貰うことができた。

Aさん:全部出席出来たのが嬉しかった。自分の話をしたり、他人の話を聞いて考えたりするのが苦手だが、今回人の話を聞くのが好きになった。内容をぬきにしても面白いと思えるところもあったし、それ自体が自分だけでは考えられなかったこと。色々な人に助けてもらった。

Oさん:大変参考になる講座で、自立に関してとても自信になった。これから自立に向け、努力を惜しまず頑張りたいと思う。CILさんとも話をしていきたい。

最後に
 毎年、受講生の皆さんの感想を読んでいると、講座を企画して良かったなと、スタッフ一同感じている次第です。自立生活のスタートにたった受講生の皆さんですが、本当にこれからです。いきいきと楽しい自立生活を送れるように願っていますし、これからも関わり続けていきたいと思います。
 スタッフ側の思わぬアクシデントもありましたが、今回受講された5名の皆さん、約半年間本当にお疲れ様でした。


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5. 車いすで巡る 旅ほろほろ放浪記 2010年度第2回市民講座報告

事務局

※より詳しい報告は、こちらをご覧下さい

 2011年3月20日(日)、2010年度第2回市民講座を開催しました。これより9日前に東日本大震災が発生し、甚大な被害が出たことを受けて、当日は受付に義援金募金箱を設置致しました。集まった募金は全て、日本赤十字社に寄付しております。ご協力下さった方々、本当に有難うございました。講座には約40名の方にお越し頂きました。

 今回のテーマは、『車いすで世界を巡る 旅ほろほろ放浪記』で、車いすに乗って世界のあちこちを旅してきた障害当事者に、講師に来て頂きました。その講師とは、西宮市にあるメインストリーム協会の理事長、廉田俊二さんです。
 廉田さんは中学2年生の時、弁当を食べようと体育館の屋根の上に登って転落し、障害者になりました。最初に車いす生活になると分かった時、廉田さんはお祖母ちゃんから、何回もこう言われたそうです。

 「あんた、このまま一生歩かれへんかったら、結婚出来へんなあ。彼女も出来へんなあ。いや、でも一つだけ結婚出来る方法がある。金や。金さえあれば何とかなるさかい、あんた、頑張って稼ぎなはれ」
 「年寄りは同じこと何回も繰り返すねん」と廉田さん。それでもあんまり言われるものだから、本人もつい、「何とか金儲けをせんと」という思いに駆られていき、やがてそれは、『ハワイでそうめん屋を開く』という壮大な(?!)発想へとつながっていきました。ある夏の日、家族でそうめんを食べている時に、一緒に食べていた知り合いのおっちゃんが、「この前ハワイに行ってきた時に、そうめんが無くて困った」と、一言話したのを聞いたことが切っ掛けだったそうです。

 そうめん屋ドリーム≠ェ膨らんでいった廉田さんは、本当にハワイまで飛んで調査を行い、これが人生最初の旅≠ニなりました。そして、「商売をするには、先ずハワイだから英語を話せなくてはいけない。経営のことも知らなくてはならない」と本気で考え、有名大学の商学部への入学も果たします。
 大学在学中、廉田さんは「今しか出来ないことをしたい」と、再び旅に出ます。始めは北海道を巡り、旅費を稼ぐために自ら商売もおこなったのですが(現役商学部の本領発揮?)、その品物は何と、わらび餅。実はわらび餅の原料となるわらび餅粉が結構簡単に手に入り、作り方も簡単だったらしいのです。
 その後、旅の矛先はいよいよ海外へと向きます。先ず持ってお隣の韓国を訪問しましたが、その目的は『○○○』でした。ちゃんと書けって? ハイ。『合コン』です。何でも廉田さんは、自分でも理由が分からないまま、『合コンするなら韓国』と、勝手に決めていたそうです。

 日韓合コンの成果のほどはなかなか良かったという事ですが(汗)、滞在中に宿泊していたユースホステルで、ある日本人の若者男性2人と出会いました。最初、合コン男チームの“頭数稼ぎ”の目的で声を掛けたその2人、実は大変熱心に人権について勉強している人だったのです。いろいろ話を聞いている内にすっかり感動した廉田さんは、初めて人権というものに目覚めます。そして帰国後、廉田さんは大阪から東京までを徒歩(車いす)で移動し、国鉄(現JR)の各駅に対して、障害者が使いやすい駅に改良するよう、働きかける活動を開始しました。
 当時、駅に階段しか無いのは当たり前だった日本の鉄道。廉田さんの活動は、こんにちの鉄道バリアフリー化へ向けての、先駆的取り組みとも言えました。仲間を何人か集めておこなったのですが、物珍しさからマスコミの取材も受け、新聞でも大きく取り上げられたそうです。それを意識してか国鉄の駅員も、なかなかのジェントルマン的¢ホ応をしていたのですが、やがてマスコミからの注目が薄れてくるにつれ、不誠実な、冷たい対応をされる場面が目立つようになりました。廉田さんは、このことに真剣に怒りを感じ、それが後年、自ら障害者自立生活センターを立ち上げる行動へとつながっていったのでした。

 ・・・・・と、ここまでなかなかいい具合に話が進んできましたが、肝心の海外旅行での体験談は??ほとんどありません(汗)。というのも、話が豊富過ぎて、本題に辿り着かない内に終わりの時刻がやってきてしまったのです。これには廉田さんも照れ笑いを浮かべるしかありませんでしたが、アフリカと中国でトイレを使った時の話が、最後に少し出てきました。

 曰く「アフリカのトイレは怖いで。明かりがろくにない中、いきなり黒人と出くわすんや。真っ暗な上に真っ黒」、「中国の北京では、個室に入ると首から下が隠れる仕切りしか無くて、お互い顔が丸見えで用を足しながら雑談してるねん。その逆バージョンのトイレもあって、足だけ丸見えで人が入っているのは分かるけど、上半身は隠れているから、顔は見られずに済むという・・・・・」一同、大爆笑でした。

 今回は、本題からは脱線率8割以上となりましたが、それでも勉強になる話、抱腹絶倒な話満載でした。これまでに廉田さんは、44ヶ国を訪問されたという事です。
 廉田俊二さん、参加者のみなさん、どうも有難うございました。 
(担当:根箭)

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6. 国障年30周年記念パーティー報告

事務局

 皆さん国障年豊中市民会議はご存じでしょうか?
 正式には「国際障害者年を機に『障害』者の自立と完全参加をめざす豊中市民会議」という、主に豊中市に対し障害者制度の向上や人権問題を訴えていく団体(当事者団体の集まり)です。
 去る1月23日(日曜日)障害福祉センターひまわりで、設立30周年を迎え、記念パーティが開催されたので、CIL豊中も加盟団体として参加しました。当日は、長年障害者運動に携わってきた牧口一二さんが、『障害者を取り巻く30年』と題して記念講演をして下さり、その後会場からの思い出話がたくさんあったりと、刺激になる話ばかりでした。

 記念講演は、70年から80年にかけてが、障害者運動は一番面白かったし、今の介護やバリアフリー等という様々な問題が凝縮されてた時期ではなかったかなという話から始まりました。
 70年代初頭は障害児が親によって殺された事件が頻繁にあり、それに対して全国の親が減刑嘆願運動を起こしました。しかし、脳性麻痺者からなる青い芝の会が減刑嘆願はおかしいと訴え、『障害児と健常児では命の重たさは違うのか』という疑問を世の中に広めるきっかけになり、牧口さんを始め、多くの障害者が障害者運動に関わっていきました。
 75年から80年は脳性麻痺をテーマにした映画が作られ、車いす市民集会も始まりました。しかし世間の認識では、車いすは病院にある道具にしか過ぎず、車いすに乗った人が街に出ると、警察に通報される時代でした。言語障害があったら意思も通じにくいので、警察にも持ち物を勝手に開けられて連絡先を探される。もちろん当事者は何も悪いことをしていませんが、当事者に対するプライバシーという意識は、皆無だったのです。
 また、京都の駅にエレベーターをつけようという運動もあり、大阪から駆けつけた際、京都の障害者から「ここで運動して駅が使いやすくなっても、大阪の駅が使えなかったら意味がない」と言われたのが、大阪の交通バリアフリー運動のきっかけでした。そしてある時大阪市の議員が「この地域は便利になります」というビラを巻いていたので、大阪市交通局に出向き、「便利になるといっていたが、障害者にとっても住みやすくなるんですよね。バリアフリーになるんですよね?」という迫り方で、具体的な取り組みが始まりました。
 そんな中、女性の障害者から「私たちも障害者運動をしたり街に出たりしたいけど、駅まで行く手段がない」という声を受け、介助者を募ろうという事で「行動する障害者応援センター」が創られたり、「そよ風のように街に出よう」という障害者のための情報誌の発行もこの頃から始まりました。
 当時松葉杖をついていた牧口さんも、歩道調査の時、段差を見落とすことがあり、僕が気付かないなら健常者は余計に気付かないだろうと思ったそうです。
 81年に国際障害者年が始まってから20年間は、行政も一緒に動いていた事もあって、障害者運動としてはそんなに大きな動きはなかったのですが、牧口さんは、重度障害者の自立自体がすごいと思われたらしく、重度障害者の自立は『できないことをしてもらって介助者(人)が増える、それに対し一般的な自立は、できることが増えて周りから家族(人)が減っていく』という事で、どちらかといえば重度障害者の方が生活は豊かではないかと感じたそうです。
 障害児が親によって殺された事件が障害者運動の始まりであり、障害者運動では『誰一人として除け者にしない』という事が、基本的な柱でないといけないと言っていました。年間3万人の自殺者が13年出続けている日本で、追い込まれている人の悩みがあるが、「重度な障害者の生き方、命を大切にする、せっかく頂いた障害から感じ取れたことを社会に還元しないといけないんじゃないか」という言葉で、牧口さんは締めくくりました。

 記念講演の後、軽食を摘みながら、これまで豊中の障害者運動を培ってきた方々からのたくさんの発言がありました。
「30年経っても障害者施策はまだまだこんなレベルなのかと思い知るべき」
「30年で障害者の日常生活が変わったかといえば、変わってない」
「西岡努という脳性麻痺の運動家が人生を変えてくれた。市民にも障害者がいるのだから、行政マンにも障害者がいておかしくないと刺激をもらった。」
「昔は障害児は校区の学校へ行けなかった。教育制度が不十分だったから実力で一部の教師が校区に通学させていた。そういう積み重ねで今の豊中の教育があるが、今でも高校へはなかなか進学できないという現実を考えるべき」
「過去の運動を学ぶ中で未来を探るというのが時代の意思の流れである」
「差別問題を特別な事と捉えるのではなく誰しもの問題だと捉える社会に」
「先駆者に負けないように、今後とも豊中で頑張りたい」
 豊中で育ったものとして、先輩方々の意思を引き継いで、障害者の生活の更なる向上に、運動していこうと思い直す事が出来た一日になりました。
(上田) 

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7. 豊中市障害者自立支援協議会平成22年度第1回全体会議

事務局

 2011年2月10日、豊中市役所で豊中市障害者自立支援協議会の第1回全体会議が行われました。この協議会は、全体会議、運営会議、専門会議及びワーキング会議の3つで構成されており、地域における相談支援事業をはじめとする障害者の地域生活支援システムの整備を図る目的で作られました。
障害者相談支援機関や障害福祉サービス、雇用就労、高齢福祉、保育、教育、療育、保健等、各分野の機関や団体が多数参加しています。
 全体会議の検討課題について、事務局からの提案は下記の通りです。

1.生涯を通じた一貫した支援について
 ・支援の継続性・責任の明確化(豊中版支援手帳の作成検討)
 ・地域の困難事例検討を通して、各分野・機関との連携及びそれぞれの支援の充実促進
 ・障害者相談支援体制の充実
2.障害児の知的障害や発達障害にかかわる支援システムについて
3.医療的ケアを必要とする重症障害児の地域生活支援について
4.施設や精神科病院からの地域生活移行及び定着の支援について
5.単身障害者・高齢障害者の権利擁護と地域生活支援について
6.重複障害・多問題事例の支援について
7.その他各委員からの提案に基づき、全体会議での協議が必要と思われる事柄について

 第1回目の全体会議に、これだけ多くの機関、団体が集まり、障害福祉の関係者による連携、及び支援体制に関する協議を行うのは、初めての試みです。
 『この会議は、上記に掲げた課題や施策提案等について、運営会議及び各専門部会から出された提案を基に、内容を協議するものです。そしてその結果を、豊中市障害者施策推進会議に報告するとともに施策の提案も行うという、今後の豊中市の、相談支援事業などの福祉システムづくりに関する中核的な役割を、定期的な協議を通じて果たすものです。』
 『学校入学前、卒業後、就職後、高齢になり介護保険に移行するまでの期間等、従来、それぞれにおいて支援が分断されていたことを反省し、一貫した支援を行う様にすること、それに知的障害や発達障害にかかわる支援システムや、医療的ケア等の問題が取り上げられ、改善されれば素晴らしいと思います。』
 関係機関が縦、横連携し、より密なサービスを当事者に提供する第一歩になればいいなと感じました。
(浅)

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8. “ニュー桃山台駅調査”続報 〜『魔の段差』が解消された!!〜

広報誌編集部

 昨年10月に発行した本誌Vol.33で、桃山台駅のバリアフリー状況について特集いたしました。その中で、歩道と車道の段差がひどく、電動車いすでは渡れない交差点があることをお伝えしていたのですが、ご記憶の方はおられるでしょうか?
 場所はバスロータリーの前の道路と、新御堂筋の北行き側道(千里中央方面)との交差点で、横断歩道と、横を延びる車道との間も非常に狭かったため、手を伸ばせば届きそうなぐらい近くを、大型の高速バスなどの車がビュンビュン通り過ぎていました。
 今回、改良工事が実施され、横断歩道の位置自体が、交差点の外側に少し移動しました。その結果、渡っている人と、並走する車との距離が空き、安全に横断できるようになりました。また、一番問題となっていた『魔の段差』も解消され、横断歩道の幅も拡張されたので、よりゆったりと渡れるようになっています。

改良される前の交差点。前方が千里中央です。段差の乗り越えは、正に命がけでした。

改良工事が進む交差点。渡りやすくなりました。完成した後が楽しみですね。2011年4月24日撮影。


 この横断歩道は、バスロータリーから見て、駅を利用するための最寄りのエレベーターに直結しているので、ぜひバリアフリーになってほしいと思っていました。まだ工事は完成はしていませんが、車いすの人は問題なく横断しているのを確認できました。
 そのほか、昨年は一部区間工事中だった、桃山台新駅舎と在来歩道橋とを結ぶ通路(陸橋)も、全区間開通していました(右写真)。着実に使いやすくなってきた、桃山台駅の今後に期待したいですね。
(担当:根箭)

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9.

つながるサロン

事務局

 豊中市障害相談支援ネットワークえん≠フ活動の一つとしてはじめた“つながるサロン”もう来られましたか?
 まだまだお伝えきれてないと思いますが、知ってるけど【遠い】【曜日が合わない】などで来れない方もいらっしゃるとも思います。
えん≠フ関係機関はたくさんあります。
 各事業所でも、いろいろなサロンをしています。
 そちらの情報を、えん≠フ機関誌にもまた掲載する予定ですが、お知りになりたい方は、当センター(06−6857−3601)か、えん≠フ関係機関にお問い合わせください。

 つながるサロンの場所は、服部駅から、梅田方面線路側を線路沿いに曽根に向かっていただき、駅の横から数えて3つ目の踏み切りを過ぎてすぐの、ガラス張りのところです(幼稚園まで行くと行き過ぎになります)。

 日々の悩み相談、友達作りをしたり、ほっこりとした時間を楽しんだり、自分の好きなようにお過ごしください。見てるだけ、聞いてるだけ、お茶の時間を楽しむだけでもOKです。


茶処(ちゃっところ)の中の様子

開催場所 :喫茶 『茶処』
開催日 :毎月第2金曜日
開催日時:午後2時〜午後4時まで(出入りは自由)
参加費 :無料(喫茶利用の場合は実費) 

【問合せ先】 豊中市障害相談ネットワークえん
事務局 豊中市障害福祉課 06−6858−2747

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みなさんからの、投稿コーナー

 このコーナーでは、みなさんからの作文・詩・短歌・俳句・小説など、投稿作品をご紹介しています。
 作品は随時募集しておりますので、投稿されたい方は、編集部までどしどし投稿して下さい。
 なお、作品数が多くなった場合は、繰り越しで2号先の広報誌に掲載する場合もあります。作品の内容によって考慮は致しますが(季節がテーマの場合など)、あらかじめご了承下さい。

 みなさまの投稿を、お待ちしています。













10.短歌

節約し
買い求めきた
花一輪
我がの暮しに
春が来りぬ


伊丹市 岩國久美子

二十三年四月・・・ 花盛り・・・


11.ふりむけば明日がみえる

井上康

けったいな兄弟A
二つ違いの兄貴は家族から「田舎のおばちゃんみたいやなぁ」とか「あんたは橋の下から拾ってきた子や」などといじられることが多かった。
子どもに「障害」は関係ない。年齢も近く、おたがいにライバル心を燃やすことがよくあった。五分間で日本の都市名をいくつ言えるか、唾を飛ばし目の色を変えて闘った。いつも好勝負だった。ぼくが負けると、硬直のせいにして兄貴を蹴飛ばしたりもした。
学業はすこぶる優秀だったけれど、勉強は好きではなかったようだ。
大学進学をあきらめ、十年ほど職を転々としていた。
三十を過ぎたころだった。突然「女には懲りた。家庭は持たん。その代わりほんまにやりたかったことをオレはやる」と宣言する。
『ほんまにやりたかったこと』とは、陶芸だった。
「金も儲からんし、修業はつらいし、どうせ長続きせえへんで」
そんな周囲の目をエネルギーに変換して、22年。
「一か月ほどキャベツしか食ってへんねん」などとマジで苦笑していた兄貴だけれど、仕事も軌道に乗り、結婚までしてしまった。
でも、ぼくはものすごく納得する。陶芸を始めてしばらくしたころ、施設に面会に来てくれた兄貴に仰天してしまった。上等な洋服だったわけでもなかったし、いつものように髪は薄いうえに手入れも何もしていなかった。
だけど、充実したまなざしだった。言葉に力を感じた。「カッコええなぁ」と思った。心が人の身なりを変えることを実感した。
男兄弟三人の中で、ぼくがいちばんウサン臭くなってしまった。


12.どんぐりのひとりごと

どんぐり

 どんぐりころころころがって、元気になったでー!
 うっほん、へっほん!
 うしゃうしゃうっしゃっしゃーー!!
 今、元気に編集会議に出ていまーす。嬉しいし、ありがたいでーす。でも、前の私と比べたら、出来ないこともいっぱーい。いろんなヘルパーさんとのかかわり、いろんな人とのかかわりで、今の私は乗り越えつつあります。その中で、面白いこともいっぱーいあります。
 私は言語障害もあって、寝たっきりの時は自分の意思も伝えられず、もうどうしたらええのか途方に暮れていましたが、“右手”が生きる支えです(右手ばかりでもありません。左手は、手すりをつかんで、いっぱいつかんで、今痛いです)。
 トーキングエイドを打ち、机に字を書き、右手を動かすのもしんどいと、全てが止まっちゃいます。で、時々吹き出すようなこともあります。
 あるヘルパーさんに、「ここに置いて」って言うつもりで、テーブルに『こ』って書き始めました。そのヘルパーさん、その字がわからなかったらしくって、「それは・・・・なんやろ・・・・鏡文字の『り』?」
 わたし「????何でここに鏡文字書かなあかんねん?(心の声)」
何回も何回も『こ』を書き、やっとわかる。わかって、吹き出してしまいました。
 お風呂に入る時と出る時に、「よーいっしょ」って絶妙なタイミングで声をかけて下さるヘルパーさん。なんかとっても面白い。
 それに、それに、寝たっきりやった私を、リハビリのためベッドから引きずりおろして、立たせようとしてくれた整骨院の先生。
 書けば、きりがないくらいの人達に、支えられて、私は、今を生きている。なーんてかっこいい、なはははは。
 原稿、何書こうかな?って訊いた時、元気になった過程を書けば?って言うてくれた、Nさんに感謝。


13.哲珍の部屋

上田哲郎

 入所が良くない理由がぁ…
 職場連中とフットサルしてまして、自爆して足の骨にひびが入りまして、4ヶ月足らず入院してました。様々な方々に頼ってしまったり、心配もかけたことは、悪いなぁと思いながらも、職場連中と一緒に楽しめる環境がここにはあるんだと思うと、ワクワクしますし、これが豊中らしさで、こんな「らしさ」が当たり前になったらええなぁって思いを抱きながら入院してました。
 さてさて今回の入院で、様々な体験や新たな発見をしました。
○救急車で1時間過ごした 一般的にはひびが入るぐらいでは入院を受け入れてくれない。
○導尿 つけられる時の恥ずかしさと痛いと思ってしまう恐怖心
○紙おむつ つけられる時の情けなさ
○浣腸 さされる時の違和感と数分耐える事の難しさ
○ベット上で紙おむつでの排尿排便 周りには恥ずかしいし、お尻にうんちが付く感覚の気持ち悪いこと
○清拭 ベッドサイドの二人の看護師前で全裸で隅々を拭かれるのはもう赤面
○入浴介助 やっぱり恥ずかしい
○ガチな車いす生活 自主性を保つって、相当難しいよ
○箱ものに長期滞在 どうしても、看護師さんの気分次第かな?
 入院だったので、いずれ退院できるという安心感や到達点があったから、この体験を難なく過ごせたと思います。これがもっともっと長期的で到達点がない「入所」であったら、耐えれないでしょう。利用する側させる側、してもらうしてあげる、下上、弱い強いになってしまうのです。いくら研修を定期的に受けても、志が高くても、感情に流されてしまうものです。更に利用者側も職員側も固定されたらどうなるか、考えただけで嫌になります。別に個々の看護師さんが悪いわけではなく、感情と雰囲気です。
 最近、「市内にも入所施設があればいい…」的な事を小耳にします。安心できる入所施設を作ろうとするんじゃなく、安心して一人でも暮らしていける制度の拡充を、家族さん達は訴えていって欲しいものです。
 誰がどう転んでも、障害者の入所はいらんなぁって実感しました。
 


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投稿コーナー終了


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14. サロン便りだよん

事務局

 皆様、こんにちは。月に2回、サロンをやっています。
 今回はミニイベントやっていませんよ。サボったアー(笑)。でも、1月はお正月らしい遊びをしました。『まとあて』です。
 知らんまに ルールを決めて、まとあてをやりました。
 参加者がTSW1にやりをあてるカッコしていてたよ。かわいいなTSW1ちゃん(― ―)
 なかなか、面白かったよ。
 2月・3月はなんとなく、折り紙をしました。ひな祭り・春のイメージで折り紙をしました。
 空カップを使って、ひな人形を作りましたよ。私きれい(^o^)
 最近のサロンは、トランプのダウトゲームが流行やで。このゲームをやると、時間があっという間に来るよ。なかなか面白いので 興味がある方はサロンに来てね。
 毎月第1・第3の土曜日。
 時間は13時30分から15時。

TSW1より
 

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15.

事務所スタッフのつぶやき

事務局

パソコン擬人化 一コマ目:パソコンを擬人化?してみた 二コマ目:本体は成年、マウスはかわいいネズミ キーボードは穏和なおじさん 三コマ目:おじさんは叩きつけられ、重症 ネズミは頭をボコボコにされる 本体は恐怖でフリーズ 四コマ目:事務局のあるスタッフ すぐイライラしながらキーボードを連打し、マウスを机に叩きつける 超かわいそうなパソコン(本当に三コマ目のように見える) 危険な手話 一コマ目:手話教室にて、兄弟姉妹を手話で表します 二コマ目:小指を立てて下に下げると妹です じゃあ兄はどうするの? 三コマ目:ババン!中指を立てたぁ! 四コマ目:それ、アメリカでは絶対やっちゃダメ ドコドキ モザイク入るわ(基本的に失礼な意味)


『隊長のつぶやき』はお休みしますが、どこかで登場できるよう頑張ります。次回もゆる〜くつぶやくかも?温かく見守ってくださいませ。
(今津)

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16. CIL豊中近況/お知らせ

 このコーナーは、当センタ−ホームページの「CIL豊中近況」から抜粋しました。事務局のようすが少しでも分かっていただけたら嬉しく思います。

≪2月≫
2011/2/4 身体には気を付けて・・・・
最近、体調不良や急なケガで欠席するスタッフが相次ぎ、事務所は人員不足でなかなか大変でございます。人間、疲れがたまってくると、普段は体験しないはずのアクシデントが起こってしまったりします。ご自愛しましょうね。

≪3月≫
2011/3/14 東日本大震災義援金
11日に発生した、東日本大震災の被災者への義援金募金を、当センターのホームページを通じても出来るように致しました。改めてお見舞申し上げるとともに、一人間としてそれぞれが出来る事を、少しでもやっていければと思います。

≪4月≫
2011/4/25 雨晴雷陽
「何じゃ、このタイトルは?」と思われたでしょうが、今朝の豊中の天候がまさにこれでした。大雨で空も非常に暗いのに、別の方向は晴れ。雷が続き、稲妻も確認出来たのに、同時に陽も差している。本当に不思議な天気でした。最近、異様に天候が変わりやすいですね。

≪5月≫
2011/5/7 GWも明けて
連休も終わり、いつものモードに戻りました。連休中、ガイドで忙しかった皆さん、お疲れさまでした。気候はここにきてやっと肌寒さから解放されました。真夏の前の短い春を迎えています。













お知らせ

・昨年の6月号より広報誌をリニューアルし、表紙も6月号が水色、10月号がオレンジ、そして今年2月号がピンクと、季節をイメージした色を採用してきました。今回は季節が一巡したので、また水色の表紙となります。
・毎日新聞社発行の、『マチゴト 豊中・池田』4/28号の7面に、本誌Vol.34の特集(介護タクシー)の一部が掲載されました。どなたかご覧になりましたか(^^)?


17. サービスのご案内

事務局

ヘルパーステーションCIL豊中
訪問看護ステーションCIL豊中

TEL06(6840)8195 FAX06(6840)8196

■障害者自立支援法介護サービス
障害者自立支援法によるホームヘルパー、ガイドヘルパー派遣。
◇サービス提供範囲 豊中市及び近隣地域
◇サービス提供時間 24時間365日
■介護保険訪問介護・介護予防訪問介護サービス  
介護保険によるホームヘルパー派遣。
◇サービス提供範囲 豊中市及び近隣地域
◇サービス提供時間 24時間365日
■介助サービス
 障害者の自立支援を目的とした、制度外(インフォーマル)サービス。
◇対象者 原則豊中市在住の障害者
◇介助料
 【一般介助】 1時間1,200円
  実費交通費を負担していただきます。
  電車・バス等公共交通代、自転車:50円、車・バイク:100円、必要に  より駐車代
 【その他】宿泊介助、旅行介助
  介助者にかかる交通費及び宿泊費は利用者負担です。
◇キャンセル料 
前日まで無料。当日は半額です。(上限10,000円)
※条件の合う登録介助者が見つからず、御希望にそえない場合があります。
■訪問看護サービス
看護師が家庭に訪問し、在宅療養生活の支援をします。
◇サービス提供範囲 豊中市・池田市・箕面市
◇サービス提供時間 月曜〜土曜9時〜18時


豊中市障害者自立支援センター
TEL06(6857)3601 FAX06(6857)3602

■豊中市障害者相談支援事業(無料)
 障害者やその家族等の相談等支援をします。
◇福祉サービスの利用援助
◇社会資源を活用するための支援 ◇社会生活力を高めるための支援
◇ピアカウンセリング  ◇権利擁護   ◇専門機関の紹介
■自立生活体験室
 障害者の方が、自立生活を体験してみる部屋です(介助者の方は無料)。
◇宿泊利用 1泊1,500円 ◇デイ利用 1回(5時間まで)750円
■指定相談支援事業(無料)
 市町村が必要と認めたサービス利用計画作成対象障害者等にサービス利用計画を作成する等の支援をします。
■豊中市障害者外出支援サービス
 車いす対応車を運行し、一般交通の利用が困難な障害者の社会参加を支援。
◇利用対象者は豊中市に居住し、次に該当する人です。
 @身体障害者手帳1・2級(下肢、体幹、視覚、内部)を所持している人。
 A療育手帳Aを所持している人。
 B腎臓機能障害で透析治療を受けている人。
 注 15歳未満で車いすを使用していない人は利用できません。
   65歳以上で車いすを使用している人は利用できません(豊中市社会福祉協議会の「ほのぼの号」を利用(6841−9393)。
◇利用日時 午前9時から午後5時(年末年始12/29〜1/3を除く)。
◇利用回数 月4回まで利用できます。
◇利用料 4q未満300円〜20q以上2,500円
◇利用区域
 豊中市及び隣接市(大阪市南部を除く)及び特定施設
◇キャンセル料 当日キャンセル500円
■点字名刺(送料は一律270円)
◇既存名刺への点字打ち込みの場合 10枚150円
◇片面名刺印刷と点字打ち込みの場合 10枚300円
◇両面名刺印刷と点字打ち込みの場合 10枚350円
ロゴ・イラスト又は写真入りの場合は10枚につき50円の加算となります。 

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18. 編集後記

編集長 赤塚裕子

 すべての人に生きる希望を! 共に生きることを!
 東日本大震災で被災されたすべての市民のみなさまに、心からお見舞申し上げます。
 今なお多くの行方不明、厳しい避難生活、また余震や原発の不安、たくさんの悲しみ、どんなに過酷なものか、私たちには想像がつきません。でも、もう一度共に生きる希望を持ち続け、勇気をつなげていきたい。悲しみを乗り越えてみんなで助け合っていこう!そう願わずにはいられません。
今回は地元にも身体障害者グループホームを!との思いから、他市へのインタビューを行い、特集してみました。自由に選択でき、共に社会参加をめざせるよう、私たちも負けずに頑張りたいと思います。

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