広報誌「CIL豊中通信」Vol.2


も く じ

1. 自立生活プログラム講座の報告
2. 特集:豊中市障害者福祉作業所等の動向
3. ピュアカウンセリングセンター訪問
4. NPO法人CIL豊中2002年度通常総会報告
5. えんじょいウォーク
6. 支援費制度 最新情報
7. CILとよなか?劇場
8. バリアフリー見ぃつけた! −きび歯科−
9. 視覚障害者から見た日本社会
10. ぼくの日曜日 −ゴーヤチャンプルとどて焼き−
11. えりとママの珍道中記
12. 遠くなくても行きたい −湊町リバープレイス−
13. 事業活動報告
14. 短歌
15. 編集後記
きょんしー
広報誌編集部
広報誌編集部
事務局
調査:ひろっち、文章:TODO
事務局
亜韓賀捺
pooh
和田伸也
海帰優人
えりママ
西九条舞
事務局
岩国久美子
木村光伸

印刷版の表紙

1. 自立生活プログラム講座の報告

きょんしー

 6月23日から7月28日の土曜、日曜を利用して「自立生活プログラム講座」を開きました。
受講してくれた5名の方々や、介助スタッフとしてお手伝い下さった方々、5日間お疲れさまでした。
今回の自立生活プログラムは「食生活を考えよう!」をテーマに1日目、オリエンテーション。2日目、簡単な栄養学の勉強。3日目、受講者がそれぞれに考えるメニュー作り。4日目、材料の買い出し。そして5日目、調理、試食会。
 
★受講生はみんな個性派ぞろい!!★
  
わたし「けいこちゃん」!
はしが転んでも笑えちゃう
17歳の高校生。好奇心旺盛。
電動車いすに乗って、あっちこっち
歩き回るのが、たのしくって!!
講座でつくる料理はチキンライス、
レタススープ、マカロニサラダ、
ゼリーです。おいしくできるかなっ?


わたしの名前はぁ、山崎果菜ですっ!
なぜか一度笑いの壺に入ると
なかなか出てこれな〜い私です。
マクドナルドのハンバーガーが
大の、大の、大の大好物!
講座でつくる料理はハンバーガー
じゃないもんねー!親子丼と餃子スープーとアイスだよ〜ん!


ぼくなー「たけし」!!
う〜〜〜ん!う〜〜〜〜ん!!
ぼくなー、新聞読むのが好きでなー。
ほんでなー、講座でなー、野菜をなー、
切りたいねんけどー。
ほんでなー、ぼくが考えた料理はなー、
ハンバーグとなー、オムライスとなー、
コーンスープをつくろうと思ってるねん!
う〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!


ドリカムの大ファンの
「ひろこちゃん」で〜す。
ビーズのアクセサリーがキラキラ!
17歳、ピチピチの高校生で〜す!
メニューは生春巻き、炊き込みご飯、 オクラのたまごスープです。
おいしくできたらいいなー!!


ぼく、ダンディー「よし」!
ぼくが選んだメニューは天津飯、
春雨サラダ、杏仁豆腐。
料理はこころ!こころなしでの
料理は料理ではないっ!
ぼくのこの熱き想いでつくる
メニューはきっとうまいぜぃ!!


  う〜〜〜〜ん!
  できた、できた!
  自分でつくるごはんは
  おいしいなー!!
  う〜〜〜〜〜〜ん!!


 わたしが作った手料理。
 今度は誰のために
 作ろうかなぁ!
 笑顔でピース!!


エプロンとバンダナが
おそろいでかわいく
キメちゃった!!
料理もうまくできたしぃー。
でも、ちょっと疲れたかなっ。


 きゃはっ!できた〜っ!!
 見て!見てっ!!
 すご〜くおいしそうでしょう!
 さーてっと!食べようかなぁ。
 ほしい?あげようかっ?  
 でも、あげーないっ!!


  ぼくダンディ「よし」!
  キリッ!と流し目のぼく、
  う〜んダンディー!!
  ぼくの熱いハートで
  作ったこの料理。
  ほしいかいっ?


 企画したときは”どうなることか?”と思っていましたが、フタを開ければなんのなんの、こんな感じでワイワイガヤガヤ、あっという間の夏の5日間でした。
 最後の日、試食会が終わり、ここで我らが大将のTODO大先生がシメの一発!!
「これで講座は終わりですが、ここからが本当の自立へのはじまりです。みなさんがこれを機にどんどん私たちのセンターを利用して、いろんな経験をして欲しいと思います。応援しています!」と激励のお言葉。実にその通り!!

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2. 特集:豊中市障害者福祉作業所等の動向

広報誌編集部

 福祉作業所は、「小規模作業所」、「共同作業所」、「無認可作業所」、「地域作業所」、「ミニ授産施設」など様々な呼び名が使われています。2000年現在、福祉作業所は全国で約5,500カ所に達し、豊中市では41カ所(利用者約500名)になります。
 福祉作業所が本格的に作られ始めて約30年になります。学校卒業後の障害者に対する制度や施策、量や質が不十分なため、多くの障害者は行き場の無い在宅生活(社会との接点がなく、親や家族にとっても日々の疲れや明日が見えない不安)のままという状態が続きました。そんな中、障害者やその家族のニーズに答えるべく多くの有志が立ち上がり、障害者の地域での就労の場、社会生活の場として福祉作業所は急速に拡大してきました。


<福祉作業所の特徴については、おおよそ次の通りです>


1.国の福祉関連法律に定められていない法定外(無認可)の事業である。

2.法定外の事業であるため、補助金のほとんどは都道府県、市町村の負担である。

3.法定外の事業であるため、利用者の障害種別が多様など、柔軟な運営をしており、地域との密着性も高い。また、従来の法定施設より相対的に障害の程度は重い。

4.利用者が1ヵ所あたり5〜19名と小規模である(20名を超えている所もある)。

5.簡易作業を活動のベースとしているところが多い(利用者1人あたりの平均月額報酬は1万円にも満たない)。また、障害が重いために作業への参加が難しく、社会生活の場として重点を置いているところもある。

6.経営が零細で財政基盤がもろくて弱い。このため、運営者や支援者の多大な努力に支えられているが、建物や設備、人員配置等が十分でない現実もある。

 福祉作業所の中には、法定内の社会福祉事業としての授産施設になり、安定・継続した運営を図ろうとする所もありました。しかし、授産施設を運営するためには社会福祉法人格を得なければならず、そのためには1億円以上の資産要件。また、授産施設の施設整備要件のクリア等、高いハードルを越えなければならず、断念するのがほとんどでした。
 2000年6月、社会福祉法が成立しました。これにより、従来の授産施設の要件を緩和した小規模通所授産施設が制度化され、また、小規模通所授産施設等を運営する社会福祉法人(小規模型社会福祉法人)の要件も緩和され、福祉作業所の法定化、法人化の道を開きました。この理由として、多くの障害者の地域の場として欠かせない存在になった福祉作業所をいつまでも無視できなくなったこと。また、社会福祉基礎構造改革(措置制度から利用・選択制度への転換)により、利用施設の絶対量の確保が課題となるため、全国約5,500カ所の福祉作業所を社会福祉資源の1つとして明確にする必要があったことなどが考えられます。

<小規模通所授産施設を運営する社会福祉法人の設立に関する主な要件>

・従来型授産施設では、利用者20名以上であるが小規模通所授産施設では10名以上19名以内。
・1,000万円以上の資産。土地、建物は賃借でもよい。
・原則5年以上の運営実績(NPO法人は3年以上)。
※複数の小規模通所授産施設を運営する社会福祉法人設立は可能(この場合でも資産は1,000万円以上でよい)。
※精神障害者のための小規模通所授産施設は、第二種社会福祉事業に位置づけられており、社会福祉法人でなくても運営可能。身体障害者、知的障害者のための小規模通所授産施設は、第一種社会福祉事業なので社会福祉法人格が必要。

 小規模通所授産施設には利用者数に関係なく(10名も19名も同じ)一律年額1100万円の補助金(国50%、都道府県25%、市町村25%)が支給されます。また、社会福祉法人として、ホームヘルプサービス、デイサービス、相談事業等、新たな事業展開が可能になります。なお、2003年度から始まる支援費制度については、従来型授産施設は支援費制度に移行しますが小規模通所授産施設は移行しないことになっています。

 国の福祉作業所の法定化の動きに対して、これまで福祉作業所に力を入れてきた豊中市も、主に財政難を理由に豊中市の支出が少なくてすむ法定化(小規模通所授産施設、従来型授産施設)を推進しています。すでに2000年からは新規の福祉作業所は原則認められていません(既存福祉作業所の法定化の際の事情による継承的新設が1件あります)。豊中市の福祉作業所補助金は小規模通所授産施設の補助金1100万円より高いことから、福祉作業所から見れば法定化に直接メリットが無いという事情があります(しかし、財政難を理由に福祉作業所補助金の減額も取りざたされています)。豊中市では法定化した福祉作業所については、これまでの補助金より下がらないように1100万円に上乗せ補助をしています。法定化の支援としては土地の無償貸与の実施(実施済み。今後、増やすかは未定)や空き教室の利用計画等を行っています。また、服部緑地のサボテン公園跡地に新規施設(知的障害者通所授産30名、身体障害者通所授産20名、知的障害者デイサービス15名、身体障害者デイサービス15名、ショートステイ10名、自活訓練10名、就労促進事業)を2003年4月1日、開所予定しています。
 このような環境の変化に対して、各福祉作業所では賛否も含めて真剣に議論されています。これまでの活動の理念から法定化に移行することを望まない福祉作業所や零細な経営のため1,000万円の資産を集めることに頭を悩ませている福祉作業所。また、すでに法定化した元福祉作業所や法定化に向けて準備中の福祉作業所もあります。
 法定化に移行するかしないかにかかわらず、自分たちは今後どのような地域福祉を担うのか、何が求められているのか、全ての福祉作業所に長期的展望に立った身の振り方が問われています。
 2002年7月現在、豊中市の福祉作業所は33カ所(利用者約350名)になりました。ここ1、2年で大きく動きました。また、来年、再来年に向けても大きく動き出しています。障害者の地域の「場」である福祉作業所がどうなっていくのか、どう変わったのかは障害者とその家族など多くの市民にとって大切な問題であり、情報ニーズも高まってきています。
 今回、障害者とその家族など、多くの市民に情報提供を目的として、特集「豊中市障害者福祉作業所等の動向」を企画し、2002年7月、全ての豊中市障害者福祉作業所及び元福祉作業所に「豊中市障害者福祉作業所等の動向」と題した質問用紙によるアンケートをお願いしました。
 ご多忙な中、ご協力下さった各団体にはこの場を借りて深くお礼を申し上げます。
 次ページより、ご回答頂いた団体について質問事項と回答を掲載します。

【豊中市障害者福祉作業所】

質問事項

@代表者氏名

A主な障害種別・利用人数

B設立年月

C設立の経緯

D法定化(小規模通所授産施設・従来型授産施設)、法人化(小規模型社会福祉法人・従来型社会福祉法人)に対する具体的な動き及び課題

E行政に対しての要望・意見

Fその他何かありましたら

※分かりやすくするため、年号は西暦に統一しました。



■よ〜い・ドン 蛍池中町1−3−15
@吉村 史生
A知的障害者7名
B1986年4月
C地元の中学校や養護学校高等部卒業後も、生まれ育った地域で生活を続けていきたいという思いの者が集まって開所した。
D国障年豊中市民会議の動きの中で、障害者の生活支援システムを作りたいと考えており、その一環として、小規模法人取得を考えていこうとしている。
E資産1000万円が取得の要件になっているが、実績や運営組織によって、資産がなくとも取得を認めるべきである。

■第一豊中障害者共同作業所 服部西町5−17−3
@宮崎 知代
A知的障害者33名
B1986年4月
C市内の中でどこにも行くところのない、最も困難な人々に心を注ぎ、作業所や生活の場づくりをすすめています。 様々な障害のニーズに即した施設づくりをすすめ、障害者を中心とした要求に基づく「福祉のセンター」として担っていきたい。
D・小規模型社会福祉法人(知的障害者小規模通所授産施設)を申請中。
  ・課題、補助金の問題(少なすぎる)、職員配置の問題(事務職員の配置及び正職員の増員)
  ・利用者の給食を保障していきたい。
E・従来型の授産施設を充実させてほしい。
  ・私たちの作業所を早く認可にしてほしい(従来型に)。
F新設無認可作業所を増やして下さい。

■あさひ会作業所 庄内幸町2−19−32
@橋本 シン子
A知的障害6名
B1987年4月
C1987年3月、みずほ園を修了した親が、地域の中で活動できる場としてあさひ会作業所を設立した。
D2004年度に法人化を予定しています。

■セブン&チェリー  宝山町6−4
@井上 圭子
D従来型の社会福祉法人を内受している。8月から書類提出を行う。

■第二豊中障害者共同作業所  栗ヶ丘町2−6
@山河 正裕
A身体障害者25名
B1989年4月
C第一豊中作業所が手狭になり、ニーズに応えていく為に増設。
D小規模法人への移行を目指しています(03年度予定)。
  課題:自己資金の調達が困難
    施設整備費の要件が厳しい
    従来型法人と比べて補助金が少ない
E通所者の年齢制限を廃止してほしい。
  作業所の増設を認めて欲しい。

■ポップコーン  曽根西町2−11−13
@相原 和歌子
A自閉症者3名、知的障害者2名、ダウン症者1名、計6名
B1989年4月
C豊中市自閉症児者親の会を中心に設立
D自閉症親の会で従来型社会福祉法人を設立のため、準備中です。
E利用者のニーズに応えられる人的な整備を考えていただきたい。
F自閉症者の利用できる施設や機関を知りたい。

■AZらんど  大黒町3−15−11
@井上 康
A肢体障害者4名、知的障害者9名、精神障害者1名
  *NPO雇用支援センター(ペットボトル回収)へ、知的障害者の方が1名就労されています。
B1976年
C障害当事者が、社会への参加と労働を目的に設立
D国障年の動きを見ながら、単独でも小規模社会福祉法人を取得できる様に準備中。
E財政難の中でも、学校卒業後の障害者市民の地域での生活に対してビジョンを示してほしい。
Fいつもお世話になっております。

■あけぼの工房  稲津町2−11−5
@渡邉 貢
A知的障害者7名
B2002年4月
C社会福祉法人豊中親和会、知的障害者通所授産施設「みらい」の開所に伴い、閉鎖した4作業所を継承する形で設立した。
D現在のところ、社会福祉法人豊中親和会運営の形で、小規模通所授産施設への移行を考えている。
E無認可作業所の法内定化への全面的支援と、無認可施設への補助金減額が行われないよう、又、法定化された後も補助金の上乗せ(豊中市単独事業 として)を切に希望します。

■第三豊中障害者共同作業所  曽根南町2−13−29
@瀧野 龍夫
A知的障害者15名
D支援費・利用契約制度に対する関係者の充分な理解の元に、授産(現状では内職中心)の確保と障害程度に応じた取り組みの提案に努めている。また、地域の方々のご理解を糧に、一施設の充実にとどまらず、地域における社会資源の開発・提供の任を受けとめ、進めている。課題としては、制度移行を間近に控え、その緊迫した状況に対する関係者間の共通意識の確認等が考えられる。
E・情報公開の推進
  ・支援費制度等、制度・施策の関係者(特に利用者、家族)への積極的な説明、情報提供。 

■第2あさひ会作業所  庄内西町2−26−7
@橋本 シン子
A知的障害者6名
B1991年4月
Cあさひ会作業所の利用者が増えたので、第2あさひ会作業所を設立する。
D2004年に法人化を予定しています。

■ゆうかりの家  夕日丘3−10−17
@鈴木 留美子
A身体障害者2名、知的障害者5名
B1982年、地域活動として出発。1991年〜ミニ授産所
C三中を卒業する時、進路として養護学校高等部か在宅しかない中、「地域で生きる」拠点として、三中校区の小・中学校の親の会、教師の協力を得ながら地域活動を始め、年々その活動を行政に認めさせていった。
D法定化・法人化は、「ゆうかりの家」独自でやっていくことは難しいので、所属している国障年豊中市民会議の中の作業所と連携して、障害者が地域で当たり前の生活をしていけるシステム作りを共に考え、模索しているところです。
E財政難ゆえに法人化をすすめるのではなく、障害者が地域で生き生きと生活していくために必要な政策をして欲しい。

■ゆたか  春日町1−5−3
@大島 外喜子
A知的障害者13名
B1992年4月
D92年に、手をつなぐ親の会運営で始まりましたが、いろいろな事情により、94年10月より保護者運営の作業所に移行し、現在に至る。
E2004年に、親和会による小規模法人に移行の予定。

■第四豊中障害者共同作業所  服部西町4−3−28
@宮崎 知代
A重度知的、身体障害者 計14名
B1993年4月
D第四作業所は、第三作業所と一緒に、北丘・南丘の余裕教室で従来型社会福祉法人を目指しています。しかし、仲間全員が余裕教室に行くことが出来ないので、豊中市の動きを見ながら従来型授産施設も創っていきたいと思っています。そして来年度から支援費制度が始まるので、支援費が使える施設をつくりたいです。
Eこれからは、生活の場を補償するということで、グループホームが大切になってくるのにもかかわらず、市は家賃補助をカットしてしまいました。市の人には、グループホームの必要性をもっと理解してほしいです。

■サークル曽根  南桜塚1−22−7−201
@渡辺 徳
A知的・身体障害者
B1995年4月
D手をつなぐ親の会→法人親和会(みらい)の分場になる事が希望です。
E・行政から仕事の斡旋をお願いしたいです。
  ・現在の無認可作業所の輪が、障害者にとって一番幸せだと思います。今後も能力別にこだわらず、お互い支え合っていける場にしてやってほしいと思います。

■糸をかし作業所  服部寿町3−18−12
@西口 敏江
A知的障害者15名
B福祉作業所=1994年、NPO法人パコ=2000年(グループホーム)
D2003年頃に開設予定で、手続き等を取り組み中
E補助金の増額、維持。削減は困る。

■はんもっく   豊南町南2−6−35
@藤木 八栄子
A重度7名
B1996年
C学校や施設を出た後、メンバーの保護者が設立。
DNPO法人設立に向けて動いています。介助以外で事務仕事が増えて、この先どうなるのか不安です。

■第五豊中市障害者共同作業所   中桜塚3−2−2
@向井 節子
A知的障害者10名、内部障害者1名、身体障害者5名、計16名
B1996年4月
C旧第二作業所が人数も増え、狭くなったので、拡張移転して第五作業所となる。
D2003年度中に小規模通所授産施設に移行を希望しています。自己資金の確保が難しく、色々な事業に取り組んでいます。
  授産の拡大をしなければならないが、重度の仲間が多く、授産に携われる人がほとんどいません。また、職員も、通所者の介助や精神的フォローが多く必要であり、授産を拡大するには簡単にはいきませんが、できるだけの工夫や努力をしていきたいと思います。法定化になっても、現在の補助金の額より後退する事がないよう、切実に希望します。
E・支援費制度になっても、利用できる内容、負担金については現在より後退することのない様にして欲しいです。
  ・障害を持っている人が平等にサービスが受けられる様にして欲しい。
  ・作業所は、昼間の少しの間だけの通所でしかありません。保護者が高齢になってきていますが、短期入所も必要な時に利用出来なかったり、長期には利用出来ないというのが現状で、市外の施設へ行く人も出てきています。
F障害者もショートステイやデイサービス、ホームヘルプを利用しながら地域で生活し、保護者がいなくなった後は、地域でグループホームや入所施設で自立した生活が送れる様、施設の充実をお願いしたいと思います。

■ドリームハウス  服部元町1−14−25
@吉田 隆
A中途障害者7名
B1997年4月
Cせっかく社会復帰しようとリハビリを続けたが、中途障害者が行ける作業所が無いので自分たちで立ち上げた次第です。おかげ様でみなさまには大変喜んでいただいています。
D法定化の予定なし。
D・中途障害者が行ける作業所をもっと増やすべきだ(現状は2ヶ所だけです。もっと増やして下さい)。
  ・市の行政は、特定の政党に弱すぎる(特に作業所立ち上げについて)。 
  ・法定化をしなくても従来通り補助金がほしい。利用者のたっての要望でないと路頭に迷うことになる。

■とっぽ・い   柴原町1−3−16
@道上 玲子
A身体障害者11名
B1998年4月
C作業所を就労の場だけでなく、戸外へ出る機会をつくり、仲間と一緒に過ごしながらレクリエーション・文化活動に参加できること等を足掛かりとし、社会参加への促進等を図る目的で98年4月に開所致しました。
D小規模福祉法人認可へ向け、動いているが、課題として、移行出来ない作業所の利用者、職員の受け皿をどうしていくか。そのために行政と、また、作業所間の情報交換をしっかりとっていくべきではないでしょうか。
E全ての作業所に、また障害者の方に、情報提供をしっかり行き届く様にして欲しい。


【法定化した現小規模通所授産施設・従来型授産施設】

質問事項

@理事長氏名
A法人設立年月
B運営している施設名(小規模通所授産施設・従来型授産施設別に記入)及び各施設の主な障害種別・利用人数
C法人化・法定化の具体的経緯
D法人化・法定化にあたってのこれまでの苦労及びこれからの課題
E行政に対しての要望・意見
Fその他何かありましたら
※分かりやすくするため、年号は西暦に統一しました。

■社会福祉法人(小規模型)豊中のぞみ会  春日町3−1−41
@竹内 久喜
A2001年9月
B小規模通所授産所のぞみ園
C01年2月に、大阪府及び厚生省への事前審査、関係書類の提出。
  01年7月に認可の内定をもらい、登記作業に着手。
D基本財産の捻出
E法人化後の煩雑な経理処理の為の補助制度の早期実現。

■社会福祉法人(小規模型)豊中太陽会  島江町1−3−102
@池村 勝子
A2001年8月
B小規模通所授産施設セント・ポプリ作業所、かるがも広場作業所
  身体障害者20名
C(1)本来の社会福祉法人への設立を希望して、今日まで無認可で行ってきた。小規模法人に移行することになった経緯は(1)をふまえて、
  イ、小規模法人は、面積及び職員の人数に柔軟であったこと
  ロ、施設の設備も現状で良いこと
  ハ、補助金が継続されること
  (2)将来、正規の社会福祉法人の建設をめざす第一段階として進めてきた。
D提出書類が複雑であり、予算も2年間に渡って立てなければならない事。
  借家の為、契約変更等の問題、及び基本財産の1000万円の問題等であります。(当法人は保護者の理解により、基本財産についての苦労はありません。将来的には書類の簡素化、会計の簡素化が課題である)
E書類面や経理面等、事務的作業が増加しており、事務職員を置く経費を補助してもらいたい事。
F従来の施設の状態で小規模法人に移行できるので、積極的に進める事をすすめます。 

■社会福祉法人(小規模型)みとい福祉会  勝部3−1−10
@松岡 洋二
A2001年7月
Bみとい製作所、精神障害者38名
C5,6年前から、社会福祉法人(本法人)をめざそうと考えていたところ、法改正があり、限定法人になった。
D・資金集め
  ・法改正での新しい法人のための、設立に関しての情報が少なく、法人申請事務に膨大な時間がかかった。
  ・本法人になること。
E・土地の無償貸与
  ・補助金の増額

■特定非営利活動法人バムスぴあ   北桜塚3−8−26
@石原 一生
A2002年4月
B精神障害者小規模通所授産施設バムスぴあ、精神障害者30名
C大阪府下の小規模作業所の為、社会福祉法人への移行が必要となり、資本金がすぐ入らないので、先にNPOを取得した。
D社会福祉法人への道を現在、たどっている最中。近い内に取得したい。とにかく1000万円以上を作らないといけない。
E何の前ぶれもなく、3年の内に社会福祉法人を取得しろというのは無茶。期限は切られるし、問答無用というところがあまりにも勝手だと思われる。

■社会福祉法人(従来型)豊中親和会  勝部2−19−3
@渡邉 貢
A2001年10月
B知的障害者通所授産施設みらい、知的障害者50名(2002年4月開所)
C豊中市手をつなぐ親の会では、1963年の会結成以来、社会福祉事業展開のために、社会福祉法人設立を目指してきました。豊中市による2000年8月14日付、「知的障害者通所授産施設整備用地貸付法人公募」が行われた事を受けてこれに応募。同年10月5日、仮決定を受けて法人設立。施設 建設に向けて邁進し、01年10月15日、社会福祉法人豊中親和会を設立、翌02年3月29日、知的障害者通所授産施設みらいの完成をみるに至った。
D・自己資金の調達
  ・今後も資金調達のための団結・結束が課題と考える。
E豊中市の財政状況を理解しながらも、市単独事業としての補助金を確保してほしい。

(文責:徳山・根箭)

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3. ピュアカウンセリングセンター訪問

広報誌編集部

 皆さんは、「ピュアカウンセリングセンター」という所をご存じでしょうか?「ピアカウンセリング」と間違いやすい名称ですが、大阪市中央区久太郎町 船場センタービルから徒歩で1分の場所にあります。正式名称は「Pureカウンセリングセンター」といいます。
 このセンターを知ったのは、今年の春頃CIL豊中の事務所にドッグトレーナーのかたが来訪され、センターの活動内容を説明されて「広報誌でPRしてほしい」と言われました。そこで、広報誌担当の二人が実際に「ピュアカウンセリングセンター」でお話をうかがってきました。

ピュアカウンセリングセンターの建物


「ピュアカウンセリングセンター」の活動について
 @、ペットカウンセリング
  ○犬と飼い主とがうまく付き合うため、飼い主にカウンセリングをする。
   例えば、飼い主と犬との上下関係。これは、飼い主が犬をかわいがりすぎると犬は飼い主を下と思い言うことを聞かなったり、噛みつくようになる。
  ○ペットロス。これは、犬が死んだあとの飼い主への心のケアをする。

長いすが置かれているカウンセリング室 研修室


 Aパートナードッグ育成
 アメリカのアリゾナ州で障害者とドッグトレーナーが一緒に介助犬の育成をしている。「ピュアカウンセリングセンター」では、今年からパートナードッグ育成をはじめた。ここで行っているパートナードッグ育成は、3種類ある。

研修室


1.おてつだい犬
  物を落とした時にひろったり、扉の開閉をする。

事務所の中にいるお手伝い犬


2.リハビリおてつだい犬
  リハビリを楽しくするために一役買います。例えば、リボンを結ぶリハビリの時、ただ結ぶよりは、犬の首にリボンを結びながらの方が楽しくできる。また歩行訓練の時も、犬と一緒に歩きながらだと楽しい。

3.ドッグスポーツ
  ミュージカルフリースタイルというものがあって、犬と一緒にダンスをする。ただ犬自身はダンスができないので、音楽に合わせて指示を出すことでダンスをしているようにみせる。
 パートナードッグ育成にあたって、いろんなところからアンケートを取った結果、住宅事情で犬が飼えないとか、重度障害があってとか、時間がないとかいう意見が多かった。
 「ピュアカウンセリングセンター」では、自宅で飼っている犬をパートナードッグにしようと思っていたが、アンケートの結果を踏まえて、センターでパートナードッグを育成して、その犬をリハビリおてつだい犬などに貸し出すことを考えている。
 現在パートナードッグのモニターがひとり決まり、その人が通っている病院のリハビリの先生たちにもアドバイスを受けながら、トレーニングをしている。犬と一緒に遊びながらリハビリになればと考えている

(文責:木村)

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4. NPO法人CIL豊中2002年度通常総会報告

事務局

 去る5月26日、豊中市立障害福祉センターひまわりにてNPO法人CIL豊中2002年度通常総会が開催されました。NPO法人CIL豊中が誕生して初めての総会でした。
 出席者から、豊中市障害者外出支援サービスについて、運行時間や区域の制限が厳しく利用しにくい。脳性マヒ障害者の利用が多いボバース記念病院(城東区)が区域外になるのはおかしい。障害者のための自立生活センターとしてどう考えているのかという意見がありました。これに対して、ボバース病院については豊中市との協議の結果、区域外でも利用できることになりました。現在の運行時間は確かに理不尽ですが、豊中市障害者外出支援サービスという制度ができたことは画期的なことだと認識しています。運行時間や区域の制限は2年3年後には減らしていくように豊中市と交渉していきます。あくまで制度初年であり、ご理解を願いたいという回答がありました。また、来年の支援費制度にあたり豊中市の自薦運用型ホームヘルパーの方向性を教えてほしいという質問がありました。これに対して、CIL豊中は支援費制度の指定事業者になりますが、現在の自薦運用型利用者がどれくらい引き続き契約されるか分からない。豊中市の自薦運用型ホームヘルパーについての単価等はまだ分からない状態です。新しい情報が入りしだいホームページや広報誌でお知らせしますという回答がありました。
 以上のような質疑を経て議案は全て原案どおり可決され閉会になりました。

議事
 報告事項
 1.障害者自立生活援助センター・とよなか2001年度事業報告及び決算
 審議事項
 第1号議案 2001年度事業報告及び決算の件
 第2号議案 2002年度事業計画及び予算の件
 第3号議案 議事録署名人の選任の件

※「NPO法人CIL豊中」は2002年2月6日に成立し、3月31日をもって「障害者自立生活援助センター・とよなか」を引き継ぎました。よって、2002年2月6日から3月31日までは両団体が存在し、2001年度事業報告及び決算は両団体の分があります。


障害者自立生活援助センターとよなか
2001年度事業報告及び決算

@豊中市障害者生活支援事業(受託事業)
障害者やその家族等の地域生活支援を実施。
 相談・支援 延べ729件。
 自立生活プログラム講座の開催
 <第1回自立生活プログラム講座>
 テーマ:自立生活を楽しむために(全6回) 受講者:視覚障害1名、肢体障害1名
 <第2回自立生活プログラム講座>
 テーマ:交通機関を使って楽しく外出しよう(全9回) 受講者:肢体障害3名
 ILPルーム(自立生活体験室) 肢体障害1泊、肢体障害7泊
A豊中市障害者ケアマネジメント試行的事業(受託事業)
2003年から始まる支援費支給制度に向けての障害者版ケアマネジメントの試行。
当センターでは2ケース(肢体障害2名)を担当。
B豊中市ホームヘルパー派遣事業(受託事業)
常時介護を必要とする障害者に対して自薦運用型ホームヘルパー派遣を実施。
派遣回数8199回、派遣時間19347時間
C介助サービス  
相互扶助による会員制の介助者派遣を実施。
派遣回数5396回、派遣時間18900時間 ※専従契約含む
D介護保険訪問介護
基準該当サービス事業者(豊中市内に限り事業可能)として実施。
派遣回数356回、派遣時間691時間
Eリフトカーサービス
リフトカーの運行及び貸し出しにより障害者の外出支援を実施。
回数174回、利用時間456時間、貸出10回
Fホームヘルパー養成研修2級課程(受託事業)
 受講料無料、期間12月1日〜3月23日、受講者20名、修了者18名 
Gイベント
お花見:4月8日(日)・花ぽーとブロッサム:7月29日(日)・市民公開講座「誰もが気軽に乗れる路面電車LRT」:11月4日(日)・クリスマスパーティ:12月23日(日)
H点字名刺
既存名刺への点字入力及び点字名刺作成販売を実施。35,615枚
イベント等の出張実演:くらしかん生活展、市民活動サロン、東淀川区立図書館
I機関紙・ホームページ
「マイライフ・とよなか」を4回、各350〜400部(点訳、音訳、メール版を含む)発行した。また、ホームページにより広く情報発信した。


収支計算書
一般会計 2001年4月1日〜2002年3月31日
収入 支出
科目 決算額 科目 決算額
事業収入
会費収入
補助金等収入
寄付金収入
雑収入


前期繰越収支差額
合計
21,469,593
415,000
5,489,100
3,122,042
449,734

1,116,419
32,061,888
事業費
管理費
固定資産取得支出
借入金返済支出
繰入金支出
資産引継支出
次期繰越収支差額
合計
19,677,986
4,015,107
263,340
2,500,000
288,000
5,069,082
248,373
32,061,888

 
豊中市障害者生活支援事業 2001年4月1日〜2002年3月31日
収入 支出
科目 決算額 科目 決算額
受託収入
雑収入
繰入金収入
前期繰越収支差額
合計
15,000,000
330
288,000
-288,318
15,000,012
人件費
その他経費

次期繰越収支差額
合計
12,106,368
3,149,150

-255,506
15,000,012

 
豊中市ホームヘルパー派遣事業 2001年4月1日〜2002年3月31日
収入 支出
科目 決算額 科目 決算額
受託収入
雑収入
前期繰越収支差額
合計
34,116,317
7,133
0
34,123,450
人件費
その他経費
次期繰越収支差額
合計
33,331,032
785,285
7,133
34,123,450


NPO法人CIL豊中
2001年度事業報告及び決算

事業期間 2002年2月6日〜2002年3月31日
 特定非営利活動に係わる事業
(1)障害者の自立生活に関する相談及び支援事業
   障害者や家族等が地域で自立した生活をしていくための相談及び支援を実施。延べ9回の相談があった。
(2)福祉に関する啓発・広報事業
   広報誌を約350部(点訳版、音訳版、メール版を含む)作成発行した。パンフレット及びビラ各々約1000部を作成配布した。

収支計算書
2002年2月6日〜2002年3月31日
収入 支出
科目 決算額 科目 決算額
会費収入
事業収入
寄付金収入
前期繰越収支差額
合計
107,000
0
5,069,082
0
5,176,082
事業費
管理費

次期繰越収支差額
合計
52,042
73,500

5,050,540
5,176,082

 
貸借対照表
2002年3月31日現在
資産 負債・正味財産
科目 金額 科目 金額
流動資産
固定資産

合計
8,766,028
1,060,252

9,826,280
流動負債
固定負債
正味財産
合計
6,015,488
0
3,810,792
9,826,280


NPO法人CIL豊中
2002年度事業計画及び予算

T 事業の実施方針
 豊中市障害者外出支援サービス事業は今年度からの新規委託である。豊中市ホームヘルパー派遣事業、豊中市障害者ケアマネジメント試行的事業は次年度から始まる支援費制度により今年度をもって終了するものと思われる。支援費制度に向けて、指定事業者申請、ヘルパーの確保、介護サービス全体のシステムの統合整理等準備を進めなければならない。

U 事業の実施に関する事項
1.障害者の自立生活に関する相談及び支援事業
(1)豊中市障害者生活支援事業(受託事業)
  障害者やその家族等の相談支援。ILP講座2回開催。ILPルーム運営。
  市民公開講座(テーマ「支援費制度」)
(2)豊中市障害者ケアマネジメント試行的事業(受託事業)
2.障害者及び高齢者の介護等在宅福祉事業
(1)豊中市ホームヘルパー派遣事業(受託事業)
  自薦運用型ホームヘルパー派遣。年間約21,600時間。
(2)介護保険訪問介護
  豊中市内限定の基準該当による訪問介護。年間約960時間。
(3)介助サービス
  地域の支えあいに基づく登録制市民互助活動。年間約13,200時間。
3.障害者の移動支援事業
  豊中市障害者外出支援サービス事業(受託事業)
4.障害者の社会参加・交流事業
  障害者の社会参加及び交流を深めるためイベントを企画開催。
  お花見(4月13日、大阪府民牧場)、クリスマスパーティ
5.福祉に関する啓発・広報事業
  広報誌の発行、パンフレットの配布
  「CIL豊中通信」を4回、会員及び関係機関等に発行。1回約500部。各種パンフレットを随時配布。
6.福祉に関する人材育成事業
  ホームヘルパー養成研修2級課程開催。
7.点字名刺事業
  点字名刺の作成販売 年間約40,000枚。

収支予算書
一般会計 2002年4月1日〜2003年3月31日
収入 支出
科目 予算額 科目 予算額
事業収入
会費収入
寄附金等収入
雑収入

前期繰越収支差額
合計
18,940,000
150,000
4,630,000
300,000

5,050,000
29,070,000
事業費
管理費
固定資産取得支出
借入金返済支出
予備費
次期繰越収支差額
合計
21,030,000
1,420,000
500,000
2,300,000
1,200,000
2,620,000
29,070,000

 
豊中市障害者生活支援事業 2002年4月1日〜2003年3月31日
収入 支出
科目 予算額 科目 予算額
受託収入
雑収入
前期繰越収支差額
合計
15,000,000
48,000
0
15,048,000
人件費
その他経費
次期繰越収支差額
合計
11,440,000
3,608,000
0
15,048,000
 
豊中市ホームヘルパー派遣事業 2002年4月1日〜2003年3月31日
収入 支出
科目 予算額 科目 予算額
受託収入
雑収入
前期繰越収支差額
合計
34,200,000
2,000
0
34,202,000
人件費
その他経費
次期繰越収支差額
合計
33,422,000
780,000
0
34,202,000

(文責:徳山)

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5. えんじょいウォーク:服部駅周辺スーパーマーケットの巻

調査:ひろっち、文章:TODO

 6月から7月にかけて、CIL豊中で自立生活プログラム講座がおこなわれました。
 今回のテーマが「食生活をかんがえる。」となっていたので、調理実習をするときの食材を買い出しするのに服部にあるスーパーマーケット3軒を回ってお店の状況などを調べて、この講座の資料にしました。このページでは、そのまとめたものを皆さんにお知らせしたいと思います。

◎ライフ服部店

 
入り口まではスロープがあり、自転車置き場と分けられていて、安全にお店に近づくことができます。
 出入り口は、少し狭く感じました。人が殺到すると危ないかも・・・。
 点字誘導ブロックがマットで隠れていてわかりにくかった。また、視覚障害者が使う案内触地図が、ワゴンカートなどに隠れていました。
 エレベーターはあったが、車いす2台が精一杯。2階に上がり、降りたところにイスがあり乗り降りに邪魔になりました。
 商品の陳列棚は、低くて車いすの人でも見やすいように思いました。
 2階に車いす用トイレがありましたが、少し狭く感じました。また、トイレまでの通路が狭く下り階段が迫っている部分があったので、怖く感じました。そして、点字誘導ブロック がマットで隠れていたので、わかりにくいかなと思いました。トイレのドアは、重くて開けるのが少ししんどかったです。一般用トイレは、てすりなどはついていました。

◎ニッショー服部店(古いほう)


 
ここは、古いこともあって、入り口付近には自転車などが置いてあり、とても入りにくかったです。
 出入り口も狭い上にレジとドアの間が狭く、人がいると入るのがとても難しいと感じました。
 通路も狭く商品が、棚から迫ってくるような感じがしたので、怖く感じました。
 エレベーターは、店内になく、裏にある荷物用を使わないといけません。そこは、魚臭くちょっと大変でした。車いす用トイレや点字ブロックなどは、設置されていませんでした。
 ただ、店員さんは、とても親切でした。

◎ニッショー服部西店(新しいほう)

 
お店に入るときの通路が、狭くそこに自転車が通ったりするので少し危なく感じました。
 店内は、広く動きやすいですが、陳列棚が高く上の商品が見にくいように思いました。
 エレベーターは広く、車いすも3台以上入り、使いやすいようですが、位置がわかりにくく少し戸惑うかも分かりません。
 車いす用トイレは、2階にあり、中は広く入りやすいが、ウォシュレットなどの操作がしにくいようでした。
 今回は、3軒のスーパーマーケットを見てきましたが、これからは機会があれば、商店街やレストラン、お風呂屋さんなども見てきて皆さんに報告をしたいと思っています。

スーパーでの買い物風景

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6. 支援費制度 最新情報

事務局

 2003年4月より始まる「支援費制度」ですが、国(厚生労働省)の方でも議論が続けられ、徐々に骨格が固まってきています。今回は6月14日に厚生労働省で行われた支援費制度担当者会議で決定したことに関して少し述べたいと思います。
 今回の会議は2ヶ月ぶりに開かれたもので、主に事業者・施設の指定基準とその他の事務処理に関しての話し合いでした。
 事業者の指定基準は、私たちCIL豊中も気になっていたところですが、居宅支援事業者(ホームヘルパー・ガイドヘルパー)に関しては、介護保険の訪問介護事業者と同じような基準になりました。ただし、支援費制度の場合は、対象者が法律の区分上、身体障害者・知的障害者・障害児に分けられるため、すべての対象者の指定居宅支援事業者になろうとするならば、申請時には3つの申請書を提出しなければなりません。また、従業員(ホームヘルパー)の資格の有無もまだ明示されていません。この事業者指定の申請は7月より始まっています。
 また、利用者に対する支給量(介護などのサービスを受けることができる時間)もまだ決まっていません。ただ、その決定を左右すると見られる「支給決定の際の勘案事項」というものが出ています。障害者自身の状況をみて支給量を決定するという意味では評価されることであると思います。
 利用者が関心を寄せなければならないのは、これからです。豊中市は9月ごろから、現在ホームヘルパーを利用している障害者に制度の案内を個別に送るそうです。また、10月から利用者の申請が市町村で始まる予定であるため、厚生労働省も支給量決定に関してより細かいことをこれから議論していきます。またこのコーナーでも取り上げていきたいと思います。

(文責:馬渕)

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7. CILとよなか?劇場

亜韓賀捺

 このページは4コマ漫画をシナリオ風にアレンジしてあります。
 この物語はたぶんフィクションであり、登場人物は実在の団体とはたぶん関係ありません。

 
第1話 太陽にほえろ!
場面1
 
T市I町付近の道。暑い夏の日の夕暮れ。
 夕日を背にして、電動車いすを走らせる一人の男がいる。顔からずり落ちそうなサングラスをかけ、釣り用のベストでしぶくきめている。これがいつものヤツのスタイルだ。
 ヤツの名はキムミー。(電動車いすは時速6キロである。)
場面2 
 CILの事務所。中にはメグちゃんとアツシがいる。
 事務所に着いたキムミーは戸を開けて、ベストのポケットに右手を入れ、なにかを取り出そうとしている。
 キムミーは女性職員に声をかけた。
「メグちゃん。」
 呼ばれたメグちゃんは、紙パックのアイスコーヒーをコップにつごうとしていたのだが、手をとめキムミーのほうを振り返る。
 「はい。なんですか。」
 そのとき、アツシはキムミーのポケットにある黒っぽいものが、じゃらじゃらと嫌な音をたてているのに気づいた。
場面3 
 「まさか・・・ピストル?」アツシの顔はみるみるうちに青ざめていく。「こまったな、ストレスは髪の毛によくないというのに・・・。」アツシの額からじっとりと冷や汗がにじみでてくる。
 キムミーはその黒っぽいものを取り出した。
場面4
 「コーヒー代。ここから、とってー。」
 キムミーは愛用している黒い小銭入れを、メグちゃんに差し出しただけだった。
 アツシは胸をなでおろした。すべてはアツシの妄想だったのだ。

 
第2話 でですけにて
場面1 
 T市内のスーパーNにあるたこ焼きやのでですけの店内。時刻はお昼すぎ。
 テーブルの前に、電動車いすに乗った男性障害者、その隣に介助者がいすに座っている。
 二人はすでに注文はすましたらしく、料理が運ばれてくるのをいまかいまかと待っている。
 「おまたせしました。」
 女性店員がトレイに料理をのせてやってきた。
 介助者は介助の経験が浅いので、少し緊張している。
 「さて、いよいよ、初めての食事介助か。がんばるぞ。」
場面2
 女性店員はかわいらしい声で注文を確認しながら、テーブルに料理をならべていく。
「親子丼と、たこ焼きとカレーライスのセット、と、コーラフロート。以上でよろしいですね。」
 男性障害者は「はい。」とうなずく。顔がほころんでいくのを止められない。
 「ごゆっくりどうぞ。」 
 店員はレシートをテーブルの上に置くと、レジのほうにもどっていった。
 介助者はおどろいてしまった。確かに親子丼は自分が注文したのだが、他は頼んでいないのだ。
場面3
 男性障害者はにこにこしながら「さぁ、たべよっか。」と介助者に声をかけた。
 介助者はふとテーブルの上のレシートに気づいた。「これ、どうしたらいいんやろ。そうや、わからへんときは本人さんに聞けばいいんやんな。」
 介助者は手を伸ばしてレシートをとり、男性障害者に見せた。
 「このレシートはどうしたらいいですか?」
場面4
 さっきまで満面の笑みを浮かべていた男性障害者の表情が一転した。
 「すてといてくださいっ。」
 と、怖い声が返ってくる。
 介助者には、なにがおこったのかわからない。
 「は、はい。」と返事をし、反射的にレシートを手の中でくしゃくしゃと丸めてしまった。

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8. バリアフリー見ぃつけた! Part. 1(歯医者編)

pooh

広報誌“CIL豊中”をいつも読んでおられる皆さん、こんにちは!
 暑〜い毎日ですが、元気でガンバっておられますか?
 さて、今回から私自身の体験をきっかけに、こんなコーナーを作らせてもらいました。定期的に掲載できないかも知れませんが、どうぞよろしく!!
 と、前置きはこれぐらいにして、車いすで生活している方はお医者さん探しに困っていませんか?内科・眼科・整形外科・・・特に歯医者さん。私の経験から言うと、多くはビルの2階だったり、入り口に大きな段差があったり・・・。(大学病院や医療センターは別ですが。)
いつも、介助の人や看護婦さんの力を借りて診察してもらっている方も多いと思います。
 今回紹介する「きび歯科医院」は街の歯医者さんでは珍しい全くバリアフリーの歯医者さんなんです。
 この歯医者さんを知ったのはゴールデンウィーク前。その頃私は、歯の痛みと闘いながら偶然、この医院の前を通って、「あっ!車いすマークが付いてる歯医者さんができるんやなぁ」って思っていたんです。そして、長い休みが終わったので、思い切って行ってみました。開院2日前にして準備をされていたにも関わらず、事情を説明したら気持ちよく中に入れて下さり、診察もして下さったのです。その時、私は一人だったのですが、「車いすのままでどうぞ。」という言葉にびっくり!受付も低い所があり、待合室もゆったりとしています。見渡せば、車いすでも使いやすそうな洗面台とトイレも完備されていて、とっても安心しました。診察室に入って行くドアも横引きで間口も広く、車いすで十分通れます。レントゲン室も車いすのまま入れて、かなり低くまで機械が降りてきたので移動せずに撮影も出来ました。診察も「リラックスできるなら、車いすのままでも診れるから。」と言って下さり、先生はイスを低くしたりして診てもらっています。治療に関しても撮影したレントゲンをパソコンのモニターに映しながら、ちゃんと説明があり、患者さんの気持ちを聞きながら治療を進めていく先生です。歯科衛生士さんもおられるので、今まで自己流に磨いていた歯磨きも、その人に合った歯ブラシを見つけて歯磨き講習もして貰えます。
 この記事を書くにあたって先生にバリアフリーにされた理由を聞いてみました。
 「これからは障害者の方だけでなく、お年寄りや子供さんも多く来て貰えるようにと思っているので。病院、特に歯医者は設備が大変で多くの歯科に段差があるのは、水周りや配管などを埋めるのが必要だから。ここもフラットにするために業者に随分無理を言いました。」といった苦労話しも聞かせてもらいました。
 私自身、歯医者は一番嫌いな医院ですが(みんな一緒かな?)、とってもきれいな部屋で優しい先生、看護婦さん、歯科衛生士さんがおられ、車いすのままでも一人で行ける安心感が何より嬉しい病院なのでこれからもお世話になっていこうと思っています。
 と、言うわけでこれからもこんな誰にも優しいお医者さんやお店があれば紹介していきます。皆さんも見つけたら教えて下さいね。では、また。。。

きび歯科医院の建物 受付カウンター きび歯科医院への地図

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9. 視覚障害者から見た日本社会

和田伸也

 前回に引き続き、視覚障害者にとってこの日本社会はどのような状況なのかについて、僕が日々感じていることを書かせていただきます。

 今回は、テーマをしぼって、視覚障害者が日常生活や社会生活を営む上で、いろんな場所に移動する際に、あらゆる場面で遭遇する問題について、具体的な例を挙げながら考えていきたいと思います。ここでは、視覚障害者の中でも全盲で、白杖や盲導犬などを使用して単独で歩行する人の場合を中心として、話を進めていきたいと思います。

 全盲の人が日常的に単独歩行する場合に、危険だと思われる場所、あるいは、困ることが多いと思われる場所は、まず第1に、駅周辺や駅構内のプラットホームです。
僕が家の最寄り駅周辺でいつも困るのが、駅前の駐輪場ではない場所に放置されている自転車やバイクです。これによって、点字ブロックがかくれてしまっているせいもあり、道を真っ直ぐ歩くことはできません。また、白杖でさぐって改札口への入り口を見つけるのがとても難しいです。駅前に自転車やバイクを放置している人々は、改札口に行くためには、すぐ近くに自転車やバイクを置いた方が便利だとは思いますが、駐輪場があるのならば、きちんとルールは守っていただきたいものです。一般市民の意識の中に、そうした行為がある特定の人の歩行の自由や安全を奪う結果となるという意識がなく、自己の利益だけが優先しているために、こうした現状があります。これは、全国的に共通のことだと思われます。
 また、駅前の階段や改札口に通じる階段に座り込んでいる人がいます。これも、全盲の人にとっては、歩行の妨げとなります。階段を上る時は、たいていは座り込んでいる人が気付いて道をあけてくれますが、階段を下る時は、座り込んでいる人の背後から近づくことになりますので、座り込んでいる人は気付きにくく、全盲の人も白杖が当たるか、ぶつからないと気付きません。僕も何回も座り込んでいる人の背中を突いたことはありますし、ぶつかって下に落ちそうになったこともあります。

 駅のプラットホームは、全盲の人にとっては命の危険性を感じる場所だと言えます。点字ブロックは大変普及しているとはいえ、やはり、僕もそうですが、自分の今いる場所などを勘違いすることはあります。これは、いくら気をつけて歩いていても、全盲の人にとっては避けられないことです。ですから、毎年多くの視覚障害者が軌道上に転落し、中には、命を落としてしまう方もいらっしゃいます。僕は、まだ転落した経験はないのですが、中途失明ですから、先天的な視覚障害者に比べれば、まだ歩行が下手な面もあり、特に、駅のプラットホームではいつも不安を抱えながら、神経を集中させて歩いています。

 第2に、交通量が比較的多く、しかも、歩道がなく、道端に車やバイク、自転車などが放置されていて、道幅の狭い道路です。こうした道では、端をつたって歩いていると、いろんな物にぶつかってばかりで歩きにくく、道の真ん中を歩くと、車が走ってきて、ひかれそうになって危ないということで、大変ストレスがたまります。僕も、家の前の道がこういう場所なので、毎日非常に歩きにくい思いをしています。このような場所では、自転車やバイクは歩いている人を縫うように走ってくるので、衝突の危険性が高いです。僕は、走ってくる自転車やバイクに何回もぶつかったことがあります。たいていの場合、正面衝突するか、前を横切る時に白杖が巻き込まれるという事態になります。幸いにして、これらの事態によって僕は大ケガをしたことはありません。

 第3に、街中など、人ごみで晴眼者(見える人)が白杖や盲導犬の存在に気付かないような場所です。僕は休日によく梅田に出かけるのですが、ひとりで買い物をする時や、JRや阪急などとの電車の乗り換えをする時、友達との待ち合わせ場所まで行く時など、梅田で地下街や通路を歩いていると、いつも危ない思いをします。梅田は、歩いている人が多く、そのせいで白杖が人にかくれて見えないためなのか、会話に夢中になっていて前を向いていないためなのかは分かりませんが、僕はよく人と接触します。正面衝突することも多いです。人との接触が白杖が折れてしまう原因のひとつとなっています。

 以上、全盲の人が単独歩行する上で、特に歩行しづらい場所を挙げてきましたが、これらの場所で、僕のような全盲の人が危ない思いをしたり、困っていたりしても、周囲にいる晴眼者はあまり声をかけません。僕の経験上、そう言えると思います。確かに、「手引き(視覚障害者を誘導すること)しましょうか?」とか、「何かお手伝いしましょうか?」と声をかけるのは、「今、声をかけたら、邪魔になるかな?」とか、「断られたらどうしよう。」などといろいろと考えてしまいがちで、なかなか勇気のいることだと思います。

 アメリカやスウェーデンなどのような先進国では、個人の行動を尊重して、障害者が助けを求めない限り声をかけないと聞きます。しかし、日本の場合は、この「個人の行動を尊重する」という視点から声をかけないということではないと思います。日本では、障害者に対する意識レベルは欧米のように高まっているわけではないです。やはり、「どうしていいのか分からない。」、「あまり関わらない方がいい。」という意識が強く、「見て見ぬ振りをする」ということが多いように思います。これは、日本人特有の「世間体を気にする」とか、「島国根性」という国民性が反映したものだと考えられます。

 全盲の人にとっては、音の情報、声の情報というのが大変重要となります。なぜならば、誰にも声をかけられなければ、周囲に手助けする意志のある人がいるのかどうかという情報が手に入れにくい場合が多いからです。「声をかける」という行為は気軽にできることではないと思うのですが、「手引きする意志があるんだ。」という情報を提供するつもりで声をかけていただければいいのではないかと思います。そうすることで、断られたとしても、そのことにショックを受けるということはなく、「いろんな考え方、いろんな状況によって、今、この人には手引きは必要ないんだな。」と割り切って楽に考えることができると思います。中途失明である僕からすれば、声をかけられて、「邪魔だなあ。」などと思うことはなく、やはり、安心して歩くことができますのでうれしいです。また、それが晴眼者と視覚障害者とが接するよい機会だとも思います。白杖や盲導犬を持った視覚障害者を見かけた時には、特に、上に挙げた危険だと思われる場所では積極的に、「手引きしましょうか。」と声をかけていただければと思います。また、手引きの仕方など分からない時に、「こんなこと聞いたら、失礼かな?」と質問することを躊躇してしまう気持ちはよく分かりますが、僕は何も気分を害するようなことはありません。逆に、それがいろいろと説明するきっかけとなり、相互理解の推進のためには必要なことでありますので、遠慮なく率直に質問していただければうれしいです。

 日本社会のように、視覚障害者に対する意識・理解の浸透が不完全なために、人的サポートを得にくい状況の中では、各種企業が開発を続けている様々な音声誘導システムが重要な役割を果たすと言えます。なぜならば、様々な技術を駆使して、便利なものがたくさん開発されているので、これら視覚障害を補えるようなものを利用して、単独歩行する際にその手助けとなり、障害を持っていたとしても、工夫次第ではできることもあるということが実感できるからです。これで、「手引きしましょうか。」と声をかける人がいなくても、大丈夫だということになります。また、各種の障害を補う便利な機器は視覚障害者の個人の尊厳が守られるということにもつながり、その意味においても大変重要な役割を果たすと言えます。
 ただ、忘れてはならないことは、人の目をかりてするということは、「ひとりでしていることにならない」、「個人の行動を尊重していない」かというと、決してそんなことはないということです。手引きしてもらって自分の意志で移動することは、それもまたひとりで移動していることなんだという価値観が、今後、この日本社会には必要となってきます。障害を補う便利な機器が存在したとしても、最終的には人の目をかりなければならないことは必ずあります。ですから、手助けすることが、「その人の尊厳を傷つける。」などということはあまり考えすぎてはいけないと思います。もちろん、本人の意図とは全く関係のないような過剰な干渉はいけませんが、何か手伝うことすべてがいけないということはありません。是非とも、視覚障害者に対しては、「声を出すこと」の重要性を知っていただきたいと思います。

 ところで、日本社会においては、視覚障害者が公共交通機関の利用を拒否される問題が未だ解消されていません。現在、毎年、航空機や高速バスなどで、全盲の人の単独利用が拒否されるケースが数件起きています。その理由は、「何か事故があった時に対応できない。」という、共通したものとなっています。例えば、ある高速バス事業者では、盲導犬との同伴の利用ができるはずなのに、窓口で対応した職員がそれを知らずに、「他の乗客の迷惑になる。」と、そのバスの利用を拒否したというケースがあります。このような例は、鉄道を利用する時にはほとんどないのですが、すべての公共交通機関で視覚障害者に対する理解が浸透し、円滑に利用することができなければ、視覚障害者が社会参加する機会を奪うことになります。なぜならば、視覚障害者は移動する手段として、自転車やバイクに乗ったり、自動車を運転したりすることは不可能なので、公共交通機関に依存する度合いは、視覚に障害のない人より大きく、そのような視覚障害者から公共交通機関の利用する権利を奪ってしまうと、社会活動に大きな支障となるからです。
 今後、日本社会において、視覚障害者に対する理解がより浸透し、自由、且つ安全に公共交通機関を利用できるように、ソフト面・ハード面ともに環境整備が進まなければならないと思います。
 今回は、「視覚障害者と移動」ということで、お話を進めてきました。読者の皆様に視覚障害者の置かれている状況を少しでも理解していただければ幸いです。次回は、また違うテーマを取り上げて、お話したいなと考えています。

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10. ぼくの日曜日

海帰優人

★ゴーヤチャンプルとどて焼き★

 
誌面での約束どおり、このところずっと居酒屋「河童」の話を続けている。だが、一つだけ、事実と違った現実が、そこにはある。
 実は、「河童」は、日曜定休の店なのだ。土曜日に競馬で儲けた帰りとか、介護者がすごく遅くなる場合とか、買い物がちゃんとできなくて、おかずが一品足りないときとかに立ち寄るのだ。
 そういえば、きのうも介護者が遅いのと、おかずが足りなかったのとで、仕事帰り「河童」に向かった。とても時間があったので、庄内から中崎町まで、電動車いすで歩くことにした。
 蒸し暑かったが、「長柄橋」の上だけは風が自由に吹き渡って、心地良かった。
 「河童」に着くと、服部駅での待ち合わせ時間まで40分ほどしか時間がなく、一杯も飲まずに肴だけ詰めてもらって、帰ることにした。
 あいかわらずゴーヤチャンプルは塩かげんがすこぶる良くて、うまかった。

どて焼き ゴーヤチャンプル

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11. えりとママの珍道中記

えりママ

 あつーいですね。でも、子どもはとっても元気です。ママは、このくそあついときに、ずーっとまえから我慢に我慢を重ねていた歯が、ますますグラグラになってしまい、痛いわ、クーラーの効いた部屋の冷気にとびあがるわで、とうとう歯医者さんで前歯を一本抜く羽目になりました。でも、抜いて大正解。痛いことから解放されて、今はルンルンです。(歯医者さんに心から感謝です) 
 さっそくえりに一発「ママ、笑ったらおかしいわ。えりのママやないみたい。でも食べ物があたって、とびあがらんでいいから、いいね」と言われてしまいました。
 えりも、乳歯から永久歯に生え変わるときで、親子で歯抜け。(新しく生えてくるえりは、いいなあ)
 みなさんも、歯は大切にしてください、ね。


☆ママも考えさせられました の巻


 ある日、いつもごきげんのえりが、なぜか、メソメソないています。どうしたのと、何回も何回も原因を聞くママに、やっと教えてくれたことは「いま、ね、お外でありさんを見ていたら、(マンションの玄関の手すりの)棒で頭を打ってん。」 でも、背中もかすり傷、どういう頭の打ち方をしたのか、ふしぎでした。
 その翌日の朝、元気に学校に行く前にその真相を聞き出すことにママは成功しました。玄関の手すりの棒に足をぶらぶらさせながら座っていて、落ちてコンクリートの花壇に頭を打ち付けたらしい。「ママが怒るから、言えなかったの」と言われてしまいました。でも、その日はえりも、元気だったので「もー、どんくさーいな」でおわりました。
 さてその翌日、えりは「しんどい、頭が痛い」とか言って元気がありません。ママの頭の中は、コンクリートで頭を打ったという言葉が行ったり来たり。「でも、吐いてないし、しゃべってるし、テレビも見てるし、だいじょうぶ」とは、思いながら、何も手につきません。とりあえず、脳神経外科に連れて行くと「おかあさん、心配要りません。かるいムチウチです」とのこと、ホッ。
 このことでママは、予期しないことが起こると慌てふためいたり、心配して怒ったりするから、えりは、うそをつかずにいられなかったことに気づいて反省しました。いつも冷静でいられる練習をしていこうと思いました。
 「心配する」ことにしても、ほどほどにしないといけないですね。子どもの頃、親に心配されて、よけいにしんどくなったりした体験が、私自身にもあります。
 特に、子どもは親の心に敏感です。何が起ころうとも、デーンとしていたいですよね。
 初めての夏休みを目の前にした大騒動でした。

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12. 遠くなくても行きたい

西九条舞

 私事ですが、前号のこの機関紙発行と同じ時期にホームページを作りまして(原稿を書いてからホームページ作成の作業にとりかかった為、今号に書いているのですが)、タイトルを「西九条舞のアクセスの小箱」とこの「遠くなくても行きたい」と同様、少し固めの旅番組のタイトルをパクっています。
URLは http://www8.ocn.ne.jp/~west9 です。
 「遠くなくても行きたい」同様、メインのページは実際現地に行って調べていますので、更新スピードが遅いのですが、良かったら見てください。(CIL豊中のホームページのリンク集にあります)

湊町リバープレイス

 先月、ミナミに新名所がオープンしました。その名は「湊町リバープレイス」。もとは国鉄の用地(確か貨物ヤードだったと思いますが)なので、もとは国鉄の敷地だったOCATとは千日前通を挟んだ向かい側に位置しています。ここはショッピングセンターではありません。だけど、人によってはこれからたびたび行く所になるかもしれません。
 まず、今回詳しく紹介はしませんが、ここは阪神高速湊町ランプ(入路・出路ともある)にもなっており、道路交通のアクセスにもなっていること、そしてライブホール「なんばHATCH」と「fm osaka」が中之島から引っ越してきて有名人がここに来ることで(fm osakaのオープンスタジオもあります)ここに来たくなると思います。
 それでは湊町リバープレイスまで案内しましょう。
 最寄り駅は地下鉄四つ橋線なんば駅でありますが、御堂筋線や阪急の梅田からから四つ橋線に乗り換えるメリットはないので、御堂筋線でなんばまで行きます。阪急沿線の方は梅田でモノレールの沿線の方は千里中央で乗り換えてください。なんば駅では前から5両目の位置にエレベーターがありますのでそのあたりに乗ると便利でしょう。
 エレベーターで改札階に行くと目の前の改札ではなく、反対側にある改札を出ます。(改札に行く途中にトイレが左、黄色の水槽が右にあればOK)改札を出ると正面に大阪市サービスセンター・市営交通アクセスガイド(同居してます)がありますので左に曲がってなんばウォークに入ってください。(右に曲がると日本橋に行ってしまいます)なんばウォークの西の端、「Book 1st なんば店」を通ると四つ橋線の改札に出てきます。その改札を右に曲がり、数十メートル歩き左側に入ります。そうすると階段とエスカレーターが見えます。その右側にひっそりとエレベーターがあります。そこは湊町リバープレイスの敷地内です。
 しかし、建物の中には入っていないので、エレベーターで1階に上がります。(地下鉄となんばウォークとつながっている階は地下2階)地上に上がり建物の中に入ると3階の「なんばHATCH」の入り口に行くエレベーターがあります。しかし、そのエレベーターでは2階のオープンスタジオには行きません。駐車場の入り口の先に小さな入り口があるのでそこに入るとエレベーターがあります。入るとすぐにエレベーターがあるので、それで2階に上がって外に出てください。(もちろん3階にも行けます)
 また、エレベーターはもう1か所あります。エレベーターで地上に上がり、四ツ橋筋を歩きます。阪神高速湊町入口を越え道頓堀川のすぐ前を左に曲がります。自動販売機のあたりにエレベーターがあります。ちなみにこのエレベーターは2階・3階と中3階にも止まりますが、中3階は何もないので行ってもあまり意味がないでしょう。
 車いすトイレは結構ありましたが、心持ち狭いという印象を受けました。(ちなみに車いすトイレの中にベビーベッドがありました)
 飲食施設は少しですが入っています。個人的に気になったのは地下1階にある自由軒のカレーライスが食べられるカフェで車いすの方でも入れます。またその向かいにはコンビニもあるのでライブ前の食料調達も万全!?
 今回は、「なんばHATCH」の中には入れませんでしたが、ライブホールの中の情報もどこかで入れればと思います。ライブ情報を仕入れよかな。


湊町リバープレイス外観

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13. 事業活動報告(2002年4月〜6月)

事務局

1.障害者の自立生活に関する相談及び支援事業
(1)豊中市障害者生活支援事業(受託事業)
  障害者やその家族等の相談支援。
  相談件数 延べ172件
  第1回自立生活プログラム講座開催 テーマ「食生活を考えよう」
  6月23日から約一ヶ月間 全5回 受講生5名
2.障害者及び高齢者の介護等在宅福祉事業
(1)豊中市ホームヘルパー派遣事業(受託事業) 
  重度障害者に対する自薦運用型ホームヘルパー派遣。5,529時間。
(2)介護保険訪問介護
  基準該当による訪問介護。349時間。
(3)介助サービス
  地域の支えあいに基づく介助者派遣(登録制市民互助活動)。2,918時間。
3.障害者の移動支援事業
  豊中市障害者外出支援サービス事業(受託事業)
  リフト付自動車を運行し、一般の交通機関を利用するのが困難な障害者を支援。114回
4.障害者の社会参加・交流事業
  障害者の社会参加及び交流を深めるためイベントを企画開催。
  お花見 4月13日、大阪府民牧場、参加者16名(障害者7名)
5.福祉に関する啓発・広報事業
  広報誌の発行、パンフレットの配布
  「CIL豊中通信」1号発行 500部。
  各種パンフレットを随時配布。
6.福祉に関する人材育成事業
ホームヘルパー養成研修2級課程 8月より開催
7.点字名刺事業
  点字名刺の作成販売 11,335枚

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14. 短歌

岩国 久美子


     我が道を
      一途に歩めば風強し
         それでも生きたい
             君に会うため

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15. 編集後記

木村光伸

 広報誌ご購読のみなさん。こんにちわ。こよみの上ではもう秋ですが、まだまだ暑い日が続いていますねー!
 「広報誌 Vol..02」の発行にあたり、あつーい中を取材にご協力して下さった方々には、本当にありがとうございました。編集会議でもあつーい議論を重ねて、なんとか発行日に間に合うことができました。
 この広報誌を印刷させていただいている「豊中市立生活情報センターくらしかん」の印刷機が新しくなり、前号より少しはきれいに印刷できたかな?と思っています。 また、前号で『涙の緊急大募集!発送ボランティア』というのを載せました。それで、数名の方々から「おてつだいしてあげよう」と、声をかけてもらい うれしくて涙・涙・涙・・・です。この号の発送作業も、その方々のご協力によるものです。 ありがとうございました。
次号も募集していますので、よろしくお願いいたします。

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