広報誌『CIL豊中通信』Vol.32


も く じ


印刷版の表紙
1. 特集:街にはいろんなネタがあるさ
2. 09年度自立生活プログラム講座報告
3. 発達障害を知ってみる −分かることで解り合える−
4. 人とのキャッチボール
5. みなさん、「ピアカウンセリング」ってご存知ですか?
6. 平成21年度現任者研修 身体介護講習会報告
7. “つながるサロン”
広報誌編集部
事務局
事務局
事務局
事務局
事務局
ま〜たれ
みなさんからの、投稿コーナー
8. 短歌
9. 2010年大相撲春場所観戦記
10. マイナス思考発電型ロボット
11. どんぐりのひとりごと
12. 哲珍の部屋
岩國久美子
海帰優人
一辺田正
どんぐり
哲珍
13. さろんだより
14. 事務所スタッフのつぶやき
15. サービスのご案内
16. 編集後記
事務局
事務局
事務局
赤塚裕子


発行号のエトセトラ 〜6月号〜

誕生石 ムーンストーン・真珠・アレキサンドライト
星座 双子座(〜6月21日頃)、かに座(6月22日頃〜)

これも実はあじさい♪見たことない形ですね



1. 特集:街にはいろんなネタがあるさ

広報誌編集部

はじめに:

 これまで本誌ではいろいろな形で、バリアフリーについてお伝えしてきました。しかし街の状況は刻々と変化しており、また、こちらから外に情報を求めるだけではなく、私たち自身が取材対象となって情報発信をしていくことも必要です。
 そこで今回は、日頃一緒に広報誌を作っているスタッフ同士で、対談を行い、それを記事にしてみました。
 対談のメンバーは、大友(身体障害で車いす)、鍛冶(同じく)、ま〜たれ(同じく)、塚原(同じく、トーキングエイドを使用)、上田(歩行障害、言語障害)、赤塚(聴覚障害)、浅(介護者)、根箭(同じく)、以上8名です。

1.最近地元で、バリアフリーな新しい店はないかな〜?

大友: 小曽根(豊中市)にSPEEDという酒屋があるんだけど、最近改装されて通路が広くなり、陳列台が低くなったので見やすくなった。ちゃんと商品が見えると、介護者にも指示を出しやすいし。

ま〜たれ: 捜せばあるけど、快く入れてくれるかどうかは、分からない部分もある。建物としてはバリアフリーになったけど、その中の店舗自体はダメというところがあるから・・・・。

赤塚: 聴覚障害だと、例えば店でセールをやっていて、『ただ今この時刻から、○○円に値下げしました〜!』というのがあるでしょう?バザーとかでも。そういうアナウンスが聞こえないから、文字でも示すとかして情報が欲しいな。モニター画面があったら反映してくれてもいいし。

浅: 南桜塚の国道沿いにあるコープは、改装されて入りやすくなったね。

2.カウンターの食堂って入りにくいけど・・・・・?

鍛冶: 固定イスの場合は無理だね。だけど動かせるイスの場合は、吉野屋とかでも、「イスをのけてくれたら車いすでも自分は食べれる」とか、「車いすを置かせてくれたら、ここに介護者がいるからイスに移乗出来る」とか、自分で出来ることをアピールしないといけないと思う。
車いすだと分かった瞬間「あ、無理です」と言ってくる店もあるので。あと、時間帯を選んだ方がいいね。混んでる時間帯はやっぱり避けて、空いている時間帯に行ったら、まだ店員も余裕があるから、入れるチャンスだと思う。

ま〜たれ: 梅田の吉野屋は、手前のスペースが広いから車いすでも入れた。車いすを付けて(止めて)、私の場合はいすに移乗して食べた。

大友: カウンターじゃないんだけど、ボックス席も入りにくいかな?囲いのあるところは諦めてしまう。お好み焼き屋では、梅田と千里中央の千房だったら入れた。阪急そばも、もう一工夫してほしいところだけど。

浅: チェーン店だったら、お客様アンケートに書くと反映されやすいよ。

3.最近のコンビニっていかが?

鍛冶: いいよ〜、最近は(自称評論家?)。通路の幅も取れているし、いちばんいいのはローソン。セブンイレブンはもう少しかな?トイレは、メーカーが有名じゃないところの物は使いにくいね。

上田: 手すりがあると逆にやりにくい。便利になり過ぎて、便器のふたが勝手に開いたり水がいきなり流れたりするのが、逆にビックリする。

鍛冶: 服部駅前のファミリーマートは、前にも本誌で取り上げたけど、トイレの直前に段差が2段ある。何回か改善を求めてるけど、まだ直っていない。

大友: コンビニではないんだけど、レンタルビデオ屋に行くと、上のほうの商品は見えない。下から1段目も見にくいかな?マクドナルドにあるようなトレイがあれば、ありがたいかも・・・・・。

浅: ビデオのレンタルは、今はパソコンで商品を見て、自宅からメールで頼むシステムもあるから、それを利用してはどうかな?お金は後から引き落としで、送料も無料だし、3日ほどで届くよ。

4.ここでみなさんが日頃使っている、福祉用具のことでお訊きします。

Q: 最近アシスト付き車いすに替えた大友さん。使い心地はどうですか?それと車いすを押している浅さん、前までと比べて何か変わりましたか?

大友: 前より車高(目線)が5cm上がった。だから視界が広がった感じがするが、逆に足が地面につかなくなり、足乗せ台も小さい。坂道を下りる時、前は恐くてバックで進んでいたが、加速がないので今は前向きでも行ける。後方の車輪が小さいので、お尻のあたりに振動が伝わりやすい。

 
アシスト付き車いす
 
バッテリーの電源
右グリップの横にあります。


浅: メリットとしては、坂道を押すときの力が、例えば今までを10とすると7ぐらいになった。平坦な道で押す時との力の差がなくなった。介護者が握るグリップの位置も高くなったことで、腰への負担が減った。毎週サロンパスをしていたのがしなくなったし(笑)。坂を下りる時も、前に引っ張られなくなっている。デメリットとしては、段差に弱い。モーターがある分、前輪を浮かすのが重いし、狭い所で車いすの後部を振るのもなかなか出来ない。それとバッテリーの持ち時間の問題もあるね。坂道ではすごく減りやすい。あと、停まっている時にバッテリーの電源を切らないと、両方ブレーキをしていても勝手に動き出す可能性がある。

根箭: え?じゃあ例えば駅のホームで電車を待つ間に介護者が、バッテリーの電源を切らずにブレーキだけをかけてトイレに行ったとしたら、その間に車いすごと線路に落ちてしまう可能性もあるってこと?

浅: ないとは言い切れない。だから電源を消すことを介護者が忘れないよう、何か工夫を施さないといけないね。ラベル表示を貼っておくとか。

Q: 塚原さんはいつもトーキングエイド(言語障害のある人が使用する福祉機器)を使っていますね。今日はいつもの物ですが、先週までは違う物を使っていました。比べてみて使い心地はどうですか?

塚原: 先週まで使っていたのは、本来使っている物が故障していたために借りていた代用品なんだけど、正直、使いにくかった。『はい』『いいえ』のボタンもなかったから、会話に余計時間がかかった(右の写真は本来の物です)。

根箭: トーキングエイドからの音声は、言わば棒読みだよね?それに打つ時は下を向いて押すから、顔も相手には見えにくくなる。そうなると、例えば子どもに叱る時とか、うまく感情が伝わらないことはなかった?

塚原: それはあった。怒っているのに伝わらなくて、余計腹立たしくなったことがある。それと、何か面白い話があってトーキングエイドで打っていても、時間がかかるのでその間に相手はどこかへ行ってしまう。そしたら、何か複雑な気分になるよ。『私、しゃべっていていいのかな〜?』と。でも、しょうがないなとも思う。だって、パッとは言葉が出ないわけだから。

赤塚: 喜怒哀楽バージョンのボタンとかあればいいのにね。『嬉しい声のボタン』とか、『悲しい声のボタン』とか、『怒っている声のボタン』とか。

根箭: でも間違って押したら大変だね。褒めたかったのに『怒りバージョン』のボタンを押してしまうとか(笑)。めっちゃ怒ってる声で、「よく出来たわね!!!! すごいじゃないの!!!! 拍手!!!!」(笑)。それとトーキングエイドはバッテリー方式だから、充電がなくなったら喋れなくなっちゃうね。

塚原: 文字盤を指さして会話するしかなくなる。


浴槽エレベーター。この台がリモコンで昇降します。

Q: ほかに紹介したい日常生活用具はありますか?

大友: 僕の家の風呂に浴槽エレベーターが付いている。あれがあることで、うちの奥さんが介助者なしで風呂に入ることが出来る。

5.4月にバリアフリー展がありました。何かいい物はありましたか?

根箭: 『高齢者・視覚障がい者用LED付き音響装置』というのがあった。横断歩道横にある黄色い押しボタンのことだけど、信号の色がLEDで表示され、赤と青で表示の形も違うので、色の識別が付かない人でも判断出来る。また、限定された範囲にだけ誘導音が響く特殊なスピーカーを内蔵しているので、『夜遅くなったら近所迷惑だから誘導音を消す』ということにならなくて済む。ポール自体もゴム製なので、衝撃度も低い。

光っているのが信号のマーク。赤色と青色で形が違います。


大友: 今まで電動ベッドは、特注しない限りシングルサイズしか無かったのが、今年は初めて、セミダブルが出展されているのを見た。

6.障害が違えばバリアも違う。【交換バリアフリー】

赤塚: 聴覚障害は見た目では分からないので、いきなり普通に接してこられる(話しかけられる)と、困ることがあるね。

大友: まだ聴覚障害者と出会っていなかった昔は、「耳の聞こえない人は話すこともできない」と思い込んでいた。

赤塚: 手話は分からない人が多いし、口話のほうが伝わりやすいとは思うけど、訓練しても、どうしても個人差は出てくる。

鍛冶: 聴覚障害者は、みんなと同じ学校や職場で、勉強したり働いたりするべきだと思う?それとも聴覚同士だけ≠ニした方がいいと思う?

赤塚: 難しい質問だね。だけど、健聴者の中に聴覚障害者がいたら、孤立してしまう場合がある。聴覚障害者だけでいたら、手話で会話が通じやすいけど、一般社会の中にいたら、手話だけでは通じないよね。だから何とかして声を出そうとするんだけど、その声がよく聞き取れない発音だと、「何?この人」と偏見の目で見られてしまう。

鍛冶: 僕の友達の聴覚障害者は、いろいろ辛い思いをしてきたために声を出すことを嫌がる。だけど興奮すると手話を忘れてしまうので、そうなると通訳をしてもらっても何を言っているか分からなくなるから大変。筆談もするけど、僕は脳性麻痺だから筆談がしんどいしね・・・・・。

赤塚: 聞こえないとわかった時点から、声を出す訓練を受けるよう言われる。だけどそこでも個人差があるから、いくら努力しても困難な場合もあるの。

鍛冶: 僕や大友さんとかだと、手話は身体の障害上、難しいからね。

赤塚: そう。だから口話を覚えようとする人が多い。ゆっくりハッキリ喋ってくれたり、一般的には手話や筆談など、それぞれのコミュニケーションをしてほしい。手話が分からなくても、ゼスチャーや身振り手振りで大体通じることもあるし。鍛冶君は、車いすに乗っていても、ほとんど介助を付けずに一人で行動しているよね?それで困ったことはある?

鍛冶: いや、あんまり。でも、今までは頑張って一人で動こうと思っていたけど、これからはそんなに頑張らなくてもいいかな?と。もうすぐ一人暮らしになるけど、一人になりたい時もあるし、うまく使い分けていきたい。

上田: 僕は歩けるから、その分障害が軽くて困らないと思われがちだけど、例えば家を借りるとき、重度で24時間介護者が付いてる障害者だと問題がないのに、僕は介護者なしで暮らせる歩行障害者だから、「火事になった時に逃げられないからダメ」と言われて断られたことがある。













 ・・・・・・まだまだ話は続きそうですが、このあたりで括りたいと思います。こういうスタイルの特集も、今後は組んでみたいなと思いました。
 みなさんも日々の生活の中で、常に新しい発見や疑問の場面に遭遇することが、あると思います。ほんの些細なことでもいいので、ネタがあればどんどん編集部までお寄せ下さい。たくさん集まってきたら、『街には色んなネタがあるさ Part.2』を組みたいと思います。    
(担当:根箭)

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2. 09年度自立生活プログラム講座報告

事務局

 昨年の9月から始まった09年度の自立生活プログラム講座。今回の形式にして2回目になり、一昨年度の講座よりも更に改良を重ねた今回の講座も3月に無事に終わりました。

スケジュール

【9月27日(土)】 「オリエンテーション」「先輩のお話を聞いてみよう」「色々な障害を知ろう」
【10月24日(土)】 「在宅福祉サービス及び年金・生活保護」「交通手段を利用してみよう」
【11月28日(土)】 「自分で食事と健康管理してみよう」「人間関係って大事よね」
【1月23日(土)】 「私たちが使える福祉用具」「一人暮らしを始めるには〜住居の選び方〜」
【2月27日(土)】 「一人ひとりを守るためにできる事」「修了式・交流会」


 豊中市内の各授産施設と公共施設にビラを配布し、近隣の支援センターにはビラを送り、ホ−ムページで掲載したりした結果、9名の方の応募がありました。男性4名女性5名で、10代が1名、20代が4名、30代が3名、50代が1名と、高校生から社会人まで年齢層は幅広く、豊中市は基より、箕面市や神戸市、遠くは岡山県からの申込みもありました。障害も知的・精神・身体と様々で年齢層も違ったりでしたが、面接を行ない申込者全員に思いを聞き、応募者全員に受講してもらう事になったのです。
さてさて初日、講義に入る前にオリエンテーションを行ない、受講生に簡単な自己紹介をしてもらい、各講座の担当スタッフから内容とその流れを伝え、講座へ入っていきました。

第1回 「先輩のお話を聞こう」(60分)
 まずは自立生活を身近に感じてもらおうという事で、すでに自立した生活を送っている人の話を聞いていくことから始めました。講師には京都の入所施設で30半ばまで過ごし、その後豊中に引越され10年余り自立した生活を送っているえーぜっと作業所の代表井上康さんに、これまでの生い立ちや自立生活の面白さ、街に出て行く楽しさ等を話して頂きました。

第2回 「色々な障害を知ろう」(60分)
 先にも書いたように今回の受講生は、身体・精神・知的の方がおられます。ですので、自分を含めたお互いの障害を理解することで、自分の生活作りや相手に自分の障害を伝える事も出来ます。この講座では障害とは何かを考えたり、各障害別にそれぞれの特性を学んでもらいました。

第3回 「在宅福祉サービス及び年金・生活保護」(60分)
 私たちにとって地域で生活していくために欠かせない福祉制度。自立支援法でホームヘルプを利用するときや障害年金を受給するときに、手続きはどこに行ってどのようにすればよいのかわからなかったりします。ヘルパー制度と障害年金の仕組みを理解し、生活保護制度も自立の1つの手段として活用できるので、この3つの仕組みを勉強してもらいました。

第4回 「交通手段を利用してみよう」(60分)
 今回は歩道・バス・電車・タクシーから、飛行機・フェリーまでの交通手段の利用方法を考えました。歩道では、信号機の見方や交通事故の防ぎ方、バスに関しては、バスの設備・時刻表の表示・手帳の割引について、電車については、切符の買い方・割引の条件・指定席券・踏切事故、タクシー・飛行機・フェリーに関しては、予約方法・料金体系を学びました。バリアフリーに関する法律や歴史も盛り込みました。

第5回 「人間関係って大事よね」(60分)
 地域で生活をするには人との繋がりや関わりが重要になってきます。まず「人間関係」では、挨拶や会話の積み重ねが豊かな人間関係を作り上げる事を伝えました。「コミュニケーション」では、感情や意思とは何か、共感についてや距離の取り方を伝えました。「マナー」では、言葉使い、気配り等の社会人として大切な事を学んでいきました。

第6回 「自分で食事と健康管理してみよう」(60分)
 人間は食べていかないと生きていけません。自立した生活を送るためには、きちんとした食生活が必要になります。好きなものばかり食べてはどうなるのかということから、まず一人ひとり一日の食事の内容を話してもらいました。それに合わせて『バランス表』を見ながら、毎日バランスよく摂りながら食べているのか、糖尿病等の慢性疾患にならないためには何をどれだけ食べたらよいか等を学びました。

第7回 「私たちが使える福祉用具」(60分)
 福祉用具といってもその種類はたくさんありますから、その種類を理解し役割を知る事から始めました。ひとり一人の生活にあった福祉用具を考えてもらい、実際に使いたい時はどういう方法で手に入れるのかを学んでもらいました。また、手に入れた後の維持管理はどうするのかや、福祉用具を使って、良い生活をするにはどうすればよいのかも考えたりしました。

第8回 「一人暮らしを始めるには〜住居の選び方〜」(60分)
 ここではまず、住居を選ぶにあたってどういう所に注意するべきかを一人ひとりに考えてもらいました。その後、実際に賃貸住宅の契約に至るまでを一般住宅、公営住宅に大きく分けて説明し、その際に必要な書類や間取り図の見方から、住宅用語や室内の動線についても学んでもらいました。最後に、いざ一人暮らしが始まってからかかってくる家賃、光熱費などの経費や、住宅改修について勉強しました。

第9回 「一人ひとりを守るためできる事」(90分)
 1960年代の大規模収容施設の悲惨な実情が写し出された画像から、それまで障害者は非人道的な扱いを受けていた事を見てもらうことから始めました。次に、今の制度は比較的良くなり、地域生活がしやすくなったのは、障害当事者が運動を起こしてきたからという事を伝え、人は法や制度によって守られていることを理解してもらいました。また、制度や法関連の事や国際的な差別規定も学び、一人ひとりを守るためには、行動に移していく事が重要だという事を伝えました。

第10回 「修了式・交流会」(40分)
 最後は、受講生の皆さんとスタッフでお菓子と飲み物を囲んで、今回の講座を振り返りました。受講生一人ひとりにこの講座を受けてみて良かった事を述べてもらい、全行程修了となりました。

講座を終えて
 10コマで約半年という長期にわたる今回の講座は、日常生活でのあらゆる場面を想定し、知識を持ってもらう座学形式の講座でした。座学形式とはいえ、受講生に問いかけを行ったり、ロールプレイで身近な場面を体験してもらったりもしました。すぐに活かせる知識もありましたし、将来活かせる知識もあるはずです。

受講生の感想
 受講生の感想を抜粋して紹介します。
「知らなかった事もあり、良い勉強になりました。住宅に関しても自らが将来一人暮らしも考えていたので聞けて良かったです。」
「久しぶりに参加させて頂きました。月に一回という日程はとても行きすやく、10回という短期間の講座でしたが、住居の借り方や今まで詳しく分からなかった事を知ることが出来ました。今回のような講座があれば、また参加して自分がもつ知識や人との輪をこれからもどんどんひろげていきたいと思っています。本当にありがとうございました。」

最後に
 冒頭でもお伝えしましたが、今回でこの形式にして2回目の講座でした、スタッフと受講生が対等で、決して指導的にはなってはいけないという思いで今回も進めてきました。 対等な関係と支援するという考え方を基本に、今年度もこの講座を進めていきますので、興味を持たれたみなさん受講してみて下さい。
 最後になりますが、今回受講された9名の皆さん、約半年間、10コマもの長丁場、本当にお疲れ様でした。
(上田) 

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3. 発達障害を知ってみる −分かることで解り合える−

事務局

※画像など、より詳しい報告はこちらをご覧下さい

 2010年3月22日(月=祝)、2009年度第2回市民講座を開催しました。
 今回のテーマは、『発達障害を知ってみる 〜分かることで解り合える〜』で、初めて発達障害を取り上げたのですが、予想を遙かに上回る約    100名の参加者が来られ、会場内は大混雑となりました。それだけこの障害に対して、世間の関心が強いのだと思います。
講師を務めて下さったのは、大阪府立能勢高校 教育専門員の山口正和さんと、メインストリーム協会(西宮市)職員の桐間智弘さんです。

◆山口正和さんの講演
 最近は、発達障害と診断されることが、ある意味トレンドみたいになっている風潮が見られます。例えば、「今まで気にいらないことがあったけど、それが発達障害のせいだと思えば気が楽になる」とか、そういう、ある種の便利さがあり、それは危険な現象だと思っています。
 もともとこの障害は、脳に何か損傷があるのではないか?と言われてきました。だけど損傷が見付からなかったから、今では脳の機能障害と言われています。このように、原因も分かっているようで、まだよく分かっていません。出現率も、各地域間でバラつきが見られます。
 厳密に言うと、発達障害というのは、『知的障害ではない人』ということになるのですが、実際にはしばしば、同じように解釈されたりします。
 最近は自閉症についても、『自閉症スペクトラム』といって、上下左右の方向に広がりがあるのです。左右には情緒面やコミュニケーションが出来ているかどうか?という点で、上下には知的な障害があるかどうか?という点で、それぞれ広がりがあります。
知的障害のある人の場合、実際には、犯罪の被害者になるケースが圧倒的に多いのに、偏った報道等によって、『加害者である』というイメージを持たれてしまっているのが現状です。
 知的障害のある人は、知らない人だとビックリするような行為を、することがあります。豊中の街でもそういう“ハプニング”が起こったことはあるのですが、例えば学校の同級生(健常児)が本人の特徴をうまく説明して、周りの人から理解を得たケースもありました。

 改めて、発達障害というのは社会の関心は集めつつあるものの、まだまだあいまいな部分も多く、それゆえに、どちらか一つの方向への解釈で決め付けるのは、危険だと思いました。
 そして、例えば小学生で知的障害のある人が、知らない人だとビックリするような行為をした時に、その人のことを説明出来る同級生がいるというのは、豊中がおこなっている統合教育の、一つの良さかも知れないと思いました。

◆桐間智弘さんの講演
 僕は現在24歳です。障害は学習障害ですが、実は障害があることが分かったのはほんの1年ほど前で、それまでは健常者として生きていました。
 小学生の頃から、うまくひらがなが書けなかったり、計算がどうしても出来なかったりして、勉強はめっぽう苦手でした。
 中学時代は野球、高校時代はラグビーをやっていたのですが、サインを覚えられなくて、監督からはもちろん、後輩からもよく怒られました。
 高校生の時、彼女もできましたが、デートをして目的地まで導こうとするも、地図を読む事ができませんでした。方角も全然分からなくて結局たどり着けず、挙げ句、「私は年上の(つまりもっとしっかりした)彼氏と付き合いたかった」と2歳年下の彼女から言われ、フラれてしまったのです。
 アルバイトをした時、お金の勘定が何回やってもうまく出来ませんでした。だから仕事の後、家で必死に計算ドリルをしたり、自分で出来る努力は全てしてみたのですが、効果は上がりませんでした。
 21歳の時、今の職場である『メインストリーム協会』と出会いました。最初はそこで登録介護者として働いたのですが、ここでも利用者の家に行く地図を読めなかったり、出された指示の内容を理解するのにかなり苦戦しました。
 ある時、僕は研修でネパールに行きました。メインストリーム協会では、海外の貧しい国で、障害者の生活環境向上や自立生活センター立ち上げの支援をする、海外研修をおこなっているのです。そこで先輩に、「水を5本買ってきて」と言われたのに対して、指示をきちんと飲み込めず、買ってきたのは3本でした。「おい、2本足りないぞ。」と言われ、僕は『2本』という数を覚えるためにメモを取ろうとしたのですが、そのとき、「そのぐらい覚えられないんか?」と言われ、続いてこう訊かれたのです。
 「お前、LD違うん?」
 「LD?」聞いたこともない言葉を言われて、このあと僕は、LD=学習障害や、発達障害のことを徹底的に調べました。そして病院で診断(テスト)を受け、学習障害であることが分かったのです。2009年3月のことでした。

 桐間さんは、「自分の本当のことを知れて、良かったと思う。」と話していました。しかしその一方で、「もし小さい時に、自分が障害者であることが判って手帳を取っていたら、自分の人生は全く違うものになっていたかも知れない。普通の学校に通い、一般の職場でアルバイトをするという体験は、なかったかも知れない。」と話していました。そして、「医学モデルに偏った障害の判定の仕方には、疑問を感じる。IQなど、特定の方法だけで数値にこだわった判定をするのではなく、その人個人の状態に目を向けて、その人に合った判定や支援をしてほしい。」と訴えていました。

 このあと質疑応答が行われ、「自分は教師ですが、生徒の中に、アスペルガー症候群と思われる人がいます。本人はそのことを知りません。就職活動も控えています。本人に知らせるべきでしょうか?」という質問が出されました。
 これに対して「あえて(アスペルガーだと)言う必要はないと思います。『こういうところは、ほかの人と考え方が違うね。』とか、『みんなとこういう違いがあるね』ということは、言ってもいいですけど。それと、そういう問題を先生が一人で抱え込む必要も、ありませんよ。」という回答がなされました。

 今回は、発達障害をテーマにしましたが、冒頭にも書いたとおり、予想を大幅に上回る参加者が集まりました。
 特に桐間さんのなまの体験談≠ヘ、聞いていて引き付けられる、刺激に富んだ話で、もしかしたらみなさんの中にも、ある程度近い体験や思いをされたことがある方が、おられるかも知れません。そういう方にとっては、大変共感できて、参考にもなる話を聞けたのではないでしょうか。
 いまだ不明確な部分も多くある障害だけに、私たちとしては、偏った見方がひとり歩きすることだけは、ないようにしていきたいですね。
 当日参加されたみなさま、そして講師を務めて下さったお二方、本当にありがとうございました。                 
(担当:根箭)

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4. 人とのキャッチボール

事務局

※画像など、より詳しい報告はこちらをご覧下さい

 2010年4月24日(土)、体験講座『人とのキャッチボール』を行いました。この講座は、人が生きていく上で最も必要な、コミュニケーションについて考えようという気持ちから開きました。『あいさつ』、『電話対応』、『指示の出し方』の3つの項目で行い、8名の方が受講して下さいました。

あいさつについて考えてみましょ♪
 「人間は、『人』の字のように一人では生きていけない。だからあいさつはとても大切だ」という話から始まり、パワーポイントを使っていろいろなあいさつを紹介しました。受講生からは「自分があいさつをしても相手がしてくれなかった時はどうしたらいいのか?」という質問が出され、講師は「あいさつをされて気分の悪い人はいないと思う。たまたま相手の機嫌が悪かったただけかも知れないから、折れずにまたあいさつして欲しい」と答えました。

電話のかけ方、受け方の練習だーっ!
 まずは『人類の意思伝達の歴史』について、話を紀元前にまで遡らせたストーリーから始まり、のろしや太鼓の画像も登場しました。その後、講師が電話対応の悪い手本をロールプレイで示し、受講生からもどんどん指摘が出ましたが、いざ受講生同士でやってみると、「分かっているように上手くいかない」と苦戦する場面も見られました。

みんなはどうやって指示を出す??
 よく「分かりやすく伝える」と言いますが、ではどうすれば分かりやすい伝え方となるのか?というところから話が始まりました。「『そこのあれ取って』ではなくて、『前の台の上に置いてある青色のファイルを取って』というように、具体的に言えば伝わりやすい。」「指示を出す側と受ける側が、ともに相手の言い方のクセや、伝わり方の特徴を理解すれば、スムーズにコミュニケーションを取れる。」この2点を踏まえた上で、みんなで介護の場面を例に、指示の出し方のロールプレイを行いました。 

 今回、初の試みとして、コミュニケーションをテーマにして講座を開催しましたが、また機会があれば開いてみたいと思います。   
(担当:根箭) 

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5. みなさん、「ピアカウンセリング」ってご存知ですか?

事務局

※画像など、より詳しい報告はこちらをご覧下さい

 「カウンセリングは相談という意味だけど、ピアって??」と思われている方も多いでしょう。
 そこで、もっと知って広まってほしいとの思いから、2010年3月28日『ピアカウンセリング講演会』を豊中市立ルシオーレホールにて開催しました。
 当日は、神戸にある自立生活センター「リングリング」でピアカウンセラーとして活動されている中尾悦子さんを講師として招き、会場には障害当事者や、健常者たち25名の参加者が集まりました。
 しかし、最初はみなさん、緊張され表情が硬く会場は静まりかえっていましたが、中尾さんのスムースでとっても柔らかい口調とホッとする笑顔につられて、だんだん和やかなムードになりました。

 「ピアカウンセリング」とは専門家を置かないカウンセリングで、『障害者同士で助け合うこと』、『エンパワメントを目指して支援すること』など、ポイントをあげながらとても解りやすく説明されていました。
 またこれまでの人生について、『健常者に気に入られる障害者像を目指して“演技”をしていた。』『体で負けている分、頭で勝たないといけないと健常者に言われ、がんばってたくさんの資格を取ったりもしたが、本当の意味での自己選択ではなかったので、充実感がまるでなかった。』と語り、参加者も共感を受けたようです。
 中尾さんはその後、仲間を通じてピアカウンセリングと出会うのですが、初めて受けた講座で、リーダーから『頑張らなくていいんだよ』と言われ、その一言が人生で一番衝撃を受けた言葉だったそうです。
 『そうなんだ。障害者だからといって、頑張らなくてもいいんだ。健常者を、まるで負けてはいけない対象≠ンたい捉える事は、しなくてもいいんだ。』今までムリしていたものがフーッと取れて、気が楽になったといいます。
 それからの中尾さんは、『同じ頑張るなら本当に自分がしたい事のために』と、演劇をしたり留学をしたり、そして最終的には自ら自立生活センターを立ち上げて、一つの自己実現に向われました。
 「この時は実感できる達成感が沸いた」とおっしゃっていました。ピアカウンセラーとなった今は、いろいろな経験を武器に、活躍されています。
その中でまず感じたことが、『自分も一緒に喋れる日常会話と、傾聴(聴くことに徹する)しなくてはいけないピアカウンセリングは、全然違う』ということでした。
 講演の途中、中尾さんは当センターのスタッフと、『友だち関係での会話と、ピアカウンセリングとしての会話の違い』を、ロールプレイで示して下さいました。
 友だち関係だと、お互いにポンポン話がでたり、自分のことをしゃべりたがるけど、ピアカウンセリングでは、カウンセラーは話をただ聞いてうなずくのみでした。
 その後、参加者同士(スタッフも含む)によるロールプレイもおこなったのですが、『やはりどうしても言いたいことを言ってしまう。難しい』との声が挙がっていました。

 第2部では各グループに分かれディスカッションが行われ、あちこちで泣いたり、笑ったりとにぎやかに盛り上がっていました。あるグループでは、「頑張らなくてもいいという言葉は、一番かけて欲しかった言葉だ。」と、目を輝かさんばかりに話している参加者の姿が見られました。
 ピアカウンセリングとは、先にも述べたように、「障害者のみ・・・」との考え方があります。今回の講演会は健常者の方にも参加してもらう事で、生活の中でのピアカウンセリングの有効性をしってもらい、地域での生活を創り上げることを参加者に分かってもらいたかったのです。

 今回の講演会で再びピアカウンセリングの素晴らしさが分かり、この活動を始めた頃を思い返すことが出来ました。
 人の話を聞きながら、その人自身が持っている「力」を取り戻し、自己信頼の回復(自分を好きになる。)人間関係の再構築(人を好きになる。)など、勇気・戦う意欲・楽しく生きる力を持ってもらえるよう引き出すこと、そしてその話を絶対にほかの人にもらさないこと、これが「ピアカウンセリング」だということで 締めくくりました。
 笑顔のステキな講師の中尾さん、そして参加者のみなさん、本当にありがとうございました☆
(担当:赤塚)

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6. 平成21年度現任者研修 身体介護講習会報告

広報誌編集部

 2010年2月11日(木)に、身体介護講習会を開催し、今回は7名の登録ヘルパーの方が参加されました。
 講師には、今年もやわら訪問看護ステーションの山崎先生・藤山先生・福田先生に来ていただきました。
 はじめに、『腰痛とは何か?』について腰痛の原因・種類・対処法などを話してもらいました。予防方法では、実際に山崎先生がしている、毎日の生活の中で無理なく行えるものを詳しく説明していただき、とても参考になったのではないかと思います。

 講義の後は3組に分かれて、実技の講習をしてもらいました。内容は、片麻痺利用者を想定してのベッド上での体位変換、衣類の着脱、車いすへの移乗を行っていただきました。今回は実技にたっぷりと時間を使ったので、アンケートには『解りやすかった』等の意見が多くて、よかったです。

 その後は、登録ヘルパーの方が実際介護をしていて大変に思っていることや、疑問に思っていることを聞いてもらい、理学療法士(PT)や作業療法士(OT)の方から直接、介護に負担のかからない介護方法を聞くことができました。

 
実習風景。今回も参考になりました。
 
ベッドから車いすへの移乗です。


 今回、登録ヘルパーの方々以外に、職員も研修に参加させてもらいましたが、片麻痺など、普段から介護を毎日行っている私たちでも、あまり経験したことのない介助方法など、新しい発見などがあり、とても勉強になりました。実技の講習では、熱中するあまり予定の時間をオーバーしてしまいました。
 私たち職員も、今回の経験を生かしながら、このような講習会には率先して参加したいです。まだまだ学ぶことがあると思うので、このような講習会を、これからも企画立案していこうと思いました。
(担当:野口・辻) 

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7.

つながるサロン

事務局

 豊中市障害相談支援ネットワークえん≠フ活動の一つとしてはじめた“つながるサロン”もう来られましたか?
 まだまだお伝えきれてないと思いますが、知ってるけど【遠い】【曜日が合わない】などで来れない方もいらっしゃるとも思います。
えん≠フ関係機関はたくさんあります。
 各事業所でも、いろいろなサロンをしています。
 そちらの情報を、えん≠フ機関誌にもまた掲載する予定ですが、お知りになりたい方は、当センター(06−6857−3601)か、えん≠フ関係機関にお問い合わせください。

 つながるサロンの場所は、服部駅から、梅田方面線路側を線路沿いに曽根に向かっていただき、駅の横から数えて3つ目の踏み切りを過ぎてすぐの、ガラス張りのところです(幼稚園まで行くと行き過ぎになります)。

 日々の悩み相談、友達作りをしたり、ほっこりとした時間を楽しんだり、自分の好きなようにお過ごしください。見てるだけ、聞いてるだけ、お茶の時間を楽しむだけでもOKです。

開催場所 :喫茶 『茶処』
開催日 :毎月第2金曜日
開催日時:午後2時〜午後4時まで(出入りは自由)
参加費 :無料(喫茶利用の場合は実費) 


【問合せ先】 豊中市障害相談ネットワークえん
事務局 豊中市障害福祉課 06−6858−2747



喫茶『茶処(ちゃっところ)の様子

入り口の様子

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みなさんからの、投稿コーナー

 このコーナーでは、みなさんからの作文・詩・短歌・俳句・小説など、投稿作品をご紹介しています。
 作品は随時募集しておりますので、投稿されたい方は、編集部までどしどし投稿して下さい。
 なお、作品数が多くなった場合は、繰り越しで2号先の広報誌に掲載する場合もあります。作品の内容によって考慮は致しますが(季節がテーマの場合など)、あらかじめご了承下さい。

 みなさまの投稿を、お待ちしています。













8.短歌

苦しみの
山河をこえて
この我は
自立の日から
十四年経つ


伊丹市 岩國久美子


9.2010年大相撲春場所観戦記

海帰優人

「大錦」を知っていますか?

 今年も、恒例の春場所観戦に友人たちと大阪府立体育会館へ行った。
 春場所にも車いす席が設けられたことがきっかけで、年に一度の楽しみになっている。チケットは3,000円、ほとんど普段観ることがなくなったぼくが、なぜ楽しみにしているのか。
 幼いころ、テレビでのスポーツ観戦は、ぼくにとって一番の楽しみだった。ナイター、高校野球、冬の大学ラグビー、マラソンに高校駅伝、バレーボール(女子)……。
 大好きなスポーツ放送の数々の中に、大相撲もそのど真ん中あたりに位置していた。ちょっとませていたぼくは、巨人ファンだったけれど、王や長嶋よりもバントやヒットエンドランの得意な脇役の土井が好きだったし、相撲も大鵬や北の湖よりも、小兵の鷲羽山や突っ張りの富士桜、元祖ワザのデパートの旭国など、通の好きそうな人たちを応援していた。
 前置きが長くなった。要するに、取り組み終了後、昔なつかしい力士の人たちにどれぐらい出逢うことができるか、それがメチャクチャ楽しみなのだ。特に3階のエレベーターの横は役員控室なので、そこが一番の勝負どころ。
 今年は本当にすごかった。まずエレベーターにたどり着くまでに、あの話題の貴乃花親方が追い越して行った。エレベーターを待っていると、またまた、貴乃花親方登場。本当に至近距離だった。巨漢力士ではなかったけれど、引退してスリムになったといっても、やっぱりごっつかったし、いろいろな騒動や言動が取り上げられるわりに柔和な空気を漂わせていた。親子連れのファンと気軽に写真を撮っていた。声をかければよかった。
 そのほかにも、2階のエレベーターのボタンを押していたのは大乃国(現、芝田山親方)だった(親方名を確認するのにホームページを開けたら、名前がぼくの本名と同じだった)。鏡の中の大乃国に「あっ、大乃国や!!」と叫んだ。すこし微笑んでくれたような気がした。
 最後になったけれど、今回一番印象に残ったのは「大錦(現、山科親方)」と至近距離で遭遇したことだった。友人のNくんが言ってくれないと気がつかなかったけれど、そこにはぼくが一生懸命相撲に熱中していたころ「新入幕三賞独占」という偉業を成し遂げた大錦がいた。その後、彼は膝の故障や糖尿病などに悩まされ、大きな活躍はできなかった。それだけに、あの新入幕の印象が忘れられなかった。幕下陥落から這い上がった経歴をもつ人らしく、真面目で誠実そうな表情をしていた。本当にうれしかった。

 今年も、恒例の春場所観戦に友人たちと大阪府立体育会館へ行った。
 春場所にも車いす席が設けられたことがきっかけで、年に一度の楽しみになっている。チケットは3,000円、ほとんど普段観ることがなくなったぼくが、なぜ楽しみにしているのか。
 幼いころ、テレビでのスポーツ観戦は、ぼくにとって一番の楽しみだった。ナイター、高校野球、冬の大学ラグビー、マラソンに高校駅伝、バレーボール(女子)……。
 大好きなスポーツ放送の数々の中に、大相撲もそのど真ん中あたりに位置していた。ちょっとませていたぼくは、巨人ファンだったけれど、王や長嶋よりもバントやヒットエンドランの得意な脇役の土井が好きだったし、相撲も大鵬や北の湖よりも、小兵の鷲羽山や突っ張りの富士桜、元祖ワザのデパートの旭国など、通の好きそうな人たちを応援していた。
 前置きが長くなった。要するに、取り組み終了後、昔なつかしい力士の人たちにどれぐらい出逢うことができるか、それがメチャクチャ楽しみなのだ。特に3階のエレベーターの横は役員控室なので、そこが一番の勝負どころ。
 今年は本当にすごかった。まずエレベーターにたどり着くまでに、あの話題の貴乃花親方が追い越して行った。エレベーターを待っていると、またまた、貴乃花親方登場。本当に至近距離だった。巨漢力士ではなかったけれど、引退してスリムになったといっても、やっぱりごっつかったし、いろいろな騒動や言動が取り上げられるわりに柔和な空気を漂わせていた。親子連れのファンと気軽に写真を撮っていた。声をかければよかった。
 そのほかにも、2階のエレベーターのボタンを押していたのは大乃国(現、芝田山親方)だった(親方名を確認するのにホームページを開けたら、名前がぼくの本名と同じだった)。鏡の中の大乃国に「あっ、大乃国や!!」と叫んだ。すこし微笑んでくれたような気がした。
 最後になったけれど、今回一番印象に残ったのは「大錦(現、山科親方)」と至近距離で遭遇したことだった。友人のNくんが言ってくれないと気がつかなかったけれど、そこにはぼくが一生懸命相撲に熱中していたころ「新入幕三賞独占」という偉業を成し遂げた大錦がいた。その後、彼は膝の故障や糖尿病などに悩まされ、大きな活躍はできなかった。それだけに、あの新入幕の印象が忘れられなかった。幕下陥落から這い上がった経歴をもつ人らしく、真面目で誠実そうな表情をしていた。本当にうれしかった。


10.マイナス思考発電型ロボット

一辺田正

 マイナス思考発電型ロボットが世に出た期間は短かった。しらない人もいるかもしれない。黒木青人の家にも、二度ばかり訪ねてきたことがあった。
「おれはだめな男だ……」

 黒木はいま、会社から不採用の通知をうけとったばかりだった。部屋には、過去の不採用通知が束になっておかれていた。こんどもだめだろうと思っていたら案の定、そのとおりになってしまった。
 玄関のドアをノックするものがあった。ノックはいつまでもつづいた。しかたなく彼はドアをあけた。
「こんにちは」
 ひと目みてロボットだとわかる整った顔立ちの男が笑顔で挨拶した。最近、いろんなロボットが街なか中を歩きまわっている。
「じつは私、あなたのマイナス思考に引かれてまいりました」
「僕のマイナス思考に……?」
「はい。私は、人が発するマイナス思考を取り入れ、それをエネルギーにかえて動くロボットなのです」
「そんなロボットがいたのか」
「いまでは主流になりつつあります。なにせこの世の中、マイナス思考の人間で、あふれていますからね」
「わるかったな。どうせ僕は、役立たずのだめ人間さ」
 相手は、えもいえない快楽に見舞われたかのように、ゾクッと身をふるわした。
「おお、そのマイナス思考こそ、私の命。もっと、もっとください!」
「もう、かえってくれ」
「また寄らしていただいても、いいですか?」
「かってにすればいいだろう」
「ありがとうございます」

 マイナス思考発電型ロボットウラは、黒木のところから立ち去ると、まだ物足りない様子で歩き出した。いまもらったエネルギーだけでは、フル充電とはいかなかった。
 ウラが歩きだすとすぐに、どこかからマイナス思考が伝わってきた。彼は、それに引き寄せられるように、足をはやめた。

 一週間後、ふたたび充電の必要をおぼえたウラは、あの黒木の住まいを訪ねた。
「やあ、きたね」
 期待していたのとは裏腹な、いやに元気な黒木が玄関にあらわれた。
「なんの役にもたたない自分だと思いこんでいた僕だったが、きみにエネルギーを供給することができるのだと思うと、なんだかやる気がでてきてね。そんな気持ちで就職を求めて会社を訪れたら、採用されたよ。いや、ありがとう、なにもかもきみのおかげだ!」
 彼から強く手を握られたウラは、急にめまいを覚えた。そしてそのままふらつく足取りで、これまでマイナスエネルギーをもらった家々を訪ねてまわった。しかしどの家でも、あらわれたのは黒木同様みな、このまえとはまるでちがう、前向きで、積極的なプラス思考の人間たちばかりだった。
「あなたのおかげですわ」
 やっぱり、ウラの役にたてたことが、かれらにやる気をおこさせたらしかった。
 ウラが残りのエネルギーを使い果たして路上に倒れたのは、それからまもなくのことだった。

 そんなわけでいまは、マイナス思考発電型ロボットは街から姿を消し、かわりにプラス思考発電型ロボットがあらわれはじめたという。


11.どんぐりのひとりごと

どんぐり

 この記事を書いてるときは、5月の上旬ごろなので、お出かけ日和の続くときで、冬の寒さからやっと、解放されてホッとしてるところ(特に、今年は4月下旬まで寒暖の差が激しかった)ですが、皆様の手に届く頃には、季節は移り変わってじめじめとした梅雨なんですね。

 ところでこの春、とってもうれしいことが、二つありました。一つは、子どもの頃から大フアンだった鳳蘭様が阪急100周年の親善大使としてのポスターで阪急沿線に帰ってきてくれたこと。阪急の制服姿も、キリリと決まって、カッコええー!!誰も見てなければ、はがして持って帰りたいと思う始末。特に、梅田駅のポスターは、等身大で大きく、何枚も貼ってあり、思わず抱きついちゃいました。とっても壁が硬くて冷たいツレチャン(鳳蘭様の愛称)でしたけれど・・・・。うふふ・・・・・。
もう一つは、御歳83歳になる私の父が、パソコンを買い、メールをやり始めました。すっごいでしょ・・・・。若いときから歴史と学ぶことが大好きで、子どもたちには歴史を語って聞かせ、資格を十何個も取得し、子どもを育て、家族を養ってきた父は、今も、身体をいたわり家族を見守りながら新しいことに挑戦し続けている。
そんな父のメールは、昭和初期の人だけあって、とにかく硬い。たとえば件名も「連絡」「野菜の送付についての連絡」「老いたる者、故郷で歴史を語る」という感じで、内容も文語調の歴史的仮名遣い、漢字もまた難しい。ときには戦地に赴いた兵隊さんが、祖国日本の家族に宛てて出した手紙のようであったり、昭和天皇のお言葉のようであったりする。メールのことを、ついつい電報と書いてしまうらしい。なるほど、わかるような・・・、おもしろいような・・・・・。そんな父に対して、空想が大好きな私は、「天皇陛下」とお呼びしたり、庶民の女性になったり、お姫様になったり、ときには90歳のおばあちゃんになったりして、返信して遊んでいる。向こうでは、母とそんなメールを見ては、笑っているらしい。
笑うことは、免疫力を高めて、身体によいらしい。少しでも、その役に立っているならば、とてもうれしいな。いつまでも、自分の好きなことをして、希望を失わない、そんな父や、母を、尊敬している。いつまでも、長生きしてや・・・・。


12.哲珍の部屋

哲珍

 3月の頭に沖縄に住む友達と波照間島に行ってきた、日本の最南端で、人口600人の小さい島。

 島についてまず困ったのは移動手段、レンタサイクルやレンタバイクが主な観光客の足。レンタサイクル屋に2人乗りできるかと聞いたが、警察に指導を受けてからは、後ろの荷台は取り外しているとのこと。
レンタサイクルは1日1500円程度でお手頃値段やけど、乗れないからあえなくレンタカー。1日7000円。5500円の差は大きい。レンタカーを借りるときは心配目線が気になるので、友達任せ。

 行き当たりばったりな旅だったので、宿も予約せずで、民宿探しも夕方から。
 問い合わせの電話も断られたくないから、友達に任せる。

 バス・トイレは共同で、お風呂は外、トイレは和式のみ。お風呂は二人で入らないと無理。トイレは集落の真ん中まで車で行かないとできない

 一人じゃなんにもできないと思うべきか?誰かがいればなんだってできると思うべきか?

 食事はみんな決まった時間に大きなテーブルで食べる。お酒は宿側の好意で飲み放題。宴会が始まる。席順は自分自ら端に座ってしまう。友達を挟んでコミュニケーションをはかろうと。
 馴れていけば打ち解けて盛り上がるが、それまでは自分の小ささを感じてしまう。初対面では、言語の壁が気になって仕方がない。

 まだ何とか歩くことができ、話もかろうじて通じるから行けるんやろうなと思った。

 社会の壁も感じたが、自身の壁も感じた。ちっちゃいなぁ〜って

 来年は最西端にチャレンジだぁ〜〜〜!! 


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

投稿コーナー終了


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13. さろんだより

事務局

 こんにちは。6月号がでるころには暑くなっているでしょうか?
 春には雨が異常に多く、寒かったり、やけに暑い日があったりと、不安定な日が多かったですね。体調管理も大変でした。
 今年になって、1月にハイチ、2月にチリ、4月にメキシコ、そして5月にはインドネシアなど、マグニチュード7以上の地震が毎月のように起きています。地下のなまずさんもおとなしくして欲しいですね。
 月に2回、さろんをしていますが、一番人気は、トランプです。
婆抜き、七並べ、神経衰弱などが、よく行われます。
 トランプについて調べてみました。
☆スペードのエースはなぜ大きいのか?
 それは、税金のためです。17世紀にイギリスでトランプを使ったギャンブルが流行しました。時の政府はそれを抑え、税金も稼ごうとスペードのみ国で印刷し、偽造されにくいように図柄を大きく複雑にしたとのことです。
 そのためデューティエース(関税エース)と呼ばれ、カードの一番上にあるそうです。なんとなくタバコを思い出してしまいます。
 政府ってがめついな!!どこの国でも。
☆「婆抜き」で、なぜジョカーを「ばば」と言うのか?
 じつは、もとの(イギリスの)婆抜きでは、ジョーカーは入っていないのです。
「婆抜き」は英語では、old maid(お婆さん)と言います。そして、お婆さんはジョーカーではなく、クイーンなのです。クイーン(お婆さん)を抜くから婆抜きなのです。クイーンがお婆さんに見えてきませんか?

 さろんは、毎月第1、第3土曜日の午後1時から午後4時までです。
予約はいりませんので飛び入り参加をお待ちしております。もちろん、途中からでも途中まででも、自由に参加できますよ。スタッフや仲間と楽しい時間を過ごしてみませんか。                     
(浅)
 


こどもの日の飾り付けを作りました。

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14.

事務所スタッフのつぶやき

事務局

プルトップ
ひとコマ目:会社でプルトップを集めることになった 目指すは車いすをもらえる量! ふたコマ目:こんなに集まった〜!あ〜 3コマ目:ドラム缶1本分いるんやで 4コマ目:うがぁ!道のりは長い

★目指せパワーポイントマスター

 パワーポイントは、言語障害のあるスタッフだけが講演する時の手段として使っていたパソコンのソフトですが、その便利さにスタッフはメロメロ☆
 どうやら職場での空き時間を利用してマスターしようとしているようです。みんながんばれ〜!!

★パソコンに嫌われすぎる職員

「画面がおかしい!」
「マウスを動かしても反応してくれへん!」
「プリントアウトするのが遅すぎる!」
 ついさっきまで普通に使っていたパソコンを特定の人が使い出すと発生するこの症状。
 原因もよくわからないので、単純にパソコンとの相性が悪いのかな。
・・・・・仕事がすすまな〜い(涙)

送迎サービスの隊長が、今ハマっている食べ物 レトルトフカヒレうどん ざるそば だそうです。


次回もゆる〜くつぶやくかも?のんびり温かく見守ってくださいませ。
(今津)

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15. サービスのご案内

事務局

ヘルパーステーションCIL豊中
訪問看護ステーションCIL豊中

TEL06(6840)8195 FAX06(6840)8196

■障害者自立支援法介護サービス
障害者自立支援法によるホームヘルパー、ガイドヘルパー派遣。
◇サービス提供範囲 豊中市及び近隣地域
◇サービス提供時間 24時間365日
■介護保険訪問介護・介護予防訪問介護サービス  
介護保険によるホームヘルパー派遣。
◇サービス提供範囲 豊中市及び近隣地域
◇サービス提供時間 24時間365日
■介助サービス
 障害者の自立支援を目的とした、制度外(インフォーマル)サービス。
◇対象者 原則豊中市在住の障害者
◇介助料
 【一般介助】 1時間1,200円
  実費交通費を負担していただきます。
  電車・バス等公共交通代、自転車:50円、車・バイク:100円、必要に  より駐車代
 【その他】宿泊介助、旅行介助
  介助者にかかる交通費及び宿泊費は利用者負担です。
◇キャンセル料 
前日まで無料。当日は半額です。(上限10,000円)
※条件の合う登録介助者が見つからず、御希望にそえない場合があります。
■訪問看護サービス
看護師が家庭に訪問し、在宅療養生活の支援をします。
◇サービス提供範囲 豊中市・池田市・箕面市
◇サービス提供時間 月曜〜土曜9時〜18時


豊中市障害者自立支援センター
TEL06(6857)3601 FAX06(6857)3602

■豊中市障害者相談支援事業(無料)
 障害者やその家族等の相談等支援をします。
◇福祉サービスの利用援助
◇社会資源を活用するための支援 ◇社会生活力を高めるための支援
◇ピアカウンセリング  ◇権利擁護   ◇専門機関の紹介
■自立生活体験室
 障害者の方が、自立生活を体験してみる部屋です(介助者の方は無料)。
◇宿泊利用 1泊1,500円 ◇デイ利用 1回(5時間まで)750円
■指定相談支援事業(無料)
 市町村が必要と認めたサービス利用計画作成対象障害者等にサービス利用計画を作成する等の支援をします。
■豊中市障害者外出支援サービス
 車いす対応車を運行し、一般交通の利用が困難な障害者の社会参加を支援。
◇利用対象者は豊中市に居住し、次に該当する人です。
 @身体障害者手帳1・2級(下肢、体幹、視覚、内部)を所持している人。
 A療育手帳Aを所持している人。
 B腎臓機能障害で透析治療を受けている人。
 注 15歳未満で車いすを使用していない人は利用できません。
   65歳以上で車いすを使用している人は利用できません(豊中市社会福祉協議会の「ほのぼの号」を利用(6841−9393)。
◇利用日時 午前9時から午後5時(年末年始12/29〜1/3を除く)。
◇利用回数 月4回まで利用できます。
◇利用料 4q未満300円〜20q以上2,500円
◇利用区域
 豊中市及び隣接市(大阪市南部を除く)及び特定施設
◇キャンセル料 当日キャンセル500円
■点字名刺(送料は一律270円)
◇既存名刺への点字打ち込みの場合 10枚150円
◇片面名刺印刷と点字打ち込みの場合 10枚300円
◇両面名刺印刷と点字打ち込みの場合 10枚350円
ロゴ・イラスト又は写真入りの場合は10枚につき50円の加算となります。 

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16. 編集後記

編集長 赤塚裕子

 今年は暖かくなったと思ったら、真冬のような寒さになったりと天候不順<(`^´)>
そのため野菜も高くなったり・・・ややこしい季節でしたね〜
みなさんお元気ですか??
 はい☆私、鍛治さんからバトンタッチされちゃった(*^_^*;) 『赤塚』 です・・・。
なにもできない私ですが、皆さんに助けてもらいながら、読みやすい広報誌を作っていきたいと思います☆
ということで、みなさん気づいてもらえたでしょうか??
そうなんです (*^_^*) 表紙も中身もリニューアルしてみました♪
いかがでしょうか・・・
 ごらんになって、皆さんの鋭いご意見など、どしどしお知らせくださいね☆
心よりお待ちしています (*^。^*)v 

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