も く じ |
印刷版の表紙 |
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1. 特集:これぞ!ユニバーサルデザイン 2. CIL豊中 2009年度通常総会報告 3. 体験講座「須磨海浜水族園へいきまっしょい」 4. 2009年度第1回市民講座報告 5. CIL豊中 職員研修報告 6. 地域の作業所の活動を紹介します −コスモス− 7. 第1回ヘルパー対談 8. なにわ何でも大阪検定 9. “つながるサロン” |
広報誌編集部 事務局 事務局 事務局 事務局 広報誌編集部 広報誌編集部 大友章三 事務局 |
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みなさんからの、投稿コーナー
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18. さろんだより 19. CIL豊中近況/お知らせ 20. サービスのご案内 21. 編集後記 |
事務局 事務局 事務局 鍛冶克哉 |
『ユニバーサルデザイン』意味はすべての人が快適に利用できるように製品や建造物、生活空間などをデザインすること。つまり誰もが使いやすい品物や建物を創ることです。障害者や高齢者といった、移動に制約がある人の生活に対して、不便なものを取り除くバリアフリーデザインと比べ、一歩先を進んでいるスタイルです。
今回の特集は、豊中市内をはじめ、大阪府内やお隣の兵庫県で発見した、誰もが使いやすいと思われるものをピックアップしたものです。本当に目新しいもの、普段さりげなく使っているけど実はこういう使い方をするんだといったものを、7つ紹介させて頂きますのでじっくりお読み下さい。7つとも誰もが使いやすいものだと思っていますが、地域による違いを感じる方がいるかもしれません。その点はご理解頂けると幸いです。
歩道がきれいになった
ひまわりに行く裏道、歩道は使えません。 |
道路は、私達が生活する上で大変重要なものです。豊中市内には、国道176号線(幹線道路)が走っています。この道路は歩道が狭く、お店の品物や自転車の放置が多く見られ、通行する者にとって、非常に歩きづらい道となっていました。特に、私たちがよく利用している、阪急服部駅から豊中市立障害福祉センター「ひまわり」までの歩道は狭く、車道との段差があり、車いす使用者などは、非常に歩きづらいものです。またその段差でつまずいて、車いすがこけてしまうこともあります。筆者自身も電動車いすを使っているときはその段差で身体がバウンドし、こけそうになったこともあります。
「ひまわり」に行く時は国道を通らず、裏道を使います。その道は、自動車も通り、自転車はフルスピードで走り、道路の表面もデコボコでその衝撃を車いすのタイヤからお尻へ、そして背中、首にかけて振動が伝わり、目的地に着いたときはかなり疲れてしまいます。
昨年の初めぐらいから国道の歩道工事が始まり、当初は何の工事か分からず「また道路を掘り返して、通行できなくなっている。お金の使い道をもっと考えればいいのに。」と思っていました。
その工事が完成したとき、歩道が広がりきれいになっていたのです。この歩道整備は豊中市庄内付近から南桜塚までとなっています。
これによって、服部駅周辺がきれいになり、車いすなどが走りやすく、歩道の段差もゆるやかなスロープで、衝撃をあまり感じず、歩車道を通過する事が出来ます。今では、「ひまわり」に行く時も国道の歩道を使い、衝撃を感じなく気持ちよく歩いています。
但し、駅に近くなると自転車などが置いてあり、歩道が綺麗になっても気を遣いながら歩いている様子があります。これは多くの人達のちょっとした気遣いで変わっていくのではないでしょうか。
(大友)
服部天神前です。正面からお参りできます。 |
福祉センターひまわりに入る道です。 服部駅から楽に来る事ができます。 |
城山町〜豊中四中前付近の歩道。 本当に歩きやすくなりました。 |
車道との段差がほとんど無くなった交差点。服部駅前 |
このところ
このところ、街で背の低い自動販売機を見かけませんか?
最初見たときは、へー、なるほどって感じで、飲むとトイレが近くなると言う理由もあって、通り過ぎてしまいましたが、記事を書かなければならないとあって、使ってみました。
確かに、ジュースやお茶を選ぶボタンも、一人で買いに行けるような子どもから、背の低い人や、車椅子の私まで、簡単に一人で押せます。コインを入れる口も、斜めに滑るようにつけられいて、落とす心配も、ないかと思うのです。おつりの出るところも広く、お金がつかみやすいです。ただ、紙幣を入れるのが、入れにくいかなという感じです。ジュースの出てくる窓も、買ったら自動的に開いてくれます。その窓の位置が必然的に下の方なので腰の痛い人にはつらいかなって感じもしますけれど、全ての人のことを考えてくれている、かわいい自動販売機です。阪急沿線では、ピタパカードでも使えるそうですよ。便利ですね。
(塚原)
新型自動販売機。 |
取り出し口の自動扉は、一度開くと かなり長い間開いてくれています。 |
リニューアル!甲子園
エレベーターを降りたら席まですぐ。もちろん段差は無し。 |
我らが阪神タイガースの本拠地、「甲子園」。夏には高校球児たちの闘いの場所としても有名ですね。この甲子園、2年前からリニューアル工事がされているのをご存知でしょうか?完成は来年度になりますが、野球の試合が行われないオフシーズンに工事が進められ、現時点ですでに客席や照明など、ほとんどの設備が新たに使いやすくなっているのを少し紹介したいと思います。
まず、車いす席が増えた事は利用者にとって嬉しいのではないでしょうか。当然、段差も極力少なくなっており、多機能トイレやエレベーターも新たに設置されています。筆者は今年の初夏に、車いす利用者と観戦に行きましたが、専用の入り口から大きなエレベーターに案内され、すぐに席へと移動することができました。
さらには授乳室や託児所、分煙化を進めるための喫煙所も設けてあり、車いすの方だけでなく、女性や子どもなど、多くの利用者を考慮したリニューアル工事となっているようです。
余談ですが、今までは内野席のみだった樽生ビール販売が、アルプス、外野席でも行われるようになっていました。(今までは缶ビールのみ)
甲子園は地球で一番ビールが旨い場所だと思います。みなさんも来年度は美しくなった甲子園で、野球観戦などいかがでしょうか?
「甲子園球場に段差はありまへーん!」
(加田)
ロッテリアに行ってきました!!
みなさんこんにちは。突然ですがファーストフードによく食べに行ったりしますか?私は電動車いすで、わりとよく食べに出かけるのですが、お店に入ったものの、イスが固定されていたり、通路が狭くなっていたりで、店内で飲食できないことがたまにあったりします。
そんな時はヘコみますよね・・・。
甲子園球場の記事でもあったように、最近ではどんどん車いす対応席などが増えてきているようです。
“飲食店にもこのような配慮があるとうれしいな”と思っていたある日のこと。千里中央まで友達と買い物に出かけた帰り、ロッテリアに行ったところ、右側の写真のように、車いす対応席というものが出来ていました。
店長さんに話を聞いたところ、このロッテリアは今年2月にリニューアルオープンした際に、車いす対応席を設けたそうです。車いすの大きさによっても異なりますが、約6台ぐらいまで車いすの人が来店しても楽々飲食を楽しめるスペースになっています。これからどんどんこのようなお店が増えてきてくれると嬉しいですね♪。
ロッテリア千里中央店
営業時間:7時から23時半
電話:06−6833−8600
(文責:鍛冶)
阪急バス2題 [スロープ設置見本&時刻表の表示]
交通バリアフリー法の施行から9年。かつては僅かしか見られなかったノンステップバスやワンステップバスも、今では至る所で見られるようになり、逆に車いすで乗れない古いタイプのバスのほうが、少なくなりました。
大変ありがたい話ですが、一方で、バスに乗るためのスロープの取り付け(取り外し)方を、運転士がきちんと分かっていなくて困るという声を、これまでに多く聞きました。バス会社でも、営業所ごとに研修は行われているのですが、各運転士に浸透するのは難しいというのが現状のようです。
最近、ノンステップバスとワンステップバスの車内に、下の画像のようなステッカーが貼ってあるのを発見しました。
このステッカーは、ちょうどフロントガラスの真上、運転士が上を向いたら目に止まる位置に貼られています。左側がワンステップバス用、右側がノンステップバス用で、スロープと、車いす固定のセッティングの見本を示しています。今年6月頃に発見したのですが、これがある事で、運転士がスムーズに車いす使用者の対応が出来、バスにより乗りやすくなる事が期待されます。
もう一つ、日頃車いすに乗っている人からよく聞く声というのが、「時刻表に、どのバスがノンステップバスか案内表示されていない」です。確かに豊中市内ではどこのバス停を見ても、どの時刻のバスがノンステップバスか分かりません。しかし同じ阪急バスでも、吹田の循環器病センター前を通る路線と、芦屋市内を走る各路線では、バス停にノンステップバスの案内表示があります。特に芦屋市内の路線はノンステップバスの比率がかなり高く、系統によっては20本以上連続でノンステップバスという場合も見られました。
ノンステップバスの運行案内をしている時刻表。因みにホームページ上でも案内しています(右側がそうです)。 大阪府内を走るノンステップバスは、まだまだ少ないですね。 |
こういう電車をご存知ですか?
上の画像は、南海電車の高野線を走っている最新型車両です。ちょうど車内床の、ドア部分が写っているのですが、ご覧の様に点字ブロックになっています。この様な電車は、数年前に東京で初登場しまして、関西でも早く登場しないかなと思っていたところ、今年になって、南海高野線で発見したのです。視覚障害者にとってバリアフリーな点字ブロック付き車両ですが、豊中を走る電車ではまだ登場していません。従って、他地域の電車の紹介という形になりましたが、豊中に限らず、全国各地の鉄道で普及してほしいです。
阪急箕面線桜井駅2題 [エレベーター表示&ホームの段差解消]
2007年3月に、阪急電車の桜井駅のホームと地下通路を結ぶエレベーターが出来ましたが、ちょっぴりユニークな点があります。
上の画像はエレベーターのパネルなのですが、パネル上の点字の下に、点字を直接文字訳した文字が、カタカナで書かれています。これを読むことで、日頃、見慣れてはいても、正確には何と書かれて(打たれて)いるのか分からない点字の内容を、知ることが出来ます。バリアフリーという視点からは少し逸れるかも知れませんが、面白い工夫だと思いました。ちなみに『ここは』の『は』と、『ホームへ』の『へ』は、点字ではそれぞれ『わ』、『え』と表記されるのが決まりになっています。
その桜井駅、ホームも嵩上げがなされて、電車との段差が解消されていました(下の画像)。これで車いすの方は、乗り降りしやすくなりましたね。
最後に、桜井駅のお隣にある牧落駅でも、バリアフリー工事が進んでいました。また完成したら、本誌でもお伝えしたいと思います。
(担当:根箭)
みなさん、いかがでしたか。少しずつではありますが、街はみんなに使いやすく、みんなに優しくなってきているように感じませんか。
今回紹介した道路・自動販売機・甲子園・バス・電車にあるユニバーサルデザインがもっと広まっていけば、障害を持つ人だけではなく、高齢者や子連れの人はもちろん、健常者にもより暮らしやすい生活が送れるのではないでしょうか。
みなさんも今回の情報を活用し、少しでも生活に役立てて欲しいです。
去る6月7日(日)、豊中市立蛍池公民館にて特定非営利活動法人CIL豊中2009年度通常総会が開催されました。10時5分に開会宣言、徳山理事長による開会挨拶の後、徳山理事長を議長として審議が始まりました。
出席者から、人材育成としてヘルパー養成講座実習生受け入れをしているが、実習生の何割くらいがCIL豊中で活動をされるのか、また、豊中市でのCIL豊中の介護派遣のシェアはどのくらいになるのか質問があった。これに対して、ヘルパー養成講座の受講生は遠方の方も多く、元々他事業所に所属している方もいるので、その内でCIL豊中で活動されるのは月に5名くらいです、また、豊中市でのCIL豊中の介護派遣のシェアは、介護費でいうと3分の1くらいだと聞いていますと回答がありました。
以上のような質疑を経て議案は全て原案どおり承認可決され、12時に閉会しました。
議事
第1号議案 2008年度事業報告及び決算の件
第2号議案 役員選任の件
報告事項
2009年度事業計画及び予算
《2008年度事業報告及び決算》
今年度は、障害者自立支援法における在宅福祉サービスとして、居宅介護、重度訪問介護、指定相談支援、地域生活支援事業として、移動支援、豊中市障害者相談支援事業、介護保険における在宅サービスとして、訪問介護、介護予防訪問介護、訪問看護(医療保険含む)、介護予防訪問看護を行い、障害者(児)及び高齢者の地域生活の支援を行った。
障害者自立支援法が施行されて3年目、介護職の慢性的な不足は依然深刻であり、大阪府の財政再建に伴う福祉施策の切り下げも予断を許さない状況である。2年目の訪問看護は在宅医療のニーズが高く利用者も増えスタッフの増員を行った。相談支援は各相談支援機関とのネットワークに参加し、豊中市の相談支援の充実に協同した。
また、豊中市障害者外出支援サービス事業は引き続き多くの利用があり、次年度に向けてニーズ調査を行った。イベントとしては、恒例のクリスマスパーティを行い、利用者等の交流を深めた。
また、障害程度区分認定調査、豊中市障害者給食サービス個別アセスメント、点字名刺事業、相談支援充実・強化の一環として家庭訪問等相談事業を行った。
■豊中市障害者相談支援事業(豊中市委託事業)
障害者及びその家族等が地域生活をしていくための相談及び支援
○相談・支援件数 840件
○市民講座
第1回 「聴覚障害について」
第2回 「判断能力が不十分な方の支援」
第3回 「障害者自立支援法はどう変わるのか」
○自立生活プログラム講座 全10回
○体験講座 「海に行こう」
○他講座等 開放サロン 23回
○自立生活体験室 宿泊利用35泊、デイ利用38回
○広報誌、ホームページ等にて情報提供
広報誌「CIL豊中通信」3回 各約900部(点字、音訳、メール版含む)
■豊中市障害者給食サービス個別アセスメント(豊中市委託事業) 実施数28件
■豊中市障害者外出支援サービス事業(豊中市補助事業) 運行回数1341回
■イベント クリスマスパーティ参加者158名
■点字名刺の作成販売 作成枚数34020枚
■指定相談支援 利用者数1人
■障害程度区分認定調査 調査件数8件
■障害者自立支援法介護サービス 派遣時間95096時間
■介護保険法介護サービス 派遣時間6163時間
■訪問看護サービス 訪問回数2971回
■介助サービス(制度外) 派遣時間2779時間
■ヘルパー養成講座実習生受け入れ 延102人
■家庭訪問等相談事業(豊中市委託事業) 訪問等相談件数21件
収支計算書(総括) 2008年4月1日〜2009年3月31日 |
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収入 | 支出 | ||
科目 | 決算額 | 科目 | 決算額 |
事業収入 会費収入 補助金等収入 寄付金等収入 雑収入 敷金等戻り収入 当期収入合計(A) 前期繰越収支差額 収入合計(B) |
321,440,318 137,000 1,180,860 375,247 229,908 15,722 323,379,055 57,306,550 380,685,605 |
事業費 管理費 固定資産取得支出 敷金等支出 借入金返済支出 税金引当額 当期支出合計(C) 当期収支差額(A)-(C) 次期繰越収支差額 |
297,144,898 122,835 3,393,559 44,010 17,995.481 2,200,000 320,900,783 2,478,272 59,784,822 |
《役員の選任》
理事会推薦による次の6名が選任された(全員再任)。
理事:徳山辰浩(互選により理事長) 理事:大友章三(互選により副理事長)
理事:山口博之 理事:馬淵敦士 理事:吉村史生 監事:坂 龍雄
《2009年度事業計画及び収支予算》
障害者自立支援法における在宅福祉サービスとして、居宅介護、重度訪問介護、指定相談支援、地域生活支援事業として、移動支援、豊中市障害者相談支援事業を行う。介護保険は、訪問介護、介護予防訪問介護、訪問看護(医療保険を含む)、介護予防訪問看護を行う。また、豊中市障害者外出支援サービス事業、豊中市障害者給食サービス個別アセスメント、社会参加・交流事業、人材育成事業、点字名刺事業を引き続き行う。
また、医療的ケアが必要な在宅利用者が増えており、訪問看護や介護サービスの更なる充実が求められている。今年度も国や地方自治体の動きに声を上げると共に人材確保に努め、相談支援及び介護・看護等サービスを通じて障害者(児)や高齢者が地域で生き生きと生活できるよう支援活動を行う。
本年度予算は約330,000,000円
毎年恒例となってきました体験講座「海」が豪雨のおかげで予定変更「須磨海浜水族園」へいきまっしょいになりました。
楽しみにしながら到着すると、入場無料キャンペーンを開催していたこともありすごい人出!!夏休み真っ最中のこともあるし仕方ないか。
まずはみんなでお弁当タイム。持参のお弁当を食べた後に、売店でアイスや亀の形をしたメロンパン(行列ができるほど人気)を買うなど満喫☆。
昼食後は各自自由に散策タイム。「ペンギン見たいなあ」「アマゾン館ってどんなのかな」と言いながら、人の多さにもめげずに楽しく館内を見学しました。
そして、1時頃に一旦集合し、海で割るはずだったスイカをデザート代わりにいただきました。スイカは甘くてみずみずしくて、暑い中散策してきた参加者達にはたまらない!おかわりしちゃう人がいるくらい最高においしかったです。
水槽にいるのは亀さんかな? なかなかこっちを向いてくれないなあ〜。 |
大好評だったスイカ。みんなで食べるとおいしさ倍増でした♪ |
それからまた各自自由に散策し、最後は全員で記念撮影をパチリ☆
海には入れなかったけれど、普段出会うことができないような動物や魚達を間近に見ることができたし、おいしいスイカも食べれたし、一味違った体験講座になりました。
〜みんなの感想〜
・楽しかったです。
・おいしかったです。
・来年も海へ行きたいです。
(今津)
2009年7月5日(日)、豊中市すこやかプラザ多目的室にて、今年度第1回市民講座を開催しました。今回のテーマは『医療的ケアが必要な人の地域生活』です。講師は、『枚岡福祉会はーふたいむ』施設長の平田直樹さん、当事者で、『医療的ケア連絡協議会』代表の折田涼さん、『人工呼吸器をつけた子の親の会』事務局長の折田みどりさん(折田涼さんの母親)の3名に来て頂きました。
平田直樹さん |
最初に講演された平田直樹さんは、医療的ケアについて、「例えば、鼻が詰まっていて寝苦しい時、本来なら鼻をかんだらスッキリするが、それが出来ない人には、代わりに誰かが道具を使って、本人の鼻がスッキリするようにする。それが医療的ケアだ。」と説明されました。
【医療行為】というのは、例えば手術や点滴・採血など、医者でないと行う事が許されない行為を指します。【生活行為】というのは、着替え・寝返り・食事・トイレなど、一般の人でも誰でもが行える、日常行為を指します。【医療的ケア】は言わばその中間で、吸引や経管栄養(口から食べ物を摂取出来ない人が、チューブを使って体内に栄養を入れる)といった、“病院でも行われるが家でも行う事が必要”な行為を指しています。
現在、在宅での医療的ケアは、看護師は、行う事が認められています。ヘルパーについては、おこなっている事業所もありますが、ケアの内容によっては、「うちはちょっと・・・・」と遠慮する事業所もあるという事です。そのため、結果的に保護者が行う場合が多くなっているのが、現状だといいます。
平田さんは結びで、「法律は決して人を取り締まるものではないが、それでも結果的に法律によって、様々な制約を受けている。だからみなさん一人ひとりが、当事者に成り代わって声をあげて欲しいと思っており、その意味では、今日来られたみなさんは貴重な財産です。」と語られ、大変印象に残りました。
次に、折田涼さんと折田みどりさんが講演されました。
折田涼さんは現在20歳で、この春に池田市内の高校を卒業しました。2歳の時に気管切開を行い、現在、24時間人工呼吸器を着けて生活しています。
涼さんが生まれた頃は、まだ人工呼吸器を着けて地域で生活をする人は殆どいなかったのですが、母親(みどりさん)が、『バクバクの会』に出会い、そこでいろいろ教わったのを通じて、地域での生活に踏み切りました。
同年代の子ども達と触れ合う機会を創るため、行政と何度も交渉を重ねて、地域の保育園に通いました。24時間人工呼吸器を着けた子どもを、公立の保育園が受け入れたというのは、池田市が全国で初めてという事です。
保育園に3年間通った実績から、本来は地域の小学校に入学するのは何の問題も無いはずだったのですが、教育委員会から執拗に養護学校を薦められました。人工呼吸器を着けている事と、医療的ケアを必要としている事が理由だったのですが、保育園での実績もあるのに、何故だろう?と思いました。
結果的に地域の小学校には通えましたが、4年生までは、親しか吸引が認められなかったため、親の付き添いが必要でした。でも、友達も手伝ってくれたし、友達の家に遊びに行けば、友達のお母さんも手伝ってくれていました。
中学校では、親の付き添い無しで3泊4日の野外活動に参加出来たほか、高校受験のための配慮も、大阪府教育委員会が積極的にしてくれました。合格発表で自分の受験番号を発見した時の喜びは、今でも鮮明に覚えています。
折田涼さん(左)と、 みどりさん(上)。 |
涼さんは最後に、ある研修に出席するため、新幹線で東京に行った時の話をされました。呼吸器を搭載して長時間移動するには、途中、新幹線内でもバッテリーを充電しなくてはならないのですが、JRは「新幹線で充電するなら、『万が一のトラブルがあってもJRに責任を取らせない』という承諾書を書かないと乗せない。」と言ってきたのです。そればかりか、「ストレッチャーに色々な機器が載っているだけで、医療行為と見なす。電源を使おうが使うまいが、ストレッチャーに乗っている時点で、許可が無ければ乗せない。120cmを超える車いすは、今後も乗せない。」とまで言ってきて、このようなルールは絶対に差別だと、憤慨されていました。
折田みどりさんは、「息子は呼吸器を着けていたらすごく元気だから、何とかして病院ではなく、地域で暮らせないのか?」と思っておられました。そして、「『親が絶対にいなくては〜!』と思っていると、子どもの自立は難しい。もっと子ども自身が色々経験をして、社会を広げる様にしていかないと、いきなりは無理。」と仰っていました。
当日は、約40名の方が参加して下さいました。
講師の方々の声を、今後もぜひ広めていきたいと思います。
(担当:根箭)
毎年、「CIL豊中」には多くの職員が入社し、日夜忙しく業務に勤しんでいます。しかし、この団体の考え方や障害のある人と無い人が一緒に仕事をしている意味、それに「CIL豊中」ができた背景などを充分に学ぶ機会がないまま、忙しさに追われてしまっているのが現状です。
そこで、各職員が「CIL豊中」についてもっと知るために、昨年度より職員研修を行っています。
今年の職員研修は、08年度から09年度にかけて入社した職員を対象に6月16日から19日までの間で業務が空いてる日程を選び、参加してもらいました。
この研修では、「全国自立生活センター協議会」(JIL)が作成したDVDを見て、「CIL豊中」が発足時からの活動を書いた資料「CIL豊中の成り立ち」を使い、活動していた当事者が、当時の様子などの発表をしました。
JILのDVDは、1970年代から現在までの障害者運動の歴史が描かれており、中でも障害児殺しの減刑運動を反対する脳性マヒの人達から始まった、「青い芝の会」の活動の様子が詳しく描かれています。
東京の施設で暮らしている当事者達が立ち上がり、施設内での生活改善要求を行政に訴え、施設での生活が改善された様子、そして、川崎市で車いす使用者に対してのバス乗車拒否事件での抗議行動の様子が記録されています。
また、アメリカの自立生活運動やピアカウンセリング・自立生活プログラム・介助派遣などCILでもっとも重要な事柄を学習し、日本で最初のCILである「八王子ヒューマンケア協会」を立ち上げた人達の話なども聞いてもらいました。
もう一つのDVDでは、施設から出て、自立生活をしている人がそこでの状況を語り、現在の生活の様子が映し出されています。
また大阪市内のCILで仕事をしている当事者が施設訪問を行い、地域での生活をイメージする自立生活プログラムの様子がわかりやすく表現されています。
そこに登場した人の言葉で、「施設で暮らしていたら、雨に当たることはないです。施設を出て自立生活を始めた時、買い物をしていて雨が降ってきて、その雨が気持ちよかったのです。でも、今は雨はイヤですけどね・・・」と、ありました。この言葉で施設での生活と地域での生活の違いを重く感じてほしいなぁと思いました。
最後にCIL豊中の発足から関わっている筆者の生活歴をスライドにまとめたものを映し出しながら紹介しました。
筆者が参加者に一番伝えたいCILの意味は、健常者だけでは、形が綺麗で早く物事が進みますが、それに対し障害者と健常者が共に考え、論議して、物事を進める事で、周りの様子が見えてきます。
そして、「CILは、生産性だけを追求するのではなく、人の大切さと優しさをより考えていき、この活動をみんなと一緒に広げていきたい」と参加者に伝えました。
JIL製作のDVD 事務所で見る事ができます。 |
事務所相談室で行われている講座の様子。 |
[参加者の感想 パート1]
障害者の自立が尊重されるようになったのがつい数十年前だと知りとても驚きました。また、立ち上げに関わった人の自伝を通じてCILの活動が障害者の人生をより豊かにするんだなと感じました。
[参加者の感想 パート2]
今回の研修を受け、今まで知っていたようで知らなかったことなども、DVDやスライドで見聞きすることができ、まだまだ学ぶことはたくさんあると実感しました。知識だけでは頭でっかちなヘルパーになり、実際の経験ばかり多いと独りよがりな行動をするヘルパーになるので、経験と知識とバランスよく学んでいきたいと思います。
今回の職員講座で初めて知ったことや、再度、認識できたものがあったと思います。これらを業務に活かし、「人と関わる仕事」である事を忘れないでほしいと感じます。
(大友)
6. 地域の作業所の活動を紹介します −第20回−
まずは、生きていて、楽しくなければ・・・・。
今回、お邪魔したコスモス作業所は、庄内駅のすぐ近く。こんなところに作業所があったのかと思いましたが、最近引っ越して来られたばかりだとのことでした。お話を伺ったのは多胡政彦さん。とってもパワフルな方です。
※安全な食べ物を自らの手で作りたい
販売活動の中心としては、無農薬有機栽培のお米や、季節のお野菜です。農産物が作業所の販売製品になるなんて、少々驚いてしまったんですが、田畑は能勢、京都府園部、兵庫県西脇などにあり、また、この作業所と協力体制にあるNPO法人社会自立支援活動研究所がPRされている「農業お助け隊」(『農業を助けたい』をもじって)の活動を通して、過疎化のすすんでいる農村の農地の情報、つまり「ここがあいてる」などの情報が、常に入ってくるとのことです。お米は1kg600円で売ります。知的障害者の方は自分で安全な食べ物を選び取ることが難しいから、自らが生産者になって安全な食べ物を提供していけないかと思ったのが、そもそもの始まりだったようです。細かい手作業に集中できる知的障害者の方が多いので、収穫されたお米の中から、草の種とか悪い米を選別して小米のみをとる作業を担当します。お米は米粉にして販売したり、米粉のクッキーを作って、メンバーさんたちのおやつにしたりしています。ほかの野菜も、季節ごとにちがいますが、100g20円で、作業所の玄関で売っています。大体お昼から販売されているそうですから、ご近所の方は行ってみてはいかがでしょうか?「なかまの店」では、竹酢液(竹炭を作るときに出る液で、これを水で薄めて農作物にやると害虫が来ないと言われている)を小さい瓶で300円、中サイズを500円で販売。また、一度ダメになった土を蘇らせる『改良土』も作っています。
作業所の玄関で野菜を売っています。 |
これが改良土です。 |
※楽しく仕事を、楽しく人生を
コスモス福祉会というのは、吹田と豊中に作業所があり、協力団体であるNPO法人社会自立支援研究所が、グループホームを7ヶ所運営し、またヘルパー派遣もしていて、メンバーたちの日中活動、余暇活動を、24時間365日支えています。生き甲斐、やり甲斐をもって人生を楽しんでほしいから、余暇活動も盛り沢山に取り組んでいます。なんと驚いたことに、月に一回は必ず旅行に行かれるとか。今までに、北海道・鹿児島・ディズニーランドなどに行きました。毎年山口県のるり学園というところと交流がありますし、9月には、岡山県の牛窓へヨットに乗りに行きます。(そこには、私のような車いすの人でも一人で操縦できるようなヨットもあるとか。海が大好きな私はいつか行ってみたいと思いました。)
「コスモス福祉会」は、新潟県の湯沢にリゾートマンションを持っていて、今年もお盆に何人かのメンバーさんが行きます。そして、これも希望者の方だけですが、海外(韓国)旅行に行く予定もあるということでした。
※これから、やりたい事も、盛りだくさん・・・・・・。
今、自主製品を考案して準備中です。一つは、ドライフルーツ、ドライベジタブルの食品加工で、もう一つは、プランター野菜(都会で作れる卓上野菜)の販売です。これは、プランターにきゅうりやなすびを、まずは自分たちが食べるものを、一本か二本立てて、出てきたら取って食べる、というもので、今はまだ実験中の段階です。
それと、あるキャンプ場の管理・運営を、当地の行政から委託として頼まれているそうです。もし実行に移れば、メンバーさんの仕事も創出できるし(キャンプ場の掃除や片付けなど)、地域との関係も広がるとのことでした。
一般就労については、お金を使う目的がある、つまり働く目的のある人ほど積極的にバックアップしたいという事です。メンバーさんの人数も、就労の関係で多少変動があり、吹田の作業所と合わせて、32名くらいです。知的障害者、肢体障害者との重複の方や、精神障害の方もおられます。
そして私たちの最後の質問「将来の夢として、お米や野菜を一般のスーパーに置く事はないのですか?」には、「夢としてはあるけど、品数が揃うかどうか、メンバーさんが楽しくできるかどうかが問題」という事でした。
色々な障害の方の、24時間365日の支援、活動範囲も事業範囲も広くてびっくり。そして、元気を分けてもらいました。ありがとうございました。
(担当:塚原)
当事者同士で語り合う「ピア対談」はこの広報誌でよく取り上げてきましたが、たまには支援者側の体験談や苦悩なども大いに語ってもらいましょうという事で、今回は当センターに入社して新しい二人の職員に協力頂きました。
‘K’: 「司会を行います‘K’です。広報誌の色々な所でおじゃましております。さっそくですが、お二人、軽く自己紹介をどうぞ。」
S氏: 「入社して半年のSです。以前は訪問入浴を行っていました。」
T氏: 「Tです。入ってまだ2ヶ月ちょい(2009年8月現在)です。前は小規模作業所と在宅介護で働いていました。」
S氏: 「僕ら介護歴は3年で同じなんですが、歳は一回り違うんですよ。」
‘K’: 「あ、じゃあ干支が一緒ですか?」
S氏: 「ドブネズミやな(笑)」
T氏: 「いや、ハムスターです!」
‘K’: 「どっちでもええわ(笑)。それは読者の想像にお任せするとして、どちらも障害の方を対象に活動されてたんですか?」
年上ねずみのS氏と司会。モザイクすいません。 |
S氏: 「僕は最初だけですね。後は高齢の方が多かったです。」
T氏: 「僕は知的障害の方が多かったですね。」
●CILに入ってどないやねん?
‘K’: 「お二人が介護を始めたきっかけって何だったんでしょう?」
S氏: 「僕は一度大けがをした事があって、その時に『まぁヘルパーだけでも』っていう考えからですかねぇ・・・」
T氏: 「僕はもともと人付き合いの仕事がしたかったんですよ。でも最初は『アニマルセラピー』ですかね。」
‘K’: 「動物を病院に連れて行って、癒してあげるやつかな?」
S氏: 「セラピストか!」
T氏: 「専門学校に行ってたんですけど、あんまり就職がなくて。そんな中、身内がやっている作業所を手伝っている内にこの世界に来ました。」
‘K’: 「以前の職場と比べて、CILはどうです?」
S氏: 「前の訪問入浴の時は、3人1組とかでまわってたんで、まぁ、ちょっとミスってもフォローしてもらえたけども、今は在宅で基本一人なんで、キッチリ覚えとかないといけない、というのがあるかな。」
T氏: 「僕は前の職場で外出の仕事が無かったんですけど、ここではガイドで色んな所に行って、利用者さんの表情とかが見れるのが楽しいです。」
‘K’: 「なるほど、じゃあ『おっかしいやないかココぉ!』みたいな所ってありますか?」(けしかける)
二人: 「う〜ん・・・・」(難しそうな顔をする)
‘K’: 「何でも良いですよ、言うたって下さい。上手いこと編集しますんで。」
T氏: 「う〜ん、じゃあ・・・。前の所では、良くも悪くも『利用者様』という感じで接していたんですけど、ここはそうではないですよね。」
S氏: 「それは俺もあったわ。よく上の人にもズバリお金の話をされたりで、『営利目的』感が強かったなぁ。」
‘K’: 「介護が終わって『ありがとうございました』って言う所もあるみたいですしねぇ。株式会社ってそうなんでしょうか?。」
S氏: 「まぁそれは利用者さんに合わせるのがええんちゃう?固いのが嫌いな人も、そうでない人もいるし。」
こちらは年下ねずみのT氏。 |
T氏: 「そうですね。その通りやと思います。」
‘K’: 「夜勤とかは入ってるんですか?」
S氏: 「今、週1回ですねぇ。」
T氏: 「僕はこれからです。」
S氏: 「意外と寝れないですねぇ。」
‘K’: 「生活のリズムが崩れたりとかは?」
S氏: 「今の所は週1回なんで大丈夫ですね。」
T氏: 「前のところで夜勤入ってたんですけど、知的障害の方が脱走して回転寿司でビールを飲んでいた、という事件がありましたね。(笑)」
S氏: 「マジか!(笑)」
‘K’: 「それはおもしろいなぁ!いや、アカンか、気ぃつけななぁ。」
T氏: 「まぁここではまた一からだと考えてます。」
●介護をしていて困った事なんかは?
‘K’: 「じゃあ、この世界に入って嫌なこととかってありましたか?こんな事ムカついたとか、あんな利用者腹立ったとか・・・」
T氏: 「CILでですか?」
‘K': 「CILででもええし、前の所でもええし、『もう辞めたろ』って思った時はないですか?」(けしかける)
S氏: 「う〜ん、多分、あったんやろうけど、そこまで印象に残っているのって・・・・無いかなぁ・・・」
‘K': 「なんや、おもんないなぁ。」(残念な顔)
S氏: 「う〜ん、利用者に腹立ったというか、利用者よりも家族かなぁ。苦情とかを直接言って来んと、上のもんに言われた時とか。」
T氏: 「家族さんにキツく言われる時は辛いですねぇ。」
S氏: 「そうそう、気分屋さんみたいな人がいて、こっちも至らん部分は重々分かってるつもりなんやけど、上から目線で言われたりするとなぁ。」
‘K': 「よっしゃ出てきたぞぉ、どんどん言って下さい。(悪笑)」
S氏: 「帰りのバイクで『あ〜!ムカつく!』みたいな。(笑)」
T氏: 「僕もありますわ、ヘコみながらですけどね。(笑)でも基本、寝たら忘れてるタイプなんで。」
S氏: 「まぁその時だけ『カッ』となるけど、その時だけで終わるなぁ。」
‘K': 「二人とも、ええ性格ですねぇ。」
S氏: 「気を遣う時は、利用者さんの目の前で手を洗う時なんかかな。」
T氏: 「え?どんな時ですか?」
S氏: 「例えばトイレ介護の時なんか『目の前でそんなゴシゴシ手ぇ洗われたら嫌や』って思われるかな〜とか、勝手に気を遣ってまう。」
‘K': 「まぁ自分を守るためですからねぇ。」
S氏: 「そうそう、やっぱりこの手でまた食事介護したり、他の利用者さんの所行ったりするからって思い直すんやけど。」
‘K': 「困った事って言えばT君、腰痛とかって大丈夫?」
T氏: 「今のところは。」
S氏: 「この仕事は絶対、腰やるからねぇ。俺も最近『腕立て』とかして鍛えるようにしてるわ。腕立てでも腹筋使うしな。」
T氏: 「職場の人間関係が嫌になった事はありますけど。陰険というか、グロいというか、『アイツ誰かとばっかり仲良くしてる』とか、裏で何か噂される〜みたいな。」
S氏: 「まぁそれは、どこの職場でもあるけどな。この仕事は特に女の人の方が多いし。」
‘K': 「私もそうでしたけど、介護している人って『優しい人ばっかり』って思ってました?」
S氏: 「あっ!それあるわ、真逆やったな。この世界入る前は、勝手な想像で、みんな優しくて・・・って思ってた。」
T氏: 「気ぃ強くなかったらこの仕事って、やっていけないんですかねぇ。」
S氏: 「でも100%自分に合った仕事なんてなかなか無いから、いかに合わせられるかやと思うで。」
T氏: 「そうですよねぇ。」
S氏: 「ストレスを溜めずに、常に余力を持ってやっていくか、かな。気持ちの上での『ON・OFF』が大切。」
‘K': 「最初にT君が人付き合いの仕事って言ったけど、ストレスはどうしても溜まってきますからね。」
T氏: 「それと、周りには認めてもらえるように頑張っていく事は大切なんじゃないですかね。前もあったんですけど、知的障害のある利用者がふいに自分の事を覚えていてくれた瞬間とかってうれしいですし。」
S氏: 「ああそれと、利用者さんの『ありがとう』の一言とかも、やっぱり救われるというか、やっててちょっとは、報われたかなって思うなぁ。」
●これからの福祉についてどうよ?
T氏: 「まだまだこの業界というか、介護って社会的地位が低いじゃないですか。だから、もっと認めてもらえたらって思う部分はありますね。」
‘K': 「給料面って事かな?」
S氏: 「ああ、給料はずっと心配やなぁ。」
T氏: 「何ていうか、もっと福祉にお金を使ってほしいです。」
‘K': 「他には何か感じる事ってあります?」
S氏: 「う〜ん、俺はガイド中にもまだまだ周りの目が気になるなぁ。『好奇の目』とでもいうのか。」
T氏: 「ありますあります。」
S氏: 「まぁ差別は無くならないとは思うけど、もっと小さい頃から『知る教育』というか、そういうのをやっておくべきやと思うな。」
‘K': 「豊中市って結構、統合教育には力を入れている方と聞いてましたけど、現実にはまだまだって事ですかね。では最後に売り出し中の二人、読者や利用者に向けてメッセージをどうぞ。」
T氏: 「・・・えっっと、・・・頑張っていきたいです。」
‘K': 「何や、高校生のインタビューみたいやな。(笑)まぁ頑張っていくと。じゃあSさん、ええ感じで締めて下さい。」
S氏: 「月並みやけど、利用者さんに安心して任せられるようなヘルパーになりたいですね。」
‘K': 「ありがとうございました。これからの活躍に期待しております!!」
☆ヘルパー対談に出てみたいという方を募集しています!☆
登録ヘルパーさん、自薦、他薦、仲間同士・・・現場の声をお聞かせ下さい。お電話、FAX、お手紙など(連絡先は背表紙参照)お待ちしております!!
(‘K’)
最近、世の中は「検定」ばやりで、高校生や大学生などは英語検定を取得して、学生時代の思い出となっている人がおられると思います。
読者のみなさんも英語検定や漢字検定を取るためにテキストなどを片手にし勉強をした時代があった事でしょう。
今回、筆者は大阪の時代背景や街の様子、産業のありかた、大阪が育てた芸能や人物などをテーマにした「なにわ何でも大阪検定」が大阪商工会議所の主催で行われました。
大阪で育ち、大阪の街から多くのものを吸収し、50年以上生きてきた筆者にとって、興味がそそられ『自分を試してみたい』との衝動にかられたのです。
公式テキストを買い、読んでいくうちに今まで知らなかったことがたくさんあり、歴史好きの者にとっては、驚くことばかりでした。
障害があり、マークシートの答案用紙に書けない者が受験できるのか?代筆をしてもらうことができるのか?などの不安がよぎり、早速、この検定の事務局に電話をし、自分の障害の状況や介護者によって代筆をしてもらうことなどを伝えました。
試験会場の大阪市立大学です。人の多さにビックリです。 |
返ってきた答えは「障害者の方はたくさん受験されています。代筆答案をされる方が安心して受験していただくために個別に部屋を設けています。」との言葉に筆者自身が有頂天になってしまい、受験勉強に力が入っていきました。新聞の関連記事を集めたり、図書館に行き、大阪をテーマにした本を借りて読んだり、歴史博物館に行ったりと大学を受験するとき以上に勉強したように思いました。
試験当日、会場に行き、受験する人の多さにビックリしました。なんと3000人を越えていたそうです。答えを言い、介助者がマークシートをチェックしていったのです。試験時間は90分だったのですが早くできて、見直す事もできました。2ヶ月程たち、3級の合格通知が届きました。これをワンステップにして上をめざしたいと思っています。
この検定試験を受け、多くのことに挑戦するという思いはいつまでも忘れないようにしたいと感じました。
(大友)
事務局
豊中市障害相談支援ネットワークえん≠フ活動の一つである“つながるサロン”ですが、8月は世間一般でいうお盆の時期での開催となりました。
久しぶりに懐かしい方も来られたり、お盆休みだからこそ来れた方もおられたのか、新顔もちらほら。
お話を楽しんだり、みんなで楽しむかるたを作ったりしています。
つながるサロンの場所は、服部駅から、梅田方面線路側を線路沿いに曽根に向かっていただき、駅の踏み切りから数えて3つ目の踏み切りを過ぎたすぐのガラス張りのところです(幼稚園まで行くと行き過ぎになります)。
日々の悩み相談、友達作りをしたり、ほっこりとした時間を楽しんだり、自分の好きなようにお過ごしください。見てるだけ、聞いてるだけ、お茶の時間を楽しむだけでもOKです。
開催場所 :喫茶 『茶処』
開催日 :毎月第2金曜日
開催日時 :午後2時〜午後4時まで(出入りは自由)
参加費 :無料(喫茶利用の場合は実費)
【問合せ先】 豊中市障害相談ネットワークえん 事務局 豊中市障害福祉課 06−6858−2747 |
喫茶『茶処(ちゃっところ)の様子 |
入り口の様子 |
このコーナーでは、みなさんからの作文・詩・短歌・俳句・小説など、投稿作品をご紹介しています。
作品は随時募集しておりますので、投稿されたい方は、編集部までどしどし投稿して下さい。
なお、作品数が多くなった場合は、繰り越しで2号先の広報誌に掲載する場合もあります。作品の内容によって考慮は致しますが(季節がテーマの場合など)、あらかじめご了承下さい。
みなさまの投稿を、お待ちしています。
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君方の
佳き日祝う
その毎に
さらに祈りし
君の幸さち
伊丹市 岩國久美子
日々の生活が正しいリズムになりたい。
前日の行動や気持ちで
お薬を服用しても、
眠る時間がまちまちになる。
そうすると翌朝に影響が出てくる。
そしてまた、夜にも影響が…。
リズム…。
くすりなんて服用したくない。
くすりのせいにしてるのかな…。
リズムよくするためのおくすりが、
私には、不規則な、アンバランスなリズムをつくってる。
自分が悪いんだよね。
いのま ゆみ
井上康(こう)
チョンチョンのこと
チョンチョンは、背をまるめながらすこし早足で歩行器を押す。それが照れ屋の性格とよくマッチしていた。
幼いころ、身のまわりのほとんどのことができなかったわたしは「身辺自立」という壁にはばまれ、養護学校の門さえくぐることを許されなかった。
15の春、ようやく念願だった養護学校へ入学する。
それと同時に生活することになった寄宿舎の6人部屋の一員が、チョンチョンだった。
彼をチョンチョンと名づけたのは、泊まり勤務のたびにイキのいい友人たちとプロレスに興じていたヤマケンだった。長髪をなびかせていたはずのチョンチョンが夏休みから戻ってくると、角刈りに変身していた。善人だけれど口の悪いヤマケンは、その姿を見るなり「チョンチョンや」と叫んだ。それから、このニックネームがあっという間に寄宿舎中にひろがった。
チョンチョンはほんとうにいいやつだった。
わたしたちの部屋でさつまいもを植えた。寄宿舎と高等部棟の間を掘り起こし、畑を耕したのだ。最初は当番で水やりをしていたが、やがていい加減になっていった。そして、チョンチョンが夕方の水やりをひとりでするようになった。
秋になって、収穫の時期が来た。
ある日、学校から帰ると、畑に蔓が無造作な曲線を描いて並べられ、すこし離れたところに大小のさつまいもが数十個かためられていた。授業で園芸を選択していたチョンチョンが、頃合いをみて収穫したのだった。
部屋担任のボンボンが、つぎに見つけた。なぜそんなことをしたのかと、強く怒った。
1時間ほどして部屋に戻ると、なにもなかったように畑が復元されていた。チョンチョンは部屋のみんなをがっかりさせないように、必死でスコップを振るったという。
夕飯のあと、わたしもボンボンも夕方の事件のことを口にすることはなかった。チョンチョンはいつもより無口で、ずっと雑誌を読んでいたけれど。
当時、つき合っていた彼女は筋ジスだったようで、進行の具合を案じていた。ひとり一畳分しかない狭い部屋をせわしなく膝歩きしてるなと思っていると、彼女から寄宿舎に電話がかかってくるという。よく聴いてみると、別に好きな人ができたと勘違いされているらしく、どうやって説明するべきかと落ち着かなかったようだ。
卒業してから一度も会ったことがない。岡山の電気部品の製造会社に就職したことまでしかわからない。ヤマケンもボンボンも、彼とのつきあいは途絶えているという。
わたしはときどき彼の笑顔を思い出す。静かに元気が湧いてくる。
北海道に「銀河」という名前の犬がいます。
とても臆病なのですが、「むにゅむにゅむにゅ・・」の
おじいちゃんといっしょのときは、ちょっと いばっているのです。
そんな、銀河の気もちになってこんな詩を書きました。
「銀河のテーマ」
(いちばん)
ぼくの だいすきな じいちゃんと
ドライブ ドライブ ドライブ たのしいな
走るの だいすき 銀河だけど お散歩だいすき 銀河だけれど
むにゅ むにゅ むにゅ・・のじいちゃんと
ドライ ドライ ドライ ドライ ドライブ たのしいな
ぼくの していせき じょしゅせき(くり返し)
春風が ひげをなぜていく
見なれたはずの いつものまちかど いつものみせの いつものあいつが
いつものように にらんでいる
春には ラベンダーの かおり 夏にはヒマワリ 秋にはコスモス
ながくきびしい冬 いちめんの 銀せかい
今日をは サンディー いつものあの町も いつものあの店も いつものあいつも
風の中 アー アーアー ランランラララ
(にばん)
ぼくの だいすきな じいちゃんと
おさんぽランララン たのしいな
ドライブだいすき 銀河だけど かけっこだいすき 銀河だけど
むにゅ むにゅ むにゅ・・のじいちゃんと
お散歩 ラン ラ ラン たのしいな
ぼくの テリトリー公園のむこう (くり返し)
入道雲が まぶしいよ
見なれたはずの いつものまちかど いつものみせの いつものあのこが
いつものように わらあってる
春には 野辺のわさびとり 夏には川へ 秋にはやまに
ながくきびしい冬 銀ボーハウスで ひとねむり
今日をは マンデー いつものあの町も いつものあの店も いつものあのこも
陽炎の中 アー アーアー ランランラララ アーアーアー
この歌詞には曲が付いています。いつか皆さんと歌えたらいいですね。yoneo
いっぺんだただし
夜空に青々と輝く地球がのぼりはじめた。
「いつみても、きれいだね」
ムン太が感動してつぶやくのを、ルナ子はとなりで聞いていた。
「ほんとに地球って、なんて美しいのでしょう。こっちは味もそっけもない砂と岩ばかり」
「だけど、おれたちにはあの地球がおがめるけど、地球からだと、おれたちのいるこの月しかみることができないんだぜ」
「それはそうだけど……」
地球から月はどんなふうにみえるのだろう。とてもあの地球とは比べものにならないだろうな。そう思うとルナ子も、毎夜、月の地平線上にあらわれる地球を、心ときめかせてながめられることの幸せを、感謝しないではいられなかった。
「あんなにきれいな星の住人ってきっと、すてきな連中なんでしょうね」
「ルナ子はしらないかい、だいぶまえに一度、この月にやってきたことがあるんだぜ」
「え、ほんと。地球の生き物が月にきてるの?」
「うん。ロケットに乗って、やってきたんだ」
「どんな姿をしていた?」
「ぶかぶかしたものを着て、地上に降りてきたのをおぼえてるよ。ぴょんぴょんと、まるで兎のように跳びはねていたっけ」
「もう一度、やってこないかしら」
「ま、気長にまってみるんだな。そのうちまた、やってくるかもしれないよ」
轟音をたててロケットが、ムン太とルナ子の頭上から降りてきたのは、それから一年後のことだった。
地球からやってきた着陸船は、月の大地に向って下降を続けた。機内では、搭乗員たちがモニター画面をくいいるようにながめていた。これから自分たちが踏みしめる月の地表が、そこに映し出されていた。
「あの二つのクレーター、まるで恋人のようになかよくよりそっているようにみえるね」
「大きな二つの眼のようにもみえる。なんだか、我々のくるのを、まちわびているようだ」
やがて機が着陸態勢に入ったので、みんなは話をやめて、緊張した面持ちで待機した。
地表からムン太とルナ子は、ロケットの着陸を、いまかいまかとまっていた。
「ようやく、このときがやってきたわ」
「まったかいがあったね」
まもなく着陸船は、ムン太とルナ子のすぐ目の前に降りたった。やがて、着陸船の扉がひらき、なかから人影があらわれたとき、ルナ子とムン太の感激にみちた声が出迎えた。
「ようこそ、地球からの訪問者!」
「また会えましたね。美しい星の人々!」
しかしかれらの、珪素でできた岩のからだから出た声は、地球人たちの耳に届くことはなかった。
おわり
どんぐり
今年は、初夏の五月ごろから新型インフルエンザがはやり始め、真夏に、死者のニュースが聞かれるくらい、はやっていっていますね。秋から冬は要注意です。皆様、手洗い、うがいをしっかりしましょうね。そして、今は秋です。食べる事が大好きなどんぐりの季節です。今年の夏は、あるところで食べたトマトのゼリーにはまってしまいました。トマトって、本当の正体は果物なのですね。冬瓜の素朴なおいしさにも、気づきましたね。さ、今年の秋は、どんな味覚に出会うのでしょうか、楽しみです。
○最近、思うこと
それは、今が一番楽しいなって思うことです。今しか味わえないことだからです。子ども時代には子ども時代にしか味わえない楽しさがあり、それって、たとえ大人になって同じ事をしても、子ども時代の楽しさと、またちがう楽しさなんですよね。
人それぞれに違う人生なのですが、そのとき、そのときの、味や楽しさがあるんですよね。そう思えるのは、私が年老いてしまったからかな?
でも、これからだって、青春だと思っています。若いときとちがった、味のある青春です。それに気づかせてくれたのは、大切な友達との関わりや、思春期の娘の存在です。私にとっては、ぐんぐん心身ともに成長して行く娘を見ていて、頼もしくもあり、腹の立つこともあり、面白くもあり、楽しくもあり、またさびしくもあります。そんなん全部ひっくるめて今が一番楽しいです。今しか味わえないんですもの。でも怒っているときは、必死で怒っていますけど、ね。
思春期、私にもありました。ただひたすら鳳蘭様を追い求め、幸せになってみたり、周りにいらついてみたり、怒ったり、泣いたりしていました。そのときに、好きと思ってした勉強だけは今でも頭の片隅にありますし、鳳蘭様の歌っておられた歌も歌詞もぜんぶ覚えています。今、思えば、宝石のように輝いています。一生懸命だった分だけ、大切な大切な宝石なのです。
娘にも、特に今の一瞬一瞬を、大切にしてほしいです。今しか味わえない味をかみ締めていってほしい。喜びも苦しみも、ぜ―んぶひっくるめて…。
最近歳をとったナー、もう、あかんわと思うこともあるけれども、これからの私の人生も、今でしか味わえない旬の味を楽しく味わっていきたいな。
哲珍
今年の夏も行ってきました青少年の船。今年は一波乱、二波乱あった夏でした。まあその分、たくさん思い出も出来たから、良かったですけどね。
今年で10回目、去年の夏から、体力的に無理かなぁという気持ちがあって、キリのいい今年で終わりにしようと思っていました。
しかし、一波乱、二波乱あった事を理由に、今年で終わりには出来なくなりました。来年の夏のことを考えると今からわくわくしています。
今年の一波乱、二波乱は大きく分けて三つありました。出発前日まで10班ある中のどの班に付くのかがわからなかったこと。出発前日に台風の影響で行き先が沖縄の渡嘉敷島から大きく変わり奄美大島になったこと。奄美滞在中に帰りに乗る予定だった船がこれまた台風の影響で1日遅れ、日程が1日延びた事でした。
一つ目は個人的なことです。子どもたちと最初に関わるにあたって言語障害が一番気になります。端からすれば、聞き取りにくい。それも子供ですし。まあ、それを補ってくれるのが他のスタッフさんなわけで、10回も乗っていると他のスタッフさんも絡んでくれて、子供たちの距離を縮めるサポートを自然にしてくれ、子どもと打ち解け込めます。
二つ目三つ目は、かえってこの船に関われて良かったということを感じさせられました。自慢になりますが、出発前日の行き先の変更で乗るのを辞めたスタッフも、日程が延びた事で先に帰ろうとしたスタッフもいなかったのです。みんなのことを考え学校や仕事の都合をつけてくれる温かい人の集まりです。
子どもたちと同じぐらいの費用を負担し、子どもたちの命を預かり、6日間朝から晩まで子どもと過ごすこの人の集まり。自分はこれまで「障害者のことを少しでも知ってもらいたい」という使命感みたいなものを理由に参加していました。だけど毎年、船に乗る前に「お帰りなさい」といわれ、船が終わり大阪に戻るときに「いってらっしゃい」と言ってくれる一家がいるから乗るんであって、理由なんかなく、楽しいから、楽になれるから船に乗るんだという事にようやく気づいた今年の船でした。
来年も帰って楽しみたいです。
介護人‘K’
当事者視点の記事が多い中、支援者目線のネタをのらりくらりと始めて2年半。
“ネタ切れ”“マンネリ化”などの想いから、「ボチボチ何とかせなアカンな〜」ということでしたが・・・最終回です。
これまでいろいろと利用者とのやりとりを面白おかしく綴って参りましたが、最後にその真意について触れたく存じます。お見苦しい点などございますれば、「一支援者の戯れ言」と、一つ大きな心で聞き流していただければありがたい限りであります。
馬が介護の世界に入ってすぐ、目の当たりにした現状があります。それは『人の入れ替わりが激しい』という事であります。入ってくる人はいますが、辞めていく人間があまりにも多いのです。「何でやねん?」馬は馬なりにいろいろ考えて参りましたが、いよいよ近年深刻化している『絶対的人手不足』に至ります。
人は「経済的に生活が保障されないから」「肉体的に将来続けていけないから」と言います。しかし本当のところはどうなんだろうか?と馬は最近思うわけであります。
確かに給料が高いわけでもない、いわゆる肉体労働ではありますが、とりたてて極端ではないはずです。例えばこの世界を辞めて別の業種に就いたとして、平凡な学歴、無資格でいくら給料が変わるでしょうか。もっと過酷な労働条件なんて世間ではゴマンと存在します。馬もこれまで色々体験してきました。
そこで馬は思うのです。「みんな言っているのはタテマエで、本当はこの世界が嫌になって辞めていくんじゃなかろうか・・・」
仕事を辞めるというのは、言い換えれば「お金を貰ってもやりたくない」という事です。これは結構、深くて重たいことだと馬は考えるのであります。
これまで様々な活動を通し、福祉は進歩してきました。最近では『24時間介護を』『利用者負担を減らそう』『病院内でのヘルパー派遣を』と、より理想的な制度へと向かいつつあります。けれど、肝心の介護者が不足しているのに、どうして制度を、時間を賄っていけるでしょうか。時間数は増えたのに、結局入る『人』が居ないのでは意味がありません。だからこそ、制度云々も大事ではありますが、優先的にはまず、運動体である我々を始め、利用者の方々は「お金を貰っても介護なんてゴメンだ」と思われている現状に刮目すべきではないか、と馬は考えるのであります。
ではどうしてこの世界が嫌になってしまうんでしょうか。「やってもらって当たり前と思われる」なんてよく聞きますが、馬は思います。問題はもっと根深い所にあるのではないかと。
介護で大切なのは『できない事を助ける』のもそうですが『できる事をやってもらう』所に真意があると、馬は介護講習やテキストの中で教えられてきました。現場を知り今になってようやく、それこそが重要、且つ難しい所なのだと思うのであります。
よく「ヘルパーを使う」などと耳にしますが、介護者は人間です。『道具』でもなければ、できない事をするだけの『手や足』でもありません。家政婦やボランティアと違い、お金を払って勉強して得た資格を持つ介護者とは、『できる事をやってもらう』、すなわち『自立』をするために手助けをするべき存在のはずなのです。
公費から負担金が下りている以上、『できない事を助ける』だけの、厳しい言い方をすれば利用者が楽をするためだけにある制度や介護者ではないでしょうし、『自立』とはやりたい事をやるだけの甘いものではないと馬は思うのであります。
これまで「障害者が生活していくにはたくさんの問題があり、解決する為に変わるべきものは社会であり、環境であるのだ」という考え方の下に運動が進められてきました。その甲斐あって、今では重度の障害者でも制限こそあれ、地域で生活できるようになりつつあります。しかしそれを『あたりまえ』の事だと思わないでほしいのです。人は『あたりまえ』だと思ってしまうと『感謝』の意識が薄れてしまうものだと馬は思います。それが介護者をはじめ、たくさんの支援者達に対して、言動や態度に表れてしまっているのが見えるのであります。「いくら急でも介護者が居ないのはおかしい」「ヘルパーは言われた事だけやっていればいい」「それが仕事だ」「自分たちは特別だ」「権利侵害だ」・・・馬には解りません。
「悪いのは全部社会で、制度で、親で、環境で…自分たちはいつだって被害者だ」こんな考え方では、本当に社会に理解してもらった上での福祉の進展はありえないと馬は思うのであります。何か、反抗期の自分を見ているみたいで嫌なのであります。
利用者が、介護者に言いたいことを言えないという問題はよく取りあげられます。ただ、この世界に入ってまず耳が痛いほどにたたき込まれるのは『利用者の意思を尊重する』という事です。それだけが原因とは言えませんが、介護者側も何も言えずに結局この世界が嫌になって辞めていく人を馬はたくさん見てきました。
もう志を共にしてきた仲間達が去っていくのを見るのは辛いのであります。
自分たちの生活を守ることだけに必死で、福祉全体の大きな問題に目を背け続けている利用者や運動体に対し、馬は「何でやねん!?」と、疑問符を投げかけたかったのであります。
(おしまい)
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投稿コーナー終了
こんにちは。『さろん』ではすごろくやトランプ・折り紙などなど、たくさんの楽しい行事を開催しました。その内のいくつかをご紹介します。
☆ ホットケーキづくり ☆
甘くておいしいホットケーキをみんなでわいわい作りました。材料を混ぜたり、生地をホットプレートに流したり、「えいやっ」とホットケーキを裏返したり・・・
最後は出来たてをみんなでペロッといただきました。美味しかった〜。
☆ バナナケーキづくり ☆
電子レンジで簡単にできちゃうバナナケーキを作りました。
バナナを包丁で切って、牛乳パックに生地を流し込んでレンジでチンするだけで、ふわふわ美味しいバナナケーキの完成。おかわり続出!絶品でした!
☆ 七夕の飾り付け ☆
七夕に近い日だったので、七夕の飾り付けと願い事を笹に託しました。「どんなことお願いしようかな〜」「こんなお願い、ありかな?」と、かわいらしい願い事から現実的な願い事まで、様々な短冊がたくさん飾られました。みんなの願い事が叶うといいですね♪
『さろん』は毎月第1、第3土曜日の午後1時から午後4時までです。
予約は要りませんので飛び入り参加、お待ちしております。もちろん、途中からでも途中まででも自由に参加出来ますよ。スタッフや仲間と楽しい時間を過ごしてみませんか?
(今津)
このコーナーは、当センタ−ホームページの「CIL豊中近況」というところから抜粋しました。事務局のようすが少しでも分かっていただけたら嬉しく思います。
2009/6/19 職員講座
今週、今年度の職員講座が行われました。去年の時より資料も充実し、また、新しい職員も一段と増えています。これを機に、みなさんの仕事に対するモチベーションと理解度が上がればいいですね。
2009/7/25 オリエンテーション
今日、午前中に体験講座のオリエンテーションを行いました。みなさん集まっていただいて、まずは自己紹介からスタート。初めての方も、溶け込んでくれたと思います。本番は来週。みなさん気を付けて行きましょう!
2009/8/31 どう変わっていきますかね
衆議院選挙の投票が終わり、政権交代が現実のものとなりました。新しい政権になった後、障害者の制度がどう変わっていくのか?これから注目が集まってきますね。
2009/9/12 面接続々
ILP講座の面接が、どんどん行われています。初めて来られる方が多く、みなさん、いろんな気持ちでもって、面接に臨まれていると思います。これを機に、私たちと関わりを持つ、特に若い世代の当事者の顔ぶれが増えるといいですね。
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クリスマスパーティー中止のお知らせ
毎年、みなさんに楽しんで頂いているクリスマスパーティーですが、今年は新型インフルエンザの影響により、中止せざるを得なくなってしまいました。私たちとしても大変残念ですし、何よりも、楽しみにされていたみなさんに対しては、申し訳ない気持ちで一杯です。ただこの先、冬にかけて、新型インフルエンザはますます流行することが予想され、健康・安全の問題を考慮して、中止とさせて頂きました。何卒ご理解を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
CIL豊中 スタッフ一同
ヘルパーステーションCIL豊中
訪問看護ステーションCIL豊中
TEL06(6840)8195 FAX06(6840)8196
■障害者自立支援法介護サービス
障害者自立支援法によるホームヘルパー、ガイドヘルパー派遣。
◇サービス提供範囲 豊中市及び近隣地域
◇サービス提供時間 24時間365日
■介護保険訪問介護・介護予防訪問介護サービス
介護保険によるホームヘルパー派遣。
◇サービス提供範囲 豊中市
◇サービス提供時間 24時間365日
■介助サービス
障害者の自立支援を目的とした、制度外(インフォーマル)サービス。
◇対象者 原則豊中市在住の障害者
◇介助料
【一般介助】 1時間 1,200円
実費交通費を負担していただきます。
電車・バス等公共交通代、自転車:50円、車・バイク:100円、必要に より駐車代
【その他】宿泊介助、旅行介助
介助者にかかる交通費及び宿泊費は利用者負担です。
◇キャンセル料
前日まで無料。当日は半額です。(上限10,000円)
※条件の合う登録介助者が見つからず、御希望にそえない場合があります。
■訪問看護サービス
看護師が家庭に訪問し、在宅療養生活の支援をします。
◇サービス提供範囲 豊中市・池田市・箕面市
◇サービス提供時間 月曜〜土曜9時〜18時
豊中市障害者自立支援センター
TEL06(6857)3601 FAX06(6857)3602
■豊中市障害者相談支援事業(無料)
障害者やその家族等の相談等支援をします。
◇福祉サービスの利用援助
◇社会資源を活用するための支援 ◇社会生活力を高めるための支援
◇ピアカウンセリング ◇権利擁護 ◇専門機関の紹介
■自立生活体験室
障害者の方が、自立生活を体験してみる部屋です(介助者の方は無料)。
◇宿泊利用 1泊1,500円 ◇デイ利用 1回(5時間まで)750円
■指定相談支援事業(無料)
市町村が必要と認めたサービス利用計画作成対象障害者等にサービス利用計画を作成する等の支援をします。
■豊中市障害者外出支援サービス
車いす対応車を運行し、一般交通の利用が困難な障害者の社会参加を支援。
◇利用対象者は豊中市に居住し、次に該当する人です。
@身体障害者手帳1・2級(下肢、体幹、視覚、内部)を所持している人。
A療育手帳Aを所持している人。
B腎臓機能障害で透析治療を受けている人。
注 15歳未満で車いすを使用していない人は利用できません。
65歳以上で車いすを使用している人は利用できません(豊中市社会福祉協議会の「ほのぼの号」を利用(6841−9393)。
◇利用日時 午前9時から午後5時(年末年始12/29〜1/3を除く)。
◇利用回数 月4回まで利用できます。
◇利用料 4q未満300円〜20q以上2,500円
◇利用区域
豊中市及び隣接市(大阪市南部を除く)及び特定施設
◇キャンセル料 当日キャンセル500円
■点字名刺(送料は一律270円)
◇既存名刺への点字打ち込みの場合 10枚150円
◇片面名刺印刷と点字打ち込みの場合 10枚300円
◇両面名刺印刷と点字打ち込みの場合 10枚350円
ロゴ・イラスト又は写真入りの場合は10枚につき50円の加算となります。
皆さん、こんにちは。編集長の鍛冶克哉です。
今号の「CIL豊中通信」は、いかがでしたか?
特集では、「ユニバーサルデザイン」にスポットを当ててみましたが、どの記事に関心を持たれましたでしょうか?
どんどん街中が便利になっていくのは、うれしい事ですね。
皆さんも街で、何か『気付いたり』『発見したり』した事があれば、お気軽に編集部までご連絡下さい。
これから少しずつ寒くなっていきますが、特に今年は新型インフルエンザが流行しており、世間を心配させています。『お知らせ』でも述べたとおり、CIL豊中でもクリスマスパーティーが中止になってしまい、私たちとしても大変残念であると同時に、申し訳ない気持ちで一杯です。
皆さんも、お身体には気を付けて下さいね。
それでは、次号は来年の2月に発行予定ですので、楽しみに待っていて下さい。