『豊中の障害福祉を進めるネットワーク』設立記念集会に参加しました


2007年7月6日(金)、障害福祉センター・ひまわりにて、『豊中の障害福祉を進めるネットワーク』の設立記念集会が行われました。
この団体は、もともと『豊中市障害者自立支援法を考える会』として活動していたものを、バージョンアップして、より連携力の強いネットワークにしていこうと、今回、名前も新たに再スタートを切ったものです。

「強行採択によって施行された障害者自立支援法の中で、何とか当面の活動・支援を維持し、そしてこの制度が抱える問題に立ち向かっていくために、関係各団体・個人が持っている情報を常に共有し、掘り下げて、現在抱えている小規模法人の移行や日中支援の状況などについて、より見識を深めたい。いろいろな社会資源があるが、個々バラバラではなく、障害の垣根も越えて、ネットでつながりたい。」
ネットワーク(そして前身の『考える会』の)代表である中村知さんは、話していました。

中村さんのあと、障害当事者の立場からの意見が発表されました。
この中で、身体障害者の井上康さんは、
「この前市役所に書類を提出しに行ったら、窓口の人がヘルパーにばかりものを言って、自分のほうを向いてくれなかった。」
「当事者から自己決定を遠ざけることは、その人から自信を失わせ、その人らしさを消し去ってしまうことになる。」
「一番必要なのは、きめ細やかな福祉制度だ。」
と、改めて障害者の権利擁護の原点に返る話が出ました。

知的障害者の松井りょうすけさんは、
「自分は授産施設に通っている。これからもいろいろな施設の人と交流し、相談し合えたらいいと思う。」
と話していました。

精神障害者の生田あきひろさんは、自立支援法の就労支援に関して、
「昨日まで家で引きこもっていたり、学校に通っていたりした人が、次の日からいきなり働いたり、目的を持って行動できるようになる分けではない。リハビリをする期間が絶対に必要。しかし、そのための費用の負担は相当大きい。」
「親に金銭面での負担はかけたくない。そしてその思いが強いあまり、もう施設や病院の利用がムリだと感じ、引きこもり状態に逆戻りしてしまう場合も、十分に考えられる。」
と、苦しい現状を述べていました。


集会の式次第 あいさつをする中村知代表


スピーチをする生田さん(精神障害当事者)。 途中の休憩時間では、全員が伸びをする体操をしました。


このあとは記念講演として、東洋大学教授の北野誠一氏より講演がおこなわれました。
北野氏は、障害者福祉の歴史について言及するとともに、
「地域福祉と言いながら、本当に地域で支援をする人の取り組みを、国はないがしろにしている。大きな組織による運営だけでは、行き届いた地域福祉は実現しない。」
「昔は、親も学校も、地域で暮らすためには、周りの人に嫌われない様な、言わば『いい子』でいなければならない、と教えていた。だけど今は違う。例えば、外で差別を受けるなどの嫌なことをされた時は、嫌だとハッキリ言える障害者でなければならない。」
と、行政にある矛盾、さらに当事者のエンパワーメントに関わることを述べていました。

最後にネットワーク副代表の星屋好武さんより決意表明が出され、
「これから、今集まっている27団体を中心に会を作っていく。障害者自立支援法にある沢山の問題を提起し、行動をしていきたい。がまんするのは止めましょう。」
と呼びかけ、集会の結びとなりました。


熱弁を振るった北野教授(右) 会場全景


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