『障害者自立支援法を考える大阪のつどいV』が行われました



2006年7月4日(火)、『障害者自立支援法を考える大阪のつどいX』が開催されました。
折からの悪天候の中、当日は終始屋外での行程となるので心配されましたが、私たちの行動を後押しするかのように、これまた暑すぎるほどの好天に恵まれました(東京での行動の時は、役人の呪いが勝るのか、悪天候が多い)。
5回目となった今回は、『大阪府庁を取り囲み、府に対して、障害者福祉への財源を維持するよう、全力でアピールする』
というテーマで行われました。従って、主たる行動場所は大阪府庁前となり、集合場所は大阪城公園教育塔前でした。

午前10:30につどいがスタートしましたが、その時点で既に2,000人を超える人が集まり、普段は広い大阪城公園の一角も、人・人・人で埋め尽くされているという光景でした。
本当に暑かったですが、みんな交代で日陰に入りつつも、日なたしか無い広場前方に集結していました。
開始前には、早くから集まった参加各団体の人が、自分たちの団体主催で行う抗議行動への参加を呼びかけるビラや署名運動を展開していたほか、7月7日に大阪高等裁判所で行われた、学生無年金裁判への傍聴を呼びかけるビラも配られていました。


大阪城公園教育塔前 今回も多くの団体が、横断幕などを掲げていました。



今回のつどいでは、最初に司会の口火を切ったのはお馴染み、障大連の古田朋也さんでしたが、来賓として大阪府議会議員の小沢福子さんや、地元大阪府出身で社民党の衆議院議員、辻本清美さんらも参加され、みなさんそれぞれが力強いメッセージを飛ばしていました。
この中で小沢福子さんは、
「医療費の問題、年金の問題、介護保険の問題、これらがいずれも、市民の負担が増えて苦しめられる状況となっている。そこへもってきて障害者施策でも、当事者から強制的に1割負担を強いるのは許されない。フランスでは、国の雇用施策に抗議して青年が立ち上がった。日本でも国の諸悪施策に抗議して、この大阪から市民が立ち上がりましょう!」
とパワーたっぷりにあいさつしました。
続いて辻本清美さんから、
「この前、障害者自立支援法についての意見交換会があるところであったのですが、『どこが自立支援法やねん?自滅℃x援法やないか。』という話が出ました。まったくその通りですよ。一生懸命自立をしようとしている人に対して、どんどん自立出来なくさせる法律を作っていって、それで国は自立支援法と言っている。」
と声を飛ばすと、会場からヤンヤの喝采が起こっていました。

支援法は、これまで『自立阻害法』、『自立破壊法』、『自立疎外法』といった名前で呼ばれてきましたが、『自滅支援法』という仇名≠聞いたのは初めてです。
そして最後に、てんかん協会の守安さんから集会アピールが決起され、教育塔前での集会はひとまずフィナーレとなりました。


障大連、古田さん 来賓の方々


大阪府議会議員、小沢さん 社民党衆議院議員、辻本さん てんかん協会、守安さん


暑さも何のその。会場を埋め尽くした参加者たち。しかし、うちわが忙しなく動き、パラソルの“合い傘”も多く見られていました。





さて、集会アピールの後は、いよいよ大阪府庁を取り囲んで、必死の訴えが行われました。
長い隊列を組んで移動し、府庁周囲の各ポジションに分かれて、それぞれのシュプレヒコールを飛ばしていました。
府庁前は、場所によっては歩道が非常に狭く、ズラリと隊列が並ぶと一般歩行者の歩行スペースが無くなりそうになって、かなり周囲に神経を配りながらの行動となりましたが、それでも比較的歩道幅の広い府庁正門前には特に多くの人が集結し、大阪府に対して、

「サービスの切り下げ反対!」、「府は国の言うとおりに動くな!」、「府は本来、府としての毅然とした態度を示し、一緒に国に訴えかけて、府民の生活を守るべきだ!」
と訴えかけていました。果たして、少しでもこの声が、府庁の中まで響いたでしょうか?

マイクを手にシュプレヒコールを飛ばす、東谷さん(中央左) 横断幕を手に、狭い中アピールを続ける


こちらは府庁正面付近です。当の行政の真ん前とあって、いつにも増して気合いがこもっておりました。


府庁前反対側の歩道からの訴え。後方の、公園内敷地にも
列が続き、二重の列のようになっていました。
左写真の位置より、府庁正面前を撮影。
厚労省前とよく似た光景が繰り広げられていました。



最後は『人間の鎖』(ヒューマンチェーン)が実施され、時刻も12:30近くになってすっかり汗ばんでいる中、全身でシュプレヒコールを唱えました。何百メートルの隊列による『人間の鎖』はなかなか壮観なものがありましたが、暑さにも負けまいと、これまでにも増して気迫が込められていたように思えました。
一つには、これまでのつどいと違い、もう実際に応益負担が始まっている時期だからというのが、あったと思います。
これまでの、『生活が苦しくなる』、『自立生活が出来なくなる』という訴えから、
『生活が苦しくなっている』、『自立生活を維持出来ない人が出てきている』という訴えに変わった
のは、とてつもなく大きな変化です。いざ強制負担を体験して、よりリアルな気持ちで訴えた、今回のつどいでした。


人間の鎖(ヒューマンチェーン)による、この日最後の訴え


暑さが厳しい分、一層気合いがこもっていたと思います。 お疲れさまでした。豊中からの参加者。
解散直後に撮影。一瞬笑顔が覗いた時



カンカン照りの中、最後まで参加したみなさん、本当にお疲れさまでした。
関西のみならず、名古屋や東京からも駆け付けた人がいたという最終的な参加者数は、2,200名にのぼりました。
目標は1,000名でしたから、実に倍以上の集まりを見たことになります。

なお、当日は
関西テレビ、毎日放送、大阪日日新聞、大阪民主新報、赤旗などから取材があり、地上のみならず、ヘリコプターによる上空取材も実施されました。ヘリまで登場したのは初めてだったので、いかにマスコミの間にもこの運動の存在が浸透してきたかが、窺えたと思います。



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