第4回インクルーシブ教育を考えるシンポジウムに参加しました



2006年2月4日、『インクルージブ教育教育を考えるシンポジウム』が、福祉会館にて行われました。
今年で4回目となったこのシンポジウムは、豊中市教職員組合と毎日新聞社の共催によって行われ、前半は小児科医である山田真さんが講演しました。後半は『障害児・者の生活と進路を考える会』の鈴木留美子さん、『摂津市立味舌小学校』の吉岡珠生先生、『豊中市立緑地小学校』の小林大輔先生、『大阪府立松原高校』の成山哲生先生が、それぞれパネラーとして講演しました。


講演では、豊中市の統合教育を高く評価し、2007年度から始まる特別支援教育を不安視する声が相次ぎました。特別支援教育のもとでは、障害者は通常の教室とは別の教室で授業を受けなければならず、真の意味での、『共に学ぶ、共に生きる』学校教育が実現されないからです。

「同じ教室で学んでこそ普通の教育≠ニ言えます。普段違う教室にいて、たまに本来の教室に戻ってくるようでは、まるでお客さんのようになってしまう。」
教員の人たちは、一様にこう言っていました。

重度の知的障害の人たちは、確かに授業の内容そのものは、健常児と同じようには理解出来ないかも知れません。
しかし、彼らなりに、『みんなと同じ空間に居る』という空気を十分に感じ取り、断片的ながらも、授業内容というのをイメージで捉えています。
例えば、自分で文章を書いて、ある時期より文末に『まる(。)』を付けるようになったり、計算こそ出来ないものの、小数や分数があるということを覚えて、言葉に出してみたりです。

同じ教室で毎日を過ごすことで、お互い理解を深めたり、受け入れ合ったりすることも出来るし、周りの健常児にとっても、「こういう人も世の中にはいるんだ」ということが自然に分かるようになるので、やはり統合教育は必要だと思います。
実際、このシンポジウムで講演した教師たちも、
「自分が小学生時代に、同じクラスに障害児がいて一緒に過ごしたことが、教師を志望した原点になっている。」
と話していました。

当日は、立ち席者も多数出るほどの、ものすごい大人数で、質疑応答でも多くの発言が出され、関心の高さを物語っていました。



開会のあいさつをする、豊中市教職員組合 執行委員長の青柳隆さん(左)と、
「障害」児教育のあり方について講演する山田真さん(右)。



ギッシリ埋まった参加者と、パネラーとして講演したみなさん(右)。


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