えんコラフェスタに参加しました


みなさんは、『豊中市障害相談支援ネットワーク“えん”』というネットワークがあるのをご存知でしょうか?
これは、豊中市障害福祉課の呼びかけで誕生したもので、行政を中心に、市内に点在する相談支援事業所が“えん”(円)を囲むように連携を組んで、情報や知識を共有し、相談支援体制をより充実させていこうというものです。
障害者自立支援法になって、身体・知的・精神の三障害が一体化されましたが、その結果、各相談支援事業所は、従来のように、『身体中心』、『知的だけ』といった、特定の障害種別対象の支援体制では、不十分となりました。
その意味で、行政が旗印を取って、これまで“つながれそうで、なかなかつながっていない”状態だった各事業所が連携することで、市内にお住まいの障害のある方や、その家族などの幅広い相談に、適切に対応でき、相談支援の充実につながります。

さて今回、豊中市障害者相談支援充実強化イベントとして、千里中央のコラボを会場とした相談コーナーを始めとする、パネル展や講演会・サロンが、2009年2月3日の10:00〜16:00まで開催されました。
題して『えんコラフェスタ』で、当日はあいにくの悪天候だったにもかかわらず、たくさんの人が足を運んでいました。
パネル展では、おのおのの相談支援事業所が、創意工夫を凝らした紹介パネルを展示していました。


えんコラフェスタ、会場全景。パネルや窓には飾り付けもなされ、会場を彩っていました。


雨がひどい、あいにくの一日でしたが、たくさんの人が興味を示し、賑わっていました。
喫茶コーナーもあり、みんなお茶を飲みながら、積もる話に花を咲かせていました。


一枚一枚のパネルを眺めることで、改めてお互いの活動内容を知ってもらう事が出来、良い機会になったと思います。
一般の市民の方も、興味を持って下さったらいいですね。
会場内には、サポートセンターる〜ぷの利用者が提供する、喫茶コーナーも設けられ、こちらも繁盛していました。
また、出張相談コーナーも用意されていまして、何名かの方が利用されていました。

外からみた会場。『障害者相談支援 充実強化イベント』
と書かれた張り紙がなされていました。
出張相談コーナーも設けられていました。


今回のイベントでは、記念講演として、グラフィックデザイナーの牧口一二さんから、『ちがうことこそええこっちゃ』と題した講演が行われました。
これまで度々、名調子の語り口で聴衆を魅了してきた牧口さんは、72歳になる現在も元気いっぱいで、現在も沢山の講演活動をこなされています。
この日の講演では、「見た目の印象だけで、『良い悪い』とか、『出来る出来ない』を決め付けてしまう現実がある。だけど、中身は全然変わらない。」というのを、青森のりんごに例えて話していました。
ある年、青森では収穫直前のりんごが天災によって被害を受け、傷ついたりんごは誰も買おうとしなかった。
だけど、「表面が傷ついただけで、中身は充分食べれる、美味しいりんごなんだよ。」と、PRする人たちがいて、その結果、沢山売れたそうです。
そして、「障害者福祉を取り巻く世の中は、少しずつ良くなってきていると思っていたが、ここ数年、昔に逆行している様な気がする。」と、障害者自立支援法以降、世の中全体も不景気になり、いろいろな予算が削減されている現状を憂いでいました。
そのほか脳梗塞で倒れ、片麻痺になり、言葉もほとんど失った人の話をされました。
その人は、最初は絶望して引きこもっていたのですが、たまたまテレビを見ていた時に、片足でも運転出来る様に改造された車がある事を知り、それが切っ掛けで、「運転したい」という意欲が沸いてきたという事です。
今では自分一人で、いろいろ工夫を凝らしながら旅行に行けるまでになったそうです。
聞いていて、勇気をもらえる話でした。
最後に牧口さんは、「ハイレベルの大学に合格した学生の多くが、脳性麻痺が脳の障害だと思っている。これには驚かされた。だけど障害者の親に言わせれば、学校でもその様な事は一切教えられていないし、当事者と接点が無い限り知らなくても当然との事だった。」と、やや肩を落としながら話していました。

牧口一二さんの講演。笑いあり、感動ありの『名語り』は健在でした。


講演の後、喫茶コーナーでお茶を飲んでいた牧口さんは、
「ところで、えんコラフェスタって、“えん”がコラボでやるからえんコラ≠竄ヒんな。僕はてっきり、えんや〜コ〜ラ〜≠ゥら取っているんやと思ってた。」と、真面目な顔をして言っていました(笑)。

今回は第一回目の、“えん”としての大きなイベントでしたが、講演にもたくさんの人が集まり、“えん”の目的も多くの市民に伝わったのではないか?という印象でした。
当日参加されたみなさん、本当に有難うございました。


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