大阪身体障害者地域リハビリテーション協議会
『改革のグランドデザイン −これからの障害者福祉を考える−』に参加しました
2005年2月4日、【大阪身体障害者地域リハビリテーション協議会】が、大阪府職員会館多目的ホールにて開催されました。
主催は大阪府身体障害者更生相談所で、この日は前半に、『改革のグランドデザイン
−これからの障害者福祉を考える−』と題した講演が、そして後半には地域リハビリテーション協議会の総会が、それぞれ行われました。
前半の講演では、愛知淑徳大学医療福祉学部教授の谷口明広さんが講師となり、昨年10月12日に厚生労働省より発表されたグランドデザイン案の是非をめぐる講演が行われました。
谷口さんは、一見漫談をイメージさせるような独特の、しかし実にスリリングなトークで、昨今の福祉改革案の実態について話されました。
場内から度々笑いも沸き起こっていましたが、時代は着実に、障害者福祉を“冷やす”方向に移っていることを、痛感させらざるを得ませんでした。
まずもって一言。「障害者自立支援給付法案の名称は、昨日付けで変わりました」
曰く、「“給付”の二文字が削除され、『障害者自立支援法案』となりました」
しかし・・・・・・、名称はクルクル変わりますが、この法案が障害者の地域での生活を脅かすものであることには変わりありません。
会場風景。時事問題として最大の関心事だけに、聴衆も集まりました。 |
講演の中で谷口教授は、現在の支援費制度は、来年度で終わる可能性があることを示唆しました。そして、
「今後は市町村に、福祉施策のほとんど全てが委ねられ、国は何もしなくなる」
「抗議をしたければ厚生労働省にではなく、市町村役場にしてくれと国は言っている」
という報告がなされますと、場内のあちこちから苦笑とため息が漏れました。
更に、現在の身体障害者福祉法・知的障害者福祉法・精神保健福祉法が一つの法律に統合され、障害者サービス福祉法(仮称)になるであろうという、現在の動きが発表されました。
そのほか、今後は生活支援センターの役割範囲も広がり、就労の支援も行わなくてはならなくなること、障害者も介護保険同様、要介護認定(障害制度区分認定という名称になる予定)が行われるようになり、しかもそのシステムに知的障害も組み込まれるということも発表されました。
一体どうやって、知的障害者に”要介護認定”が出来るというのか?何とも信じられない話です。本当に国は何を考えているのでしょうか?
講師の谷口明広教授 | オーバーヘッドを使って、法案の構図を解説 | 総会で報告する、 部会長の高井さん |
後半の総会では、いくつかの参加団体より、2004年度の取り組み報告がなされました。
各団体とも、地域間の情報交換を活発にするために、何回も幹事会や協議会が行われていました。
今回の参加では、福祉制度の最新情報をいろいろ勉強出来たと思います。しかしその内容というのは至って不穏なもので、本当にこれから先、地域での障害者の生活というのが守られるのかどうか、かなりシビアに考えざるを得ないと思いました。