KSK
NPO法人CIL豊中通信Vol.58
2022年3月号

これより、もくじ
「少路障害者相談支援センター」開始のお知らせ
特集:寝たきりだって働ける!分身ロボット OriHime
CIL豊中 2021年度通常総会報告
新連載: わくワーク見っけ!! Part.1
豊中地域情報ばびゅーん!! Part.8
事務所のつぶやきZ
投稿コーナー
運転免許取得[極秘]プロジェクト Part.4
哲珍の部屋
ねや散歩 Part.11 
サービスのご案内
CIL豊中 各部門だより
編集後記

これより、記事
「少路障害者相談支援センター」開始のお知らせ
事務局
 豊中市障害者自立支援センターで実施している、委託事業「豊中市障害者相談支援事業」が再編され、4月から委託事業「少路障害者相談支援センター」に変わります。

<再編の目的>
豊中市では、障害者相談支援の中核的な役割を担う障害者基幹相談支援センターを、障害福祉センターひまわり内に設置しています。令和4年度からは、地域包括ケアシステムの構築を図るため、包括的な相談支援体制に再編し、豊中市障害者基幹相談支援センター業務、及び豊中市障害者相談支援事業を一体的に実施する障害者相談支援センターを、日常生活圏域ごとに計7か所(北東部、北中部、北西部、中部、中東部、中西部、南部)設置します。

<少路障害者相談支援センター> ※ 4月から
場所〒560-0033 大阪府豊中市蛍池中町2-3-1-203「ルシオーレ」南館2階
※豊中市障害者自立支援センターと同じ場所です
連絡電話06-4866-5757 FAX06-6857-3602 
メール shouji-soudan@ciltoyonaka.com

 少路障害者相談支援センターは、北中部を担当する障害者相談支援センターです。
障害者・障害児やその家族等の相談支援を行います(無料)。
北中部=上野坂、上野西1~3丁目・4丁目(1番~4番)、上野東、永楽荘、春日町、北緑丘、西緑丘、東豊中町、緑丘、向丘2・3丁目。
※旧委託では北西部地域を担当していましたが、4月から北中部に変わります。
 北西部の担当は、柴原障害者相談支援センター(走井3-5-35)になります。
※計画相談支援、障害児相談支援、地域相談支援(地域移行支援・地域定着支援)は、委託事業ではないので、担当圏域の定めはありません。


特集:寝たきりだって働ける!分身ロボットOriHime

はじめに
[根箭太郎]
 先ずは下の写真から。コロナ禍も状況が改善されてきたことで、我が編集チームが、「全員集合!」と写真に収まりました。と・・・、若干1名、目が緑色に光っているスタッフがいますね。
 そう、今回の主役はズバリ、ロボットです。それも「分身ロボット」という、人が遠隔で操作し、その人と社会を繋いでいる、というロボットなのです。
 人呼んで「OriHime(オリヒメ)」。オリィ研究所が作っているロボットが「オリヒメ」、覚えやすいですね!。
 このオリヒメが、昨年秋から本誌編集会議でも登場しています。操作をしているのは、編集スタッフの西村泉さん。コロナ禍で、会議にリモート参加となったのを機に、オリヒメを使用しての出席を始めました。今ではオリヒメ自体にも、感情があるように見えてきています。そしてこの体験が切っ掛けで、ほかのオリヒメやパイロット(操作する人のことをいいます)とも、出会いたいと思うようになりました。

広報誌編集会議に
遠隔で出席!
 皆さん、こんにちは! OriHimeの中の人をしております、西村泉です♪
冒頭でも紹介されたように、私は1年半くらい前から、本誌の編集会議にオリヒメで出席しています。切っ掛けは、そう。コロナですね。
感染症対策の人数制限ということで、私は当初、ズーム(zoom)での会議参加となってました。そんなある日、インターネットでオリヒメを見つけ、「これで会議に参加したい」と思い、事務所に相談してオリヒメで出席できるようになりました!
                
OriHimeの操作は簡単です!
ロボットの操作って難しいイメージがありますよね?誰でも簡単にはできない、敷居の高いイメージ。でも、オリヒメの操作はとても簡単です!パソコンやiPad,iPhoneに入れたアプリから操作するのですが、画面に表示される〈手をあげる〉〈手を振る〉〈うんうん〉〈パチパチ〉〈パタパタ〉などのボタンを押せばオリヒメがその動きをしてくれます。顔の向きも上下右左とかなりの範囲が自由に動き、画面の中をクリックやタッチするとその方向にオリヒメの顔が向きます。
 私は日常生活のほとんどを寝ながら過ごしていて、いわゆる寝たきりに近い状態です。体の可動域も指先1本くらいで、普段はタッチパッドというマウスを使ってパソコンを操作しています。そんな私でも、ポンッとクリックすればオリヒメを自分の体のように動かせるのです。一番嬉しいのは、やっぱり手を振れることですね~♪「泉ちゃん、またね~」、(手を振られる)、「はーい、またよろしくお願いしま~す」(手を振り返す)。こんなことがオリヒメを使えば当たり前のようにできます。
                
OriHimeで在宅ワーク
さて、こうして現在も広報誌編集会議にオリヒメで出席している私ですが、何と昨年の6月から、東京日本橋にある「分身ロボットカフェDAWN ver.β」というカフェで、オリヒメパイロットとして働いています。お客様からお食事のオーダーを承り、オリヒメロボットでお飲み物を運ぶ、そんな接客業をしています。
 そして全国各地で様々な人が、オリヒメパイロットとして働いています。働く内容はそれぞれ違いますが、パイロットの共通点は『外出困難者である』ということ。病気や障害だけでなく、介護をしていて外出が難しい人も働いています。もっと詳しいこと(概要)を知りたい方、ちょっと体験してみたい方は、ぜひ一度、左記ホームページをご覧になってみて下さい。オリヒメの個人レンタルもできますよ♪
株式会社オリィ研究所
URL:https://orylab.com/

スイーツのお買い物には是非!
【パティスリーナトゥーラ】山﨑拓也さん
 近鉄上本町駅から南へ徒歩数分、ちょっと洒落た赤いテントの店があります。それがケーキ店「パティスリーナトゥーラ」。先にひと言喋っちゃいますと、取材の帰りに「チーズプリン」を買いましたが、うンまかったです♪。店内レジ横にオリヒメが置かれており、パイロットである山﨑拓也さんが接客をしていました。今回は山﨑さんと、運営会社である「共和メディカル株式会社」広報課の、上村夏美さんにご協力頂きました。
                 島根県松江からリモートしています
 山﨑さんは島根県松江市在住で、自宅でオリヒメを操作しています。主に販売・接客業に従事していますが、運営は名前が示す通り医療系の企業です。山﨑さんは正式に共和メディカルと雇用契約を結んでおり、本社の業務サポートを行うこともあります。具体的には、本社は薬局を経営していて、医療関係の企業に開局支援の営業を行うことがあるのですが、その際、山﨑さんも同行します。本来は飛び込み営業などは断られることが多いのですが、オリヒメを見ると相手も「え!何これ?」となり、山﨑さんが自己紹介をすることで、「何かユニークなことをやっているなぁ」と関心を示してもらえます。ほかにも広報活動の一環として、医療・福祉系の大学で講義を行うことがあり、パイロットとしての山﨑さんの話を聴いてもらうのですが、なかなか人気が高いのだとか。今年で入社して2年ですが、本社の広報としても重要な役割を担っており、SNSを活用しての情報発信に力を入れています。
                
雪の降る街を、歩いていたら
 今から7年前、当時28歳だった山﨑さんは、ビルの階段で3階から転落して脊髄損傷になりました。仕事帰り、いつもの階段だったのですが、時は2月。その年の松江は雪がすごく、足を滑らせてしまったのです。事故に遭う前の山﨑さんは、毎日朝から晩まで働く社会人で、車の運転も日常的にやっていました。仕事は飲食店の正社員で、ホール業や調理に従事、接客もこなしていました。勤務歴は7年目だったということです。
                
これがオリヒメで一番嬉しかった! 脊髄損傷により、手足を全く動かせない障害となった山﨑さん。オリヒメとの出会いは3年前、オリヒメを研究開発している「株式会社オリィ」が運営しているカフェ(現在は東京日本橋に在る分身ロボットカフェ)で、第一回目のスタッフ募集をしているのをツイッターで発見したときでした。応募をしてみたところ採用となり、そこからの縁で共和メディカルと巡り会いました。受傷前に働いていた時と比べ、リモート接客では【自分のペースで会話を進めない】、【相手の言うことを最後まで聞いて言葉を返す】の2点を心掛けるようになったということです。そしてオリヒメといえば、その最大の特徴は画面上の操作により、手や首を上下左右に動かせることです。これにより、当人は身体を動かせなくても、喜びや同意などの感情・意思をリアルに伝えることが出来、山﨑さんも、「この操作を出来たことが一番嬉しかった」と述懐していました。一つ留意点としては、山﨑さんは口に道具を加えて操作をするので、喋りながら同時に操作することが出来ず、オリヒメの手や首が動くタイミングが少々遅くなります。そこは出来るだけタイミングよく操作するよう努めているということで、接客が忙しくなったときは喋るほうを優先にします。
                
島根のお天気はどうですか?
初めて来たお客さんから注目されることは、何度も経験しています。今は上本町の店舗で働いていますが、最初に勤務したのは大阪駅ルクアに在る、「ハイチーズ」という店舗でした。そのときは入口前の、往来が激しい通路に面した場所が定位置だったので、AIロボットが話していると思われたり、露骨に驚かれたりして戸惑うこともあったそうですが、今ではすっかり慣れました。私が今回上本町店を訪ねたときも、「いらっしゃいませ」という声に対してお客さんが「ん?」。一瞬間があって、「ああ、これが喋った」と気付く一幕がありました。オリヒメ自体は可愛らしいロボットなので、お客さんも笑顔になりましたね。中から聞こえてくる声はオジサンですが(笑)。山﨑さんも適時声掛けをして、オススメの商品をすかさず紹介したり、「やっぱり上手いな」と思いました。オリヒメの勤務シフトもツイッターで告知されているのですが、それを見てやってくるリピーターもいるということです。「私は島根から操作しています」と積極的に自己紹介をすることで、お客さんからも【オリヒメ=人】と認識されるようになってきました。島根からと聞いてビックリされることもある一方、島根と縁のあるお客さんが来たときは、思わず島根トークに発展し、思いがけない共通点が見付かるなど、盛り上るそうです。「島根のお天気はどうですか?」と訊かれることもあるとか。
                
ウチの店、こんなに広かったっけ?
 オリヒメはその珍しさも手伝って、一定の集客効果をもたらしましたが、さらなる購買意欲向上へと繋げるべく、毎週、ミーティングを開いて意見交換をしています。或るとき、本社のスタッフがオリヒメを体験することがありました。すると大きな発見がありました。オリヒメのカメラ越しだと景色が実際より広く見えていたのです。具体的には、ほんの1m横にいるお客さんが、もっと離れているように見えました。思わず「ウチの店、こんなに広かったっけ?」という言葉が出たほどです。実は現場のスタッフは山﨑さんが、すぐ傍のお客さんになかなか声を掛けないことがあると感じていたのですが、その原因が判明したようです。状況を理解したスタッフは、実際の距離を伝えた上で、声掛けをするよう山﨑さんにアドバイスをしました。商品の陳列についても、カメラ越しだとやや見えにくいアングルの物が何点かあったので、見えやすい配置に変更したのですが、これらの取り組みがパイロットの勤務環境改善・接客の質向上へと繋がっていきました。
                
顔出しワークOK/NG?
 パイロットは、自分の顔が直接相手には見えません。今(2021年12月)は、コロナ禍によるマスク着用のため、対面でも顔はほとんど判らない状態ですが、山﨑さんは顔が見えないことは、寧ろプラスだと受け止めています。曰く「喉に気管切開の穴が空いているのと、手を動かせないぶん目を盛んに瞬かせたりするのを、余り見られないほうが安心出来ます」。
                
一番良くないのは孤独になること
 「オリヒメなどのツールを使って働いたり、色々な働き方があるということが、もっと世の中で認知されてほしい」。山﨑さんと上村さんが一番伝えたいことです。「怪我や病気、介護や子育てなど、色々な事情で外出が難しい人に、オリヒメが働き方の選択肢の一つになってほしい。一番良くないのは孤独になること。人生が激変して絶望感に襲われる人もいる。そういう人が孤独にならないためのツールになってほしい」。最後に山﨑さんは、「コロナが終息したら、是非現地に行ってみたい」。本記事を通じ、新しい選択肢が世に広がることを祈念します。
(担当:根箭)
店名:パティスリーナトゥーラ
住所:大阪市天王寺区筆ケ崎町5ー38 ロイヤルパークス桃坂1F
電話:06ー4305ー2277
山﨑さんツイッター:@orihime_kyowagr

お馴染みのファストフード店です
【モスバーガー大崎店】まやちゃん
 JR大崎駅すぐ横、ThinkPark Towerの2階に、モスバーガー大崎店があります。ここでオリヒメが活躍しており、パイロットは「まやちゃん」さん(以下、まやちゃん)です。店舗を運営しているのは株式会社モスフードサービスで、パイロットは株式会社オリィ研究所による雇用となっています。今回は、まやちゃんと、モスフードサービスの広報担当者、それにオリィ研究所 所長室の濱口敬子さんにご協力頂きました。コロナ禍を考慮し、大阪よりZOOMでの取材となりました。
                
リアルに居る場所は、隣町
 オンラインで東京の店舗と繋がり、まやちゃんを取材した訳ですが、当人がリアルに居る場所は兵庫県伊丹市で、豊中市民の私にとっては隣町ということになります。豊中に用事で出掛けることもあるということで、もしかしたらどこかですれ違うことも、あったかも知れません。 
                
案内人(いや、案内ロボかな?)
 モスバーガー大崎店では近年、アシストセルフレジを導入しました。これは注文の入力や支払いを、お客さん自身が機械操作によって行うというシステムですが、はじめは難しく、購買を諦めてしまう人もいました。そこで、機械の横でお客さんに付き添い、操作法を教える案内人(いや、案内ロボかな?)が配置されることになり、それがオリヒメです。見た目はロボットでも、お客さんはパイロットの声を通じて、人間としての温かみを感じるということです。声を聞いて、「あ、まやちゃんだね!」と判るお客さんもいるとか。オリヒメがクッション役の力を発揮することがあります。店内が混んでいるときなど、お客さんはズラリと並ぶ商品一覧を前にしてつい慌ててしまい、決まらない内に目に付いた物を注文しようとします。そんなとき、オリヒメから「ゆっくり選んで下さいネ」と声を掛けられることで、ホッとして本当に欲しい物を選べるのだそうです。
                
合計で8人もいます
 モスバーガー大崎店には、オリヒメのパイロットが合計で8人もいます。一人一人個性が違うので、オリヒメの動きにその違いが表れるそうです。店内のセルフレジには、パイロットのシフト表も掲示されていて、誰がどの日に勤務しているのか判るようになっています。実際、オリヒメを目当てに来店し、「〇〇さん会いに来たよ」と声を掛けるお客さんもいて、特にお子さんから親しみを持たれるようですね。普段は親に注文してもらっているお子さんが、オリヒメがいるときはセルフレジの操作をパイロットに教えてもらい、自分で注文をしています。
                
就活で悩んでいたときに
 まやちゃんはSMA(脊髄性筋萎縮症)という障害の当事者です。生活する上で、特に身辺面ではヘルパーが欠かせません。そんなまやちゃんは、就職活動のときにすごく悩んでいました。何社も面接を受けるもことごとく落ち、その背景にはどうしても自身の障害のことがありました。全然内定をもらえずにいる内に、次第に頑張る気力を失っていき、生きるのを一時停止したいと思うぐらい追い込まれました。もし自分がロボットだったら、一時的にスイッチをオフにすることも出来たかも知れない、とか・・・・。そんな或る日、家でツイッターを見ていたら、オリィ研究所が分身ロボットカフェのパイロットを募集しているという記事が目に止まりました。実はこれより約1年前、オリィ研究所がオリヒメを紹介する番組がテレビで放送され、まやちゃんは偶然視ていたのです。そのときは「へー、こういう働き方もあるんや」と思っただけでしたが、久しぶりにツイッターでオリヒメ情報と再会するに及び、一か八かで応募してみようと決心しました。「もう最後の砦。藁にもすがる思いだった」ということですが、結果は見事採用となり、現在に至っています。
                
意外と喋れるねんなぁ
 就職活動当時、まやちゃんが志望していた職種は専ら事務職でした。「自分はこういう障害があるし、事務作業をこなすことしか無理なんちゃうか」と思ったからです。テレビが好きなので、テレビ関係の裏方の仕事を志望したこともあったそうですが、基本は「やりたい仕事より、出来る仕事を選ぶ」。人と喋る仕事は、全く向いていないと思っていました。それが今やバリバリの接客業!実はまやちゃんはモスバーガー以外に、分身ロボットカフェと、オリィ研究所から紹介された、横浜市関内に在るカフェで接客業をしています。いずれもお客さんからは、「まやちゃんてすごく面白い」、「一緒に喋ってると楽しいよ」と言われ、自分でも「意外と喋れるねんなぁ」と手応えを感じるようになりました。「接客業なんて考えたことも無かったのに(笑)」とまやちゃん。本当に、人の運命とは分からないものです。
                
ペッパー君じゃないよ
 思い掛けず自分の【天職】と出会ったまやちゃんですが、それでも最初の頃は、リモートワークゆえの戸惑いもありました。中でも悔しかったのが、お客さんに声を掛けても、全く反応が無い状態が続いたときです。分身ロボットの存在を知らないお客さんは、オリヒメが、録音された言葉が自動再生される産業用ロボットだと思ったのです。皆さんはペッパー君をご存じでしょうか?世界で初めて開発された人型ロボットです。まやちゃんは、「私はペッパー君じゃないよ」と伝えるため、お客さんに「その眼鏡かわいいですねぇ」、「そのアクセサリー似合ってますねぇ」と、どんどん声を掛けるようにしました。そしたらお客さんも、「え!見えてるの?」と反応してオリヒメを正視。特にお子さんは思いっ切り目に近付いてきて、ガン見さながらだったとか。でも、そんなアピールが実って、人間が操作していると認識されるようになりました。
                
対面でも難しいよ
 モスバーガーで働いて2年目のまやちゃんですが、今でも悩んでいるのは、お客さんとのコミュニケーションでの距離の取り方です。曰く「注文を聞いた後、待ち時間がフリートークの時間になるけど、このときお客さんのことをどこまで訊いていいのか、すごく悩む。お客さんに興味あるから、関西人のノリで根掘り葉掘り訊いてしまって、塩梅が難しい」。心境を吐露したまやちゃんでしたが、私は思わず「それ、対面でも難しいよ」。顔と顔での会話でも、相手にどこまで訊いてどこからは黙っているべきか、距離感を計るのが私も大変苦手です。リモートでは尚更なのかも知れませんが、人にすごく興味があるというのはまやちゃんの良さであり、大きな武器にもなると思いましたね。
                
社会貢献度は大きい
 オリヒメが導入されている店舗は、今のところ大崎店のみです。2020年より実証実験として導入が開始されたのですが、一度テレビでも取り上げられ、大きな反響があったということです。ロボットということで、導入前は社内からも、冷たい印象を与えないか不安との声があったのですが、実際にはパイロットの人柄がよく伝わってきて、違和感は覚えなかったそうです。お客さんが待ち時間に一緒に写真に写ったり、障害のあるお客さんも増えているようで、社会貢献度は大きいと感じます。
                
夢は女優デビュー!?
 「オリヒメが色々な店にいるのが当たり前の時代になってほしい。外出困難になる可能性は誰にでもあるし、新たな働き方の形として普及してほしい」。まやちゃんの想いです。まやちゃん曰く「オリヒメって、確か映画でも登場したことがある。私がオリヒメで女優をやっても、面白そうやな」。夢は女優デビュー!?
(担当:根箭)
店名:モスバーガー大崎店
住所:東京都品川区大崎2丁目1ー1 ThinkPark Plaza2階

本家本元です!【分身ロボットカフェ】

 最後は本家本元、分身ロボットカフェです。これまで何度か名前が登場してきましたが、ここで改めて紹介します。分身ロボットカフェは、分身ロボットを開発・製造している株式会社オリィ研究所が運営している、分身ロボット常設実験店です。2021年6月22日に開店し、正式には「分身ロボットカフェDAWN ver.β」といいます。東京の日本橋に在り、JR総武線の新日本橋や、東京メトロ日比谷線の小伝馬町などが最寄り駅となります。 
                
パイロットになって取材しました!
 今回の取材では、終始私が、オリヒメのパイロットを体験する形となりました。コロナ禍のため現地取材は叶わなかった訳ですが、まさに私自身がパイロットの一人となって、現地を〝ツアー〟したのであります。そして現地で、私の〝一日分身〟となったオリヒメを持ち運んでくれたのは、オリィ研究所所長室の、濱口敬子さんです。この取材のために、全面的にご協力いただきましたが、このやり方での取材も、濱口さんの提案によるものです。お陰で本当にユニークな体験が出来ました。
パイロットの皆さん、こんにちは! 分身ロボットカフェには現在、実に60人の人がパイロットとして登録しています。毎日、ローテーションを組んで、交代で勤務をしているのですが、その内の何人かに、直接お話を伺いました。丁度ハロウィーンの時期で、仮装をしているオリヒメもいましたよ。

★なおきさん
な「こんにちは、初めまして。なおきといいます」
根「根箭といいます。大阪府豊中市からリモートしています」
な「感想はいかがですか?」
根「ZOOMで見るのとは、感覚が違いますね。自分が足を使わずに歩いている心地です。でも画面上の、【パチパチ】【う~ん】の表示をクリックして、オリヒメの手や首が動くのを見ていたら、少し自分の身体のように感じてきました。こういう働き方も楽しそうですね」
な「はい、楽しいですよ」
根「何か発見はありましたか?」
な「自分で働く体験をし、色んなお客さんと知り合えたことで、気持ちが前向きになりました。それまでは自分の病気に内向きでしたが、同じ病気の人とSNSでも繋がれたので」
根「どういった障害なのですか?」
な「心臓疾患で人工心臓を入れてます」
根「どちらからリモートしてますか?」
な「新宿です。近いですが外で働くとなると、家族の付き添いも必要になります。因みに出身は富山で、治療のために東京に転居しました」
根「リモートワークが、本人にとっても家族にとっても有難い訳ですね」
な「はい。障害や病気の本人以外に、単身者や介護者もパイロット登録をしているということです」
根「引きこもりの人にオリヒメの紹介が有効、という話も聞きました」
な「そのとおりだと思います」

★まーちゃん
ま「大阪の吹田から働いています」
根「え!吹田ですか?僕は隣の豊中ですよ。まーちゃんも、何か障害があるのですか?」
ま「心臓の病気になって、移植が必要な状態です。移植は平均5~6年ほどの順番待ちなんですよ。元々は理学療法士として医療機関で働いていたんですが、病気になって今は私が患者の立場です」
根「そういう人生もあるんですね。リモートで働く良さや大変さは、何かありますか?」
ま「画面越しだから現状の把握が難しいんです。画面の向こう側の雰囲気や様子が判らないので、それが大変ですね。自分自身の姿も、相手からは見えないし」
根「相手から見ると、目の前にロボットがいるなぁ、となりますよね」
ま「でも、見た目に気を遣わなくていいし、リモートを通じて色んな人と関わり、世界が広がりました」
根「お客さんから、ビックリする様な質問をされることはありますか?」
ま「それは無いですが、私が働くまでの経緯を細かく、どんどん踏み込んだことまで訊いてくる人がいます。遠慮がなくなっちゃうみたいな」
根「オリヒメ自体は表情を変えないから、つい気を遣わずに訊いてしまうのかも。でも、今後分身ロボットが広まってほしいですか?」
ま「はい。分身ロボットカフェ大阪店が、ぜひ出来てほしいです」
根「大阪店がもし出来たらぜひ行きたいし、コロナが収まったら東京店も訪ねてみたいです」

★たくやさん
た「こんにちは。島根からリモートしてます、たくやです」
根「島根と大阪がリモートで繋がって、お互いの分身は東京。すごい時代になったものです。形を変えたどこでもドアというのか・・・・」
た「確かにそうですねぇ」
根「日頃働いていて、どうですか?」
た「まさかまた接客出来るとは思わなかったです。元々飲食店で働いていたんですが、事故で障害者となり、長い間入院していました」
根「退院後はどうしていたのですか?」
た「オリィさんと偶然出会うまでの4年間は引きこもりでした。なかなか障害受容が出来なくて」
根「中途障害のつらさでもありますよね。今はどうですか?」
た「仕事のスキルも上がり、給料で甥っ子にプレゼントも買えました!」

★いずみさん
い「根箭さーん!」
根「おや!私の名前を知っておられたのですね(笑)」
い「ハハハハ・・・・西村でーす」
根「キャラクターを変えてるのかな?オリヒメを通じて、変身出来た気分になるとか?」
い「なりますね。今日は違うキャラクターになって過ごすぞ、みたいな」
根「僕は普段事務所で、オリヒメをセッティングする側だから、泉ちゃんの目に僕らがどう映ってるのか、初めて判りました。ところで、おすすめのメニューは何ですか?」
い「ローストビーフがふんだんに入った、ロービーバーガーです♥当店イチオシのメニューですよ♪」

★おおのっちさん
お「埼玉から来ている、おおのっちといいます。豊中には行ったことありますよ。空港が近いですよね」
根「そうです!大阪空港から私の職場までは徒歩圏内ですよ」
お「飛行機の音がうるさいから、根箭さんの事務所は大変ですね」
根「いや、そこまでは近くないんです。おおのっちさんは、そういうニックネームで働いているんですか?」
お「はい、パイロットネームです」
根「なるほど。今日は色々なパイロットの方と接しましたが、パイロット同士の繋がりはありますか?」
お「定期的にパイロット同士でZoom座談会をして盛り上がっています。7~8人ぐらいで近況を報告し合ったり。時間は大体60分です」
根「60分で終わるのは、皆さんの体力を考慮してのことですか」
お「Zoomが接続されている時間が、1回上限60分だからですね」
根「ああ、そうか!一度、現地にも行ってみたいですか?」
お「実は一度行ったことがあります。その時は、オリヒメの実際の動きを見たり、メニューを試せたりして、接客にすごく役立ちました」
根「そうでしたか。オリヒメの今後について、思うことは何ですか?」
お「飲食店以外でもリモートワークを経験したいし、そのためにも、もっと増えてほしいです。増えた分、働けるところが増えると思うので」
                
テレバリスタにも会いました
 5人のパイロットの方に話を伺いましたが、さて、最後に濱口さんは、テレバリスタを紹介してくれました。他のオリヒメとは顔が大分違っていましたが、このロボットは何と、目の前でお好みのコーヒーを入れてくれるそうです。実は遠隔操作をしているパイロット自身も元プロのバリスタで、病気により身体が不自由になったということです。
 分身ロボットカフェにはほかにも、トレイに飲み物を載せて客席まで自走で届ける、身長120cmのオリヒメが何台か有り、OriHime-Dと呼ばれています。数が一番多いのは、卓上型タイプの OriHimeです。オリジナルグッズが揃う物販コーナーもあるほか、パイロット体験のコーナーや、オリヒメを持って店内・店外を歩けるOriHimeレンタルというのもあるということですよ。事前予約のいらないカフェコーナーと予約が必要なお食事コーナーがあるので、訪ねる際はぜひ事前にホームページをご確認下さいね。
 ご協力下さった皆さん・濱口さん、ありがとうございました。[根箭]
分身ロボットが働く世界     
 さて、皆さん、分身ロボットが働く世界はどうだったでしょうか? 「所詮ロボットでしょ~」等と思われた方もいるでしょうか。そうですね、もちろん生身でしか体験できない事もありますよね。体温を感じて、匂いを感じて、風を感じて・・・、まだまだロボットではできない事がたくさんあります。でも、ロボットを使うからこそできる事もあるということが本誌のこの特集記事を読んで少しでも伝わっていれば嬉しいです。いえ、伝わっていますよね!?何せ、寝たきりと言われるこの重度障害者の私でも半年以上カフェでの接客いうお仕事を続けられているのですから♪多様性が求められる現代社会の働き方改革に新しい風をもたらせてくれた「分身ロボットOriHime」まだまだこれからも進化し続けて楽しませてくれるようですよ![西村]
分身ロボットカフェDAWN ver.β 東京都中央区日本橋本町3丁目8−3 日本橋ライフサイエンスビル3、1階
TEL:03-3527-2136  URL:https://dawn2021.orylab.com/


CIL豊中 2021年度通常総会報告
事務局 
 去る6月19日(土)、当法人事務所にて特定非営利活動法人CIL豊中2021年度通常総会が開催されました。今回の総会は、昨年と同様、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、出来る限り委任状出席とし、必要最小限の人数で短時間の開催となりました。15時00分に開会宣言、徳山理事長による開会挨拶の後、徳山理事長を議長として審議が始まりました。各議案の説明・質疑を経て議案は全て原案どおり承認可決され、15時20分に閉会しました。

議事
 第1号議案:2020年度事業報告
  及び決算の件
 第2号議案:役員選任の件

報告事項
 2021年度事業計画及び予算
《2020年度事業報告及び決算》
 2020年度は、障害者総合支援法・児童福祉法・介護保険法及びその他(外出支援サービス、点字名刺、自立生活体験室)の事業を2019年度と同じく行い、障害を持つ人の地域生活の支援を行った。

 世界的新型コロナウィルス禍の中、日本も新型コロナウイルス感染症との厳しい戦いの一年であった。日常生活を壊され、人と人との大切なふれあいを壊され、障害者や高齢者、全ての人が不安と我慢の年であった。当法人も感染拡大防止に最大限の努力を行った。毎年恒例のイベントや講座なども全て中止になった。この厄災はいまだ終息が見えない。
 また、地域の会議などに委員として参加し、地域福祉の充実に力を注いだ。
■豊中市障害者相談支援事業(豊中市 委託事業)
 相談・支援件数 1,804件
・市民講座及び自立生活プログラム講座
新型コロナウイルス感染拡大のた  め、実施せず
■自立生活体験室 宿泊利用13泊、 デイ利用70回
■豊中市障害者基幹相談支援センタ ー相談事業(豊中市委託事業)
相談支援専門員1名派遣
■豊中市障害者外出支援サービス事業(豊中市補助事業)
 運行回数1,883回
■点字名刺の作成販売 作成枚数300枚
■障害支援区分認定調査     調査件数1件
■計画相談支援     利用者数47人
■障害児相談支援 利用者数9人
■地域相談支援     利用者数0人
■障害者総合支援法介護サービス     派遣時間104,101時間
■生活介護    通所回数906回
■放課後等デイサービス    通所回数864回
■児童発達支援    通所回数0回
■介護保険法介護サービス 派遣時間4,940時間
■訪問看護サービス 訪問回数6,544回
■介助サービス(制度外)
  派遣時間7時間

活動計算書 2020年4月1日~2021年3月31日(単位:円)
Ⅰ 経常収益
 1.受取会費136,000 
 2.受取寄付金0
 3.受取補助金等17,058,844 
 4.事業収益502,799,933
 5.その他収益1,703,300
Ⅱ 経常費用
 1.事業費545,987,261
 2.管理費2,309,129
Ⅲ 経常外収益
 経常外収益41,019
Ⅳ 経常外費用
経常外費用
 税引前当期正味財産増減額26,557,294
 当期法人税等70,000
 当期正味財産増減額26,627,294
 前期繰越正味財産額158,155,940
 次期繰越正味財産額131,528,646

《役員選任》
理事会推薦による次の7名が選任された。
 理事 徳山辰浩
  (再任。互選により理事長)
 理事 山口博之
  (再任。互選により副理事長)
 理事 馬淵敦士(再任) 理事 吉村史生(再任) 理事 大田立子(再任)
 理事 大岩裕司(新任) 監事 坂 龍雄(再任)
  
《2021年度事業計画 及び活動予算》
 障害者総合支援法・児童福祉法・介護保険法及びその他(外出支援サービス、点字名刺、自立生活体験室)の事業を2020年度と同じく行う。
 引き続き、新型コロナウイルス関連の正しい情報の収集に努めると共に感染拡大防止に取り組む。新型コロナウイルス感染が広がりサービスに支障がでないよう最善を尽くす。
 また、ヘルパー等の人材確保がさらに難しくなってきている。人材育成・人材確保が今後の大きな課題である。
 また、地域の会議などに引き続き委員として参加し、地域福祉の充実に力を注いでいく。
 本年度予算は約555,000,000円


~ 熱帯魚好き、集まれー! ~ 【からふる】
所在地:箕面市船場東3丁目5-1 コスモビル201 TEL:072-730-031

 豊中及び周辺地域に、昨年来、就労継続支援事業所が新たに複数開所され、従来の作業所のイメージとは異なる事業所ができています。かつて、この広報誌で作業所を取材する企画がありましたが、新たな就労事業所を紹介していくことで、障害のある方の自立と社会参加、働きがい・生きがいに繋がっていければと思います。
 今回は、昨年開所した魚を扱うB型事業所「からふる」さんを取材しました。天井近くまでのラックに熱帯魚の泳ぐ水槽がぎっしり並び、おしゃれなユニフォームを着た皆さんがきびきび働いていました。この日は井上部長と西口さんにご協力いただきました。
Q.利用者は何人で、どんな方々ですか?
A.1月現在、定員20名中13名で、年齢は30代が多いです。豊中市・箕面市・吹田市・池田市の方々で、皆さん生き物が大好きです。見学して、雰囲気や作業内容を気に入られた方が多く、精神障害の方が結構多いです。あとは知的障害・身体障害の方ですが、トイレに車イスが入れないのが今後の課題だと思っています。
Q.就労継続B型の事業を始めようとされたきっかけをお聞かせください。
A.5年前にペットショップから独立して、主に観賞用の熱帯魚を海外から輸入して、卸す会社を始めました。社長と買い付けに行った際、日本と違い、障害のある方が健常者と同じ条件で、生きいきと働いているのを目の当たりにしました。そこで「うちでも同じことができないか」と社長から言われたのが切っ掛けです。
Q.生き物が相手ですが、飼育のしかた(水・温度・空気の管理、飼育容器の掃除、エサやり等)や繁殖などの難しさはありますか? また、よく福祉事業所では個性を生かせるような自主製品をつくって販売していますが、誰もが何かできることを・・・ということで工夫されていることはありますか。
A.魚類・昆虫・サンゴといった生き物が相手の仕事ですので、こうやったら大丈夫という正解がないのが難しいところです。一人ひとりの利用者さんが自分のできること・やりがいのある仕事を見出して、取組んでいます。例えば私(井上)はミールワーム(エサになる幼虫)が苦手でさわれませんが、さわるのが平気な利用者の方が、「増やしたい」とのことなので、今買っているのを自前で繁殖できるよう、検討しています。
Q.商品の卸売り価格は他の業者と同じくらいですか。またメンバーの工賃はいくらくらいですか。
A.卸しの価格は他と同じくらいです。ペットの魚類は利益率が高いので工賃は時給400円からにしています。カブト虫やクワガタ虫も卸しています。
Q.社会との接点・交流ということで意識されていることはありますか。
A.土曜日も開所していて、午前は隣の阪大の箕面新キャンパスの清掃をし、午後はお出かけなどレクリエーションをしています。また、近くの箕面ライフプラザで、流木や水草をアレンジして作った観賞用の小鉢のボトリウムやハーバリウムの販売を不定期で行なっています。店舗や企業に熱帯魚等の水槽をレンタルしていますので、そのメンテナンスに利用者さんが同行したり、イベントに金魚すくいで出店できればと思っています。一人ひとりの点の動きが繋がって輪になり、平等で多様な社会へ繋がる、「からふる」な絆ができたらと思います。
Q.将来の構想として、環境保全の活動やショップ展開など夢はありますか?
A.今年から始まった、イギリスの財団が行なっているアースショット賞(十年間の期限)の受賞を、サンゴの植樹で利用者さんと一緒にすることを目指しています。また将来事業所での経験を生かして、ショップ等で利用者さんが店員として働いて、達成感を味わえたらと思っています。
 ぜひ見学に来て、仲間になって下さい。
(担当:たった)


豊中地域情報ばびゅ~ん!!
「つぐの庭」~蛍池の小京都~

 みなさんいかがお過ごしでしょうか。今回はCIL豊中の地元、蛍池にオープンした、古民家カフェ「つぐの庭」に行ってきました。

昭和にタイプスリップ。贅沢空間
 雰囲気のいいカフェがオープンしたという情報を元に、閑静な住宅街をウロウロ。すると・・・・!一軒だけ、明らかに昭和の前半が残っているような古民家を発見。早速お邪魔しましたが、落ち着いた雰囲気に庭も眺められる贅沢な空間でした。オーナーさんがお話をしてくれましたが、「つぐの庭」という名前は、古い物を継ぐ、人と人とを繋ぐという意味を込めて名付けたそうです。

築86年!壊す?壊さない?
Q古民家カフェを始めたきっかけは?
「古くからの借家だったのです。次に誰かに貸そうにも水回りは直せないし、取り壊そうとなったのです。でも間取りが良く、雰囲気もいいのと、掘りごたつがあっていい空間なので、改修してみようと」
Qブックカフェ形式になったのは?
「身内に発達障害者がおり、本関係の仕事が出来るのではないかと思い、本も扱うカフェという形で始めました」
Qオープンまでに大変だったことは?
「昨年4月に話がスタートして、12月にオープンするまで、約8ヶ月間の改修作業が大変でした。古い土壁を剥がして自分たちで漆喰を塗ったり、なるべくお金をかけないように、と。それと同時に、カフェ業も全く初めてだったので、同じ業態のお店や京都の町屋に行って参考にしました。敷居や柱、縁側の床などは改修が追い付かず、諦めましたが、それは年季が入って、時代が付いた感じだと思っています。」
Q蛍池の小京都みたいですね?
「他の人も言っていました。うまいこと言って頂いて。でもそんないいものか?と言われるかも(笑)」
 
偶然の出会い、つながりがたくさん
Q実際にオープンして、反響などは?
「発達支援関連の図書コーナー(子ども・大人の発達障害などに関する本や、障害をテーマにする出版社【ぶどう社】の本)に関心を持っていただいています。お客さんが昔の映画のパンフレットを持ってきてくれたり、近所の学生さんも気に入って、いろんな企画を考えてくれたりします。お客さんが写真をツイッターやインスタグラムなどのSNSにあげてくれるので、それを見て来られる方も増えましたね。こんな場所なのでSNSじゃないとなかなか見つけられない(笑)」
 
もちもちおはぎ♪♥
Qおすすめのメニューは何ですか?
「おはぎですね。高知の四万十川の清流で育ったお米で作っています。いとこが高知にいて、お米を作って送ってくれるのです。それとコーヒーかな?曽根にある、美味しいと評判のMAHOTCOFFEEさんの豆を使っていて、紅茶やジュースなどもあります」

気軽に来れる癒やしの空間
Q今後の夢などはありますか?
「コロナ禍で大変ですが、始めたからにはこのお店を続けたいです。縁側や掘りごたつもあるし、何かの集まりや勉強会など気軽に利用してほしいですね。
発達障害についても、お茶を飲みに来るついでに気軽に話してもらって、『こんな本があるんだ』とか、読んでもらえたら嬉しいです。地域に こういう場所は少ないので、グループでの読書会やサロンなどにも是非ご利用下さい!」
 今回は、築86年の古民家カフェ「つぐの庭」を紹介しました。縁側もあり、窓越しに庭を見ていると癒やされます。のんびり本を読みながら美味しいおはぎを是非お楽しみ下さい。
(担当:川﨑)


事務所のつぶやきZ
1コマ目:2025年凶日、車の運転は、口頭で画面に指示を出し、リモートで出来る時代。
当センターの管理者(電動車いすに乗っていて、筋肉の障害)が、リモート画面を見ながら運転技能試験を受けている。
横で見ている試験官2人が、「よし、実技試験合格!」

2コマ目:当センターの管理者が自宅にて、「さあ!これで僕も晴れて、ドライバーだぞ!」と大喜び。満面の笑みである。
その横ではテレビニュースが放送中。内容は「EXPO2025の、本日の入場者数について」、大阪より中継。

3コマ目:CIL豊中の送迎車「マイライフとよなか号」に、リモート運転対応の新型車登場。これを、晴れてドライバーデビューした当センター管理者が運転することになる。

4コマ目:早速、事務所よりリモート運転での乗務。だが・・・・・、
「出発。ここを右折・・・・もとい!左折。オッケーグーグル、じゃなくてオッケー発車・・・・あ!ストップ。車線へんこ・・・・あ~間に合わなかった」てな具合。
「やっぱり練習と本番は違うなぁ」と、リモート運転している本人は冷静に感想を述べているが、路上では車がとんでもない惨状に。あちこちぶつかり、窓ガラスは割れ、ライトは外れ、乗ってる人は完全命がけ。「ギャー!!」「いてぇ!」「SOS!」


コラム  シートヨ3

ぼくの日曜日
淡路島からの助け舟 
 まいった。ほんとうにまいった。
 機関誌の担当の人から電話がかかってきて、次回の投稿をいつものようにお願いされ、気持ちよく了解をした。 昨日の午後のことだった。
 ぼくには安心して快諾できるセーフティーネットがあって、「ドーンとこい」の心境だった。
 コロナ禍の中で、365日のほとんどを通っていた作業所もひっくるめれば、ずっと「まち」で過ごしていたぼくは、今度は正反対に在宅中心の生活スタイルに変身して、過去といまと未来を書くことに最優先で専念するようになった。
 つまり、セーフティーネットはどこにも投稿していない原稿が山ほどあって、そこから適当にほじくり出せばいいとタガをくくっていたのだった。
 ところが、大誤算が目の前で起きていた。
 これまで書き溜めていた原稿をほじくり出しても、機関誌のために書き上げたものではないから、文字数が半端なく多いものや、日の目を見ると小さなさざ波ぐらいは立ちそうな内容ばかりだった。
 ほんとうは、これからウンコをする予定だった。身のまわりの便利グッズの作成をお願いしていた人から、腰痛予防の高反発マットのカバーをお試しで預かっていて、トイレを済ませたら車いすに乗り、やってみる予定だった。
 なぜか、全部キャンセルしてこの原稿を書いている。
 その理由は記憶力。頼まれごとはすぐに仕上げておかないと、100パーセント近く忘れてしまうようになってしまった。
 ところが、超大作になりそうなネタはあっても、手ごろなサイズのテーマが見当たらなかった。ずっと家にこもっているので、そう簡単におもしろいことは起こらない。
 だけど、ひらひらと金曜日の夜のシーンが舞い降りてきてくれた。
 その夜の泊まりのサポーター(ヘルパー)さんはお正月に家族連れで、淡路島へ一泊旅行をしてきたらしくて、前回の泊まりでお土産を差し入れてもらった。
夕食がすんで、目の前に「淡路島藻塩プリン」なるものが現れた。
「まだ、お土産があったんかいな」
 ちょっと申しわけなさを演出しながら訊ねてみると、
「ご近所の関西スーパーで目にとまったので・・・」
とのこと。大爆笑してしまった。
 その日の昼間のサポーターさんは、最近ハマっているグミで歯の詰めものが取れてしまったとぼやいていた。
 コロナ禍とはいえ、吹きだすような一瞬を忘れないでいたい。
 ということで、これからトイレをきばることにする。
〈海帰 優人 さん〉

どんぐりのひとりごと
 大分ご無沙汰しておりますが、お元気でしたか?
 私、只今心も体も老朽化の一途をたどっていきますね!いや、ホンマに。
考えてみれば、10年前くらいは、身の回りのことは自分でできていたはずなのに。
 あーそれなのに、最近の私ときたら、朝の起床介助から始まり、夜ベッドにあがるまでヘルパーさんや一人娘、家族、リハビリの先生、実に多くの人たちのヘルプで生きております。あんなに動いていた右手も動かなくなり、パソコンさえ縁遠くなってしまい、一時はどうしようかと思ったものでした。このまま奈落の底にどんどん落ちていくことは、許せません。そのときにひとの優しさに出会います。そして今まで知らなかった世界が広がっています。手が使えなくても、自分の意思で少しでも動かせるところがあればパソコンが打てるなんて元気な私は知らなかったんです。(世間知らずだっただけ。)たとえ視線だけでもパソコンが動くんです。やってみましたが私には残念ながら無理でしたが・・・。今私は、スイッチをつけてスイッチに手を押し上げてタッチして予測候補を選択して入力していきます。初めはとても文章なんて書くのは無理かなと思っていたのですが、慣れてきてこの文章半分お手伝いなく書いています。
 そのパソコンで、はまってることがあります。You Tubeで旅することです。ついこの間は北海道の地獄谷に行って、広大なホテルに泊まり、温泉を満喫して、ごちそうを食べた気分になっちゃいました。夕張メロンのソフトクリームがおいしそうでした。
 これからもいろいろ体験できたという気分になれれば世界一周の旅も夢ではないな!でも、やっぱり、私は外に出て行きたい。夕張メロンのソフトクリームを本場の北海道であじわうためにも、がんはるぞ!
〈どんぐり さん〉

大喜利 シートヨ5
お題 この注意事項、おかし いやろ!!どんなの?
◯車内では、座席は一人でも多くの方が座れますよう、お詰め合わせの上、ソーシャルディスタンスを守り、感染対策にご協力をお願いします。  
〈ベテラン車掌 さん〉

写真で大喜利 シートヨ6
○ハワイでプロポーズするイメージ、ざっとこんなもんさ。      
〈海島 りんご さん〉

《投稿作品大募集》   
CIL豊中通信では、みなさんからの投稿作品を大募集しております。

◆俳句・短歌    応募番号1  
 テーマは自由
◆川柳       応募番号2  
 テーマは自由 
◆コラム      応募番号3  
 400字から1200字
◆自立生活レポート 応募番号4  
 400字から1200字
◆大喜利      応募番号5  
お題 コロナ禍が去って初の、職場の飲み会、何が起こった?
◆写真で大喜利   応募番号6  
お題
両手の手首あたりをロープで括られているスタッフが、顔は面白おかしそうな顔をして立っている。ロープでスタッフを括っているのは3人の子どもで、場所は服部緑地のバーベキュー会場。2人の子どもがロープをぐいっと引っ張っており、1人の子どもがその様子を眺めている。

《応募方法》      
郵送、FAX、メール、Twitterのいずれかの方法で、ご応募いただけます。
必要事項 ①お名前 ②ご連絡先
③応募番号 ④投稿内容
郵送での応募 ハガキまたは手紙に必要事項をご記入の上、左記の送付先までご郵送下さい。
【送付先】〒560-0033 大阪府豊中市蛍池中町2-3-1-203 豊中市障害者自立支援センター CIL豊中通信投稿コーナー係
FAXでの応募 用紙に必要事項をご記入の上、次のFAX番号までお送り下さい。
【FAX】06-6857-3602
メールでの応募 お使いのメールより必要事項をご記入の上、左記アドレス宛てにお送りください。
【アドレス】tuusin@ciltoyonaka.com
Twitterでの応募 CIL豊中のアカウントをフォローしていただき、ハッシュタグ(#シートヨ〔応募番号〕※俳句の場合は #シートヨ1 となります。)を付けてツイートしてください。【アカウント】@ciltoyonaka


連載:運転免許取得 [極秘]プロジェクト
瀧本香織

 車の改造をしてくれる会社(以下、ミクニ ライフ&オートと称す)へ向かうため、ガイドヘルパーさんと早朝5時出発で、バスと電車を乗り継ぎ、事前に予約していた新幹線の多目的室(身体不自由な人が優先して使用できる「個室」)へ乗り込みました。
 東京に着くまでの間は朝食を食べたり、東京へ着いた後の電車の乗り換えを確認したりしていました。そして、2時間半かけて東京へ到着したら、駅員さんがスロープを渡してくれました。その駅員さんが乗り換えの案内、次に乗る電車の改札口まで連れて行ってくれて、指定された最寄りの駅に到着できました。
 最寄りの駅までは担当の人が車で迎えに来てくれて、無事に会社へ到着しました。なんと!!ここまでの移動時間は7時間でした。
 私もヘルパーさんもヘトヘトになりながら、そこでジョイカーの担当者と話し合いました。
 すると、セレナなら電動車いすを乗せるためのリフトを付けることもできるから、この車種に決めました。
 それから購入するため、販売店へ車を見に行ったり、見積もりを取ったりしたけど、免許証を持っていないと車を売ることができないと言われ、購入するためには保証人で家族の一人にサインをしてもらわないといけないことが発覚しました。
 そこで親に車のことを秘密にしていたけど、保証人になってもらうため話すことを決意しました。


哲珍の部屋
   
 みなさん、こんにちは。制限ある社会生活からなかなか抜け出せませんね。制限ができたが故に新しい働き方が見つかり、全てがお困り事ではないような気もしますが、感染して辛い思いをしてる方がいるのも承知の上。
制限ができて、フォーマルインフォーマルな会議各々が、中止もしくはオンラインという状況になってしまいました。仕方ないと言えば仕方ないのですが、障害者を取り巻く施策はお互いの会議が両輪となって制度が出来ていきます。障害者の制度は放っておけば確実に削られるもの、声を挙げてやっと保たれる程度です。インフォーマルな会議が中止となれば議論するところが無くなります。フォーマルな会議が中止となれば提案するところが無くなります。インフォーマルな会議がZoomになれば、思いや理念が無くなります。フォーマルな会議がZoomになれば、隣同士での会話が無くなります。そんなもんです。
制度が作られる時には、たくさんの手間隙を踏まえて出来上がりますよね。こんな事がしたいとか、こんな所が困っている。から始まり、こういうふうにすれば良いとか、こうしてみよう。と考え、こうしたいけどどう思う。と聞き、こうすれば良いんじゃないの。とか、それ良いと思うよ。と受け、これをしよう。とか、こうしたら良くなる。と動く、事の繰り返しで物事は決まり、その繰り返しで制度は立案・成立していくと思います。
この中で、3番目の話を受ける場面が流れの上では重要で、そこには同調・共感・共有が含まれると思います。端的にいうと認め合う事がZoom等のオンライン会議ではどうしても難しくなる所だと感じます。
面と向かって話せる会議であれば、会議前後の雑談ができますし、会議中も隣の席の人との相槌やひそひそ話もできます。また、顔だけでなく上半身の動きや表情といった素振りが見えるので、画面上で感じ取れないような事も感じ取れます。
血が通う福祉現場を担う障害者施策ですから、まだまだたくさん課題は尽きませんし、オンラインだけでは奥の奥深くまで血が通った話し合いはできません。
色んな事を肌で感じられる雰囲気と隣同士でそうよねそうよねと、コソコソと言える環境に早く戻ってほしいものです。   
(担当:上田)



ねや散歩 part.11
ねやたろう
勤続四半世紀の功罪
 22年4月をもって、私のCIL豊中勤務歴は25年目に入る。足掛け四半世紀、干支では二回り、我ながらよく続いたものだ。24歳からCIL豊中で働き始めて現在48歳、在籍期間は丁度半生となる。これだけ長くいれば、当然ながら様々な〝避けられない変化〟に直面する。「もし今この職場に入ろうとしたら、絶対無理だっただろう」と自覚させられる局面にも度々出くわす・・・・。元々、制度も何も存在しなかった時代、私はボランティア活動に興味があって、とある作業所でボランティアを体験した。当時はいわゆる就職浪人。世の中のペースや感覚に付いていけず、そんな自分でも受け入れられ、人の役に立てる世界があることを望んでいた時期だった。その想いが私を障害者福祉の世界へと向かわせ、作業所からの繋がりで現在の職場と出会った。最初は登録ヘルパーとして活動を開始したが、半年後に事務所のアルバイト職員にもなった。当時の事務所は仕事の殆どが、自前のシンプルな仕組みの基で行われる草の根時代。規模も小さく、外部とのやり取りもさほど多くなかった。01年には正職員に採用されたが、まだ送迎サービスは黎明期だったので車の運転は条件にならず、広報誌編集や点字名刺作成などで、仕事の形を築いていくことに、社会参加の意義を感じていた。03年、障害者の初代制度である支援費制度が誕生したが、実はこの制度について学習していく過程で、小さな違和感を覚えていた。「上手く周りに付いていけない。どんどん理解が遅れていく」。それが何を意味していたのか?やがて総合支援法となり、現在の計画相談の制度が始まるに及んで、小さな違和感は大きな確信に変わった。新しい定型に適応出来なくなった私はADHDと診断され、その際先生に「何故か制度や行政的なマニュアルになると、何度読んでも飲み込めない」と訴えたところ、「そういうところに一番症状が出やすい」との見解が示された。自分の本当のことが判ったのは良かったが、その後も業務環境は大きく変化し、比例して、私が不安になる割合や配慮されることが必要な範囲が増えた。この現実を、果たしてどう受け止めるべきか?配慮は確かに、障害者差別解消法でも「発達障害者に対する合理的配慮」は謳われている。ただ、「自分のままで端から適応出来る」という環境が、もし世の中にあったら・・・・?コロナ禍の影響もあり、働き方そのものが大きく変わった。個性の違いを認め合う一方、ズレが少ない円滑さを追求することも、有りなのではないかと思う。


☆☆☆サービスのご案内☆☆☆
ヘルパーステーションCIL豊中
訪問看護ステーションCIL豊中
TEL06(6840)8195 FAX06(6840)8196

障害者総合支援法介護サービス
障害者総合支援法によるホームヘルパー、ガイドヘルパー派遣。
◇サービス提供範囲 豊中市及び近隣地域
◇サービス提供時間 24時間365日
介護保険訪問介護・総合事業訪問介護相当サービス  
介護保険によるホームヘルパー派遣。
◇サービス提供範囲 豊中市
◇サービス提供時間 24時間365日
介助サービス
 障害者(豊中市在住)の自立支援を目的とした、制度外サービス。
◇介助料
 【一般介助】1時間1,700円 【その他】旅行介助
  介助者にかかる交通費及び宿泊費等は利用者負担です。
◇キャンセル料 当日キャンセル半額
※条件の合う登録介助者が見つからず、御希望にそえない場合があります。
訪問看護サービス
看護師等が家庭に訪問し、在宅療養の支援をします(医療保険、介護保険)。
◇サービス提供範囲 豊中市及び近隣地域
◇サービス提供時間 月曜~土曜9時~18時

ボーイズ&ガールズ
TEL06(6843)5580 FAX06(6843)5590

重症心身障害児(者)多機能型通所事業所
 放課後等デイサービス・児童発達支援・生活介護
◇サービス提供範囲 豊中市及び近隣地域
◇サービス提供時間 児童通所11:30~17:00 生活介護10:45~15:30
休み:日曜・木曜、祝日、年末年始

少路障害者相談支援センター(4月から)
TEL06(4866)5757 FAX06(6857)3602

 障害者・障害児やその家族等の相談支援を行います(無料)。
少路障害者相談支援センターは豊中市内の北中部を担当する障害者相談支援センターです(豊中市委託事業)。
北中部=上野坂、上野西1~3丁目・4丁目(1番~4番)、上野東、永楽荘、春日町、北緑丘、西緑丘、東豊中町、緑丘、向丘2・3丁目

豊中市障害者自立支援センター
TEL06(6857)3601 FAX06(6857)3602

自立生活体験室
 障害者の方が、自立生活を体験してみる部屋です(介助者の方は無料)。
◇宿泊利用 1泊1,500円 ◇デイ利用 1回(5時間まで)750円
計画相談支援・障害児相談支援・地域相談支援(無料)
 サービス等利用計画の作成、地域移行支援、地域定着支援等。
豊中市障害者外出支援サービス
 車いす対応車を運行し、一般交通の利用が困難な障害者の社会参加を支援。
◇利用対象者は、豊中市内に住所を有し、次のいずれかに該当する15歳以上65歳未満の人、概ね6歳以上15歳未満で車椅子使用の人、65歳以上で豊中市 高齢者外出支援サービスの対象にならない人です。原則在宅の方。
 ①身体障害者手帳1・2級(下肢、体幹、視覚、内部)を所持している人。
 ②療育手帳Aを所持している人。
 ③腎臓機能障害で透析治療を受けている人。
◇利用日時 午前9時から午後5時(年末年始12/29~1/3を除く)。
◇利用回数 月4回まで利用できます。
◇利 用 料 4㎞未満300円~20㎞以上2,500円
◇利用区域 豊中市及び隣接市(大阪市南部を除く)及び特定施設
◇キャンセル料 現地キャンセル300円
点字名刺(送料は一律270円)
◇片面名刺印刷と点字打ち込みの場合 10枚400円
◇両面名刺印刷と点字打ち込みの場合 10枚500円
ロゴ・イラスト又は写真入りの場合は10枚につき50円の加算となります。

CIL豊中通信Vol.58 ~各部門だより~
ボーイズ & ガールズ
今年度もコロナの影響で戸外での活動やボランティアさんとの交流がなかなか出来ませんでしたが、利用者さんと一緒に季節にちなんだ制作や活動を考えて色々なことに挑戦しました。なかでも曜日対抗の「ボイガル選手権」がとても人気でいつもにぎやかな声と笑顔がたくさん見られる時間でした。一日も早くコロナ禍が解消され、従来のようなのびのびとした日中生活・放課後生活が送れることを願っています。

ヘルパーステーション
口にするのも文字に起こすのも忌々しいあのウィルス。今年中に終息か?等の記事をチラホラ見聞きする今日この頃。仮に終息したとて、コロナ禍以前に戻れるわけではありません。意識も、過ごし方も、感覚も、間隔も。すぐ先か、もっともっと先か。いつか必ず訪れる世界。そんな明るい未来が早く来ることを願って止みません。

訪問看護ステーション
新型コロナウィルスと共生して丸2年。ウィルスがもたらした変化第1位は、何といってもお一人様時間の充実です!NETFLIXにはまる人、アレクサにはまる人、手作り時間やテイクアウト店探しなど、思い思いの時間を過ごしています!変異株に振り回されっぱなしですが、人との繋がりの大切さを実感したり、良い変化もありました。心と体の栄養補給をしながら、皆で気兼ねなく集まれる日まで、頑張って乗り切りましょう!!

事務局
コロナ感染予防策として、個人で使ったパソコンや机は、各自でアルコール清拭をして、共有する机やコピー機などは、朝と昼に時間を決めて次亜塩素酸ナトリウム液で清拭消毒しています。どちらの液もすぐになくなるし、雑巾も黒ずんできます。雑巾はホームセンターで安く売っているので、洗い替えも用意できます。昔、学校から雑巾を持ってきて下さいとのお知らせに、母がタオルを縫ってくれた記憶があります。その頃は家の古いタオルを使うのが普通で、買うという概念がなかったなー。 

支援センター
寒い冬から暖かな春に移り変わる3月は、個人的に1年で大好きな月です。コロナ禍で皆さんも不自由でしょうが、今年こそ終息して羽を伸ばせられるようになることを、切に願っています。冒頭でご案内した通り、22年度から相談支援体制が大きく変わります。当センターも気を引き締めて従事する所存ですので、今後ともよろしくお願い致します。


編集後記
編集長 根箭太郎
 最近は色々な場面で、「リモート」という言葉がよく使われるようになったと思います。私も再三リモートワークを経験出来たし、テレビのニュースなどを見ていると、例えば「リモート運転」という言葉を耳にしたこともありました。
 リモートワークへ至る前段として、働き方の多様化という社会の動きがあります。これからは益々、今まで「これが当たり前」とされてきた働き方が見直され、変わっていくのでしょう。
 そういった意味で、今回の特集はかなり興味深かったのではないかと、自分でも思っております。分身ロボットは、新時代の働き方として、社会に定着していくかも知れません。折しも今は別の理由でテレワークが奨励されていますが、その人に合った働き方を選べる環境は、今後も充実してほしいです。
 リモートとは話が違いますが、当広報誌は昨年度に続いて、10月号が中止になり、1年ぶりの発行となりました。まさか2度に亘って一号中止になるとは思っていませんでしたが、果たして今年はどうなるのでしょうか。
 今回は、新連載も登場しました。新しい就労事業所が次々と誕生し、当事者が社会参加をする上での、一つの選択肢になっていくと思います。
 最後に、当CIL豊中通信は、2002年5月の創刊号発行から、丁度20周年となりました。創刊号企画会議の段から本誌に携わっている私です

編集人 NPO法人CIL豊中
豊中市蛍池中町2の3の1の203
HP: http://www.ciltoyonaka.com/
Twitter: @ciltoyonaka
Email: ziritsu@ciltoyonaka.com
TEL 06(6857)3601
FAX 06(6857)3602
発行人 関西障害者定期刊行物協会
大阪市天王寺区真田山町2の2 
東興ビル4階  定価100円