KSK NPO法人CIL豊中通信 Vol.52 2018年10月号
特集:たろう君の疑問 ~自立生活運動ってなに?~
障害者自立生活運動とはね、たろう君・・・
障害者自立生活運動?それって汗かきますか?

豊中新市長 長内繁樹氏、豊中を語る!
僕はホースセラピーをやりたい
市民講座報告 ほか


もくじ

特集:たろう君の疑問 ~自立生活運動ってなに?~
みんなで語ろう障害者は『排除』される存在なのか
カミングアウトについて考える 2018年度市民講座報告
CIL豊中 2018年度通常総会報告
CIL豊中ホームページがリニューアルしました!!
長内新市長 豊中を語る (豊中地域情報ばびゅーん!!)
事務所のつぶやきZ
僕はホースセラピーをやりたい
投稿コーナー
哲珍の部屋
ねや散歩 ハナ散歩 
サービスのご案内
CIL豊中 各部署だより
編集後記



特集:たろう君の疑問 ~自立生活運動ってなに?~

 「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」といいますが、今更聞けないよっていうこと、結構あったりしますよね。私も知らないと恥ずかしいことを聞かれたりすると、知らなくてもついつい「あー、あれね!」と、知ったかぶりをしてしまうことがあります。わからないことを聞く勇気を持たないといけないですね。
 さて、皆さんは「自立生活運動」って言葉をご存じですか。たろう君という男の子はどうやら、この運動についてわからないことだらけ。いつもたろう君と一緒にいる、真面目なタロウさんも、詳しくは知らないから説明に困っているようです。
 今回の特集では、この「自立生活運動」について、若い障害当事者から素朴な質問を集めてみました。これに答えてくださるのは、実際に「自立生活運動」をやってきた二人の方です。たろう君の疑問は解決されるのでしょうか。
 それでは、ご覧ください。

たろう君:うーん、うーん、自立とはなんやろか。
タロウさん:たろう君、自立生活運動というのは、障害者=施設が当たり前だった時代に、障害者が地域で暮らせるようにやってきた先輩方の運動のことですよ。
たろう君:じゃあ、もう運動は過去のものって事?運動で自立が出来るん?そもそも運動って何?全然わからへーん☆
タロウさん:恥ずかしながら私も、運動の経験も無い故、あまり詳しくはございません。
たろう君:ほんなら自立生活運動を実際にやってた人に聞いたらええのんや☆
タロウさん:そう仰ると思って、たろう君のように自立生活運動を知らない若い障害当事者から質問を集めてみました。これに答えてくださるのは、実際にその身で自立生活運動を経験した小林敏昭さんと齋藤雅子さんです。
たろう君:さっすがタロウさん!まさに神対応☆
タロウさん:今回は3つの質問を4コマ漫画でわかりやすく回答してます!
たろう君:ヤバス!オイラ4コマ漫画大好き☆
タロウさん:それでは、さっそく一つ目の質問をご覧ください。

質問1:10代男性より

僕は今の生活で満足しているけど、これからはもう運動はやらなくてもいいの?

たろう君:満足しているなら、もう運動はせんとゆっくり過ごしたらええんちゃう?で、万が一何か不満が出たら、その時また考えてみようや。ねえ、タロウさん☆
タロウさん:いやぁ、それはどうでしょうね。不満になってから考えるのでは、遅いかも知れないですよ。そのへん、ベテランの方はどう考えておられるのでしょうね。

質問1の漫画

1コマ目:車いすに乗った若い人が、寛いで本を読んでいる。本のタイトルは「自立生活運動」。
「へーぇ、昔の人って大変だったんだねぇ。でも、僕は今の生活に満足しているし、なーんにも心配しなくていいよね。♪♪♪(←鼻歌を歌いながら)」
2コマ目:どこかの会議室の中、国の役員が話し合っている。「この制度はもう廃止しましょうかね」「みんな満足してるし、少しくらい減らしても支持率は落ちないよ」
3コマ目:ぼろぼろの服に呆然とする車いすに乗った若い人。「急にセイドガハイシとかでヘルパーさんも来てくれなくなった・・・」
4コマ目:目が燃えている車いすに乗った若い人。「もう一度運動して暮らしやすい社会に変えたるわい!!」

小林:自分自身が今、運動の必要を感じないぐらい幸せというのは、ある意味素晴らしい状況だけど、自分以外のいろんな障害者が、過去に、そして現在もどこかで、いろんな努力を積み重ねているということを、想像するのは大変重要なことです。社会情勢や景気の変動によっては、福祉が真っ先に切り捨てられる可能性も、現実問題としてあります。今の生活がいつ突然壊れるか分からない。だから過去の障害者運動で何と闘い、どんな権利を獲得したのかを知ることは、とても重要だと思います。
「今の自分の生活に満足する」ことは「周りに無関心になる」ということと紙一重です。そしてその無関心は、巡り巡って自分の今の生活そのものを脅かすことになるかも知れません。今の社会のあり方が、このままでいいのかどうかを考える視点が必要だと思います。

齋藤:運動=私たちが生活することだと、私は思ってるのですね。だからいわゆる運動よりも、どんどん外に出かけたり、ピアカウンセラーなって相談支援員になったりする。それだけでも障害者運動になると思います。そういう意味でも運動はやるべきだと考えています。自立生活も、なるべくなら私は、若い時にこそ親元から離れるべきだと思うのです。というのも、親の方が先に死ぬから、親が生きてる内に自立するほうがいいと思うのが一つ。それと介護者との関係についても、若ければ若い程柔軟性があるから、人間関係も上手くいくということですね。年を取ってくれば頭もカチカチになって、自立生活に入れない状態になってくると思うのですよ。だから早ければ早いほどいい、と私は思っています。

たろう君:なるほど、今の満足がずーっと続くかはわからないから、満足を継続させるためにも運動をやることが大切なのねー☆
タロウさん:そうですね。今の生活も、過去・現在で誰かが運動をやっているお陰なのですね。
たろう君:生活して、ぐーたらやっているだけでも運動になるならオラでもできそー☆
タロウさん:ぐーたらは余計ですよ。でも、齋藤さんの話を聞くと、運動は決して難しいものではないのかも知れませんね。
たろう君:ん?でも制度とかは国会議員とかが決めるんじゃないの?生活するだけでどうして運動になるんやろかー☆
タロウさん:それにはピッタリの質問が届いているので、早速見てみましょう。

質問2:20代女性より

運動で制度を作るのだったら、運動というのは国会でやるものなの?

たろう君:オイラ、前からテレビで見てて、一度国会の中に入ってみたかったんよ。何か格調あるビルヂングやん。だから国会で運動やろうよ☆
タロウさん:あのねぇ、そんな興味本位でやるもんじゃないですよ!運動は。しかもビルヂング・・・ま、とにかく国会がどのぐらい関わるものか、見てみましょう。

質問2の漫画

1コマ目:目が燃えている車いすに乗った若い人。「制度を変えるには国会あるのみ!突撃じゃーあ!」
2コマ目:警備員に跳ね返される車いすに乗った若い人。「勝手に入っちゃダメなのよ。」
3コマ目:目をうるうるさせている車いすに乗った若い人に手を差しのばす誰か。「君、大丈夫かい!!」
4コマ目:振り返るとそこには大勢の人達がいる。「みんなで伝えることが重要なんだ!!」

小林:運動をやるのは、国会だけではもちろんないですよ。だけど「国会でやるべき運動」というのは絶対にありますね。つまり、制度や法律は国会で作られるし、それを良いものに変えていくというのはすごく大事だから。個人個人の運動は必要だけど、いざという時は団結が必要です。
テレビのニュースなどで、国会前で何かのデモが行われている様子が報じられることがありますけど、やはり国会前での座り込みなどを通じて、自分たちの姿を見せるということは、意味がある行動ですね。
忘れてはいけないのは、国会議員は私たちが選挙で選ぶということです。主権は私たち一人ひとりにある。ですから、その国会議員たちがどんな主張をし、どんな制度や法律を作ろうとしているのかをきちんと見て、次の選挙で人権を守る議員に投票する。それも私たちの大切な活動です。

齋藤:この質問は、もし自らが国会議員になって、という意味だったら、それは難しいと思いますね。
やはり草の根運動というのがすごく大切なので、国会の中にいる立場では、なかなか出来なくなります。国会の中では、やはり色々がんじがらめにもなるだろうし…。一般の、市民の立場で運動をやっていかねばと私は思っています。
昔、今は劇団態変という障害者の演劇活動を主宰している人が、「生活保護を障害者に支給せよ」と国に訴えて、勝ち取ったことがありました。結果、その方は自立生活が実現しました。70年代には、厚生省(現厚労省)に行って、介助保障をせよ!、ヘルパーをよこせ!と言って、運動しました。そういう草の根としての運動は、これからも必要だと思うのです。

タロウさん:国会を向いて運動を行うというのも、とても重要なのですね。
たろう君:オイラは目立つ服装だから運動にはピッタリだぜ☆
タロウさん:目立てば良いってことではなくて、どれだけ自分の気持ちを皆様に届けられるか、だと私は思います。
たろう君:オイラが総理大臣になれば手っ取り早いのになー☆
タロウさん:総理大臣になっても皆様の声がなければ難しいでしょう。それほど声を上げることは重要なのです。
たろう君:でもなー、デモは疲れそうやし…そや!今は「あいちぃー(IT?)」の時代やし、インターネットで運動もやったらええやん☆
タロウさん:疲れそうって…でも、確かに外へ行くのが大変な人もいますものね。実はこれにもピッタリの質問が届いています。早速見てみましょう。

質問3:30代男性より

僕はSNSを使って運動をやりたい。今後の新しい運動ってどんなのかなぁ?

たろう君:オイラは暑いのも寒いのも苦手だから、やっぱり家でね、エアコン効いた部屋でバンバン運動するのが楽でええんちゃう?☆
タロウさん:楽でええってどうよ(汗)。第一、君は体力だけは満足にありそうだけど・・・。でも、新しい時代の運動のやり方は興味ありますね!

質問3の漫画

1コマ目:パソコンの画面に向かう車いすに乗った若い人。「外に行かなくてもSNSで言いたいことがいえるなんて便利な時代だ。」「外で運動するなんてもう古いよね。」
2コマ目:どこかの会議室の中、国の役員が話し合っている。「最近は国会前も平和ですね」「よし、今ならまた制度廃止できるぞ」
3コマ目:ぼろぼろの服に呆然とする車いすに乗った若い人。「なんでまた制度廃止・・・運動してたのに・・・」
4コマ目:振り返るとそこには大勢の人達がいる。「SNSだけではダメだ!生の声を伝えることが重要なんだ!!」

小林:かつて「青い芝の会」という運動体が、障害者が生きることに否定的な世の中に対して、告発をしていきました。その必要性は今もあるのですが、告発のやり方については、昔とは違った形になってくると思いますね。その意味では、SNSとか、もっと身近な手段で、身近な周りの部分を変えていくという形に、今はなりつつあると思います。新しいパターンの運動の仕方が、若い人たちの間で芽吹いてきていると思うし、SNSは一つの手段として有効だと考えています。
ただ、SNSだけでは補えない部分、生身の人間同士だからこそ感じ取れる摩擦熱のようなものも、どこかで必要になるだろうし、ネットだけではない人間関係も、創り上げないといけないですね。運動の手段としては、いろいろあっていいと思っています。

齋藤:SNSだったら、私はちょっとピンと来ないですね。私もSNSはやっていますけど(笑)。フェイスブックとかラインとかをやっています。だけど運動ということになると、実際にみんなで会って言葉を交わして、「ああ、これじゃダメだなぁ」ということを話し合って、行政に訴えていくということが一番必要になると思いますね。
私は、自立生活運動をしながら、相談対応や講演活動も長くやっていますが、その都度言えることが、介護者との関係が、すごくいびつになってしまっている、ということです。当事者もすごくヘルパーに遠慮しているというか…。もっと「自分はこういう生き方をしていくんだ」とハッキリした意思を持って自分のしてほしいことを言って、ヘルパーに対しても、声掛けや配慮が必要だろうと最近よく感じます。

たろう君:おおー!ええな、ええなぁ、SNS。オイラも今から運動始められる☆
タロウさん:新しい手段として、認められていますね。でもお二人とも「実際に会うことは必要」と仰っていました。
たろう君:みんなで集合したら、まずは総理大臣を取り囲むんや。おっしゃー!☆
タロウさん:いやいや、いきなりそれは無理ですよ。ところで今回、自立生活運動についてお話を聞いて、どうでしたか?
たろう君:なんかめっちゃ、SNSのアカウントを取りたくなってきた☆
タロウさん:な・・・、そっち?ってか、まだ取っていなかったんかい!でも、例え今が良くても安心するのは危険だということ、肝に銘じないといけないですね。当事者のニーズは常にあるのだから、国の人たちも絶対それを忘れないでほしい!小林さん、齋藤さん、たくさんの貴重なお話、ありがとうございました。
たろう君:あざーっっしたぁぁー!☆


みんなで語ろう 障害者は『排除』される存在なのか

 2018年2月18日に開催されたこの講座は2016年度からの全5回連続講座の最終回となります。第1回では、問題提起として相模原事件を取り上げ、第2回から第4回まではライフステージに沿って講座を行ってきました。最終回となったこの回では、それまでの講座を踏まえて「障害者は『排除』される存在なのか」という少し踏み込んだ内容をみんなで語り合いました。

 冒頭にはビデオ上映を行い、何名かの障害当事者の方に、映像に出演していただきました。話した内容は、「相模原事件について」、「人権について」、そしてテーマである「障害者は『排除』される存在なのか」。皆さんのリアルで真っ直ぐな意見がたくさん出たと思います。その映像を見た後、シンポジウムが行われました。シンポジストは、独立行政法人国立病院機構 刀根山病院療育指導室 菊池恒成さん、神奈川県手をつなぐ育成会会長 依田雍子さん、当法人理事長 徳山辰浩の3名です。

◇菊池恒成氏
 菊池さんは刀根山病院の筋ジストロフィー(以下:筋ジス)病棟で勤務しています。先ずは筋ジス病棟の歴史について紹介されました。元々は 1964年に、当時の筋ジス患者の親たちが、自分たちの子どもをどうにかしてくれということで、造られたということです。1967年に、福祉の措置入院というのが始まり、その後、多くの筋ジス患者が入院してくる中で、児童の患者を集めての、運動会などの行事が行われたほか、各種リハビリも行われていました。
 かつては児童の段階から入院してくるケースが多かったですが、現在は社会環境も変わり、呼吸器を着けていても、児童の内は地域で生活していることから、年齢を重ねて体力が落ち、親も年を取ってきたという段階になってから入院してくるケースが増えているそうです。入院されている患者さんは、20~30年と長きに亘り入院している方もいますが、世の中の状況が変わってきたのに伴い、退院して地域で生活する人が出てきました。過疎地から出てきて、刀根山病院を拠点に、病院付近にて地域生活をしようとする方や、若い患者の中にも退院して、重度訪問介護を使って地域生活に移行する方はいますが、かなり重度化してから入院してきた場合、また退院していくのはなかなか難しいと話していました。

◇依田雍子氏
 依田さんには、自閉症である45歳の息子さんがいます。コミュニケーション能力は高く、自分で電車に乗ったり、レストランで注文したりすることは出来ますが、社会との関わりという点では、どうしても社会性が身に付くことが難しく、かつては「親の躾が成ってない」と言われて苦労したといいます。
 依田さんが従来感じていたのは、「入所施設は本人の幸せのためでなく、親の安心のための存在という性格が非常に強い」ということです。相模原事件を切っ掛けに、マスコミ等から意見を求められるようになりましたが、「入所施設は悪だ」とハッキリ言い切れない親の心情も存在しているようです。それでも、「施設を永住型にしてはいけない」という考えはあって、神奈川県としての考えにも反映させてもらったとのことです。やはり一緒に地域で暮らさなくてはならないと、依田さんは思っています。(障害者と)出会った事が無い、知らないというのが、偏見や差別を生むからです。

◇徳山辰浩
 徳山は中学3年の夏休みの時にプールで事故に遭い、一瞬にして首から下が動かなくなりました。診断は頸椎損傷。3年間入院して、ようやく家へ帰りましたが、家には前の道から入口までに急な階段があり、外出するのは困難でした。
 徳山は相模原事件について、非常に根が深く、考えさせられるものだと話していました。犯人が障害者との関わりが無くて偏見を持っていたのではなく、施設で働き、障害者と関わった上で、国に手紙まで出し、犯行に及んだというのは、大変ショッキングなことだと語りました。犯人は、「意思疎通が出来ない人間は人間ではなく、心を持たない存在。そういう人は生きていても価値がない」という考え方に絶対的な信念を今も持っています。こんな考え方に対し、「違うんだぞ!」と声を上げていかないと、こんな間違った考え方が浸透してしまう恐れがあります。

◆障害者は排除される存在なのか
 これは、逆の角度から現実の社会状況を言い当てています。優生保護法下での、「強制不妊手術」は、言わば法の力による障害者排除です。漸く訴訟が起きたことで、この問題の社会認知が進んできましたが、国は、強制不妊が行われた当時は優生保護法が合法であった事を盾に、「控訴棄却」を申し立てています。国会でも「救済」は議論されても、「優生保護法」の「違憲性」と、「強制不妊手術」の犯罪性を認める動きは出て来ていません。これも、障害者が今なお「排除」されていることの証だと見なします。
 以上、5回に亘って市民講座「みんなで語ろう 命シリーズ」を開催してきました。5回の講座を通じて、多数の参加者やシンポジストの方にご来場頂きました。本当に有難うございました。
(担当:大岩)


カミングアウトについて考える
2018年度市民講座報告
  
 近年、発達障害やLGBTなど、マイノリティな属性のカミングアウトが話題になっているのを受けて、表題のテーマで講座を行いました。第一部では、「NPO法人バブリング」の網谷勇気さんより講演して頂きました。そして第二部では、自立生活センタースクラムの姜博久さん、当センタースタッフの瀧本・根箭によるパネルディスカッションを行いました。

【網谷勇気さん】
 「NPO法人バブリング」は、カミングアウトをテーマにした活動を展開しています。自分のマイノリティ(属性)と向き合い、大切な人に打ち明けると決心をした当事者に対して、その応援をすることを使命としています。カミングアウトストーリーを発信
 バブリングの活動の一つに、「カミングアウトストーリーの紹介」があります。これは、目には見えない属性を抱える人を探してインタビューを依頼し、承諾を得られれば実行して、内容をウェブ上で発信するというものです。網谷さん曰く、「狙いはマジョリティへの認知を拡大し、社会の意識を変えること」。特に子どもと関わる仕事をしている人については、気付きの機会を与えることで、もし子どもに何らかのマイノリティがある場合、適切に関われる可能性が生まれます。

網谷さんのライフヒストリー
網谷さんはLGBT当事者で、ゲイです。気付いたのは中学生の時で、最初は「これは何なんだろう?」と思いました。辞書で調べてみたところ、「同性愛=異常性愛」と書かれており、「異常」という言葉に強いショックを受けました。その一方で、中学生の頃は「もっと大人になったら同性愛も治って、異性愛者に変わるんじゃないか?」と、思っていたそうです。しかし実際には〝治る〟筈がなく、絶望のあまり自殺さえ考えましたが、「死ぬぐらいならいっそ」と思い、仲の良かった男友達にカミングアウトしたところ、スッと受け入れられました。「だから今がある」ということです。

【姜博久さん】
 姜さんは脳性麻痺で電動車いすに乗っており、在日韓国人でもあります。身体的には、車いすという時点でカミングアウトしている状態ですが、元々は自力で歩いていました。その時は自らを障害者だとは実感しておらず、寧ろ歩行が不自由なことに対して、「もっと普通に歩かないといけない」と思っていたそうです。在日であることについては、元々は日本名で生活していました。本名を名乗るようになった切っ掛けは、障害者運動に関わり始めたことです。運動に加わって最初に与えられた課題が、「在日韓国人であるために、年金をもらえていない障害者がいる」という問題に対して、自らの名前もあげながら訴えていくことだったのです。「在日」に特化した差別問題に、日本名を名乗りながら取り組むのは筋が通らないと感じ、本名を名乗ることに決めたのです。
 
【瀧本香織】
 瀧本は先天性多発性関節拘縮症という障害があり、電動車いすを使用しています。ある時、SNS上で仲良くなった人と実際に会いました。SNSでの自己紹介に、瀧本は自分の障害のことを書いていませんでしたが、相手の人は瀧本を見て一瞬驚き、直後に不機嫌になってしまいました。結局、その人と再び会うことは無く、瀧本はその経験を機に、SNSのプロフィールに障害者であることを書くようになりました。一方、「車いすの人は絶対に座ったままである」と思い込む人もいるようです。ある場所を利用するための手続きをした際、瀧本はイスに移乗したほうがものを書きやすいので、ただ普通に車いすから立ち上がったところ、カウンターの人は引っ繰り返らんばかりに驚きました。

【根箭太郎】
根箭は13年12月(当時40歳)に、広汎性発達障害・ADHDと診断されました。自ら望んでIQテストを受けた結果、「疑いの余地無し」と診断が下ったのですが、望んだ背景には、業務環境を巡る変化があります。当時、制度が大きく変わり、以前から就いていた職種の指す内容やルールが複雑・多岐化しました。到底適応出来るレベルではなく、診断が下り、自分の職場へのカミングアウトは早々に出来ました。しかし、多くの他機関と絡む義務が発生したことにより、一歩外に出れば、そう簡単にカミングアウトは出来ない空気を、感じざるを得ませんでした。結果、自らに障害受容禁止令を出しましたが、後日、配置換えが実現し、禁止令も解禁出来ました。

 当日、災害と認定されるほどの猛暑の中、ご参加下さった方々、本当に有難うございました。
(担当:根箭)


CIL豊中 2018年度通常総会報告
事務局 

 去る6月17日(日)、当法人事務所にて特定非営利活動法人CIL豊中2018年度通常総会が開催されました。10時30分に開会宣言、徳山理事長による開会挨拶の後、徳山理事長を議長として審議が始まりました。各議案の朗読・説明・質疑を経て議案は全て原案どおり承認可決され、12時15分に閉会しました。
議事
 第1号議案 2017年度事業報告及び決算の件
 第2号議案 定款変更の件
報告事項
 2018年度事業計画及び予算

《2017年度事業報告及び決算》
 2017年度は、障害者総合支援法における在宅福祉サービスとして、居宅介護、重度訪問介護、同行援護、生活介護、計画相談支援、地域相談支援を行った。地域生活支援事業として、移動支援、豊中市重度障害者入院時コミュニケーション等支援事業、豊中市障害者相談支援事業を行った。児童福祉法における在宅福祉サービスとして、放課後等デイサービス、児童発達支援、障害児相談支援を行った。介護保険における在宅サービスとして、訪問介護、介護予防訪問介護、介護予防・日常生活支援総合事業訪問型サービス事業、訪問看護(医療保険含む)、介護予防訪問看護を行った。また、豊中市障害者外出支援サービス事業、点字名刺事業、自立生活体験室、豊中市障害者基幹相談支援センターの相談事業を行い、障害を持つ人の地域生活の支援を行った。
 障害児通所支援事業所「ボーイズ&ガールズ」が重症心身障害児(者)多機能型通所事業所として再出発しました。重度障害児(者)の地域生活を支える数少ない社会資源としてサービスの充実に努めました。
また、豊中市重度障害者入院時コミュニケーション等支援事業を開始し重度障害者の入院中のサポートを行いました。
 2016年に起きた相模原事件を受け、障害者の「命」を共通テーマとして様々な立場の方々と語り合おうと全5回連続市民講座を開催しました。毎回様々な講師やパネリストの熱い講演と共に、会場参加者と本音で語り合いました。
 また、障害者自立支援協議会や相談支援等連絡会、障害支援区分認定審査会、医療系会議などに委員として参加し、地域福祉の充実に力を注いだ。

■豊中市障害者相談支援事業
(豊中市委託事業)
 ・障害者及びその家族等が地域生活をしていくための相談及び支援相談
  支援件数 2,033件
 ・市民講座「みんなで語ろう」
  シリーズ4回
 ・自立生活プログラム講座
  全4日
■自立生活体験室 宿泊利用2泊、
デイ利用65回
■豊中市障害者基幹相談支援センター相談事業(豊中市委託事業)
 相談支援専門員1名派遣
■豊中市障害者外出支援サービス事業(豊中市補助事業)
 運行回数2,455回
■点字名刺の作成販売 作成枚数1,640枚
■障害支援区分認定調査     調査件数1件
■計画相談支援     利用者数43人
■障害児相談支援 利用者数7人
■地域相談支援     利用者数1人
■障害者総合支援法介護サービス     派遣時間125,617時間
■生活介護     通所回数376回
■放課後等デイサービス     通所回数1,274回
■児童発達支援     通所回数54回
■介護保険法介護サービス 派遣時間6,441時間
■訪問看護サービス 訪問回数4,945回
■介助サービス(制度外) 派遣時間278時間
■クリスマスパーティー     参加者数147人

《定款変更》

 特定非営利活動促進法(NPO法)の改正にともない定款の変更が必要になりました。
 特定非営利活動法人CIL豊中定款を下記の通り変更する。
【変更前】
(公告)
第52条 この法人の公告は官報により行う。
【変更後】
(公告)
第52条 この法人の公告は官報に掲載して行う。但し、法第28条の2第1項に規定する貸借対照表の公告については、内閣府NPO法人ポータルサイト(法人入力情報欄)に掲載して行う。

《2018年度事業計画及び活動予算》

 障害者総合支援法における在宅福祉サービスとして、居宅介護、重度訪問介護、同行援護、生活介護、計画相談支援、地域相談支援を行う。地域生活支援事業として、移動支援、豊中市重度障害者入院時コミュニケーション等支援事業、豊中市障害者相談支援事業を行う。児童福祉法における在宅福祉サービスとして放課後等デイサービス、児童発達支援、障害児相談支援を行う。介護保険における在宅サービスとして、訪問介護、介護予防・日常生活支援総合事業訪問型サービス事業、訪問看護(医療保険含む)、介護予防訪問看護を行う。また、豊中市障害者外出支援サービス事業、障害支援区分認定調査、点字名刺事業、自立生活体験室、豊中市障害者基幹相談支援センターの相談事業を行う。
 2018年度は、障害福祉サービス・介護保険・医療保険の改正が全て重なる年になります。これらの改正に適切に対応すると共に、必要な人材を確保・育成し、障害当事者一人ひとりを尊重した支援を行っていきます。
 また、障害者自立支援協議会や相談支援等連絡会、障害支援区分認定審査会、医療系会議などに引き続き委員として参加し、地域福祉の充実に力を注いでいく。
 本年度予算は約520,000,000円


CIL豊中のホームページがリニューアルされました!

 皆さんは、CIL豊中のホームページをご覧になったことはありますか?
 講座やクリスマス会の報告、ILPルームのご案内に各事業の紹介など、これらの他にもたくさんの情報が載せられています。そんなCIL豊中のホームページが今年の4月半ばに、全面リニューアルされました!
 リニューアルの目的はというと、昨今のスマートデバイス(スマートフォンやタブレット)に対応するためです。
一昔前まで、ホームページを見ると手段といえば、パソコンしかありませんでしたが、今では多くの方が気軽に自分のスマートデバイスでホームページを見るという社会になりつつあります。ですが、そんな便利なスマートデバイスは、パソコンに比べて画面が小さいので、今までのパソコン用のホームページをそのままで見ると、実はものすごく小さい文字で表示されてしまうなど、とても不便なのです。そこで、今回のリニューアルは、時代の変化に対応し、皆さんがより楽にホームページを見られるようにするということを目指しました。もし機会があれば、パソコンからだけではなく、一度スマートデバイスからも覗いていただけると嬉しいです。

新着情報が分かりやすく!
 さて、CIL豊中のホームページのトップページをご覧になると、まずメニューがあり、その下に『新着情報』があります。そこを見ると新たに追加された内容が一目瞭然。そして、新たに設けられた『PICK UP(ピックアップ)』には、これから開催予定の主催講座の告知や、イベントの情報が載せられています。なので、この2カ所をチェックしていただければ、新たに更新されたページを探さなくても見逃すことはありません!

そして、思いをメッセージに
 今回、追加された内容に、理事長、そして各部署の管理者からのあいさつが載せられています。ぜひ一度読んでいただき、それぞれの思いを感じていただければと思います。

 この広報誌『CIL豊中通信』も、ホームページに載せていますよ☆
(PDF版・テキスト版があります)
アドレス http://www.ciltoyonaka.com/
(担当:西村)


豊中地域情報ばびゅーん!!
長内新市長 豊中を語る

 今年4月、新しい豊中市長が誕生しました。
 長内繁樹市長です。
 当センターは豊中市委託事業を長年おこなっている関係上、多くの行政の方と関わりを持ち続けてきました。また、今から20年前、当時の一色貞輝市長が当センター(前身の団体の旧事務所)に来所されたこともあります。
 今回、CIL豊中通信として、市長〝突撃インタビュー〟を企画、去る18年7月13日に実施しました。障害福祉のことから、まちのこと、さらには長内さんご自身のことまで、いろいろお話を伺いました。
 取材者は、上田・根箭・瀧本の3名です。

Qまずは、豊中市のアピールポイントはどこでしょうか? 

 たとえば関東などに行って「大阪国際空港のある街」というと、「伊丹ね(伊丹は兵庫県)」って言われたりします(笑)。関東の人も豊中のことは、40万都市だからということで知ってくれていますが、ではどこにあるのか?までは分かってくれていません。
 教育文化都市で、便利な住宅都市という認識はされていますが、地形的な便利さだけをアピールするのではなく、もっと市民活動や由緒ある歴史的な部分も発信していきたいです。
 今年8月5日から始まる全国高等学校野球選手権大会が、節目となる第100回大会を迎えますが、第1回大会は、豊中市で開催されました。この100回大会にあたり、5月30日には、玉井町にある高校野球発祥の地記念公園で、地方大会の始球式で使用するボールの出発式が行われました。「高校野球発祥の地 豊中」として全国にアピールすることが出来ました。
 「便利なまち 豊中」以外の面でも、親しみを持ってもらえればと思いますね。一番は、「住み続けたいまち」になること。だからまずは「住みたい」「住み続けたい」まちということをアピールしたいです。

Q生きづらさの定義とは?
※「生きづらさを抱えている人たちにも地域で心配りができるよう、市民のみなさんと地域コミュニティーの活性化を進めていきたい」と発言されている記事を他誌で拝見して。

 生きづらさは、例えば私が上田さんを見て決めるものではありません。特定の人に言えるものではないと思います。「辛い」というのは自分が思うしんどさだから、私の独断で言えるものではないですね。
 障害がある人が、みんな生きづらさを感じているという訳ではないですし、障害のない人でも、生きづらさを感じている人は当然いるでしょう。
 人それぞれ持っている生きづらさに、定義はないですね。
 その人にとってのしんどい部分が辛い部分であり、それがずっと続いて、人生に影響を与えるとなれば、生きづらさになるのだと思います。その人の話を聞く上では、受け止めることが大切だと思っています。
 私自身も生きづらさを感じることはあります。だから「受容と傾聴の大切さ」については、自分と一緒に仕事をしている職員にも、研修の機会などに発信しているし、市長になる前、健康福祉部長や副市長だった頃から、大切にしていることです。

Q福祉分野等で、他市を見習うべきだと感じた面はありますか?

 尾道市が先駆的な取り組みをしています。
 病院から患者が自宅へ戻るときに、一人一人のケース会議を開くのです。そこには主治医と地域のかかりつけ医、訪問看護、ケアマネジャー、薬剤師、市の保健師と、あらゆる職種が集まって、患者の在宅生活を支えるためのチームアプローチが出来る体制を作ります。これを、医師会が筆頭に作っていて、大変理想的だと感じています。
 豊中でも「在宅での医療と介護、医療と福祉」、これらの接点をもっと深める、そのための仕組み作りをしていきたいです。
 豊中の特徴として、「虹ねっと」があり、ケアマネジャーと医師は、FAXでのやりとりで話ができる環境が出来ています。利用者の生活背景が分からなければ、ドクターも診断を下すことが難しくなってきます。そこで両者が、連携を深めるためのしくみとして虹ねっとが生まれました。
 ケアマネジャーがついている人だけではなく、子どもや障害のある人も、在宅で必要な時に主治医が来てくれる仕組みを作り、医療との接点を大きくしていきたいです。そのためには、バックアップとして、病院とのフォロー体制の強化が必要になります。
 安心して住みやすい福祉のまちづくりを進めていきたいと考えています。

Q医療的ケアが必要な児童や障害者の、社会資源の不足については?

 豊中の場合は、共に学び共に育つインクルーシブ教育が、昭和40年代から取り組まれてきました。
 医療的ケアが必要な児童も受け入れられるようになった教育現場において、一番キーポイントとなるのは、看護師です。
 看護師がいなければ、医療的ケアが必要な生徒が学校で過ごすことは、現状ではなかなか出来ません。
 看護師の確保は、人口減(少子化)で、なおかつインクルーシブでもあるべき現代において、一人一人の児童を大切にするため、ナショナルミニマム(国民生活環境最低水準)として、国が、医療的ケア制度の要としてきっちり定める必要があります。

Q幼いころ障害がある子と遊んだり、親しい人等に障害のある人はいますか?

 父親が転勤族で転校が多かったため、いろいろな人と知り合えました。小学校の頃、軽度の知的障害の子がいて、その子がからかわれているのを見ると、みんなで守っていました。
 みんなで一緒に学校生活をする中で、弱い者いじめなど、不適切な行為をする子に注意するという風潮が、当時(昭和40年代)はありましたね。
 その後、転校した先でも軽度の知的障害の子がクラスメートにいました。一緒にプールに行ったり、野球をする楽しい仲間でした。
 やがて社会に出て、いろいろ分かってきた中で、大切にしたいのは、“ダイバーシティ(多様な人材を積極的に活用しようという考え方)”です。性別や障害のある・なしなど、人には様々な違いがあります。その違いを排除するのではなく、認めていくことによって、新たな価値観や創造性を生み、発展させる、そのことを大切にしたいと思っています。
 もう一点、「障害は特性」という観点です。特性が障害になるのは、「人の視線や社会の環境によるもの」だと思っています。従って、「特性が障害にならないような社会」を創るための啓発を、しっかり行いたいと考えています。
 障害特性に対して、それが特別だとは思わないという周囲の理解、それに加えて、適切な支援、この2つによって、特性が障害ではなくなるということを大切にしていきたいです。

Q豊中の「共に学ぶ」教育のこれからについて、どのようにお考えでしょうか?

 「共に学ぶ 共に生きる」の観点から、何が本人にとって一番良いのか。現状、本人よりも親の意向で決めていることが多いと思います。本人に選択してもらうことが一番良いのですが、なかなかしづらい場合は、経験者を含めて色んな人にアドバイスを求めて決めていくのも良いと思います。
 本人にとって良い「共に学ぶ」環境を、みんなで考えることも大切です。たとえば小学校を選択する時は、本人はまだ小さくて、自分で選択することは難しいですしね。
 親と教師で一緒になって、本人にとって良い選択をするような相談支援体制を充実させていくことが必要だと思っています。

Q市長から発信したいことが あれば仰って下さい。  

 これからもいろいろな行事やイベントに参加して、市民の皆さんと一緒にふれあい、色んなお話しが出来ればと思っています。一人の市民としても一緒にイベントを楽しみたいですね。
 
◇おわりに◇
 市長に直接インタビューというのは、初めての体験でした。それだけに、取材前は非常に緊張していたのですが、市長は大変穏やかな語り口の方で、終始落ち着いた気持ちで過ごすことが出来ました。
 これからの市政の取り組みを、当法人としても関心を持って見守り、機会がありましたら、また〝インタビュー Part 2〟を企画してみるのも、面白いかも知れないと思っています。
 長内市長、このたびは公務でご多忙な中、貴重な時間を、本当に有難うございました。
(担当:瀧本)


事務所のつぶやきZ

かつ丼は出なかった

1コマ目:私が振り返っている。「相談支援をしていて印象に残っていること」
「殺す」などの言葉に耐性が出来た。拳銃(のちに偽物と判明)を発見出来た。などがあるが、一番印象に残っているのは・・・
2コマ目:眉がぶっとくて顔面にキズのあるいかついオッサン刑事が、目の前に座って私を睨んでいる。
3コマ目:オッサン刑事の後では、若い女刑事も腕を組んで立って私を睨んでいる。目の前には机と電気スタンド。威圧感半端ない。
4コマ目:実は4人の刑事にとっ囲まれて、ガチで取り調べを受けるシチュエーション。私は震え上がって「ひいい」
※最終的には皆さん優しかったです。

ダースベーターで思うこと

1コマ目:ダースベーターが語りかける「ダースベーターについて語って下さい」
2コマ目:一般人の回答「最強の悪役!」「ジェダイがダークサイドに落ちたんやろ?」
3コマ目:子どもの回答「ずーっとなぁ、スコー スコー してんねん」とビームを振り回しながら。
4コマ目:福祉関係者の回答「バッテリーは何時間もつの?」「生命維持装置の電力はどうなってるの?」めっちゃマジな関心ポイント。

漫画を引き継ごうとしてくれたが・・・

1コマ目:
男「あの~、漫画描くの引き継ごうと思ってて教えてほしいんだけど」
私「そうなんですか?(絵、苦手だったと思うけど)」
2コマ目:
男「漫画を描くには、ツールがあれば描ける?」
私「ペンタブ(マウスがペンタイプ)があれば描きやすいですよ」
男「それがあれば漫画が描ける?」
私「絵は描きやすくなると思いますが」
男「絵が描けないと無理なん?」
私「最終的にはそうですね」
男「ペンタブがあれば絵は描ける?」
私「絵は自身で描いて下さい」
男が必死過ぎて、私は引いている。「おおう!」
3コマ目:
男はがっかりして歩き去る「そっか。絵が描けないと無理か」
どうやら男は、ソフトを使えば漫画は誰でも描けると思っていたようです。
担当:玉井

CIL豊中の漫画家!玉井先生、今までありがとうございました。
さて、次回から事務所のつぶやきZはどうなるのか・・・お楽しみに☆


僕はホースセラピーをやりたい

 「アニマルセラピー」をご存知の方は多いと思います。でも、「ホースセラピー」はいかがでしょう?馬といえば競馬か時代劇で、セラピーというイメージはないかも知れません。しかし、馬のセラピーとしての力はすごく大きいそうで、セラピーの一つに、「障害者乗馬」もあるらしいのです。元々競・・・いや、馬が大好きな私の目は輝きました。乗ってみたい!!でも、重度障害者の私が馬に乗ることなんて出来るのか?そこで今回、「一般財団法人 ホースコミュニティ」の角居勝彦さん、福留健一さん、矢野孝市郎さん、「株式会社 日本サラブレッドコミュニティクラブ(TCC JAPAN)」の山本高之さんにお話を伺いました。

■アニマルセラピーって?
 日本ではあまり知られていませんが、海外では多くの人が受けています。動物を愛でることで得る癒やしによるQOL向上が目的となります。私は動物が大好きで、動物の動画を見るだけでも癒やされるのに、ムツゴロウさんみたいに「よーし、よしよしッ」ってモフモフしたらその癒やし効果は絶大でしょう(じゅるっ)。また、海外では「動物介在療法」といって、治療が目的となるものもあり、ドイツなどでは保険適用になる事例もあるようです。

■では、ホースセラピーって?
 アニマルセラピーの一つで、馬を使ったセラピーです。馬は大きい動物だし、愛でることなんて出来るの?と思われるかも知れませんが、実は大きな動物にしか出来ないセラピーがあるのです。それは乗ること!しかし馬に乗ることで、一体どういった効果があるのでしょうか。

■ホースセラピーの効果
 矢野さん曰く、馬は人の気持ちを理解する動物なんだそうです。言葉によるコミュニケーションは取れませんが、馬は人の気持ちを感じ取ろうとし、その動きは、人間関係に疲れた人達にとって、大きな癒やしになるといいます。
 また、身体面でも効果があり、それは乗ることによって得るそうです。馬に乗ると、人は必ずバランスを取ろうとして無意識に身体が動きます。また、乗った時の姿勢や馬の歩く振動は内臓にいい刺激を与えると、福留さんが話してくれました。
 福留さんは事故で脊髄損傷になったそうで、車いすでホースコミュニティの仕事をやっています。「身をもってホースセラピーの効果を感じている」福留さんを見て、私もますます乗ってみたくなりました。

■療育としての効果
 ホースセラピーには、障害児・者や高齢者に向けた「乗馬療育」があります。
 TCC JAPANでは、「PONY KIDS」という放課後等デイサービスで、乗馬療育に取り組んでいます。
 自閉症や発達障害の子供で、人とのコミュニケーションが苦手な子、自分に自信が持てない子がいます。馬を介することで、自然とコミュニケーションや距離感を感じることが出来ると山本さんはいいます。例えば、馬は嫌なことをされると、ダイレクトに態度で表し、乗馬してもちゃんと動いてくれなくなります。言葉を読み取るのが苦手な子でも、感覚的に馬を通じて気持ちを読み取ることが出来るのです。
 また、馬に乗ると目線が高くなり、これがすごく自信につながるらしいのです。不登校の子たちにも大きな効果があるのだとか。乗る前に馬房の清掃をするなど、馬と触れあう中で徐々に社会性も身につけることができる、それが乗馬療育です。

■引退馬支援
 ホースコミュニティやTCC JAPANでは、競走馬として競馬で走る馬の、引退後の支援もおこなっています。
 年間7千頭ほどの馬が中央競馬では生産されるのですが、その内、引退後に種牡馬になれる馬は、大きなレースで勝ったごくわずかな馬だけです。では種牡馬になれなかった馬達はどうなるのか。矢野さんは、地方競馬で第2の競馬へと繋げたり、乗馬クラブへ行ったりしていると仰いました。しかし、詳細はわからないのが現状だそうで、殺処分をされる馬もいます。
 ホースコミュニティでは「サンクスホースプロジェクト」といって、1頭でも多くの引退馬を次の職業へ繋げるための支援をしています。引退馬を受け入れ、岡山の「吉備高原サラブリトレーニング」でリトレーニングをしながら、その馬に合ったセカンドキャリアを見つけるのです。その資金は寄付金やふるさと納税のほか、TCC JAPANの「TCC FANS」という事業等で担っています。これは、競走馬時代のファン達がその馬の引退後、オーナーになって自分たちが支えていく事業です。それぞれの形で力を出し合い、引退馬を支援するプロジェクトが形作られていました。
 広報の活動としては、福留さんが委員長となる「サンクスホースデイズ」というイベントを、全国の競馬場や乗馬クラブで開催しているとのことです。

■ホースセラピーの課題とは
 角居さんは現役の、栗東トレーニングセンター調教師です。年間生産される7千頭という数は、世界で通用する馬を作る上で必要なボーダーですが、走れなくなった馬を殺処分する流れは、競馬ファンを離れさせる要因になりかねないと話す角居さん。調教師として、引退馬を助ける活動はなかなかやりにくいようですが、今の内にやらなくてはと考え、ホースコミュニティを立ち上げました。
 ホースセラピー全体としての課題は「効果のエビデンス」、「生業としての形」、「安全性の画一」等が挙げられます。全国にはたくさんのホースセラピーの団体があり、それぞれがこういった課題に取り組んでいます。団体としてはまだまだ若いホースコミュニティは、今必要とされる役割へと形を変えながら、「馬が身近な社会」への実現に突き進んでいるのです。

■僕は乗れるのか
 脊髄性筋萎縮症という、重度の障害がある私が乗馬をすることは、果たして可能なのか?矢野さんは、馬の歩く振動がその人の障害によってどう作用するかわからないから、医師との相談が必要だと仰いました。しかし心配無いということであれば重度の方でも乗馬を楽しんでいる方はいます。角居さんは栃木県にある「ピルエット」という乗馬クラブを紹介してくれました。ピルエットは運営者が医師で、乗馬療育者が介護の資格を持っていることから、全国でも一番、重度障害者に対応できる乗馬クラブだということです。現状、ほかに対応できるところは無く、乗馬療育というのは継続してこそ効果があることから、近くで、必要な体制が整った乗馬クラブの誕生が望ましいですが、まだ課題は多そうです。

■これからの形
 栗東で生まれ育ったけど、馬とは全く縁が無かった山本さん。しかし東京へ行くと、「栗東といえば町を馬が歩いている」とまで言われるほど、馬との繋がりを皆が感じていることが改めて解ったそうです。東日本大震災をきっかけに地域力の重要性を感じ、山本さんは誰もが住みやすい、馬と福祉を融合した町するため、栗東へ帰ってきました。そこで角居さんと出会い、ホースコミュニティとの連携を取っていったのです。これからの形として年度末に「TCC PARK RITTO」がオープンします。ここは、PONY KIDSの活動等がメインとなりますが、ゆくゆくは誰もが馬にふれあえる新しい形の施設へとなっていくとのことです。関西にそういった場所が出来るのは非常に嬉しいことですね。

■読者に一言
山本:私たちの馬を活用した活動が、障害の有無に関わらず、皆さんの身近な楽しみへと繋がるよう、頑張っていきたいと思います。
矢野:今は引退馬支援ということになっていますが、将来的には障害のある無しに関わらず、たくさんの人に馬を身近に感じて貰えるよう、活動していきたいです。もし近くで馬を見掛けることがあれば、是非触れ合ってほしいです。
福留:サンクスホースデイズのイベントを通して、多くの方に活動を知って欲しいし、障害のある方でも馬に乗れるんだということを知って欲しいです。
角居:馬を介したコミュニティーを作るのには壁があってはいけない。危険な動物というイメージは取り払われたい。障害があっても馬券を買う楽しみはあるべきだと思うし、きれいな馬が走る姿を見てみたいと思うから、先ずは全ての壁を取り払われるように。チビッコはチビッコだけ、成人は成人だけ、健常者は健常者だけ、障害者は障害者だけという分け方が本当に正しいのか、馬を介してそういう壁を取っ払う、一つの切っ掛けになってほしい。

■いつかは乗ってみたい
 今回のお話でホースセラピーについて様々なことを知ることが出来ました。私が大阪で乗馬をするには、まだ課題が多そうですが、いつか誰もがどこでも気軽に乗馬を楽しめる社会になればいいですね。
 私は諦めていませんよ!いつか必ず乗馬を体験してやる!!その時は必ず皆さんにも報告させていただきます。
 今回取材にご協力くださいました皆さん、本当にありがとうございました。
(担当:大岩)


投稿コーナー
みなさん、こんにちは!このコーナーでは、俳句・川柳・コラム・自立生活レポート・大喜利・写真で大喜利など、みなさんからの投稿作品をご紹介しています。今回もたくさんの投稿作品が集まりました。投稿して頂いたみなさま、本当にありがとうございました。各カテゴリで一番面白かった作品には「☆」が!?
※全ての作品をご紹介できない場合がございます。あらかじめご了承下さい。

短歌・俳句 シートヨ1

☆我が短歌の  上に星マーク 
 うれしくて         
 冊子抱きしめ 一人で泣きぬ 
〈岩國久美子 さん〉


○夢殿の 救世観音の 面差しに
 過ぎにし君の 面影重なる  
〈吉村史生 さん〉

○独り身は 年重ねても 気は若し
   機会有らばと 目を光らせり
〈阿志賀俊範 さん〉

川 柳       シートヨ2
☆ボウリング 新たな出会いは 
         スプリット 
〈犬太 さん〉

○四十肩 もとい頭は 始終馬鹿
  (完全 自虐ネタなり)   
〈最高位序二段 さん〉

○大正区 外出支援は 対象外 
○強風で 飛んで儲かる     
         屋根屋さん 
〈藤田ニコル さん〉

コラム シートヨ3

ぼくの日曜日
「障害」の受容
 
 原稿の締め切りが今日だというのに、700字あまり書き進めたところで白紙に戻したくなった。こんな時にかぎって、ややこしい話を取り上げたくて仕方がない。
 ぼくの日常生活の中で、目に見えるほとんどの部分の行為を「ヘルパー」が代行する。それは食事であったり、排せつであったり、お風呂や着替えや…、人として生きていく上で必ず完結させていかなければならない事ばかりだ。
 しかし、ちょっと我慢すればやり過ごすことができる場合や、ぼくにとってはとても大切なことでも周囲にとってはどうでもよいように見えることもある。
 「おしっこがしたい(させてほしい)」、なんてことはヘルパーの背中がどんなに忙しそうであっても、普通に声がかけられる。だが、「ラジオのダイヤル(放送局)を変えてほしい」などとなると、忙しい背中に声をかけることをためらってしまったりする。AMラジオファンのぼくは、曜日と時間ごとに聴きたい放送局が変わる。お願いできないうちにその番組の中で一番おもしろいオープニングトークが終わっていたりすると、取り返しがつかない後悔に襲われてしまう。
 障害者とヘルパーとのやり取り(関係)だけではなく、日常の様々な場面で相手を「ちょっと理解」しておくと心にゆとりが生まれる。ぼくのラジオ好きがそのヘルパーの情報にインプットされているか、いないかはかなり大きいことだろう。また、ヘルパーの性格をちょっと頭に入れておけば、声をかけるタイミングも変わってくる。
 プライバシーがどうとか、生活だからとか、仕事だからとか…、現代社会は枠組みや立場を優先させる。けれど、たまたま同じ空間にいて、同じ時間を共有できることの幸運をもっと大切にできればと思う。
もう一つ、障害のない人には解ってもらいにくいことがある。それは「たのむ」ことの面倒くささである。障害のない人が何かをしようとする時、脳からダイレクトに行動へ移すことができる。しかし、ぼくの場合は違う。それが一番顕著なのがパソコンの操作である。
たとえば、障害のない人が文章を入力しようとすると、頭に浮かんだ文をそのまま打ちこめばよい。ところが、ぼくにはいくつかの手順が必要になる。
まず、ヘルパーに一つの文章を言葉で伝える。ヘルパーはそれを打ち込む。それで終わればいいのだが、○○くんの「くん」はひらがながよいのか、漢字がよいのか、カタカナがよいのか、個人の好みはあってもこういうのは場合によって使い分けるので「必ず」はない。「ことやように」なども悩ましいし、句読点の打ち方なども、一人でできる人よりはるかにチェックの手間がかかる。また、言葉が聞き取りづらいこともあって、伝えた文章とまったく異なる内容が打ち込まれていたりもする。
もっと些細な場合でも、伝えて「代行」してもらわないといけない面倒くささはつきまとう。ちょっと足を曲げてほしいとか、ちょっと目クソを取ってほしいとか、服のボタンを一つはずしてほしいとか、やり過ごせることがあると「まぁいいか」と頼むことをやめてしまうことがときどきある。
それは「遠慮」とは異なる。なかなかぼくのイメージ通りにしてもらえそうにないヘルパーが付いたりすると、説明やなんやかんや本当に面倒くさいのだ。
ぼくはヘルパーに気遣いはしても、遠慮をすることはない。「こいつには何でも話せるな」と直感すると、関わりの浅いヘルパーにも本音で話してしまう。そうして、一人ひとりと関係を継続させている。
うまくいったり、いかなかったりの連続で仕事や生活は続いていく。ときどき立ち止まりながら、何故うまくいくのか、うまくいかないのか?ぼくと仕事や生活を支えあう人たち(支援は一方通行ではなく、双方向に存在するものだから)と試行錯誤しつつ「考える」時間を大切にしていきたいと思う。

お知らせ
 19年2月23日 岡町の伝統芸能会館で行われる「劇団金夢太郎飴」の公演でメインキャストを務めます。ぜひ、スケジュールに入れておいてください。詳細は劇団金夢太郎飴のブログをチェックしてください。よろしく。
〈海帰 優人 さん〉
     
大喜利  シートヨ5


「次回オリンピックから
新しく加わる競技とは??」

☆ミニ四駆マラソン      
○バイオハザードサバイバル  
〈ゲーハー さん〉

○ふうせんバレー       
○体操競技 つり革       
〈最高位序二段 さん〉

○トイレ掃除         
○羽子板ラリー        
○四国88箇所巡礼       
〈藤田ニコル さん〉

○1100mハードル     
〈猫 背太郎 さん〉


写真で大喜利 シートヨ6

○新ユニット「下り坂46(フォー ティーシックス)」のプロモーシ ョンビデオの撮影風景です  
〈マサヒローネ さん〉

○我々は異次元からやってきた。
☆集団感電          
〈藤田ニコル さん〉

○宝塚歌劇に対抗して、新しい歌 劇団をつくりたいのですが
〈シベリア歓喜団 さん〉
○大谷の160㎞ストレートを 
   必死で 避ける人々   
〈ゲーハー さん〉

○理事長がきたぁぁあああ   
〈犬太 さん〉

○運動不足解消レッスン 中級編、18倍速で撮影  
○本番では電飾を身に付け、人間
 イルミネーションをしました 
〈最高位序二段 さん〉

○お兄ちゃん         
〈お兄ちゃん さん〉

○最先端VR技術採用     
〈猫 背太郎 さん〉


《投稿作品大募集》   
CIL豊中通信では、みなさんからの投稿作品を大募集しております。

◆俳句・短歌    応募番号1  
 テーマは自由
◆川柳       応募番号2  
 テーマは自由 
◆コラム      応募番号3  
 400字から1200字
◆自立生活レポート 応募番号4  
 400字から1200字
◆大喜利      応募番号5  
 お題 家政婦は見た!何を見た!?
◆写真で大喜利   応募番号6  
 お題

《応募方法》      
郵送、FAX、メール、Twitterのいずれかの方法で、ご応募いただけます。
必要事項 ①お名前 ②ご連絡先
③応募番号 ④投稿内容
郵送での応募 ハガキまたは手紙に必要事項をご記入の上、左記の送付先までご郵送下さい。
【送付先】〒560-0033 大阪府豊中市蛍池中町2-3-1-305 豊中市障害者自立支援センター CIL豊中通信投稿コーナー係
FAXでの応募 用紙に必要事項をご記入の上、次のFAX番号までお送り下さい。
【FAX】06-6857-3602
メールでの応募 お使いのメールより必要事項をご記入の上、左記アドレス宛てにお送りください。
【アドレス】tuusin@ciltoyonaka.com
Twitterでの応募 CIL豊中のアカウントをフォローしていただき、ハッシュタグ(#シートヨ〔応募番号〕※俳句の場合は #シートヨ1 となります。)を付けてツイートしてください。【アカウント】@ciltoyonaka


哲珍の部屋
   
 今回も、おっさんぽい事言います。もちろんおっさんは自覚しています。今回は障害のある子を持つ親御さんについて思ったことです。
 子供の時から色んな親御さんと接して来て、感じて来たことなので。

 昔、若かったお母ちゃんには、若いお母ちゃんを責めない、羨ましまない。
 振り返りを武勇伝にしない。
 今の制度が善いと思わない。
 若いお母ちゃんに、もう一歩優しく歩み寄る。

 若いお母ちゃんには昔、若かったお母ちゃんの背中を少しは見る。
 お母ちゃん自身の人生も大事やと思うけど、制度の動向は把握する。
 面倒だとは思わずに、親の団体に関わっていく。
 若いお父ちゃんには、仕事を理由に育児をお母ちゃんに任せきりにしない。面倒だとは思わずに、親の団体に関わっていく。
 最低限度やってほしいことだ。

 「自立(生活)とは、どこに住むか、いかに住むか、どうやって自分の生活をまかなうか、を選択する自由をいう。それは自分が選んだ地域で生活することであり、ルームメートを持つか一人暮らしをするか自分で決めることであり、自分の生活(日々の暮らし、食べ物、娯楽、趣味、悪事、善行、友人等々)すべてを自分の決断と責任でやっていくことであり、危険を冒したり、誤ちを犯す自由であり、自立した生活をすることによって、自立生活を学ぶ自由でもある。」

 前回も記載した、世界初の障害者情報誌『リハビリテーションギャゼット』の「自立」についての定義のようなもの。この言葉、親御さん等にも響いてほしい。

 声挙げな、福祉制度は悪くなるし。
 声挙げな、国や府や市の福祉行政は、行政に都合よく振舞ってしまう。
 
 親御さん等が集まって団結して声挙げてきたから、行政が仕方なく制度を構築してきた時代もある。
 障害者を取り巻く環境もまだまだ未完なもの。親御さんたちも今一度、団結して行政に一緒に声を挙げてほしいものだ。
(担当:上田)
 


ねや散歩 part.6 ハナ散歩
ねやたろう
 私はタイトルが示すとおり、散歩が好きな人間であるが、普段は歩くよりも、電車やバスに乗り回すことがメインの「乗り歩き」をしている。
 一つだけ、純粋に「歩く」散歩をする時間がある。実家にいる愛犬ハナの散歩だ。週に大体3回、日頃散歩に行ってくれている母親に代わって連れて行くのだ。ただ、最近はハナも年を取ってあまり歩かなくなり、近所の公園を中心に精々20分ほど。かつては遠くまで、1時間以上歩いていたものだ。今もたま~に長く散歩をすることがある。
 話が急に変わるが、インターネットで、発達障害者への介助犬に関する記事を読んだ。アメリカの話であるが、或る11歳の発達障害者のもとに、介助犬が提供された。提供元である訓練施設は、全ての「見た目には判らない障害者」に、介助犬を提供しているそうである。この当事者は特に物の音に過敏で、一人で外に出ることを大変嫌っていたのだが、記事内では学校で当人が何かの課題に取り組み、その足下で介助犬が待機している様子が、写真で紹介されていた。
 この記事から読み取れることは、日頃、人間社会では刺激に過敏な発達障害者にとって、犬の存在は癒やしになるだけでなく、大変心強いということである。
 翻って我が人生を振り返ってみたとき、犬が身近にいない時はほとんど無かった。散歩も幼少より日常的で、友達付き合いが苦手だった私には、犬は心の生命線と言えた。親も段々年を取ってきた今、ハナは「ラスト愛犬」となる。
 最近そのハナに、ある変化が生じている。床で寝転がっているハナに私が近寄ると、ちょっと前までならお腹を丸出しにして〝添い寝〟を受け入れ、それが私には至福のひと時だったのだが、最近、誰が触っても激しく嫌がるようになったのである。元々ハナは歴代の犬に比べ、触られるのが好きでない傾向はあったのだが、それが顕著になってきたようだ。
 犬の専門職の人の話では、「老いによる変化」ということである。確かにハナは現在13歳、老犬ではあるが、長生きしたほかの犬は、誰一匹そんなことはなかった。まあ、犬にも性格はある訳だからそういうことか。仕方のない話だが、わたしゃ正直寂しいよ。


☆☆☆サービスのご案内☆☆☆
ヘルパーステーションCIL豊中
訪問看護ステーションCIL豊中
TEL06(6840)8195 FAX06(6840)8196

障害者総合支援法介護サービス
障害者総合支援法によるホームヘルパー、ガイドヘルパー派遣。
◇サービス提供範囲 豊中市及び近隣地域
◇サービス提供時間 24時間365日
介護保険訪問介護・総合事業訪問介護相当サービス  
介護保険によるホームヘルパー派遣。
◇サービス提供範囲 豊中市
◇サービス提供時間 24時間365日
介助サービス
 障害者(豊中市在住)の自立支援を目的とした、制度外サービス。
◇介助料
 【一般介助】1時間1,200円【その他】旅行介助
  介助者にかかる交通費及び宿泊費等は利用者負担です。
◇キャンセル料 当日キャンセル半額
※条件の合う登録介助者が見つからず、御希望にそえない場合があります。
訪問看護サービス
看護師等が家庭に訪問し、在宅療養の支援をします(医療保険、介護保険)。
◇サービス提供範囲 豊中市及び近隣地域
◇サービス提供時間 月曜~土曜9時~18時

ボーイズ&ガールズ
TEL06(6843)5580 FAX06(6843)5590

重症心身障害児(者)多機能型通所事業所
 放課後等デイサービス・児童発達支援・生活介護
◇サービス提供範囲 豊中市及び近隣地域
◇サービス提供時間 児童通所11:30~17:00 生活介護10:45~15:30
休み:日曜・木曜、祝日、年末年始

豊中市障害者自立支援センター
TEL06(6857)3601 FAX06(6857)3602

豊中市障害者相談支援事業(無料)
 障害者やその家族等の相談等支援をします。
◇福祉サービスの利用援助
◇社会資源を活用するための支援
◇社会生活力を高めるための支援
◇ピアカウンセリング
◇権利擁護
◇専門機関の紹介

自立生活体験室
 障害者の方が、自立生活を体験してみる部屋です(介助者の方は無料)。
◇宿泊利用 1泊1,500円 ◇デイ利用 1回(5時間まで)750円

計画相談支援・障害児相談支援・地域相談支援(無料)
 サービス等利用計画の作成、地域移行支援、地域定着支援等。

豊中市障害者外出支援サービス
 車いす対応車を運行し、一般交通の利用が困難な障害者の社会参加を支援。
◇利用対象者は、豊中市内に住所を有し、次のいずれかに該当する15歳以上65 歳未満の人、概ね6歳以上15歳未満で車椅子使用の人、65歳以上で豊中市 高齢者外出支援サービス『ほのぼの号』の対象にならない人です。
 ①身体障害者手帳1・2級(下肢、体幹、視覚、内部)を所持している人。
 ②療育手帳Aを所持している人。
 ③腎臓機能障害で透析治療を受けている人。
 ※入院、入所中の人は利用できません。
◇利用日時 午前9時から午後5時(年末年始12/29~1/3を除く)。
◇利用回数 月4回まで利用できます。
◇利用料 4㎞未満300円~20㎞以上2,500円
◇利用区域
 豊中市及び隣接市(大阪市南部を除く)及び特定施設
◇キャンセル料 当日キャンセル300円

点字名刺(送料は一律270円)
◇片面名刺印刷と点字打ち込みの場合 10枚400円
◇両面名刺印刷と点字打ち込みの場合 10枚500円
ロゴ・イラスト又は写真入りの場合は10枚につき50円の加算となります。


~各部門だより~

ボーイズ & ガールズ
おかげさまでリニューアルから2年目。いつも、利用者さんとお出かけしたり遊んだりしていると、時間が過ぎるのがあっという間に感じます。そんなデイの様子を写真付きのおたよりにして、毎月利用者のみなさんにお配りしています。読み返すと、さまざまな活動に取り組んできたなぁと、ほっこりします。そんな思い出を作っていけるよう、これからもいろんな活動に取り組んでまいります。

ヘルパーステーション
地震に豪雨、台風に猛暑、さまざまな自然災害が起きた夏も過ぎようとしています。公共交通機関、ライフライン。止まることによって改めてあたりまえの大切さを痛感しました。これ以上、何も起きないでくれたら・・・と願うばかりです。

訪問看護ステーション
6月18日大阪北部地震、7月大雨で交通網ストップ、そして、何と言っても猛暑!そのあとには、経験したことのないレベルの強風の台風21号と本当に災害続きでしたが、幸いご利用者様もスタッフも大事に至ることなく、過ごせていることに感謝です。今後も日本全国油断出来ない状況ですが、臨機応変にみんなの安全を考えなければと思いました。各自出来る事から取り組んでいきましょう! 

事務局
地震や台風の被害にあわれた皆さま。日常が戻っているでしょうか?先日の台風での停電、呼吸器や吸引器を使用している方々は、命にかかわる事態でした。水が出ない、ガスが使えないなど、不自由な生活だったと思います。でも皆さまが無事で本当によかったです。事務はパソコンを使っての業務が8割なので、停電が長引いていたらお手上げでした。これ以上災害が起こらないよう祈るばかりです。

支援センター
人手不足です!猫の手でも借りたい。。。


編集後記
編集長 根箭太郎

 前のページでも何人か触れておりますが、先の台風21号。私自身も、今までの人生では最長時間の停電を体験しました。また、北海道地震でも、ライフラインなどが段々復旧してきているのは、良かったなと思います。
 今回の広報誌52号、特集は至って真面目な、重要な話を取り上げたのですが、少しふざけ過ぎたキャラクターが暴走したようであります(笑)。難しい話でもあるだけに、少しでも読者の皆さんに入って頂きやすく、カタさを感じさせない記事に仕上げようと、或る意味、非常にこだわったものとなりました。さて、手に取ってご覧になった感触や如何に? 
 表紙も、なお一層ハジけた印象でありますが(汗)、辛口でも結構ですので、もし何か感想がありましたら、どんどん編集部までお寄せ下さい。
 サブ特集としては、CIL豊中通信としては初めて、市長が登場致しました。ほかには馬の記事や、犬の話と、動物が出てきたり・・・・・・。まあ、こんなご時世です。いろんな意味で、“安心”が少なくなってきたと感じざるを得ない世の中ですが、一つ、動物と触れ合って癒やされてみるのも、良いかも知れませんね。
 次回は来年3月号になります。だから気が早いですが、良いお年を。

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